将棋を心から愛し、将棋の普及にも全力を尽くす。棋士・中村太地 30歳。
イケメンで身長が高くて性格が爽やか。さらに将棋が強いとあれば…中村太地に会ったことがある人なら、その完璧さに誰もが嫉妬してしまうだろう。
そんなパーフェクトな印象がある中村でも将棋の神様は試練を与えたのか、羽生善治に阻まれ続け、タイトルホルダーまでの道のりは決してスムーズではなかった。ようやく3度目となる挑戦(第66期王座戦)で、羽生という高き壁を乗り越え初戴冠となった。
中村が選んだ甲冑は「愛」の兜で知られる直江兼続。将棋だけではなく、将棋界の全てを愛し、その普及に務める30歳が考える将棋への向き合い方とは。(編集部)
1988(昭63)年6月1日、東京都府中市出身の30歳。故米長邦雄永世棋聖門下。06年4月四段。タイトル戦登場回数は4回。17年、2度目の王座戦挑戦で羽生二冠(当時)を3勝1敗で破り悲願の初タイトルを獲得。端正な顔立ちと高身長のルックスから「東の王子」とも。血液型B。順位戦B級2組、竜王戦3組在籍。
―二次予選で斎藤慎太郎七段を下し、初の王将戦挑戦者決定リーグ戦入りを決めました。率直な感想をお聞かせください。
棋士になって13年くらい経ちましたが、初めて王将リーグに入れることができて素直にうれしく思います。王将リーグというと、最高のメンバーが入るリーグというイメージなので、参加者として携われるのは光栄ですね。本当に厳しいリーグですぐ弾き返されてしまうこともあると思うので、しっかり食らい付いていきたいと考えています。
やっぱり出だしが大事だと思うんですよね。1戦目2戦目で勝つのか負けるのかで、「上を目指した戦いができるのか」「残留に向かって頑張って進むか」が変わってくると思うので、序盤を良い形で入れるようにしたいですね。
やっぱり出だしが大事だと思うんですよね。1戦目2戦目で勝つのか負けるのかで、「上を目指した戦いができるのか」「残留に向かって頑張って進むか」が変わってくると思うので、序盤を良い形で入れるようにしたいですね。
―参加される棋士のメンバーを見て、どんな印象をお持ちでしょうか。
もう愕然(がくぜん)としますね…(笑)。王将リーグは本当に厳しいですからね。全く隙のない強いメンバーなんですけど、子どもの頃からそうだったんですが、強い相手とやりたいという気持ちがあるので、リーグ戦という濃密な時間を過ごせるというのは、すごく楽しみではあります。
今まであまり経験したことがないくらい厳しい日程になると思うので、体調管理を含め、しっかりやっていきたいですね。でも、対局で忙しいというのは棋士冥利(みょうり)に尽きることですね。王座タイトルを獲ってから1年たつわけですけど、タイトルを獲った直後に負けが続いて、(今年の)春先くらいは結構ヒマで(笑)。順位戦だけというときもあって、少し寂しい感じもあったので。一気に忙しくなりそうですけど、対局で忙しいのはありがたいことだと思っています。
今まであまり経験したことがないくらい厳しい日程になると思うので、体調管理を含め、しっかりやっていきたいですね。でも、対局で忙しいというのは棋士冥利(みょうり)に尽きることですね。王座タイトルを獲ってから1年たつわけですけど、タイトルを獲った直後に負けが続いて、(今年の)春先くらいは結構ヒマで(笑)。順位戦だけというときもあって、少し寂しい感じもあったので。一気に忙しくなりそうですけど、対局で忙しいのはありがたいことだと思っています。
―ハードスケジュールの中で、どこまで想定して先のスケジュールを組みますか?
対局の予定は勝手に入ってくるので、研究会などをどうやって入れていくかが棋士的には難しいところですね。最新流行型に精通するためには研究会をやった方がいいと思うんですけど、対局に行って、次の日に研究会をやって、また次の日に対局となると疲れてしまうので。休む時間も必要だとは思うので、そのバランスをどう取るかですね。
対局は週1くらいが理想的だと僕は思います。ダレないし、忙しすぎないし。週2局になると、ちょっと忙しくなってきたな、ぐらいですね。とても忙しい人だと週3とかあるわけですよね。それに移動が伴うとやはり大変ですよね。関西遠征だったり、タイトル戦だと地方だったりとか。
対局は週1くらいが理想的だと僕は思います。ダレないし、忙しすぎないし。週2局になると、ちょっと忙しくなってきたな、ぐらいですね。とても忙しい人だと週3とかあるわけですよね。それに移動が伴うとやはり大変ですよね。関西遠征だったり、タイトル戦だと地方だったりとか。
―将棋界は実力伯仲の”戦国時代”ということで、甲冑(かっちゅう)を着用していただきました。直江兼続を選ばれた理由はありますか?
戦国時代や武将にあまり詳しくないのですが、大河ドラマ「天地人」を見ていました。もう10年以上前になるんですよね。歴史に詳しくないながらも授業などでも習ってきましたし、兜(かぶと)のところに「愛」の文字が付いているというのがかなり特徴的で、強い思いを持った武将なのかなという印象がありましたね。
―8人で8つのタイトルを分け合う時代です。タイトルホルダーの立場として将棋界の変化をどう感じますか?(インタビューは王位戦で豊島棋聖が二冠を獲得する前に行われた)
将棋界は今すごく面白い時期だと思いますね。8人が8タイトルを分け合っているというのが面白いですし、将棋を楽しむツールとかもすごく増えていますし、藤井(聡太)さんの活躍だったり、羽生(善治)さんの永世七冠だったり、いろんな話題が豊富で。技術的にもAIでが入ってきて変わってきていますし、本当に変化が多くてものすごく面白い時期だと思います。
―中村王座といえば、印象に残っているのが羽生先生との棋聖戦、それにタイトルを獲得した王座戦です。当時、跳ね返されたときの心境はどんな状態だったのでしょうか。
1回目の挑戦時は、夢に見ていたタイトル戦の舞台で、しかも羽生さんと戦えてうれしいという気持ちでした。タイトルを取りたいという気持ちでやっていたのですが、当然甘いものではなくて、厳しい戦いを予想していたとはいえ3連敗で跳ね返されてしまって、まだまだ実力が足りないんだと思い知らされたタイトル戦でした。
2回目は、何としてでも取りたい、と強い気持ちを込めて臨みました。内容的には自分でもいい将棋が指せたなという手応えがあったんですけど、本当にあと一歩のところで及ばず、すごく悔しい思いがありました。
「タイトル獲得というものがもう難しいんじゃないかな」「これだけ頑張って良い将棋が指せたのに届かなかったというのはもう厳しいんじゃないか」という気持ちにもさせられて。それからの王座のタイトル獲得までの4年間は、すごくつらかったんですけど、それでも腐らずにやろうと思って指していました。
4年間はタイトル挑戦に全く絡むことがなかったんですが、久しぶりに昨年の王座戦でチャンスが来ました。タイトルを取るんだったら、2回の借りがある羽生さんから取りたいなという気持ちがあったので、すごく良い機会が恵まれたなと思いました。今回もやれるだけのことはやろうと思って臨んで、負けを覚悟したことが何回もありました。また、将棋というのは本当に微妙な”あや”で変わるんだなと思いましたけど、幸いにして獲得できた、というところですね。
2回目は、何としてでも取りたい、と強い気持ちを込めて臨みました。内容的には自分でもいい将棋が指せたなという手応えがあったんですけど、本当にあと一歩のところで及ばず、すごく悔しい思いがありました。
「タイトル獲得というものがもう難しいんじゃないかな」「これだけ頑張って良い将棋が指せたのに届かなかったというのはもう厳しいんじゃないか」という気持ちにもさせられて。それからの王座のタイトル獲得までの4年間は、すごくつらかったんですけど、それでも腐らずにやろうと思って指していました。
4年間はタイトル挑戦に全く絡むことがなかったんですが、久しぶりに昨年の王座戦でチャンスが来ました。タイトルを取るんだったら、2回の借りがある羽生さんから取りたいなという気持ちがあったので、すごく良い機会が恵まれたなと思いました。今回もやれるだけのことはやろうと思って臨んで、負けを覚悟したことが何回もありました。また、将棋というのは本当に微妙な”あや”で変わるんだなと思いましたけど、幸いにして獲得できた、というところですね。
第65期王座戦第4局、羽生二冠(当時)を下し初のタイトルを獲得した。(写真提供:日本将棋連盟)
―今年は逆の立場でタイトルホルダーとして臨んでいますが、心境に違いや、周りの変化は感じることはありますか?
タイトル防衛戦というのは初めてのことです。“防衛して一人前”と将棋界ではよく言われるので、自分も”防衛に挑戦する挑戦者”として臨んでいるつもりです。僕は将棋のスタイルも攻めが好きで、守るとなってしまうと、ちょっと守勢となってしまうと思いますし。ただ、王座として上座に座って挑戦を受けるというのは、またひとつ感慨深いものはありましたね。
変化としては、今までに任されたことのない仕事をやらせていただく機会が多くなりました。ちょうど30歳になった年でもありましたし、こういう新しい経験ができたというのは、自分の人生の中でも大きかったと思いますね。
変化としては、今までに任されたことのない仕事をやらせていただく機会が多くなりました。ちょうど30歳になった年でもありましたし、こういう新しい経験ができたというのは、自分の人生の中でも大きかったと思いますね。
―具体的にどんな経験が印象に残っていますか?
人前で話す機会がとっても多くなりました。例えば講演で1時間話すとか、棋士数人で将棋イベントとかに出たときに、自分が代表としてあいさつをすることも増えました。競馬の騎手の福永(祐一)さんなど、別の業界の方と対談させていただく機会もあって。元々、まんべんなくいろんなことに興味がある性格なので、自分としてはすごくうれしい機会ばかりでした。
―30歳になって自分の中で変わったな、と思うことはありますか。
疲れやすくなったことでしょうか(笑)。20代はひたすらインプットする時期だと思っていろんなことを吸収して、30代ではそれを形としてアウトプットできるような時間にしたいなと思っています。まだ全然変わり切れてはいないですけど、この先の10年間で何かしたいなという気持ちはあります。
―佐藤天彦名人、豊島将之棋聖など、年齢が近い棋士からの刺激や、将棋界を背負っていこうという思いはありますか。
成績の面では常に刺激は受けていますね。やっぱり天彦さんがタイトルを取られたのは、僕が王座を獲得するに当たって大きな刺激にもなりました。豊島さんにも常に勝たれているので刺激を受けています。
あとは、同世代のみならず後輩たちの活躍もかなり刺激になっていますし、上の羽生世代の先生方が今もひたむきに将棋に打ち込んで結果も残されてというのも、これから先の自分の進むべき方向を考える上で刺激になっています。羽生世代の先生方が運営側に入られたりし始めているので、いずれは自分たちの世代も、将棋界に今まで育ててきてもらった恩を返す場面が来るのかなとは思います。
あとは、同世代のみならず後輩たちの活躍もかなり刺激になっていますし、上の羽生世代の先生方が今もひたむきに将棋に打ち込んで結果も残されてというのも、これから先の自分の進むべき方向を考える上で刺激になっています。羽生世代の先生方が運営側に入られたりし始めているので、いずれは自分たちの世代も、将棋界に今まで育ててきてもらった恩を返す場面が来るのかなとは思います。
―すでにさまざま場面で将棋連盟関連の仕事をこなされているイメージがありますが(笑)。
将棋棋士というのは「対局」と「普及」が2大公務になります。対局と同じくらい普及は大事なことです。つい当たり前に将棋が指せるものだと思っちゃいがちなんですけど、将棋が指せて“棋士”として生きていけるのは、当り前のことではありません。将棋ファンの皆様をはじめ、色々な方に支えていただいてることは常に意識しないといけないと思っていますね。
―ところで、普段から感情の起伏が少なく、いつも落ち着いているという印象があります。
よく言われます(笑)。でもすごく緊張しいです。テレビなどにも出させていただく機会が多いですけど、そのたびにメチャクチャ緊張してますよ。心臓バクバクですけど、見た目ではよく分からないとよく言われます。子ども将棋大会の開会のあいさつでもやたら緊張してしまったり…。幸いなことに顔にはあまり出ないんです。逆に楽しいときとかも表情に出なくて、本当に楽しんでいるか不安がられることもよくありますね。
―背が高くてとてもおしゃれにスーツを着こなしていますが、好きなブランドなどはありますか?時計もすてきですね。
今日着けている腕時計は、ポール・スミスですね。大学に入ったときに自分で買ったものなんです。「おしゃれかな」と頑張って買って(笑)。気に入っていて、対局のときも使ったりします。
服はユニクロも着ますし、これも「まんべんなく」、なんですよね。このブランドじゃないと着ないというのもないですね。私服だったら必ず1点はユニクロ入ってる気がします。ハイブランドのものを身に着けることもありますし、ポール・スミスも好きですし色々です。
服はユニクロも着ますし、これも「まんべんなく」、なんですよね。このブランドじゃないと着ないというのもないですね。私服だったら必ず1点はユニクロ入ってる気がします。ハイブランドのものを身に着けることもありますし、ポール・スミスも好きですし色々です。
―大学時代の論文で「政経スカラシップ」を取ったご経験がありますよね。当時の勉強は将棋に活かせるものでしたか?
投票行動を分析するゼミで、世論調査のデータを使って「原因と結果を探る、つながりを見いだす」という研究内容だったんですよね。無党派層について詳しい教授だったので、無党派層は政治的にどんな関心があるかを分析した論文を書きました。
ただ最初からそのゼミに入ろうと思っていたわけではなく、第一志望のゼミは面接で落ちちゃったんです(笑)。EUについて勉強するゼミだったんですけど。当時はEUがホットな話題だったんですよね。
なぜ受けていたかというと、原因と結果を探るというのは将棋にも通ずるし、すごく面白そうだなとは思っていたんです。でも統計学の分析なので数学的な頭を使うイメージがすごくあって。高校時代の数学がそこまで得意じゃなかったので難しいかなと思って避けていたんですけど。入ってみたらそんなに難しい数式を扱うこともなく、分析もPCソフトがやってくれたので結果的にはやって良かったと思います。
ただ最初からそのゼミに入ろうと思っていたわけではなく、第一志望のゼミは面接で落ちちゃったんです(笑)。EUについて勉強するゼミだったんですけど。当時はEUがホットな話題だったんですよね。
なぜ受けていたかというと、原因と結果を探るというのは将棋にも通ずるし、すごく面白そうだなとは思っていたんです。でも統計学の分析なので数学的な頭を使うイメージがすごくあって。高校時代の数学がそこまで得意じゃなかったので難しいかなと思って避けていたんですけど。入ってみたらそんなに難しい数式を扱うこともなく、分析もPCソフトがやってくれたので結果的にはやって良かったと思います。
―とても礼儀正しい印象を受けますが、ご両親や師匠の教育が厳しかったのでしょうか?
親の教育が厳しいという印象はなかったですね。自分で考えてやりなさい、というような感じでしたね。師匠(米長邦雄永世棋聖)も直接どこが良かった悪かったというような指導はあんまりしてくれず、「この手について自分で考えてみなさい」というような調子で促された感じですね。受験のときは、母親に勉強するように言われましたけど、「親のためにやってるんじゃなくて、自分のためにやってるんだよ」というのをよく意識させられました。「何のためにやるのか」ということですよね。
―学業と将棋を両立する時期が何年か続いたと思いますが、工夫したことなどはありますか?
切り替えですかね。将棋をやってるときは将棋に集中して、学校の勉強をやってるときは勉強に集中して。ひとつのことだけに集中してやっていると飽きるんですけど、将棋に飽きたら、学校の勉強の方をやってと、メリハリをつけるようにはしていました。今思えば、小学生のときが一番、時間管理ができていた気がします。高校時代は親によく「小学校の頃はちゃんとできていたのに」と言われました(笑)。
―若い棋士でも勉強と将棋の両立をしなければならない方もいますが、アドバイスするとしたら?
自分が好きだからやっている、自分のためになるから頑張るということが続けることへの大きなモチベーションにもなると思います。だから先のことを考えて、何をやってるのかを意識することが、自分の経験からいって大事かな、と思いますね。
―世間では、上下関係やコーチと選手の関係などが問題になっています。先輩後輩との距離感を意識したり、気を付けたりしていることはありますか?
将棋界は上下関係のようなものが全くないんですよね。パワハラとか暴力的指導とか、本当に聞いたことないし(笑)。文化系なのでそこまで厳しい感じはないんですよね。おとなしい人が多いというのもあると思うんですけど、「盤面の中ではみんな平等」という意識がすごく強くて。将棋というものをみんな尊重していて、その中で平等に上を目指して頑張っているという感じです。
強い人に対しては、たとえ後輩でも尊敬の念を抱くこともありますし、仮に成績が振るわない方でも将棋に取り組む姿勢などで、学ぶ部分がある人も多くいます。ファンに対する姿勢を背中で見せてくれる先輩もいます。エラぶらないというか。そもそも(自分たちが)偉いと感じることもないんですけどね(笑)。
将棋ってすごく間違えることが多くて、その間違いが自分で分かってしまう競技なんですよね。他の競技では、結果によって途中の過程の良し悪しが見えにくくなってしまう場合があると思うんです。でも将棋だと、悪手を指したという事実がすごくくっきり見えるんですよね。例え勝ったとしても、今だとコンピューターに分析させたら悪い手を指していたことが分かる場合もあります。完璧に指せた対局というのは1年に1局あるかどうかという程度です。本当にミスばっかりしているので、「完璧じゃない」と日々感じさせられます。偉ぶらなくなりますよね。
過去を振り返ってみても偉ぶっている棋士が全くいない印象で。僕たちは羽生世代の先生方を見てきた世代で、ああいう素晴らしい方々がトップを走り続けていらっしゃるという影響は少なからずあると思います。佐藤(康光)会長も腰が低くて、羽生先生もあれだけの方なのに全く偉ぶってるところを見たことないです。確かに升田(幸三)先生の時代はちょっと怖かったかもしれない(笑)。今となっては、物語として面白いんですけどね。
強い人に対しては、たとえ後輩でも尊敬の念を抱くこともありますし、仮に成績が振るわない方でも将棋に取り組む姿勢などで、学ぶ部分がある人も多くいます。ファンに対する姿勢を背中で見せてくれる先輩もいます。エラぶらないというか。そもそも(自分たちが)偉いと感じることもないんですけどね(笑)。
将棋ってすごく間違えることが多くて、その間違いが自分で分かってしまう競技なんですよね。他の競技では、結果によって途中の過程の良し悪しが見えにくくなってしまう場合があると思うんです。でも将棋だと、悪手を指したという事実がすごくくっきり見えるんですよね。例え勝ったとしても、今だとコンピューターに分析させたら悪い手を指していたことが分かる場合もあります。完璧に指せた対局というのは1年に1局あるかどうかという程度です。本当にミスばっかりしているので、「完璧じゃない」と日々感じさせられます。偉ぶらなくなりますよね。
過去を振り返ってみても偉ぶっている棋士が全くいない印象で。僕たちは羽生世代の先生方を見てきた世代で、ああいう素晴らしい方々がトップを走り続けていらっしゃるという影響は少なからずあると思います。佐藤(康光)会長も腰が低くて、羽生先生もあれだけの方なのに全く偉ぶってるところを見たことないです。確かに升田(幸三)先生の時代はちょっと怖かったかもしれない(笑)。今となっては、物語として面白いんですけどね。
―将来的に連盟の運営や、会長職に就きたいという希望はありますか?上の世代や下の世代からも支持されているように思えます。
いやー責任重大過ぎますからね(笑)。ちょっと自分には自信がないですけど。でもより良い将棋界のために何かをしたいなという気持ちはありますが、どういう立場で支えていくのかというのは分からないです。将棋界の中にいるんじゃなくて外部に出て行って、という活動の仕方もあると思います。まだ分からないですね。
―「会館建設準備委員会」(今年6月発足)のメンバーに入られました。最新設備が整った将棋会館を期待しているファンも多いと思います。
もう知らないことばかりなので、日々、勉強勉強の連続です。建築や資金集めのことなど、知らないことばかりなので、勉強したり、いろいろな方のお知恵を借りたりしながら進めているところです。これまで将棋しかやってこなかったんですけど、普通の社会人の方がやられるような事案に携われるのはありがたいことだと、前向きに捉えて自分にできることを精一杯やれればとは思っています。(了)
第一弾「20代の逆襲」
読者プレゼント
今回インタビューをさせていただいた、中村太地さんが揮毫(きごう)した色紙と、第68期王将戦挑戦者決定リーグに出場する7人と久保王将のサイン入り扇子を1名様にセットでプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
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\「木鶏」/#中村太地 王座のサイン入り色紙(揮毫)、王将リーグに出場する7人と久保王将のサイン入り扇子をセットで1名様にプレゼント!
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2018年10月1日
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