壮馬は“仲間”とも“ライバル”とも少し違うような気がする

そんなふたりの関係を、あえて言葉にするなら何になるんでしょうね。
溝口 えっ、難しいなあ。
石原 俺はわかったよ。
溝口 それを否定する気まんまん(笑)。ちょっと言ってみて?
石原 うん。「磁石」だと思います。N極同士というか、S極同士というか、近づいてるようで絶対くっつかない。NとS、どっちがいい?
溝口 Sかな、力強く生きていきたいから。……と言ってしまうと、ちょっと違うか(笑)。
石原 どう? 今の例え。
溝口 いいと思った。「兄弟」みたいな感じの言葉を出してくるのかなと思ったけど、「兄弟」感を持ったことは一度もないし(笑)。
石原 「仲間」って言うのも違う感じがするもんね。
溝口 うん。僕は「仲間」って言われると『ONE PIECE』(集英社)のような仲間が思い浮かぶけど、ああいう感じじゃないよね。かといって「ライバル」かというと、そこまで敵視しているわけじゃない。そう考えると、「磁石」はわかる。僕たちふたりは仕事に対する意識とか、近い部分はすごく近い気がするし。
どういうところが近いと思いますか?
溝口 これは壮馬に対するほめ言葉なんですけど、弱音をはかないんですよ。この人と一緒にいて、嫌な思いをする人はいないと思う。たとえばこういうふうに取材が続いているときに、「インターバル(休憩)とりますか?」って言ってくださるじゃないですか。でも、ここふたり(溝口・石原)はそういうときに「いや、どんどん行きましょう」って言っちゃうタイプ。まず、取材でお話することが「つらい」とか「疲れる」っていう感覚がないからなんですけど。そういう、意志の共通点みたいなものが近いと思います。
なるほど。でも磁石だから、くっつかないんですよね?
溝口 さっきから、写真を撮るときに「石原くん、もうちょっと近づいて」ってすごく言われてますね。
石原 (苦笑)。仲が悪いわけではないけど、ぴったりくっつくような距離感でもないんですよ。
溝口 しかも、どっちだけがそういうふうにやるわけでもないので。
石原 取材なんかで(読者プレゼント用の)チェキを撮るときに、「仲よくしてるふうにやってこうぜ」とか冗談言いながら(笑)。
たしかに、面白い関係性ですね。
石原 ホントに!
溝口 絶妙な距離感。
石原 本来、事務所歴も芸歴も琢矢くんのほうがずっと先輩なんですけどね。でも「DearDream」として活動して、よくわからない距離感になった(笑)。
溝口 そこはいい意味で、ね。同年代で、志が近い。そう考えると「同志」とも言えるけど……それじゃカッコよすぎるから、やっぱり「磁石」で(笑)。

「誰かのために」っていう強さは、簡単には折れない

そんなふたりが今回、舞台『ジョン万次郎』で共演するわけですね。「教科書には載らないような歴史上の出来事を興味深く面白く、エンターテイメントとして表現するシリーズ」の舞台第6弾ですが、溝口さんはジョン万次郎を演じ、石原さんも万次郎と一緒に漂流する仲間を演じる。石原さんは、初めての時代もの出演だと聞きましたが。
石原 楽しみですね。自分が歴史について詳しくないことは心配ですけど、そこは勉強して埋めていきたいと思います。今までやったことのないジャンルへの挑戦ですし、新しい発見もいっぱいありそうじゃないですか。今回初めて共演させていただく方もたくさんいらっしゃるので、これまで自分が見たことのなかったものや、感じたことのなかったもの、いろいろなことを吸収できる稽古場になるんじゃないかという予感がありますし。だから、楽しみが9割以上です。
溝口さんはジョン万次郎という人にどんな印象を持ちましたか?
溝口 参考資料や台本を読んで、意志の強さ、仲間への気持ち、いろいろな意味で“強い”人だと思いました。太平洋を漂流したことをはじめ、たくさんの苦難もあったし、人間である以上もろい部分もあっただろうと想像できます。でもそれ以上に、万次郎についての本を読んでいると“生命力の強さ”みたいなものを感じるんです。そんなことは初めてだったし、「スゴいな」というのが素直な感想です。
溝口さんが感じたそういう“強さ”を、舞台上で表現してくれるわけですね。
溝口 大変だな、とは思います。自分を助けてくれたホイットフィールド船長の養子に迎えられてアメリカに行ってからも、いじめというか、人種差別を受けていても万次郎本人はそれを「差別」と思ってないんですよ。教会に行って礼拝していると周りが嫌そうな顔をしているので、「何がおかしいんだろう」と考える。そこで「顔のつくりが違うんだ」と冷静に分析できるなんて、スゴいことですよね。
たぶん、自分のための強さじゃなくて、「家族のため」とか、「養子に迎えてくれた船長の顔に泥を塗るわけにはいかない」とか、そういう気持ちからくる強さなんでしょうね。自分のための強さはどこでも折ることができるけど、「誰かのために」っていう強さは簡単に折れないと思うんです。
ますます、溝口さんの万次郎が楽しみになりました。では最後に、この公演への意気込みをお願いします。
石原 ジョン万次郎について今まで深くは知らなかったんですけど、この作品を通してジョン万次郎と幕末という時代について、勉強してもっと知りたいと思います。そのうえで役づくり、作品づくりに時間をかけて、公演を観てくださったお客さんにも「知らなかったけど、もっと知りたい」とか、「こういうことがあったんだ、面白かった」とか、新しい発見をしてもらえたらと思います。そうなったら、演じている僕たちもきっと楽しいだろうなと思うので。いい作品を届けられるようにがんばります、ぜひよろしくお願いします!
溝口 ジョン万次郎は71歳まで生きていたそうで、当時で考えたらすごい長寿ですよね。その長いあいだにたくさんの知識や力を蓄えていった、そのきっかけになったのがたぶん、今回演じさせていただく青年期だと思います。公演を見終わった後、ジョン万次郎についてご存知の方は「この後いろいろやったんでしょう?」ってさらに気になっていただけると思いますし、逆に詳しく知らずに来ていただいた方も、そこから万次郎に興味を持って、それこそ「もっと深く知って」いきたくなる。そこまで僕たちがもっていけるような、最高の舞台にしていきたいと思います。ぜひ観に来てください。僕たちは「もっと知らせたい」ですから!
溝口琢矢(みぞぐち・たくや)
1995年5月9日生まれ。東京都出身。AB型。2007年に俳優デビュー。映画『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド』『忍たま乱太郎』や、NHK大河ドラマ『天地人』、ドラマ『相棒 season9』(テレビ朝日系)、舞台『FROGS』『見上げればあの日と同じ空(再演)』『さくら色 オカンの嫁入り』など、俳優として幅広く活躍。現在、5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』のメインキャラクターである「DearDream」の及川 慎役を担当。10月21日に武道館にてドリフェス! Presents FINAL STAGE at NIPPON BUDOKAN 「ALL FOR TOMORROW!!!!!!!」に出演する。
石原壮馬(いしはら・そうま)
1996年7月5日生まれ、熊本県出身。O型。2015年に俳優デビュー。情報バラエティ番組『猫のひたいほどワイド』(テレビ神奈川)にレギュラー出演中。また、劇団プレステージのメンバーでもあり、『『ゼツボー荘』より愛をこめて ぶち壊す!!!!!!』『URA!URA!Booost』『僕を狂わす三億円』などの作品に出演。現在、5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』のメインキャラクターである「DearDream」の天宮 奏役を担当。10月21日に武道館にてドリフェス! Presents FINAL STAGE at NIPPON BUDOKAN 「ALL FOR TOMORROW!!!!!!!」に出演する。

出演作品

もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ第6弾舞台
『ジョン万次郎』
6月14日(木)〜6月24日(日)@EXシアター六本木
原案
「ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂」(集英社文庫)
マーギー・プロイス(著) 金原瑞人(訳)
脚本
鈴木哲也/金沢知樹
演出
大関 真(劇団スーパー・エキセントリック・シアター)
企画
座間隆司
主演:溝口琢矢(ジョン万次郎)
出演:荒木宏文、石原壮馬、正木 郁、石賀和輝/山下聖菜/細貝 圭、石井智也、井深克彦、寿里、輝山 立/鷲尾 昇、武智健二/山崎樹範
http://mottorekishi.com/johnmung/

©Based on “HEART OF A SAMURAI” by Margi Preus
Japanese language theatrical live performance rights arranged with Margi Preus
c/o Books Crossing Borders, New York through Tuttle-Mori Agency, Inc., Tokyo
© Mizuhito Kanehara/Shueisha
©「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」製作委員会(テレビ朝日ミュージック ローソンHMVエンタテイメント)

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、溝口琢矢さん×石原壮馬さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2018年5月16日(水)12:00〜5月22日(火)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/5月23日(水)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから5月23日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき5月26日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
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