吉沢 亮、予測不可能な発想で描かれる『羅生門』の世界をどう表現する?

感情をあまり表立って出さないクールな男・吉沢 亮が、インタビュー中に何度「楽しい」、「面白い」と口にしただろうか…。9月8日から出演する、百鬼オペラ「羅生門」について、彼は嬉々として語る。ドラマや映画など、話題作に立て続けに出演し、映像の現場でとりわけ求められ続けている今、彼が1年半ぶりに舞台に出演する意味とは何なのか。役者として「はじめて表現することが多い」と語る吉沢。本作で、彼の新境地が見られるのではと期待せざるをえない。

撮影/祭貴義道 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.
スタイリング/荒木大輔 ヘアメイク/内山多加子(commune)
衣装協力/シャツ¥8,000(ビューティ&ユース/ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 渋谷公園通り店:tel.03-5428-1893)、その他(スタイリスト私物)

“イスラエルの鬼才”の演出に、面白さを実感する日々

芥川龍之介の代表作『羅生門』、『藪の中』、『蜘蛛の糸』、『鼻』をひとつにまとめ、ミュージカル『100万回生きたねこ』で知られる“イスラエルの鬼才”インバル・ピントさんとアブシャロム・ポラックさんが演出を手がける本作。吉沢さんは今(※取材が行われたのは8月上旬)、どんな感覚でお稽古に臨まれていますか?
そのときの発想で表現することや、僕がまったく想像していなかった状況下で芝居をすることが多く、毎日楽しさを感じて稽古をしています。本当に、僕が想像しているものから遥か先を行く発想で、とても面白いです。
お稽古に入る前は、どんなイメージだったんでしょうか?
黒澤 明監督が描く、映画『羅生門』のようなけっこう暗いイメージでした。もちろん、暗い部分もあるんですが、そこを喜劇として表現するところもあるんです。妖怪も出てきますが、僕たちが知っている、たとえば一反木綿みたいなのとはまた違う感じのものが出てきます。想像していた『羅生門』を見事に裏切られる、かなり面白い舞台になると思います。
吉沢さん自身も、“イスラエルの鬼才”が手がける演出に面白さを感じている?
はい。発想がすごくユーモアにあふれていて、日本人とは考え方が違うなと感じています。とくに、僕が演じる武弘(たけひろ)が死ぬシーンはとても面白いんです。
作品で言えば『藪の中』の登場人物ですね。
息絶えるなかで、いきなり笑ったり、泣いたり、怒ったり…。本当に、僕が想像していたものとはまったく異なる演出で、はじめて表現することも多いですが…楽しいです。
その、ユーモアあふれる感性についていくことは…?
難しいです! 今までの経験から、台本を見て「こういう表現を求められているんだろうな」と、予想をしてみるのですが、そことまったく違うところからアイデアが飛び出してくるので、「これはどういうことだ!?」と思うことが多くて。ただ、それを表現してみると、意外と自分のなかでしっくりくることもあるんです。はじめてのことでも、自分なりの表現が出てくるものだなと日々実感しています。

一切歌詞がない歌のシーン。本能のまま表現するだけ

物語のなかでは武弘を演じている時間が多そうですが、柄本 佑さんが演じる主人公の下人(げにん)と対面する主人役としても登場します。現状、演じる役については、どういう姿勢で向き合われていますか?
話ごとにその役の印象が変わってくるんです。しかも「こういう人間」と決めず、やれることは何でも表現してみるというスタイルで稽古が進んでいるので、僕自身も、どういう人間なのかは決めず、やれることをどんどん出していこうという思いで臨んでいます。
普段は、台本の段階から役を固めておくタイプですか?
そうですね。普段は、「この人はこういう人間だから、このセリフを言うときはこう言う」みたいなものをなんとなく決めておきます。でも、今回に関しては、そういう部分は一切取り払って。まだ、今の段階では、作るというよりは、いろんなものを出していくという感覚で、すごく楽しいです。
歌とダンスもあるそうですが、こちらに関してはいかがでしょう?
歌も、普通のミュージカルとはまったく違ってすごく面白いです。もちろん、芝居の流れで歌うという部分では同じですが、歌うというよりは芝居をしている感覚に近いというか。満島ひかりさん(女/真砂役)とデュエットするところがあるのですが、そこは一切歌詞がないんです。
歌詞が一切ない…?
唸っている感覚で歌うんです。人間の本能のまま、歌っているみたいな感じですね。
それは今の段階だと、どういう気持ちで表現しているんですか?
はじめて武弘と真砂の愛が重なるシーンなので、言葉ではなく、ふたりの意識がカチッとハマっている瞬間だと思っています。なので、綺麗に表現しようかなと。ダンスも、体全体で表現していて…本当に言葉で説明するのが難しいんですけど、真新しい表現になっています。

出演が決まって読んだ、『羅生門』の印象は?

これまで、『羅生門』を読んだことはありましたか?
正直、今回の出演が決まってから読みました。ただ、小学校の教科書に載っているんですよね。僕は全然記憶になくて…(笑)。
実際に決まってからお読みになった印象は?
でも、小学生の教科書に載っている意味はすごくわかりました。学生が読むものとして、すごく伝わりやすい作品だなと思ったんです。たとえば『羅生門』だったら、人間のエゴイズムや、人間の真意を突く部分……小学生が“エゴイズム”という言葉を知らなくても、芥川龍之介が伝えたかったことは、誰が読んでもわかるな、と。
なるほど。
伝えたいことを直接言っているわけではないけれど、表現の仕方がとてもストレート。すごくわかりやすい作品ですよね。
小学校の教科書に載っていたことを「記憶にない」とおっしゃっていましたが、ちなみに、吉沢さんは学生の頃、国語は得意なタイプでしたか?
いや…(笑)。国語の教科書で覚えているのは『走れメロス』くらい…。何で記憶に残っているのかは…覚えていないんですけど、たぶん単語で覚えているのかなって。僕はすぐに物事を忘れてしまうタイプなので…。
忘れてしまうんですか?
それこそ、芝居をしていてそのシーンを録り終わったら、そのシーンでしゃべっていたセリフはすぐに忘れます。たぶん、脳みそが「はい、次!」って自動的に切り替えているのかもなと感じるんですよね。

「5月の取材時より、ビールを飲む量が増えました!」

吉沢さんが舞台に出演するのは、昨年3月に上演された『ライ王のテラス』ぶりです。最近は、映像作品での活躍を見る機会が多くなっていますが、吉沢さんが感じる舞台の魅力は何だと思いますか?
そうですね…。稽古から本番まで何度も同じことを繰り返してやるので、すごく綿密なものができあがるという点で、完成度が高いものをお見せできるんじゃないかなと感じます。
映像との違いでは、どういうものがあると感じますか?
舞台は“間”の表現がしやすいというのがあります。映画だと、自然に演じることが大切だと思うんですが、舞台だと、その場で生まれた感情を大事にしている気がします。あとは、単純に、舞台は一発本番というのがありますよね。たとえば、間違えてしまった部分も…そのときに見に来てくださったお客様にとっては、それが正規のシーンになる。『ライ王のテラス』のときも、セリフを間違えてしまったり、思うようにいかなかったことが何度かあって…。
そうだったんですね。
言葉の言い回しが難しくて、セリフを覚えるのにけっこう苦戦したんです。ひと言で言えば意味が通じるのに、それをすごく遠回しに言うセリフなどもあって。言葉に頼れないってこんなに難しいものかと。聞き慣れない言葉で感情を表現しないといけないことの難しさは毎回感じていました。その経験をした『ライ王のテラス』ぶりの舞台なので、ドキドキしているんです。
間違えてしまわないか、と…?
でも、その恐怖心を払拭できるよう、稽古に臨んで、本番は楽しみたいと思います。
吉沢さんの舞台での姿、楽しみにしています。最後に、最近の吉沢さんについてもうかがわせてください。前回のインタビューで、日々の癒やしとして自宅でビールを飲んでいることが多いとお話されていましたが…。
そのときから変わってないです(笑)。あ、でも少し進化しました!
どんな部分が進化されたのでしょうか?
飲む量が増えました(笑)。最近は、何も考えずにボーッとしながら朝まで起きていることが多くて、ひたすらにビールを飲んでいます。たくさん飲むようになったので、糖質カットのビールにしたのも、進化した部分ですね!
吉沢 亮(よしざわ・りょう)
1994年2月1日生まれ。東京都出身。B型。アミューズ全国オーディション2009「THE PUSH!マン 〜あなたの周りのイケてる子募集〜」にて特別賞を受賞し芸能界デビュー。2011年に『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)に出演し、注目を集めた。主な出演作品は、ドラマ『水球ヤンキース』(フジテレビ系)、『地獄先生ぬ〜べ〜』(日本テレビ系)など。映画では、『アオハライド』、『トモダチゲーム』、『銀魂』など。今後も映画『斉木楠雄のΨ難』(10月21日)、『リバーズ・エッジ』、『あのコの、トリコ。』、『悪と仮面のルール』『ママレード・ボーイ』(すべて2018年)などの公開が控える。

出演作品

百鬼オペラ「羅生門」
【東京公演】9月8日(金)〜25日(月)@Bunkamura シアターコクーン
【兵庫公演】10月6日(金)〜9日(月)@兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【静岡公演】10月14日(土)〜15日(日)@富士市文化会館ロゼシアター大ホール
【名古屋公演】10月22日(日)@愛知県芸術劇場大ホール
<出演>
柄本 佑、満島ひかり、吉沢 亮 ほか
http://operashomon.com/
©奥山由之

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、吉沢 亮さんのサイン入りポラを抽選で2名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2017年9月6日(水)12:00〜9月12日(火)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/9月13日(水)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月13日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき9月16日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
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