ユーザーから投稿された「キニナル」情報を検証すべく「はまれぽ」が体を張って調査!

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今回のテーマは…

<横浜のココがキニナル!>
中区海岸通にある「アマゾンクラブ」。そこに「半漁人のバーべキュー」というメニューがありますが、価格が1万円なので恐くてオーダーできません。だけどどんなものか気になります。(djさんのキニナル)

「半漁人のバーべキュー」?? 
……なんだそれ!? 

一般的に半漁人とは全身鱗(うろこ)で覆われ、手足にヒレがあるあの伝説上の生物……。
そんなものが本当にあったら、これはまさに歴史を覆す大事件になる。しかもバーべキュー……。

これは早急に調査をしなくては! 
妖怪好きの筆者は、子どもに戻ったかのような好奇心を掻き立てられ店に向かう。
みなとみらい線、馬車道駅を出て歩くこと徒歩約5分。そのビルは見えてきた。
 

「横濱ビル」の地下に問題の「半漁人のバーべキュー」を出すお店があると言うのだが……。

地下へ続く階段の扉の看板に「AMAZON CLUB(以下アマゾンクラブ)」の文字が!
 

扉を抜けて、奥へ進むと……あった! 
と、その扉の横にお洒落なアンティークな黒電話があったので、受話器を取ってみた。

扉が開くと思ったら……すぐ右隣のドアが開いて店員さんがお出迎え。ブザーのような音が店内から聞こえてくる。

そっちが開くんかいっ! と思わず突っ込みながら店の中へ。

まず出迎えてくれたのは、アマゾン川に生息するアロワナ(オス、5or6代目)。エサには小さな金魚などを与えているそうだ。ちなみに、前代のアロワナはレイヤちゃん(メス)。

オスとメスの違いを見分けるのは難しいらしいが、顔の先端がより尖っている方がメスとのこと。

■アマゾンクラブの歴史は意外と古かった

まずはマネージャーの栗崎さんに「アマゾンクラブ」についてお伺いした。
ワイルドだが丁寧で気さくな方だ。

アマゾンクラブは1987(昭和62)年、今から26年前の11月に原オーナーがアンティークショップとして山手で始めたのがきっかけ。当時から現在までアメリカ文化を意識した内装のイメージはほとんど変わっていないそうだ。

その後、1997(平成9)年に火事になり店は全焼。その後山下町へ移転し、倉庫だった建物の中身を処分する、という条件で買い取り改築し、営業を再開。
 

しかし、その倉庫には思わぬ掘り出し物が……。
「アストロガールちゃん」である。

DENON(株式会社デノン コンシューマー マーケティング)がアメリカに輸出していたという人形。もともと顔にプラスチックのヘルメットをを被っていたが壊れてしまったそうで、そのままの状態で保存されていたらなんと数百万円の値段が付いていたそう……す、すごい。

山下町のアマゾンクラブには多くの有名人が隠れ家として訪れていたようで、中には横浜出身の某有名バンドのボーカルの方も来店したんだとか。

それから8年後の2005(平成17)年に現在の馬車道の横濱ビルに移転。もちろんアストロガールちゃんや倉庫で見つけたレトロな照明なども一緒。

さらに横濱ビルの店舗改装中に、またしても神秘的な壁などの掘り出しものが……。

横濱ビルが建ったのは1950(昭和25)年。戦後初めて建った「ビル」だそうで、当時米軍専用の「オーシャンズ」というレストランに多くの米軍が足を運んでいた。そしてビルの近くにはあのアメリカ軍の最高司令官だったマッカーサーの事務所があり、マッカーサーもこのレストランに訪れていたんだとか。

その後は、別のオーナーが畳のある和室として利用していたそうだが、アマゾンクラブが改装を始め、壁を壊したところ、「オーシャンズ」で使用していたこの壁が姿を現したそうだ。

そんな掘り出しものがいっぱいの店内には、古時計や教会で使用されていた椅子など、原オーナーのこだわりが沢山詰まっていてとてもいい雰囲気だ。

 

ところで、読者のみなさん。
こんなアンティークな古き良き時代を漂わせるお店に、「半漁人のバーベキュー」たるものがあることをお忘れではないだろうか。

ということで、さっそく食事をしようと栗崎さんにオススメのメニューを聞いてみた。
 

クリームチーズ入りのアマゾン奴(やっこ/500円)に、アンチョビポテト(500円)、
ほかにも、ナシゴレン、トムヤムクン、アヒージョなどジャンルにとらわれないメニューを提供している。

…しかし、オススメのメニューを聞いてみても一向に「半漁人バーベキュー」の名前が出てこないので、意を決してたずねてみることに。

……「半漁人のバーベキュー」という1万円もするメニューがあるようですが、それはどのようなものですか? 
 

■半漁人のバーベキューとは? 

「珍品珍獣」Strange Food、半漁人のバーベキュー(1万円)とは?

「もともと、ほかのお店と違う、お客さんが喜んでくれるメニューを作りたかったんです」と栗崎さんは静かに語った。

そこでどうして半漁人という発想になったのかというと……。

店内にある、マスコット的な世にも珍しい半漁人の人形から生まれたそうで……。

そしてこれが、バーベキューに使う半漁人の手!?

に、人形の手とそっくり!!

オーナーの「とっておきのメニューなので来店してからのお楽しみにしてほしい」ということで、半漁人に使用されている「珍獣」の肉についてはヒミツだと言われてしまった。

この「珍獣」、手だけでは想像しづらいが、どうやら亜熱帯の川辺に多く生息している爬虫類のようだ。

珍獣を解凍する時間がかかるので、半漁人のバーベキューは事前予約制だそうだ。

と、ここで突如、原祥介オーナーがお店に! 

実は家系ラーメン「介一家」のオーナーでもある彼に、半漁人の人形について伺うと、この半漁人のバーベキューのモチーフになった人形は、原オーナーが横浜で開催された映画祭で観た「大アマゾンの半魚人」を気に入り、売ってもらったものとのこと。

せっかくなので個人的に通う横浜市内でお気に入りのお店があるかどうか訪ねると、「やっぱり自分のこのお店が1番のお気に入りだよ。オリジナリティを大切にすると、店を作る大変さの中にも、完成した時の喜びがすごく大きいと思うんだよ」と大阪弁で穏やかに語って下さった。

ということで半漁人のバーベキューを実際に出していただくことに。

料理を待っている間に酒好きの筆者はバーテンダーの平沢さんにお願いし、筆者のイメージのカクテルを作ってくれと迷惑なお願いを。平沢さんは爽やかだと言ってくださったが、若干無理やり言わせた感を残しつつ、できあがったのが…名付けて「伊東(筆者)スペシャル」!

キウイ、ヨーグルト、パインが3層に分かれている何とも爽やかなカクテル! 値段をつけるなら800円!

アマゾンクラブの客層は30〜50代と若干高め。男
女比は6:4で男性が多いそうで、女性だけのお客さんは少ないそうだ。

■ついに登場!! 半漁人!?

伊東スペシャルをおいしく飲みながら、半漁人のバーベキューの登場を今か今かと待っていると……ジャーン、ジャジャジャン♪ 「アチョーッ!」と、突然ブルース・リーのテーマ曲が!!

テーン、テーン♪ テーン、テーン♪ 

音楽に乗って店員さんが運んできたのは……花火がついたまるでバースデーケーキのような横幅50cmほどの大皿! 

半漁人のバーベキューキター!!!

全貌をお伝えできず非常に残念だが、「特別なメニューなので来店した人にしかお見せできない」とのこと。

祝ってもらったような感覚に感動しつつ、皿に盛りつけられたそれは、まさに半漁人そのもので不気味さがある。

大皿に盛りつけられているのは、玉ねぎの蒸し焼き、パプリカの肉詰め、玉子、エビの春巻き、野菜など全10種類。盛りつけられたメニューはその時、その時で種類が異なるようだ。
残念ながら今回は品切れだったが、ふだんはここに「砂漠で生きる尾に毒針を持つ生き物」も乗っているらしい。
 

恐る恐る口に運んでみる……。

………

半漁人の味は想像していたほど奇抜な味ではなく、鶏肉をさっぱりさせた感じでちょっと固め。うん、普通にいけるいける。

半漁人のバーベキューが注文されるのは月に1回程度。

「恐くてオーダーできない」と言われたことはないそうで、口コミで「半漁人のバーベキュー」を知った方が友人グループやカップルバースデーのサプライズとして注文することもあるそうで、だいたい4〜5人でシェアする方が多いのだそう。

昨年、某バンドがラジオでこのバーベキューについて話をしたところ、ファンの間で話題になり、月2、3回のペースで出る時もあるという。特に中、高生の利用客が多く、おこづかいをためて割り勘で食べに来ることも。

「半漁人のバーベキュー」の皿にのっている半漁人だけで原価が4割らしいので、とそのほかの料理と合わせるとお店にとっては原価割れのメニューなのだそう。

残念ながら今回は、半漁人の全貌をお見せすることは出来なかったがキニナル方はお店へ半漁人を見に行ってはいかがだろうか。

■取材を終えて

久々に内装がカッコいいだけではなく、「お客さんを楽しませたい」というこだわりを感じさせるお店を訪ねることができた。

「半漁人のバーベキュー」はオリジナリティーを大切にするアマゾンクラブだからこそできた、お客さんを喜ばせるためのメニューなのだ。

ほかにも店内には原オーナーのからくり好きを活かしてできた仕掛けなどもあり、オリジナリティーだけではなくアミューズメント性も合わせ持ったお店だった。

1万円という金額も、アミューズメント感覚で楽しめば決して……「恐くない」!?

 
AMAZON CLUB(アマゾンクラブ)
住所/横浜市中区海岸通3-9横浜ビルB1
電話/045-664-6101
営業日時/月〜木、日 18:00〜25:00(L.o 24:00)金・土 18:00〜26:00(L.o 25:00)

※本記事は2013年11月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

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