攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第44回は、FC町田ゼルビアのFW藤尾翔太だ。
2020年にセレッソ大阪でプロデビューを果たし、その後は水戸ホーリーホックや徳島ヴォルティスへの期限付き移籍を経て、昨年、レンタルで加入した町田でJ2初優勝とJ1初昇格に貢献。そして、今季は完全移籍で町田に加わり、J1で上位を走るチームを最前線で引っ張っている。
そんな23歳のストライカーが語る“バイタルエリア”とは――。
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バイタルエリアはゴールに直結する場所。センターバックとボランチの間の場所なので、フォワードにとっては、そこで前を向けると得点に向けて優位に立てるイメージです。
そのエリアで自分に求められているのは、今の町田のサッカーで言うと、(オ・)セフンがヘディングで競ったこぼれ球を拾うこと。セカンドボールを拾って、素早くゴールに繋げるプレーを一番に考えています。
最近はセフンとの距離感も良く、連係も良くなってきていると感じます。お互いの長所を向こうも分かっているし、僕も分かっているので、時間をかけていくことで、よりやりやすさが増してきている印象がある。背後に抜けて、スペースを空けるプレーなど、セフンとの連係で僕たちの優位なスペースを作っていくのは常に意識はしています。
監督からは、自分はどちらかというと、バイタルエリアで受けてドリブルしてシュート、というプレーヤーではないので、セフン周りのセカンドボールを拾うことと、拾ったらすぐに展開してゴール前のポジションを取りに行け、というのは意識的に言われていることです。
あとフォワードにとって大切なのは、相手の分析。試合の3日前から、対戦するチームのディフェンダーのボールの持ち方や利き足、どっちのセンターバックにプレスかければ、はめやすいかなど、あらかじめ情報を入れて臨むのも大切にしています。
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J1初挑戦となった今季、町田は現在2位(31節終了時点)と躍進。優勝争いに身を置くチームの好調の要因を藤尾はどう考えているのか。
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最初は、ここまで上手くいくとは思ってなかった。でもこういう立場に立ってみて、町田がやっているサッカーには自分も自信を持っていて、妥当な結果だと思っています。強度の高いサッカーで、失点数が少ない点には手応えを感じています。
優勝できるか、できないかは難しいところではあるんですが、一つひとつ勝ちを積み重ねてやっていかないといけない。そのなかで失点数は少ないけど、得点数が多くはないので、もっと頑張らないといけないとも思っています。
町田が好調な要因は、チームとしてのバランスもすごく良いですし、チームをまとめてくれるキャプテンの(昌子)源くんの存在も大きい。そのおかげでチームにまとまりがあって、やっているサッカーはシンプルですけど、そのシンプルを突き詰めているので、大崩れはしないだろうなと。
ここまで前線からのプレッシングにこだわっているチームには、自分のキャリアの中でもいたことがなかった。最初は体力的にきついなと思いましたけど、やっていくにつれて慣れてきて、その切り替えの部分をチームとして当たり前にできるようになってきた。それが町田の強さだと考えています。
ただ僕はフォワードなので、やっぱり一番分かりやすいゴールという結果で貢献したい。もちろん、ハードワークもすごく重要なので、チームを助けられるようなハードワークやチャンスメイクもやっていきたいですね。
J1に挑戦して1年目の年で優勝はすごい快挙だし、人生でこんなチャンスはもうないと思うので、強い思いを持って、絶対優勝できるように準備していきたいなと思います。
※後編に続く。次回は9月30日に公開予定です。
取材・構成●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
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