暑い日が続きますが、そうめんを食べる人は多いと思います。SNS上では、「夏のそうめんはおいしい」「暑すぎてそうめんしか食べたくない」「今日もそうめんにしよう」などの声が上がっています。

 ところで、そうめんには、どのような栄養素が含まれているのでしょうか。どのような食材と組み合わせるのがよいのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

野菜、納豆との組み合わせがお勧め

Q.そもそも、そうめんにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。

岸さん「そうめんは1人前(乾麺100グラム、ゆで上がり270グラム)で343キロカロリーです。炭水化物が大半を占め、糖質が67.2グラム、食物繊維が2.4グラム含まれています。また、ビタミン、ミネラル類ではセレンとモリブデンが比較的多く含まれています」

Q.では、そうめんを食べるメリット、デメリットについて教えてください。食べ過ぎると、どうなるのでしょうか。

岸さん「そうめんは癖がなくさっぱりとしていて、食欲がないときでも食べやすいため、効率的にエネルギーを摂取できます。また、ゆで時間が1分半〜2分と他の麺類と比較して短いほか、薬味として使用するネギやミョウガなどは、刻むだけで使用できるため、手軽に調理できる点がメリットです。

一方、糖質以外の栄養素が少ないので、必要な栄養素が不足してしまいがちです。めんつゆと薬味のみで済ませてしまうと、食事バランスが整いにくいことがデメリットです。

そうめんは細く、喉越しが良いため、早食いや食べ過ぎになりやすい傾向にあります。脂質は低いですが、そうめんに多く含まれる糖質はエネルギー源であり、血糖値も上がりやすく、食べ過ぎればエネルギー過多で体重増加につながります」

Q.「食欲がない」など、夏バテ気味のときにそうめんを食べても問題ないのでしょうか。

岸さん「問題ありませんが、食べ方には注意が必要です。食欲がないときも食べやすいそうめんは効率的なエネルギー源になりますが、先述のように、そうめんのみだと栄養が偏りやすいほか、冷たい食べ物は胃腸に負担をかけ、消化不良や夏バテを引き起こしやすいです。

糖質以外の栄養素を補い、温かいメニューも取り入れながら摂取すると良いでしょう」

Q.そうめんを食べるときは、栄養素を補う上でどのような食材を組み合わせるとよいのでしょうか。お勧めの食材について、教えてください。

岸さん「そうめん自体に糖質が多いので、できるだけ糖質が少ない食材を組み合わせましょう。タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維を補えるような食材を組み合わせると良いでしょう。例えば、ツナや水菜、ミニトマトなどをのせてサラダそうめんにしたり、納豆やオクラ、温泉卵などをのせたぶっかけそうめんにしたりすると、タンパク質と野菜を一緒に摂取することができます。

また、豚肉や好みの野菜、キノコなどを盛り付けて具だくさんにしたにゅうめんやそうめんチャンプルー、あんかけ麺にすれば、温かく食べることができるほか、具材を多く使用することで満腹感が上がり、食べ過ぎを防ぐことができます」