2020年1月、平手友梨奈が欅坂46を脱退。その衝撃はいまだに記憶に新しい。

2016年のデビューシングル『サイレントマジョリティー』で弱冠14歳にしてセンターを務めて以来、全シングルで不動のセンターとして活躍。強烈な存在感から多くの楽曲カラーを決定づけ、“反アイドル性を内包したトップアイドルグループ”という欅坂46のイメージを作り上げたカリスマ。そんな平手の脱退に、大きく世間は揺れた。

「いったい、欅坂46に何が起こったのか? そして、グループは今後どうなるのか?」

そんな疑問に対するひとつの回答として、グループ初のドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46』が近日公開される。これまでの記録映像、そして撮り下ろしのメンバーへのインタビューから平手友梨奈と欅坂46の実像に迫る本作は、多くのファンにとって重要な作品となるだろう。

ライブドアニュースは、渡邉理佐に単独インタビューを敢行。多くのシングルでフロントメンバーとして活躍する彼女が、プライベートでも交流のあった平手を思いながら丁寧に言葉を紡ぐシーンは、間違いなく同作のハイライトのひとつである。

渡邉理佐が見た平手の“変化”とは。そして欅坂46としての4年間で得た自身の成長とグループの今後は――。彼女は時に迷いながらも、我々の問いに真正面から答えてくれた。

撮影/岡本武志 取材・文/照沼健太

この映画が“誤解”を解くきっかけになればいい

欅坂46のドキュメンタリー映画が公開されると知らされたとき、どのように感じましたか?
うーん……。私たちが今までファンの方たちに見せていたのは、いろんな物事がある中での“結果”でした。そのための過程や裏側は見せるものではないと思っていたし、見せる必要もないと考えていたんです。

でも、世間の方々が持っている私たちへの印象には、誤解されている部分も少なくないと思っていたので、ドキュメンタリー映画が公開されることによって、そういう誤解を解くきっかけになったり……、もし悪いイメージを持っている方がいらっしゃるとしたら、そのイメージを払拭できたら嬉しいなと思いました。
本作はメンバーへのインタビューを通して、平手友梨奈さんに迫る構成になっています。守屋茜さんは3rdシングル『二人セゾン』の頃から平手さんに違和感を覚え、続く4thシングル『不協和音』の頃から平手さんのことがわからなくなったと話していますが、当時、渡邉さんも同じような印象を持っていましたか?
その当時、私は平手について「楽曲を作るため、曲の主人公になりきって表現しているんだ」と考えていました。だから、変わったとはまったく思っていなかったんです。でも、今になって振り返ると、『二人セゾン』の途中あたりから何か違和感みたいなものはあったと思います。そして『不協和音』の頃には「デビュー当時とは違う感じの雰囲気になってきたな」と……だから、あのインタビューで守屋が言っていたことは、私自身も感じていたことです。
その時期に平手さんに何があり、何を感じ、変わったのだと思っていますか?
んー……、『不協和音』の「僕は嫌だ!」っていう台詞だったり、あの楽曲の持つ意味に共感するところが多かったんじゃないかなと。もちろん『サイレントマジョリティー』も『世界には愛しかない』も『二人セゾン』も強いメッセージ性がある曲なので、ずっと“伝える”っていうことに重きを置いてきたんですけど、それ以上に『不協和音』という楽曲には、今まで平手が生きてきた中で感じたものと重なるところがあって、ああいうふうになったんじゃないのかなと個人的には思っています。
つまり、“欅坂46で変わった”というよりも、ずっと抱えていたものが表に出るようになった、ということですか?
たぶんそうなんだろうなって、私は感じました。
欅坂46は多彩な才能が集まっているグループだと思いますが、どうしても平手さんに注目が集まっていた部分があります。今回の映画の中にも、『世界には愛しかない』MV撮影時に平手さんがソロで踊っている姿を、他のメンバーみんなが複雑な表情で見ているシーンが収められています。小林由依さんに至っては、悔し涙のようなものを流していました。
平手は周りのメンバーが見入ってしまうくらい、スゴいものを持っているんです。私は『世界には愛しかない』でフロントに選んでいただいて、リップシーンの撮影をそこで初めて経験したんですけど、平手は『サイレントマジョリティー』の時点で、最近まで普通の女の子だったということが信じられないくらいの表現力を見せていましたし、あのMVの完成版を観たときに「本当にスゴい子なんだ」と思ったのを覚えています。

グループを第一に考え、メンバーを大切に思う子だった

近年、渡邉さんと平手さんはプライベートで遊んだり、渡邉さんが専属モデルを務めている雑誌『non-no』の企画で対談をしたりと、距離が近いメンバーという印象がありました。渡邉さんにとって、平手さんはどういう存在でしたか?
平手は1stシングルからずっとセンターとしてグループを引っ張ってくれていた存在でもありましたし、欅坂46の個性を確立できたきっかけを作ってくれました。だから、私たちにとって、本当に重要な存在でした。

でも、その一方で年相応のところもあって、パフォーマンスをしていないときは楽しいことも好きで、ふざけたりする無邪気さも持っていました。そういう部分を私が引き出してあげられたらいいなと思いながら接していたのですが……。
平手さんとの楽しい思い出にはどんなものがありますか?
一緒にテーマパークに遊びに行ったりとかもしましたけど、平手ってそういうときに何を話すかというと、グループの話題がほとんどなんです。会話をするたびに「本当にグループのことを第一に考えてくれているんだな」と思っていました。
プライベートの時間だから、あえてグループのことは話さない、というわけじゃなく(笑)。
本当にグループの話をすることが多かったです(笑)。平手はメンバー1人ひとりのことも大切に思っていて、直接その子と会話していなくても「○○は今落ち込んでいるみたいだけど……」って雰囲気で察することができるんです。平手のそういう部分に助けられたり、救われたりした子もいるんじゃないかなと思います。
映画の中で、ライブ前の円陣で平手さんが「アイドルだと思わないで!」といった内容のかけ声をしているシーンに驚きました。恒例のかけ声なのでしょうか?
けっこう前ですよね? 全然記憶になくて……。
スタッフの方によると、活動初期の映像だそうですが。
そっか……。最近の円陣では、菅井(友香)がそのときの気持ちや私たちがやるべきことを言って、守屋(茜)が気合いを出すために声出しをするというのが定番なんです。だから全然覚えていなかったんですけど、平手がそう言っていたというのを今聞いてびっくりしました。それくらい前から、これまでの“アイドル”という印象を覆したいっていう気持ちでやってくれていたんですね。

誰かを支えることが自分の役目だと思っていた。でも……

昔の映像を観て、渡邉さんはこの約4年のあいだで自分がどのように変わったと思いますか?
私自身……なんだろう……。初期の頃は、自分が引っ張っていく立場ではないと思っていたんです。本当にスゴいメンバーの後ろで、誰かを支えたりすることが自分の役目なんだって。だけど4年が経って、私が引っ張っていかなければいけない状況が少しずつ出てくるだろうと思っています。
メンバーの卒業や脱退、そして二期生の加入も含め、状況は変わってきたと。
これからが本当の勝負だと思うので、少しでもいい方向に引っ張っていけるように、私自身も行動していかなきゃいけないと考えています。
現時点でも渡邉さんはモデル活動など外仕事を率先している、主力メンバーだと思います。
いえ、全然です……。
欅坂46に入る以前の渡邉さんを知っているご家族や地元の友だちなどから「変わったね」と言われることはありませんか?
あんまり「変わった」と言われることはないですね。なんか恥ずかしいじゃないですか、そういうこと言われるのって……。
クールな渡邉さんらしいですね(笑)。
私がそういう性格であることをわかっていて、あえて何も言わずに応援してくれているんじゃないかなって思います(笑)。
雑誌『non-no』では、同じく専属モデルを務める西野七瀬さんと共演しています。乃木坂46の元メンバーである西野さんに、アイドルの先輩として、何かアドバイスをもらったことはありますか?
私はすごくそういうお話をしたくて、一緒にご飯に行ったりしたいんです。もちろん乃木坂46さんと私たちとでは、グループの雰囲気だったり、いろいろ違うと思うんですけど、それでも勉強になることは絶対にあるはずなので、西野さんからそういうお話を聞いてみたいなって。でも、まだ私から声をかけれていない状況です……(笑)。

ひとりでも応援してくれる人がいるなら、全力を尽くしたい

映画のインタビューシーンで、渡邉さんは平手さんの活動について「犠牲にするしかないんじゃないですかね…」と話し、インタビュアーの「犠牲って何を?」という問いに「……感情?」と答えていました。
えっ、覚えていない(笑)。
えっ、すごくいいシーンでしたよ。
すみません……。
いえいえ(笑)。そのインタビューは平手さんについての話でしたが、アイドル活動は多かれ少なかれ何かを犠牲にしないといけない仕事でもある、という実感を持った発言だったのではないかと思います。それでも渡邉さんが欅坂46の活動を続ける原動力は何ですか?
えー、なんだろう。原動力……。でも、やっぱりアイドルは支えてくださるファンの方がいないと成り立たないものだと思うんです。だから、あることないこと言われたりもするんですけど、ひとりでも応援してくれる人がいたら、私はその人のために全力を尽くしたいなと思っています。応援してくれている方がいる限りは、求められていることに応えていきたいです。
最後に今後について伺えればと思います。平手さんが脱退し、今回のドキュメンタリー映画が公開されることで、欅坂46は大きな節目を迎えたように思えます。メンバーの皆さんで今後グループをどうして行くかなどの話し合いは行われたのでしょうか?
まだ今のところ、じっくりとそういう話し合いはできていないです。でも、本当に第一章を終えたみたいな気持ちはあって、これから欅坂46がどうなるのかは私たち次第だと思っているので、勢いを落とさず頑張っていきたいと考えています。
これからどういう欅坂46を見せてくれるのかとても楽しみです。
ありがとうございます。
渡邉理佐(わたなべ・りさ)
1998年7月27日生まれ。茨城県出身。O型。2015年、欅坂46第一期生オーディションに合格。2016年にシングル『サイレントマジョリティー』でデビューし、続く2ndシングル『世界には愛しかない』で初のフロント入り。2017年からは雑誌『non-no』の専属モデルとして活躍。また2019年には初の写真集『無口』(集英社)を発売した。

    作品情報

    『僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46』
    近日公開
    https://2020-keyakizaka.jp/

    サイン入りポラプレゼント

    今回インタビューをさせていただいた、渡邉理佐さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

    応募方法
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    受付期間
    2020年4月2日(木)12:00〜4月8日(水)12:00
    当選者確定フロー
    • 当選者発表日/4月9日(木)
    • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
    • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから4月9日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき4月12日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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