現行型で最期になりうるパワートレインも!

 一時期は底値とも言える価格になりながら、漫画「頭文字D」の影響などもあって一気にプレミア価格の車両となったAE86。さすがに漫画によるブームは予見できなかったが、後継車種となったAE92が前輪駆動となったことで後輪駆動だったAE86に脚光が当たったという点では納得の理由とも言える。

 そこで今回は、今後価値が上がるかもしれない現行モデルを独断と偏見でピックアップ。もし予想が外れても怒らずに大目に見ていただければ幸いだ。

1)マツダ・ロードスター

 国産車として唯一となるオープン2シーターモデルのロードスター。すでにそれだけでも唯一無二の存在ではあるが、登場から5年近く経ち、次期型の噂もちらほらと聞こえるようになってきた。それによると、ダウンサイジングターボになるとか、ハイブリッドになるとか不確定ながらさまざまな情報があるようである。

 とはいえ、歴代のロードスターは7年〜10年という長いモデルライフとなっているので、すぐに新型が登場するわけではないが、噂のとおりとなると純然たる自然吸気エンジンを搭載するロードスターは現行型が最後となる。さすがに後輪駆動レイアウトを変更するとは思えないが、場合によっては価値が上がるかもしれない。

2)三菱デリカD:5

 こちらも国産車では唯一となるオールラウンダーミニバンであるデリカD:5。言うまでもなくSUVを得意とする三菱らしい、ミニバンとSUVを融合させたモデルで根強い人気を誇る長寿モデルである。デビュー当初はガソリンエンジンのみのラインアップだったが、ディーゼルエンジンを熱望する市場の声に応える形で2012年にクリーンディーゼルモデルを追加。唯一無二の個性により磨きをかけることになった。

 しかし、一部新聞報道によると三菱はディーゼル車の新規開発を中止し、既存のディーゼル車事業も大幅に縮小するという。そうなると、ディーゼルエンジンを搭載したデリカD:5に再び注目が集まることも考えられそうだ。

高出力ターボエンジンも今後なくなる可能性アリ

3)ホンダS660

 ホンダのピュアスポーツモデルの証である「S」を冠した唯一の現行車であるS660。軽自動車ながら本格的なMRレイアウトで、軽自動車とは思えないこだわりが随所に見られる仕上がりとなっている。

 その一方で実用性はゼロに等しく、助手席に人が乗ると手荷物を置く場所にも困るほど。それだけにセカンドカーとしても購入を躊躇してしまう人も少なくないという。それでもなお、余裕があれば手に入れたいと考える潜在的なユーザーは多いようで、後継車種が登場しないようなことがあれば、絶版車となったときに一気に人気が再燃する可能性もありそうだ。

4)トヨタ・スープラ

 17年ぶりに復活したスープラは、BMW・Z4と兄弟車の関係となり、エンジンもBMW製のものを搭載している。それだけにこんなのスープラじゃない、という声もあるようだが、ビッグネームの復活は素直に喜びたいところだ。

 そんなスープラのトップグレード、RZには直列6気筒3リッターのツインターボエンジンが搭載されているが、世界的にモーター駆動化が進むなかで純然たる高出力ターボエンジンは風前の灯。もしかするとこのスープラがトヨタ最後の大排気量ターボエンジン搭載車となる可能性もある。

 そうなった場合、歴史的な価値もプラスされ、現在の第2世代スカイラインGT-Rのような状態になる可能性もゼロではないだろう。