[8.17 SBSカップ第2節 静岡ユース 0-0(PK2-3)U-18日本代表 愛鷹]
U-18日本代表は序盤、ボールをテンポよく動かしながら攻めると、前線から落ちてスペースを作るFW榎本樹(前橋育英高)と入れ替わるようにMF福岡慎平(京都U-18)らがスペースへ飛び出そうとしていた。そして、両SHやSBが攻撃に絡んだ分厚い攻撃。だが攻めきれず、カウンターから押し返されてしまう。
後半は戦い方を変えて前から出てきた静岡ユースの前に、自分たちのペースでサッカーをすることができず。細かくボールを動かしながら揺さぶりをかけるも、相手の背後へ抜け出す動きが減り、静岡に驚異を与えることができない。ゴール前で粘り強い静岡から1点を奪えないまま、80分間を終えた。
PK戦で勝ったものの、福岡は「相手が前からアグレッシブに来た時に思うようにボールを受けられなかったので、もっともっと顔を出して攻撃のテンポを作れる選手にならないといけないですし、そこからもっとミドルシュートとか狙えるボランチにならないと怖くないと思う。チームに戻ってからもっと練習しないといけない」と引き締めていた。
福岡は球際に怖れずに飛び込んでいくプレースタイルが影響してか、相手と激しくぶつかって倒れ込むようなアクシデントが2度、3度。ただし、この点に関して本人は「自分の特長は球際で戦うところですし、そこで負けたくなかったのでガツガツ行くつもりでやっていた。あれはアクシデントとかで仕方なかったと思うので、(最終節の)パラグアイ戦でもああいったところを見せつけていきたい」と意に介していなかった。
SBSカップ優勝を懸けたU-18パラグアイ代表戦(19日)、そして今後へ向けて福岡は持ち味の走る部分と戦う部分を常に発揮し、そしてミドルシュートなど相手の嫌がるプレーをして勝利に貢献する意気込みだ。昨年、U-17日本代表の主将としてU-17ワールドカップを経験したMFは高校3年生となった今年、J2デビューを果たし、10試合出場して初ゴールも記録した。トップチームでさらに出場を重ねて年代別代表チームに定着し、世界に出てその差を詰めたいという思いがある。
「U-17ワールドカップで本当に悔しい思いをして(敗れた)イングランドにいた選手はマンチェスター・シティやチェルシーで出ていますし、先を越されているというか凄い存在になっている。自分も負けられないですし、追いつくためにはU-19の最終予選に行かなければいけないですし、U-20のワールドカップに出て、U-17で負けた時の借りをしっかり返せるように、そして自分も成長した姿を見せられるように。そのためにはまずこのSBSカップで優勝しなければいけないですし、個人としても次のパラグアイ戦でもっと良いアピールをしてカゲさん(影山雅永監督)に次(U-19日本代表に)選んでもらえるようにしたい」
AFC U-19選手権(19年U-20ワールドカップアジア最終予選)を控えるU-19日本代表の中盤にはMF齊藤未月(湘南)をはじめ、レベルの高い選手たちがいる。「カゲさん(影山監督)のサッカーはどこよりも走るというサッカー」という中で福岡は誰よりも質高く走って、戦って、チャンスを掴み取る。
(取材・文 吉田太郎)
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