ローマに所属するなでしこジャパンDFの熊谷紗希と南萌華がそろって15日に出国。チームに合流するため、イタリアへ向かった。
なでしこジャパンはパリオリンピック2024でベスト8敗退に終わり、メダル獲得とはならなかった。金メダルはベスト8で延長の末に敗れたアメリカ、銀メダルはグループステージで勝利したブラジルだったため、両選手とも「悔しさはもちろんある」としつつ「でもそこは実力の世界」(南)、「そこに立っているものが強いもので、本当に勝負はそういうところ」(熊谷)と心境を明かしている。
なでしこジャパンとしては次の大きな大会は3年後のFIFAワールドカップ2027ブラジルとなる。今夏も日本の選手が多く海外へ移籍をするなど、女子サッカーの競争環境も変化が多くある中での活動となり、まずは自チームでの研鑽が重要となる。セリエA連覇中のローマはタイトル防衛も目標となるが、チャンピオンズリーグでの上位進出も大きな目標だ。
南は「コンタクトの強度」と「海外の選手は(守備意識が)薄かったりするので、そこをうまく突いていけるようなボールの配球も、もっと精度を高めていきたい。ローマでもそこを必要とされているので」と、個人としてのレベルアップのポイントを挙げ、「今年は特にチャンピオンズリーグでもっと上位を目指していきたいと個人的には思っています。ヨーロッパのチームと戦う機会をより増やしていくためにも、チャンピオンズリーグでの結果を求めていきたいですし、そういう選手たちとより多く戦える場を大事にしていきたい」と続けた。
チャンピオンズリーグについて「自分にとって特別なもの。活躍することが大きなモチベーション」と位置付ける熊谷は、海外移籍を果たした日本人選手も増えた中での競争について、「それぞれが戦わなければいけない世界で、結果を出したらステップアップ、レベルアップが顕著に見える世界。モチベーションも『チャンピオンズリーグに出たい』、『ビッグクラブに行きたい』というところになる。これはヨーロッパでの話ですが、そういう世界に飛び込む選手が出てくる可能性、ポテンシャルはあると思います」と、高い世界が見えた中での戦いに身を置くことの重要性を説く。
現状、ヨーロッパに移籍した日本人選手にはチームのバランサー、チームプレーヤーであることを求められることが多いが、その中で個を磨いて高めていくことの難しさについて問われると、「自分がチームで生きる術を見つけることが一番成長に繋がるかなと。個を出す自由はチームに求められている部分ができて初めて出せるものだと思います。チームメイトからの信頼と監督からの信頼も全然違うと思うし、これを勝ち取る過程を踏むことが成長に繋がる。そこは自分たちが戦わなければいけない道になるので、ぶつかりながらでも、みんながそういった壁を乗り越えていけると本当に成長に繋がると思います」と、リヨンやバイエルンといったヨーロッパ女子サッカーのトップクラブで戦ってきた自身の経験も含めて、答えている。
女子チャンピオンズリーグは本戦にストレートで出場できるのがバルセロナ、リヨン、バイエルン、チェルシーの4チームとなっており、イタリアチャンピオンのローマは予選2回戦から登場し、勝ち抜ければ本戦出場となる。
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