J1リーグは3月18日と同19日に4節の9試合を行なった。ここでは、その9試合からサッカーダイジェストWeb編集部がセレクトしたベストイレブンを紹介する。
 
【選出理由】
 FC東京の強力助っ人が短時間で確かな違いを見せた。新加入のP・ウタカは62分から出場すると、86分に太田のクロスに合わせて追加点を奪取。さらに90+2分には大久保のゴールをアシストし、わずかな時間で2ゴールを生み出した。P・ウタカは好連係を築いた大久保とともに2トップにセレクト。採点『7.5』で今節のMVPとした。
 
 そのP・ウタカと甲乙つけがたいパフォーマンスを見せたのが、C大阪の山村だ。0-0で迎えた70分、クロスの折り返しをヘッドで押し込み、貴重な決勝点を記録した。また、ゴールだけでなく、トップ下で攻撃の起点として躍動し、得点後にはCBの一角に入って守備でも貢献。攻守でハイパフォーマンス披露した山村を採点『7.5』で選出した。
 
 そのほか、類まれな攻撃センスを発揮した神戸の大森、鹿島の遠藤を両翼に、豊富な運動量でチームに勝利をもたらしたG大阪の今野と甲府の小椋を2ボランチに配置。また、アクシデントによる急な出場ながら、安定した守備に加え、アシストも記録したC大阪の木本を3バックの一角に選んだ。GKには広島を相手に金星の立役者となった札幌のク・ソンユンを選出した。
【今節のベストイレブン】
GK
25 ク・ソンユン(札幌) 7
真正面に飛んでくるシュートが多かったものの、要所ではダイナミックなセーブもあり、勝利に貢献した。

DF      
13 平岡康裕(仙台) 6.5
押し込まれた苦しい展開の中、決定機では何度も身体を張って失点を防いだ。こうした粘り強い守備が、最後の最後にチームの勝利につながったのは間違いない。
 
4 山本英臣(甲府) 6.5
無失点の功労者。5バックのうち2人が今季初先発という中で、統率力とカバーリングは際立っていた。
 
15 木本恭生(C大阪) 7
アクシデントによる急な出場にもかかわらずスムーズにゲームに入る。山下不在の影響を感じさせないどころか、空中戦の強さを生かしてアシストも記録。小さくないインパクトを残した。
 
MF
40 小椋祥平(甲府) 7
開始2分に際どいミドルを放つなどよく攻めに絡み、守備も前に踏み込んでボールを刈る積極性。
 
15 今野泰幸(G大阪) 7
前から積極的にプレスをかけて、浦和の守備陣に自由にビルドアップをさせなかった。チャンスを見逃さずヘディング弾で先制。しかし「まだまだやるべきことがあると実感した」。
 
25 遠藤 康(鹿島) 7
右サイドで攻撃を作りながら自らも貪欲にゴールを狙い、セットプレーとクロスから2アシストして逆転勝利に大きく貢献。
 
24 山村和也(C大阪) 7.5
序盤こそ沈黙していたものの徐々に調子を取り戻し、確度の高いパスで攻撃の起点として躍動。セットプレーではゴール前に陣取り、シュートチャンスを逃さず先制点をゲットすると、その後はCBの一角に入り守備でも貢献。多岐に渡ってハイパフォーマンスを見せた。
 
29 大森晃太郎(神戸) 7
後半早々、ペナルティエリア内左でボールを受け、右足で2試合連続の先制点を奪取。終始、厳しいマークを受けながらも隙を逃さず、殊勲の活躍を遂げた。
 
FW
13 大久保嘉人(FC東京) 7
奈良、谷口の必死のディフェンスの前に苦しんだ。それでも先制点の起点になると、後半アディショナルスタイムには移籍後初ゴールをマーク。記念すべきゲームになった。
 
THIS WEEK MVP
9 ピーター・ウタカ(FC東京) 7.5
FC東京でリーグ戦初出場すると、太田のクロスに合わせて追加点を奪取。アディショナルタイムにはワンツーで大久保のゴールをアシストし、少ないプレー時間でチームを勝利に導いた。
 
※選手名の左の数字はクラブでの背番号。右は今節の採点。
採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。