執筆:Mocosuku編集部
取材協力・監修:石村衛(ファイナンシャルプランナー)

消費税増税の先送り論が出ている中、13日開かれた安倍首相と有識者との会合の中で、
OECDのグリア事務総長は、「最低でも15%まで引き上げるべき」という見解を示したこと話題になっています。

実際のところ、消費税10%の場合、15%の場合、家計にはどんな影響がでてくるのでしょうか?
ファイナンシャルプランナーの石村衛氏にお話をお伺いしました。

都内在住 夫婦&子供二人世帯へのインパクト

消費税の増税は、家計を直撃します。
平成28年2月の家計調査(※1)では、住居費等を除く消費支出は、月額234,404円でした。

この数値を元に試算してみると、現行の消費税負担額は234,404円×8%で月額18,752円の税負担をしていると推定されます。
(非課税支出である医療費や学校の授業料、居住家賃、その他は除外していない数値)

1.消費税・10%の場合


234,404円×10%=23,440円(軽減税率は考慮していない)
現行の8%の税率と比べて月額4,688円程度の負担増

2.消費税・15%の場合


234,404円×15%=35,160円
現行の8%の税率と比べて月額16,408円程度の負担増

消費税率10%に止まる場合の税負担は、15%に引き上げた場合のインパクトに比べれば相対的に負担感は少ないながらも、家計に重くのしかかるでしょう。
いわんや消費税率15%となれば、現行税率に比べて1.8倍を超える増税となり、

実質的に約20万円の年収が吹き飛ぶ

ことになりかねません。

消費税10%、15%に備えてすべきこと

これは消費税率が5%から8%に増税した時に既に起きた現象ですが、増税前に生活必需品の買いだめや高額商品の購入など一時的に有効な手段となります。
しかし、これらはしょせん一時的な効果しか望めず、根本的な解決手段とはなりません。

増税により負担が増すことでケチケチ生活を余儀なくされる懸念は拭えないものの、家計支出の各項目を取捨選択して見直しておく必要もありそうです。

「こだわり支出」は一定程度容認するとして、「何となく支出」は慎みましょう。
さらに「必要なモノ」と「欲しいモノ」の区別も意識しましょう。


※1 総務省:家計調査(二人以上世帯)平成28年2月分速報より
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf

<取材協力・監修プロフィール>
石村 衛(いしむら・まもる)
FP事務所:ライフパートナーオフィス代表ファイナンシャルプランニング1級技能士
(CFP)東洋大学卒業。メーカー勤務の後、FP事務所:ライフパートナーオフィスを横浜市戸塚区に開設。地域に根ざしたFP活動を志向し、住宅ローン、不動産・証券投
資、保険、貯蓄・など一般家庭のお金にまつわる様々なアドバイスを行っている。お金に係わる出前授業を小・中・高校で実施。また、高等学校の保護者会などで進学
費用や奨学金・教育ローンの講演多数。東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザーとして活動中。