
不安定な今、どう投資する?──武藤十夢が聞く「S&P500」の本質と“次の選び方”

世界経済の不確実性が高まる今、「このまま投資を続けていていいの?」「人気の投資信託って本当に安心なの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、投資初心者に人気の「S&P500」にフォーカスし、これからの投資の姿勢を考えます。元AKB48メンバーであり投資歴9年の武藤十夢さんをゲストにお迎えし、ティー・ロウ・プライス・ジャパンの運用のプロフェッショナル・髙松浩二さんとともに、S&P500の基本から“ちょっと進化した投資信託”まで、これからの時代に合った投資の心構えと選択肢をやさしく解説していただきます。

- 武藤 十夢(むとう・とむ)
- 元AKB48メンバー。投資歴は9年で、FP技能士などの資格も保有。月3,000円のインデックス投資から始め、現在は投資信託や個別株を組み合わせて運用中。
いま世界で何が起きているのか?〜初心者が知っておきたい市場の現状
- 投資を始めたばかりの方にとって、現在の市場の動きに不安を感じる方も多いはず。まずは今、世界で何が起きているのか、その現状を知るところから始めたいと思います。
- 髙松浩二さん(以下、髙松):今年に入ってから、アメリカの政治や経済の動向がマーケットに与える影響がとても大きくなっています。ニュースやSNSで「トランプ大統領」を見ない日はないくらい話題になっていますよね。4月には一度株価が大きく下がったんですが、すぐに戻しました。何が起きたのかというと、過去の例を見ても、トランプ氏は株価にすごく敏感で、下がると「これはマズい」と判断してすぐ軌道修正するんです。
- 武藤十夢さん(以下、武藤):最近も急な発表があって驚くことが多いですよね。

- 髙松:そう、でもその後すぐに方針を転換することも。たとえば、先日も相互関税をいきなり発表して世界中を混乱させても、やりすぎたと判断すればすぐに修正する。マーケットもそうした経緯を見てきて「彼は株価を気にしているんだ」と考えるわけです。
- 武藤:でもやっぱり、短期的にはちょっと振り回されますよね…
- 髙松:その通りです。だからこそ、あまり一喜一憂せず、長期で見ていただくことが重要です。とはいえ、資産の種類によっては戻ってこないケースもあります。米国株の場合は歴史から比較的信頼感がありますけど、投資する国や資産の選び方には気をつけていただきたいですね。

- 武藤:トランプさんって「アメリカファースト」を掲げているから、アメリカ株も右肩上がりだと思っていいんですか?
- 髙松:基本的にはそう考えていいと思います。実際、彼が初めて大統領を務めた2017年〜2020年のS&P500は上昇していますし、本人も「私にとって株式市場がすべてだ 」と言い切っているくらいです。だからこそ積立投資のような“時間を味方につける”資産運用はおすすめです。
投資の極意「焦って売らない。そして、継続すること」
- 相場が下がると「今、売った方がいいのかな…」と不安になる初心者の方も多いと思います。武藤さんは、そういうとき、どんなふうに向き合っていますか?
- 武藤:やっぱり不安になります。特に始めたばかりの頃は、ちょっと下がっただけで「このまま全部なくなっちゃうのかな」と、慌てて売ってしまったこともあります。でも今は、「投資信託は長期保有する」と自分の中でルールを決めて、下がったらむしろ買い増すようにしています。
- 髙松:そのスタンスはとても大切です。積立投資の最大の敵は不安になって慌てて株を売ってしまう“パニック売り”。マーケットが急落したときに手放してしまうと、その後の回復局面の恩恵を受けられないんです。

- 武藤:そうなんですよね。だからこそ私も続ける中で投資信託が“資産の土台”になってきている実感があるからこそ、少々の上下では動じなくなりました。
- 髙松:非常にいい心構えだと思います。株式市場は不思議なことに大きく下がった次の日に、大きく上昇することもあるので。そうした「上昇する1日」を逃すだけでリターンは大きく変わります。
たとえば、S&P500に20年間投資していた場合の累積リターンは880%。でも、そのうち一番上がった1日を逃すと、リターンは763%に下がってしまいます。さらに30日逃すと、9割以上失ってしまうんです。

- 武藤:えっ、たった1日でそんなに変わるんですか!?
- 髙松:だからこそ、下がっているときも市場に居続けることが重要になります 。「長期で積み立てる」というのは、そういう大事な日を逃さずに、時間を味方にする ってことなんですよ。
- 「予測できない」のは普通のこと。その中でできること
- とはいえ、「今後、上がるの?下がるの?」とつい気になってしまう方も多いのではないでしょうか。
- 髙松:弊社の創業者、トーマス・ロウ・プライスJr.も「株価を完全に予測することは不可能だ」と言っています。世界で起こる出来事も、人々の心理も予測できないからこそ“予測できないもの”という心構えで投資することが重要です。

- 武藤:そうですよね。予測できないからこそ、プロに任せたり、自分のルールを持つことが必要なんですね。
- 髙松:おっしゃる通りです。ティー・ロウ・プライスは将来の株価の予測はしませんが、企業の将来は別です。企業の利益(EPS)などは、調査と分析を突き詰めていくことで、より正確な予測になっていきます。運用のプロとして、企業の業績をより精緻に予測していくことで、株価が上昇する可能性が高い企業の見極めが可能になっていくのです。

改めて「S&P500」ってどんなもの?知っておくべき特徴と注意点
- 初心者の方に向けて、S&P500という指数がどんな企業で構成されているのか、そしてどうやって選ばれているのかを教えていただけますか?
- 髙松:S&P500は、アメリカを代表する500社の大型株で構成された株価指数です。ただ、ランダムに選ばれているわけではなく、選ばれるための条件があります。 その主な条件は、以下の4つです。

- 武藤:こんな基準があるんですね!逆に、一度選ばれても外される企業もあるんですか?
- 髙松:もちろんあります。四半期ごとに見直しがあり、基準に達しない企業は除外されます。つまり、S&P500は“アメリカの今”を映す企業リストとも言えますね 。

- 武藤:S&P500の今後については、どう見ていますか?
- 髙松:短期的には、やはりトランプ大統領の政策の影響は無視できません。2026年にはアメリカの中間選挙が行われるので、選挙を見据えて株価を支えるような“景気のいい政策”が出されやすいという傾向もあります。
- 武藤:たしかに、選挙前は経済に動きがでますよね。
- 髙松:冒頭にもお話しました通り、特にトランプ氏は、株価に対して敏感な方です。ですので、選挙を意識した政策が相場に好影響を与える可能性もあります。
- 武藤:投資家としては中長期の目線が大切ということですね。
- 髙松:その通りです。中長期で見ると、米国株式は依然として高い成長が期待できる資産だとみています。短期ではトランプ大統領の政策の影響で乱高下があると思いますが、中長期では引き続き成長が期待できます 。
その理由は、アメリカの企業には“新陳代謝”があり、成長する新しい企業が次々と登場する土壌があることです。マグニフィセント・セブンがその象徴です。

- 髙松:さらに、過去20年のパフォーマンスで見ると、S&P500は世界株(オルカン)に比べて約1.5倍の差をつけています。企業の収益性と国の後押しが、その強さの源泉です。

- S&P500がよい投資先のひとつということは理解できたんですが、「落とし穴」のようなものもあるんでしょうか?
- 髙松:2024年、S&P500は年間で+39%(円ベース)と好調でした。しかし、大きく伸びたのはエヌビディア(半導体メーカー)など一部の銘柄で、全体の約7割の企業はそれ以下の成績でした。
中には1年で60%以上も値下がりした企業も含まれています。こうした好不調が混在した500社すべてにまんべんなく投資しているのが、S&P500の特徴でもあり、落とし穴にもなり得るのです。

- エンハンスト・インデックスという新しい選択肢
- そんな中で「エンハンスト・インデックス」という選択肢が注目されていますよね。
- 髙松:はい。エンハンスト・インデックスとは、S&P500をベースにしつつ、「不調な企業を省いて、好調な企業を厚めに持つ」ことで、より効率的に成績を伸ばすことを目指す運用方法です。
例えば、同じ半導体企業でもエヌビディアとインテルの株価推移では大きな開きがあります。2023年末を起点にすると、2025年5月末には約7倍の差になっています。こうした株価が上昇する可能性が高いと見込む企業に絞り込むのが特徴です。

- 武藤:えっ、同じ業界の有名な企業でもこんなに差があるんですか!?
- 髙松:実際の運用でも、各業種のプロが企業を徹底的に調査して「いい企業を選ぶ・悪い企業を省く」判断をしています。
S&P500をベースにしながら、プロの目利きで調整する、いわば“インデックスとプロによる運用を組み合わせた”スタイルです。

S&P500の次に考えたい、“ひと工夫”の投資戦略
- ティー・ロウ・プライスから、エンハンスト・インデックスの新ファンド「S&P500 Pro」が出るそうですね。
- 髙松:各業種のプロ(アナリスト)が銘柄を選ぶからこういう名前にしているんですけれども、例えるとスマホの「Pro」バージョンに近いと思います。よりカメラの性能がいいとか、スペックが高いものを欲しいなって「Pro」を選ぶ人もいらっしゃると思います。
投信でも0.数パーセントのコストを上乗せしてでも、いいものがあればそっちを選ぶっていうのも、一つ選択肢としてはあってもいいのではないかと思っています。 - 武藤:これって、やっぱりコストも高くなるんですか?
- 髙松:年0.6%ほどの信託報酬(手数料)※がかかります。しかし、プロが銘柄を選別することで信託報酬を控除したあとでもS&P500よりも高いリターンを目指すファンドです。実際に、「S&P500 Pro」のもとになる戦略の米国での運用実績は25年以上あり、運用開始来で毎年平均して0.9%の超過リターンを記録してきました。※その他の費用がかかる場合があります。詳しくは投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
- 武藤:信託報酬を引いてもリターンが出てるんですね。それなら、S&P500と、エンハンスト・インデックスに半額ずつ投資すると比較できて面白そう!
もうすでにS&P500に投資していて投資額を増やそうかなと考えている人は、そのままS&P500に追加するのではなく「もう少し目利きが入っているものを」と選ぶのもアリだなと思いますね。

- 髙松:先程、米国での実績はS&P500を毎年平均して0.9%程度上回ってきたとお伝えしました 。これは一見小さく見えるかもしれませんが、長期で積み重ねると、20〜30年後には物凄く大きな差になります。
- 武藤:長期投資前提だからこそ、その1%の差が活きてくるわけですね。
- 髙松:はい。そしてこの戦略は、世界で13兆円以上(※1)を預かる大規模なものです。米国で投資可能なエンハンスト・インデックス・ファンド市場ではシェアNo.1(※2)を獲得しています。S&P500にすでに投資している人ほど、「もう少し踏み込みたい」と思ったときに、ちょうどいい進化版の選択肢になると考えています。

- 最後に、今日の対談を通じてそれぞれ感じたことをお聞かせください。
- 武藤:やっぱり投資は楽しいと思いました(笑)
最初はS&P500に「とりあえず」で投資していたけれど、こうしてプロの方から話を聞くと、「もっと自分に合った投資商品を選ぶこともできるんだ」と視野が広がりました。 - 髙松:今回ご紹介したS&P500 Proは、「ちょっと良いものを選びたい」という気持ちに応えられる、新しい選択肢だと思っています。応援したい企業とともに、前向きに資産を育てる投資のスタイルが広がっていくことを願っています。
●S&P500Proの詳細はこちら

- 【ご注意】
本記事は、ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社(関東財務局長(金商)第3043号)の情報提供に基づいて制作しています。
投資信託は、元本が保証されている商品ではなく、基準価額の変動により損失が生じるおそれがあります。
ご購入の際は、各商品の目論見書等をよくご確認のうえ、ご自身の判断でお申し込みください。

- ※基準価額の変動要因は上記に限定されるものではありません。詳しくは投資リスクをご覧ください。

- ※詳しくはファンドの手続・手数料等をご覧ください。


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