新品のブランド品が激安! 洋服を廃棄から救う「オフプライスストア」がアツい

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今、新品の高級ブランドの洋服やバッグを「格安販売」するショップが話題になっている。さまざまな理由で販売時期を逃してしまった商品を買い取り、低価格で販売する「オフプライスストア」というビジネスモデルだ。
今回は、株式会社ゲオホールディングスの子会社、ゲオクリアが運営する
オフプライスストア「ラックラック」
を取材。

世間がSDGsへの関心を高める前から、レンタルやリユース事業など「循環型社会」を推進してきたゲオグループ。

新たな事業を立ち上げた経緯や展望について、株式会社ゲオクリアの代表取締役社長・川辺雅之さんに、ライブドアニュースの看板犬「ドアふみ」が話を聞いた。

高級ブランドが80%OFFで買える⁉

この店は俺でも知ってるくらいの高級ブランドが格安で売られてるらしい。例えば…
「BALENCIAGA」や「SAINT LAURENT」など、高級ブランドの財布や…
「BURBERRY」や「Off White」など、手が届きにくいハイブランドの洋服
靴売り場もバリエーション豊か。ここにも「DRIES VAN NOTEN」などのハイブランド品が
コスメもかなり割引されている ※コスメは15%OFF〜
ドアふみくん、「ラックラック」へご来店いただきありがとうございます。

ここでは、高級ブランドからカジュアルブランドまで幅広く取り扱っています。すべて新品でメーカー小売価格の30〜80%OFFでご購入いただけます!
や、安い! この店どうかしてるぞ…。

メーカーにも環境にも? いいことずくめの「オフプライスストア」

ここは「オフプライスストア」という業態でやってる店なんです。アメリカではメジャーなビジネスモデルで、100年近い歴史があります。
オフプライスストアって言葉、初めて聞いたぜ。
簡単にいうと「アウトレット商品のセレクトショップ」ですね!

メーカーや小売店から、販売時期やシーズンを逃してしまった商品を仕入れて、安価でご提供するショップです。
じゃあ、アウトレットモールとの違いは1店舗に商品が集まってるってこと?
その通りです! アウトレットモールをぎゅっと凝縮したようなものです。さまざまなブランドやメーカーの商品が1店舗のなかに集約、構成されています。
お客様にとってのメリットは、アウトレットモールと同じく、安価なものが手に入りやすいことです。

メーカー側は、洋服の廃棄にかかるコスト削減や、店舗を持たずして販売時期を逃したものを販売できること。

そして、何より廃棄が減ることで焼却による環境負荷も軽減される、三方良しの仕組みなんです。
いいサイクルだな! 今まで日本になかったのが不思議なくらいだぜ。

裏側にある「深刻なアパレル在庫問題」

ビデオやゲームなどのレンタルを主としたショップ「ゲオ」
「ゲオ」って、DVDやゲームレンタルのイメージがあるけど、オフプライスストアを始動したキッカケは何だったんだ?
アメリカのオフプライスストアに出会って、日本でもできると確信したんです。

日本にはこういった業態がなく、洋服の年間生産量およそ30億着に対して供給量は半分くらい。売ることができなかったものは、廃棄されるか、翌年度まで持ち越されるのが現状です。
アパレル在庫ってそんなにあるのか…。
はい…。今までは日本ではオフプライスストアという業態で、それらを販売するプレイヤーがいなかっただけだったんです。
そこで「ゲオ」が立ち上がったってわけか。それにしてもアパレル進出は意外だったぜ。
じつは、ゲオグループはリユースショップ「セカンドストリート」の運営にも力を入れているんですよ。
衣料品を中心に、雑貨や家電などを扱うリユースショップ「セカンドストリート」
「セカンドストリート」もゲオだったのか! そのアパレルの知見が生かされた感じ?
そうですね。「ラックラック」にもセカンドストリート出身の目利き力があるバイヤーが大勢います。

セカンドストリート出身者は、今まで中古を扱ってきているため、幅広いブランドを知っており、その商品が今いくらで売れるかと時価で考える癖がついています。

プライシング(価格設定)するという意味ではセカンドストリート出身者は柔軟性があると思っています。
気づいてしまったんだが、「ゲオ」ってSDGsが注目されるずっと前から、レンタルやリユースとか循環型事業をしていたってことだよな。
そうなんですよ! ゲオグループは昔から循環型事業を中心にしています。
廃棄されてしまうものには、まだ価値があり、それを誰かに届けるというマインドが「ラックラック」でもそのまま踏襲されています。
そのブレねえ感じ、カッコいいな!

とことん”エコ”を追求した店づくり

店舗ではオフプライスストアの仕組みや、廃棄による環境負荷の動画が流れていたりして、アパレル店では珍しい光景だったぜ。
やっぱり日の目をみない洋服たちの存在や、アパレル在庫がどう環境に影響を及ぼすのかを知ってほしい、という気持ちが根底にあるので…。

各店舗にデジタルサイネージを導入し、発信を続けています。
ここにある衣類って、すべて廃棄されてたかもしれないってことだよな。恐ろしいぜ。
そう考えると感慨深いものがあります。需要があるのに捨てられるのは純粋にもったいないと思いますから。

そういう考えもあって、店舗の内装もなるべくシンプルに、資材などは極力使わないようにしています。

表参道原宿店で使用しているテーブルは、廃棄予定だった衣類を再利用しているんですよ。
廃棄予定だった衣料品がテーブルの支柱に
右側の支柱は、本来捨てられるはずの廃棄物と廃棄衣料品を原料としたサステナブルボードを使用
エコバッグも廃棄素材で作るという徹底っぷり
「あるもので構成する」って軸を通してるところがすごいぜ。

オフプライスストアが日本に広がるよう応援してるぞ!

オフプライスストアの仕組みを漫画でおさらい

「ドアふみの社会科見学」は、毎回漫画にもなるんだぜ。今回はオフプライスストアの仕組みと「ラックラック」の魅力を漫画化! 合わせて読んでくれよな。
今回の取材先:
株式会社ゲオクリア「ラックラック」
ゲオホールディングス傘下の、アパレルを中心に取り扱うオフプライスストア。
オフプライスストアは、社会問題となっている「余剰在庫問題」の解決する一手として期待されている事業。
ゲオクリアは、リユース事業で培ってきたノウハウを生かし、「ラックラック」の全国展開を目指している。お近くの店舗情報については公式サイトから。
取材・文/ドアふみ
店舗撮影/布施鮎美
撮影・ドアふみの手伝い/編集部
漫画/ナナイロペリカン