重要なのは絵よりもキャラクターが見ているもの。榎木淳弥×内田雄馬『呪術廻戦』対談
2018年に『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートし、10月2日発売のコミックス13巻でシリーズ累計発行部数850万部を突破した『呪術廻戦』。
人間の負の感情から生まれる呪いや、死生観をテーマに据え、どこかおどろおどろしい雰囲気をまといながらも、迫力のあるバトルアクションと重厚なストーリーで人気を博している。
10月からはTVアニメもスタートしてますます勢いを増す『呪術廻戦』で、主人公・虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)を演じる榎木淳弥、伏黒 恵(ふしぐろ・めぐみ)を演じる内田雄馬に、作品への向き合い方や魅力について語ってもらった。
熱血漢タイプの虎杖と、クールタイプの伏黒、それぞれ彼らの素の性格とは真逆に見えるキャラクターだが、どんな心構えでマイクの前に立っているのだろうか。
プライベートでも朝まで仕事の話をすることがあるというふたりからは、“仕事仲間”というくくりには収まらない、同じ時間を共有するなかで芽生えた友情も垣間見ることができた。
スタイリング/久芳俊夫、奥村 渉 ヘアメイク/フリンジ、花嶋麻希
オーディションでは、掛け合いを楽しんで芝居ができた
- もともと、原作の『呪術廻戦』はご存知でしたか?
- 内田 僕はオーディションをきっかけに知って、それから読み始めました。『週刊少年ジャンプ』らしい作品ですよね。凄惨な描写も多いのですが、ベーシックな部分は王道の少年漫画らしさが感じられて、どんどん読み進めることができました。淳弥くんは読んでたんだよね?
- 榎木 うん。オーディションを受ける前から原作を読んでいました。
読み始めた頃にはすでに人気作品だったので、おもしろいんだろうなと思って手にとったら、評判通りすごくおもしろくて。「これはTVアニメ化しそうだな」と思いながら読んでいました。 - 内田 そういうのある。読んでおもしろい作品は、TVアニメ化したときに自分が演じられそうな役を探すよね。
- 榎木 うんうん。この役ならやれそうだな、やってみたいなと思いながら読むよね。
- なるほど。では、読んでいた当時、『呪術廻戦』で演じてみたいキャラクターはいましたか?
- 榎木 メインキャラクターで僕が演じられそうな役は、虎杖悠仁か伏黒 恵かなと思っていました。
でも、当時はアニメ化の情報もまだで、オーディションを受けられるかどうかもわからなかったので、もしもアニメ化するならどちらかの役に挑戦してみたいな、くらいの気持ちでした。 - 内田 原作が好きで気持ちが入りすぎると、オーディションで落ちたときにすごくヘコむよね……。
- 榎木 そうだね。だから、この役やりたいっていうのは考えすぎないようにしてるよ。
- ちなみに、オーディションを受けたのはご自身が演じられている役だけですか?
- 内田 僕はテープ審査では虎杖と伏黒を受けました。スタジオオーディションでは伏黒だけです。
- 榎木 僕もテープでは両方、スタジオでは虎杖だけ受けました。
東京都立呪術高等専門学校1年。呪いの王・両面宿難(CV:諏訪部順一)の猛毒に耐えられる、千年生まれなかった逸材。それを使命と受け入れ、間違った死を阻止するべく、自ら呪いを廻(めぐ)る戦いに身を投じていく。▲伏黒 恵(CV:内田雄馬)
東京都立呪術高等専門学校1年。二級呪術師として入学した天才で、1年生ながら唯一単独任務が許されている。過去のある経験から、自分自身が大切に想う者を守るという信念を持つ。
- 実際に受けてみて手応えのほどは……?
- 榎木 スタジオオーディションは相手役の人がいて掛け合いでやるものと、ひとり芝居をするものと2パターンあって。ひとりで読むほうは全然ダメでしたね。
- 内田 そうだったんだ!
- 榎木 ダメ出しされて。掛け合いだと好感触だったので、そっちを評価してくれるなら受かるかなと思っていました。ひとり芝居を加味されてたら……ここにはいないかも。
- 内田 (笑)。
- 内田さんはいかがですか?
- 内田 僕も、掛け合いでやっていただけたことは大きかったです。役をもらってからのアフレコでも同じですが、ひとりで録るのと掛け合いで録るのとでは、演技がまったく違うものになるんです。演じたときに生まれる空気感やグルーヴ感もそうですし、波動がこう……。
- 榎木 波動(笑)。
- 内田 『ジョジョの奇妙な冒険』の波紋みたいな話になっちゃうけど(笑)。
セリフの言い方や声質の調整は、ひとりでもできます。でも、リアルな人間同士の対話ってひとりではできないですよね。相手の発言に対する反応がそのキャラクターらしいか、波長の響き方がキャラクターに寄っているかどうか。掛け合いってそういうところを見ることができると思います。
『呪術廻戦』のオーディションではそういうものを感じることができたので、もともと掛け合いが好きな僕としてはよかったです。 - 榎木 なるほど、それで手応えは……?
- 内田 (少し迷った様子で)手、応えか……逆に、手応え感じることありますか?(笑)
- 榎木 俺、わりとわかるよ。
- 内田 本当?
- 榎木 受かりそうなときはなんとなくわかる。
- 内田 そうなんだ。手応え……伏黒のときはどうだったかなあ。
- 榎木 ワンチャンあるかな、くらい?
- 内田 ワンチャン……そうね、オーディションって役をもらう前だからこそ、自分が原作や台本を読んで感じたものを出してみて、それがスタッフさんの持っているイメージとハマるかどうか、いろいろ試せる場でもあると思っていて。
『呪術廻戦』では自由にやらせてもらえたから、楽しかったなっていうのは覚えてます。 - 榎木 じゃあ、いいオーディションだったんだね。
- 内田 そうそう。やりたいこともすごくいい空気でできたし、物語や役の解釈もできた感じがあったから、それはよかったかも。
高校生らしい“若さ”を表現するために、バランスを考えた
- オーディション時に受けたディレクションで、記憶に残っていることはありますか?
- 榎木 いちばん印象に残っているのは「若くして」と言われたことですね。
- 内田 それ、僕も言われたかも。
- 榎木 あ、本当?
- 内田 うん。
- キャラクターたちは高校生ですからね。
- 榎木 そうなんです。地でやるとどうしても大人っぽい感じになってしまったので、それは言われましたね。
- 内田 「覚悟が決まりすぎてる」とも言われた。
- 榎木 (笑)。圧が強かったのかな?
- 内田 そうかもしれない。自分のなかで瞬間的に「こうだ!」って思いすぎてしまったのかも。反復横跳びをやったら思ったより遠くまで踏み込んじゃった、みたいな。
- 榎木 仕事柄、バシッと決めるセリフを放つことが多いから、力が入っていたのかもしれないね。わかりやすく“決める”言い方ってあるし。
- 内田 そう、「今決めるぞ!」って意気込んだらやりすぎだったみたいで、印象に残ってる。
- 榎木 すごくわかる。力むと気持ちは入るんだけど、キャラクターというより本来の自分に寄ってくるから……バランスが大事になってくるんだよね。
- 内田 そうだね、たぶん考えすぎてしまうのだと思う。彼らは若者だから、きっと覚悟のような“答え”は出さなくてよかったんだと思います。だけど、演じる側にいる僕たちはもう大人だから、つい“答え”を出そうとしてしまう。
- 榎木 そこは難しいよね。監督によっては「もっと決めて」って言われることもあるから、正直やってみないとわからない。
- 内田 うん、どっちのパターンも起こり得るって思って試していくよね。ということで、話は戻るけど、振れ幅を持った状態でオーディションに臨むようにしています。
まっすぐで思慮深さを持つ虎杖と、一見クールだがじつは感情的な伏黒
- おふたりが演じられているキャラクターについてお聞きしたいのですが、まず虎杖悠仁はどんな少年ですか?
- 榎木 僕が演じている虎杖悠仁は、すごくまっすぐなキャラクターです。戦闘中でも冷静に状況を分析できているところを見ると、まるっきり肉体派というわけではないと思っています。難しいことも言うので、じつは理性的で頭がいい気がしていて。
- TVアニメ第1話の「正しい死」、「間違った死」という虎杖の死生観はすごく印象的でした。
- 榎木 たとえ死について考えざるを得ない状況だったとしても、死に対して「正しい」とか「間違っている」とかって普通は思い至らないですよね。彼のことを知るにつれて、思慮深い一面が見えました。
- 内田 虎杖って人からの言葉や影響をきちんと受け止めようとする子だなと思います。人思いであると同時に、きちんと人と向き合ったうえで自分の芯を形成している印象です。何か決断を下すときも、絶対に相手を否定しない。相手の思いを汲み取って吸収し、自分の言葉に変えていっているイメージです。
- 伏黒 恵はどうですか?
- 内田 あまり人付き合いはしなさそうなタイプ。言葉数は多くないのですが、モノローグというか頭のなかではすごくたくさん考えているキャラクターです。
- 榎木 僕は、けっこう感情的だなと思っています。一見クールですけど、「善人と思った人を助けたい」という彼自身の意思に従って行動している感じがして。そういうところは、作品のなかでもいちばん人間味があって、感情移入しやすいキャラクターだなと思いますね。
- 内田 登場したときは事務的な態度でしたが、相手のことを思いやる気持ちは強いんですよね。ただ、それを相手に見せようとはしません。たぶん、人と深く関わらないようにいろいろ考えて、自分を守っているんじゃないかな。ここまでは俺の領域、という線引きをして動くことで、感情が入らないようにしているんだと思います。
- なるほど。
- 内田 五条(悟、CV:中村悠一)から両面宿儺の指を食べて受肉した虎杖の処遇について聞かれたときに、「死なせたくありません」と私情を挟むシーンがありましたよね。
そうやって「俺がこうしたいと思ったからやった」がうまくいかなかったとき、自責の念に駆られるであろうことを、彼はたぶん自覚していると思います。
だから、距離をとることでイーブンの状態を維持しようしている気がして。その結果、クールな人に見えるけど、じつは思いやりがある子ですよね。今収録している時点(インタビュー時は12話まで収録済み)では、そこまで見せていないと思いますが……。 - 榎木 彼の優しさが見えるのはこれからかな?
- 内田 うん、これから少しずつそういう部分が出てきそう。だけど、判断基準ひとつとっても、伏黒はあらゆるしがらみに縛られている感じがしてるんだよね。だからこの前の生配信(9月19日に行われた『東京都立呪術高等専門学校 入学案内特番』)の、演じている役を漢字一文字で表すコーナーで「鎖」と書きました。
- 榎木 伏黒の気持ちはわかる。彼らが置かれている状況的に、その身にいつ何が起こるかわからないしね。
- 内田 そうそうそう。深く関わって思い入れが強くなった相手に何かあったら、みんなきついよね。つらくなっちゃう。それが怖いからこそ、きちんと壁と距離を作っている子だなと思っています。
第2話冒頭のアクションシーンは、CGを使わず手描きで制作
- TVアニメの第1、2話で、おすすめのシーンを教えてください。
- 榎木 第1話が死刑宣告から始まるところは、インパクトがありましたね。原作の始まりと違うので、視聴者のみなさんも驚かれたのではないでしょうか。アニメで初めて『呪術廻戦』に触れる方でも、全体的に理解しやすい流れになっていたと思います。
- 内田 たしかに。
- 榎木 入院しているおじいさんと虎杖のシーンも、アニメオリジナルの演出がかなり増えていましたね。虎杖が病院に通い続けていることは、買ってきた花を慣れた手つきで飾る様子や、看護師さんとの接し方から伝わってきました。祖父と孫の関係性も印象的に描かれていたと思います。学校とはまた違う、彼の日常が推測できるような仕上がりでした。
- 内田 僕は玉犬のシーンです!
- 榎木 召喚するところ?
- 内田 そう。夜の学校で、ズバー!サバー!って。
- 榎木 カッコいいよね、あそこ。
- 内田 配信のときに(釘崎野薔薇役の)瀬戸(麻沙美)さんも言っていましたが、絵に重力があって。アクションシーンの動きにしっかり体幹を感じるんです。人間離れした無茶苦茶な動きをしているけど、しっかり重力を感じられるから、説得力があるんですよね。躍動感もスゴくて、シンプルに感動しました。
- 榎木 アクションなら、第2話の冒頭で両面宿儺と五条が戦っているシーンもおすすめです。ぐるっと一回転するカメラワークは迫力があってスゴかったですね。しかも、CGを使わずに手描きで制作されたらしく、スタッフさんが労力を費やしてアクションシーンを作ってくださっていることを知り、そのクオリティの高さに驚きました。
虎杖・伏黒・釘崎は、ツッコミ不在の“天然3人組”
- では、アフレコ現場で印象に残っていることは?
- 榎木 アイスを食べてる記憶しかない(笑)。
- 内田 スタジオにホームランバーが置いてあって、休憩時間に食べられる収録現場なんですよ(笑)。
- 収録が始まったのは夏頃ですから、アイスは嬉しいですね。
- 榎木 そうですね。でも、僕らくらいしか食べてなかったよね?
- 内田 うん。
- 榎木 職業柄、収録の合間に冷たいものを食べない方のほうが多い気がします。
- 内田 喉が冷えちゃうからね。
- 榎木 でも、僕らは食べてたっていう(笑)。
- 内田さんはいかがですか?
- 内田 僕は、淳弥くんと掛け合いのお芝居をしたときに、天然っぽさをすごく感じました。人との距離感の掴み方というか、作り方がすごく自然で。たぶん、虎杖を演じているからだけではなく、淳弥くん自身もこうやって生きてきたんだろうな、と思うくらい自然でしたね。
- 榎木 そうなんだ。まったく自覚なかったよ。
- 内田 自然と虎杖らしい空気をまとってくれたおかげで、「何なんだこいつ」とイライラする演技もやりやすかったです。これは淳弥くんだけでなく瀬戸さんもそうなんですけど、ふたりの言葉からは心の壁を感じなくて。キャラクターやセリフがそうだからというだけではなくて、「心の壁がない」状態をすごくナチュラルに表現されるんですよね。
- 自覚がないとのことでしたが、榎木さんは虎杖を演じる際に心の距離のようなものは意識されていたのでしょうか?
- 榎木 いえ、あまりしてないですね。虎杖も僕も、イラつかせようと思っていたわけではないので。
- 内田 それはそうだよね(笑)。
- 榎木 意識していなかったからこそ、雄馬くんが言っている空気が全然把握できていなくて、「こいつわかってねえな」みたいな雰囲気が出ていたのかもしれないです。
- 内田 その、意識していないからこその天然っぷりに、虎杖らしさを感じます。
- 榎木 それでいうと、五条以外の3人はかなり天然なのかも。伏黒は常識人に見えるけど、ふと変わってるなと思うことがあるし、釘崎はつねに変わった人だし。
- 内田 彼らは天然3人組だったんだね。
- 榎木 とくに『じゅじゅさんぽ』(TVアニメ公式HPで配信されているオーディオドラマ)とか録ってると、そう思うよね。
- 内田 ボケしかいないね! 最終的には誰かが何かをツッコむんだけど、そもそもツッコもうと思ってる人がいない。
- 榎木 普段からあんな感じなんだろうね。
キャラクターの目線に立って、自分との違いを埋めていく
- 伏黒はアニメだとコミカルな演出も多かったですね。
- 内田 そうですね。でも、コミカルなシーンだから特別に何か意識しているというよりは、そのシーンで起きていることに対して伏黒ならどう対応するのか考えることが、もっとも大事だと思っていて。
たとえば、TVアニメ第1話の百葉箱の中に呪物がなかったシーン。絵の演出としてはたくさん動き回っていてコメディに見えていたとしても、伏黒にとってはまったくコメディではないですよね。呪物を回収するのが任務なのに、あるはずの場所になかったので。
同じ行動をとっていても、焦っているのかイライラしているのかで、演技はまったく違うものになります。 - 榎木 絵の情報に引っ張られすぎないってことだね。
- 内田 そうそう。
- 榎木 コメディっぽく見えたとしても、本人にとってどうなのかを見極めないといけない。
- 内田 今ふざけてます!っていうギャグシーンは別としてね。視覚的情報だけではわからない感情が彼らの人間らしい部分だと思いますし、TVアニメ『呪術廻戦』ではそういう部分をより立体的に描いていただいているので意識しています。
- 伏黒よりも感情の起伏が大きい虎杖は、いかがでしょうか?
- 榎木 僕も雄馬くんと同じで、シーンの切り替えはとくに意識していないです。なんでそれを言うんだろう、どういう気持ちなんだろう、ということだけを考えたほうが、ブレずに演じられると思っています。
絵の印象ではなく、キャラクター目線に立つようにしているので、コミカルであろうとシリアスであろうとアプローチ方法は一緒ですね。 - では、役作りで意識していることや心がけていることは?
- 榎木 僕、役作りを意識したことがないんですよ……。
- 内田 たしかに、役作りって何だろうね?
- ひたすら台本と原作を読み込んでいくんですか?
- 榎木 TVアニメと流れが違う場合もあるので原作はそこまで読み込まないです。どちらかというと台本を読んで、相手とどんな会話をしていて、どういう行動をとっているのかを自分のなかに落とし込む感覚ですね。
- 内田 そうだね、アニメーションってカット数が決まって、動きのついた絵があって、それにあわせてセリフも調整されて、多くの要素がひとつにまとまってできていて。
原作の雰囲気や流れがそのままTVアニメになるわけではなく、TVアニメ独自の空気がある。そこで何を表現したいのかを見つけることが大切だと思います。 - 榎木 たしかに。
- 内田 いちばんはそのキャラクターがどう感じたのか、だと思うので、それを読み取るには台本を読むしかないんですよね。
だから、台本を読んで、自分のなかで噛み砕いて、それから役として考えて……「俺だったらこういう言い方はしないのに、なんでこう言ったんだろう?」という、自分との差を埋めていく作業の積み重ねです。 - 榎木 自分となんで違うんだろうって考えていく役の作り方、だいたい一緒だ。
- ご自分との違いをロジカルに見つけていくイメージでしょうか。
- 榎木 ある意味、感情的だと思います。
- 内田 頭で考えているようで、台本を読んで感じた素直な気持ちをもとに、役との違いを探していくだけだからね。お芝居に関するオーダーがあれば頭を使うこともありますが、それはあとから付加されるものなので。役の気持ちを理解するには、自分の感情と比較するのがわかりやすいです。
そのために、いろいろなことを知って経験して、感情の引き出しを増やさないといけないなと日々思っています。
改めて思ったのは、僕たちは似ている部分が多い!
- ここからは、おふたりについて教えてください。お互いの第一印象は覚えていますか?
- 榎木 第一印象は……「いつも笑ってる人」。
- 内田 淳弥くんは、「何考えてるかわかんねーなー」(笑)。
- 榎木 今も変わらないんじゃない?(笑)
- 内田 いや、そう見えて、意外に感情的なところがあるって思ってるよ。
- 榎木 あー、そうだね、たしかに。
- 内田 まっすぐでブレない、いちばん“しんあつ”タイプなんですよ!
- 榎木 しん、あつ……?
- “しんあつ”とはどのような……?
- 内田 身体の“芯が熱い”タイプ。
- 榎木 ああ!
- 内田 付き合っていくとその熱さがわかるんですけど、ぱっと見たときに淳弥くんは……。
- 榎木 何考えてるかわからない?
- 内田 何も考えてないんじゃないかとも思った(笑)。
- 榎木 それもけっこうある(笑)。
- 内田 あるんかい! だからか(笑)。あとは、2019年くらいからもっとも会う頻度が高い役者のひとりです。
- 榎木 そうだね、よく会うね。
- 内田 最低でも週2回は会ってる。ずっと一緒にいるので、そういう意味ではふたりでいるのも慣れたもんですな。
- 榎木 まだ慣れてなかったらけっこうやばいよね(笑)。
- 同じ時間を共有するなかでどんなお話をされるんですか?
- 榎木 なんでも話しますね。
- 内田 淳弥くんとはだいぶいろいろ話しました。
- 榎木 今でこそ車とか話題の幅が広いんですけど、仕事の話が多いかな。
- 内田 自分たちで言うのもなんですが、僕たち真面目だし、結局仕事の話が好きなんだよね。
- 榎木 もうひとりふたりいましたけど、その話題で朝まで飲んでたときもあったよね。
- 熱い会ですね、それは!
- 内田 そういえばドライブにも行ったね。
- 榎木 うん、『呪術廻戦』チームで。ステイホーム期間に入る前の話ですけど。
- 内田 車好きが多いから、ちょっと親睦会を兼ねて出かけましょうかって。
- 榎木 『呪術廻戦』の現場に車の雑誌とか持ってきて、それで盛り上がるくらい車好きが多いんですよ。そういう光景を見ていると僕も運転免許が欲しいなと思います。
- 内田 (笑)。
- お互いの好きなところ、尊敬しているところは?
- 榎木・内田 (互いに顔を見合って照れる)
- 内田 ……じゃあ、ひとつずつ言っちゃう?(笑)
- 榎木 素敵なところはいっぱいあるんだけど、今挙げるとしたら何だろう。
- 内田 俺はそうだなあ。人ときちんと向き合おうとするところかな。時どき、人と向き合いすぎて 、本人も状況がわからなくなってるんじゃないかなと思うときがあって。
一見クールなので対人関係について頭で割り切っているのかと思えば、相手に感情移入しすぎている雰囲気を感じることもあるんです。そのはざまで悩んでいる姿に人間味を感じて、僕は好きです。 - 榎木さんはどうですか?
- 榎木 彼は悩み多き人なんですよ、真面目なんで。物事1つひとつと向き合って、どうすればいいか考えては悩んでる。でも、悩むってことはよりよくしたいと思っているわけじゃないですか。向上心が素晴らしいなと思っています。
何より人からすごく愛されていますよね。誰とでも仲良くできるのは、天性のものだなと感じます。嫌っている人いないんじゃないかな。……僕くらいですかね? - 内田 え? 貴様……?
- 榎木・内田 (爆笑)。
- 榎木 でも本人の人柄や人間性って芝居にも表れると思うので、彼の愛され力は本当に素敵だと思いますよ。
- 内田 すごく嬉しい。でも恥ずかしいや。
- 榎木 褒め合うのって恥ずかしいね。
- 内田 こうやって対談してみて改めて思ったけど、僕たち似てるね。
- 榎木淳弥(えのき・じゅんや)
- 10月19日生まれ。東京都出身。A型。主な出演作は、『トニカクカワイイ』(由崎星空)、『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』(パンナコッタ・フーゴ)、『この音とまれ!』(倉田武蔵)、『シャドウバース』(夜那月ルシア)、『BEASTERS』(ジャック)、『スパイダーマン:ホームカミング』(ピーター・パーカー/スパイダーマン)など。
- 内田雄馬(うちだ・ゆうま)
- 9月21日生まれ。東京都出身。A型。主な出演作は、『灼熱カバディ』(宵越竜哉)、『フルーツバスケット』(草摩 夾)、『スケートリーディング☆スターズ』(前島絢晴)、『怪病医ラムネ』(ラムネ)、『あさチャン!』ナレーションなど。2018年、アーティストデビュー。
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、榎木淳弥さん×内田雄馬さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
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- 2020年10月16日(金)18:00〜10月22日(木)18:00
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