相手の警戒心を察知し、仲良くなれるか直感で判断。神木隆之介のコミュニケーション術

現在26歳にして、芸歴24年を迎える神木隆之介。

本郷奏多や吉沢 亮など、彼を親友と語る俳優が多くいるが、本人は「自分のどこが愛されているのかわからない」と言う。

人とコミュニケーションを取るときの秘訣を聞くと、相手がどれくらいの警戒心を持っているかを図っているかも、と答える。意外と策略家なのだろうか?と思えば、「でも、そもそも人と話すのが好き」と屈託のない笑顔で、ストレートに胸の内を明かす。

彼のコミュニケーション術は、長い役者生活で培われた適度な距離感を察知する能力と、心から会話を楽しんだうえで、相手も気持ちよくさせる天性の人たらし能力から作り出されているのかもしれない。

撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/馬場英美 制作/iD inc.

奏多や吉沢には「僕のどこが好きなの?」と聞きたい

神木さんといえば非常に交友関係が広く、テレビ番組などで多くの方々がその人柄を絶賛されています。今回の取材では、ぜひ神木さんのコミュニケーション術についてもお伺いしたいのですが、俳優の本郷奏多さんは神木さんのことを、大切な友人だとおっしゃっていますよね。
奏多とは『あいくるしい』(2005年)というドラマで出会いました。物語では同級生という設定でしたが、当時、僕は小学6年生で、奏多は中学2年生ぐらいだったのかな。だからというわけではないのですが、僕にとって奏多はカッコよくて憧れの存在でした。

本当のお兄ちゃんみたいにいろんなことを教えてくれて。当時の僕はずっと奏多にくっついて行動していましたね(笑)。
兄弟のような関係から親友になる契機はあったのでしょうか?
僕が20歳を超えた頃かな。それまでも通っていた学校が一緒だったので仲良くはさせてもらっていたんですけど、僕が話していることに奏多が笑ってくれたことがあったんですよね。それまではいつも僕が笑わせてもらっていたので、奏多も僕と一緒にいることを楽しんでくれているんだと思えて、うれしかったのを覚えています。
吉沢 亮さんともプライベートで一緒に温泉に行くほど仲が良いとうかがっています。以前、『ZIP!』で吉沢さんが「僕以外に“神木の親友”だと思っている人がいっぱいいる。結局、誰がいちばん好きなんだよ!」と発言したことが話題になりましたが、実際のところは?
あれは吉沢がふざけて言っているだけです(笑)。別の番組では「自分が女性なら神木みたいな異性がいたら絶対にイヤだ」と言っていましたからね(笑)。
とはいえ、本郷さん・吉沢さんともにシャイなイメージがあって、そんなおふたりから好かれる神木さんは、相当な愛されキャラなのではないかと。
自分ではわからないですね。本当に僕が愛されキャラだったとして、僕のどこを好きになってもらえているのか聞いてみたいです(笑)。今度取材で彼らに会うことがあったら、聞いてみてくれませんか?
わかりました(笑)。神木さんは人と接するときに気をつけられていることはありますか?
初対面の人と仲良くなれるかどうかは、直感でしかわからないですね。でも、相手の声や反応を聞いて、この人はどれぐらいの警戒心があって、どれぐらいの距離を保ちながら人と接したい人なのかを図るところはあるかも。

たとえ趣味が同じでも、仲良くなれるかどうかって別の問題で、相手のどこまで踏み込んでもいいのかはすごく考えます。

とはいえ、やっぱり仲が悪いよりかはいいほうがいいですし、人とお話することは好きなので、もとから人に興味があるのかもしれないですね。自分の愛され力がどこにあるのか、というか愛されているのかどうかもわかりませんが(笑)、これからも変わらないと思います。

僕がツッコんで満足そうな倫くんを見るとうれしくなる

公開中の映画『屍人荘の殺人』は、大学のミステリー愛好会に所属する明智恭介(演/中村倫也)と神木さん演じる葉村 譲が、謎の美人女子大生探偵・剣崎比留子(演/浜辺美波)によって事件に巻き込まれていくミステリー。映画はコメディ色が強くなっているようですが、原作と映画の脚本を読まれたときの感想を教えてください。
たしかに原作小説と映画ではけっこうテイストが違いますよね(笑)。原作では、葉村の心情や絶望的な状況に追い込まれた人々の恐怖感が生々しく描かれているのですが、いざ映画の脚本をいただいたら登場人物たちがキュートな存在になっていて、驚きました。

とはいえ、小説でも映画でも、どのキャラクターも本当に愛おしく描かれていて。物語の主軸は変わっていないので、原作ファンの方にも楽しんでいただける作品になっていると思います。
神木さんが演じられた葉村は、“ホームズ”を自称する先輩・明智の万年助手として振り回される役柄。中村さんとは映画『3月のライオン』(2017年)でも共演されていますが、そのときから印象は変わりましたか?
俳優さんとしての印象は変わっていませんが、今作に関する取材でご一緒させていただく機会が多くて、そこでの印象は変わったかもしれません(笑)。
というのは?
『3月のライオン』の撮影のときは、毎回アドリブを入れてこられたし、何を考えているのかわからない怖さがあるというか、未知数なところがあったんですよね。その印象は今も変わらないんですけど、今回一緒に取材を受けていて思ったのは、意外と何も考えていない人なのかなと(笑)。
何も考えていない?(笑)
もちろん、何も考えていないことはないと思いますが、取材とかでは意外と思いついたことをパッと言っていることも多くて。だから、僕が自然とツッコミ役になるんですけど、そういうときに倫くん(中村倫也)を見ると、「ほら、ツッコめよ」という目をしているんですよね(笑)。
なかなかハードルが高いですね(笑)。
でも、僕はそれが楽しくて。それで倫くんが満足そうな顔をしてくれるとうれしいですし、そう思ってからは安心して話しやすくなりました(笑)。

明智の特異性を出すため、一般的な感覚を大事にした

映画では葉村と明智のやりとりがとてもかわいらしかったです。葉村を演じるにあたって気をつけたことはありますか?
葉村はちゃんと一般常識を持ち合わせている人物でないといけない、と思いながら演じていました。

明智さんが「葉村くん!」と大声で呼んだりするのも僕は台本で知っているけど、急に大声を出されたら普通にうるさいじゃないですか(笑)。そこで葉村が同じボリュームで答えてしまうと、明智さんの特異性が出ないのではないかと。なので、明智さんがうるさいときには、まず「静かにしてくださいよ」と言うし、そういう一般的な感覚みたいなところは意識していました。
今作で中村倫也さんにインタビューした際に、「変わりものの横にいる普通のヤツがじつはいちばんの変わりもの」とおっしゃっていましたよ(笑)。
そうなんですか?(笑)葉村としては自分が普通で、明智のことをおかしなヤツだと思っているんですけどね!
「葉村は裏でうっすらと明智をナメている(笑)」とも。
倫くんからしたら、そういうふうに見えていたんですかね。自分では意識していなかったです(笑)。
先ほど、中村さんと一緒の取材のときには自分がツッコミ役と話されていましたが、それは劇中の葉村と明智の関係に通じるところもあるのでは?
たしかに倫くんは明智さんと似ていると思います。いや、明智さんが倫くんに似ているのかな…。どちらにせよ共通点はあると思います。
具体的にはどこが似ている?
明智さんは倫くんのキャラをもっと濃くした感じなんですけど、いきなり突拍子もないことを言ったり、すごく気になる一言をさりげなくつぶやいたりとか。

だから、劇中の葉村と明智の関係と同じように、僕がツッコミ役になっているのかもしれません(笑)。

「寝てない!」と言い張る浜辺さんがかわいらしかった

(物語の主な舞台となる)屍人荘の執事を演じられた池田鉄洋さんと初共演ということに驚きました。
僕がご一緒させていただいたのは今回が初めてだったのですが、奏多が『ヒミツの花園』(2017年)というドラマで共演していて。そのときのイメージが強かったのもあるんですが、イケテツさんは最強ですね。本当に大好きです!

それこそ、みーちゃん(浜辺美波)もイケテツさんの魅力にハマっていましたからね(笑)。
浜辺さんとの共演はいかがでしたか?
本当にまだ10代なのかなと思うぐらい、しっかりされていて。たぶん、みなさんも感じてらっしゃると思うんですけど、すごく品があって博識な方なんです。

だから、実際にお会いするまでは僕みたいなおちゃらけた人間は相手にしてもらえないのかなと思っていたら、ちゃんと僕のギャグも受け止めて笑ってくれるし、現場でイケテツさんと一緒にダンスまで踊ってくれて(笑)。

とてもステキで頼もしい女優さんですが、現場ではちょっと天然なところも見えて、かわいらしい女の子だなと思いました。
浜辺さんとのエピソードで印象に残っていることはありますか?
屍人荘のセットにソファーがあったんですけど、ふと横を見ると、みーちゃんが寝ていて。それで「今、寝てたでしょ?」と聞くと、絶対に「寝てないです。目をつぶっていただけです!」と答えるんです(笑)。でも、あれは絶対に寝ていたと思います(笑)。

取材など公の場所で話しているときには本当にしっかりしているけど、実際に接してみると10代の女の子らしい感性やリアクションがあって、かわいらしいなと思いました。
映画はミステリーですが、笑いの絶えない現場だったんですね。
キャストの半分ぐらいは共演経験のある方たちで、友達の友達だったりすることも多くて、現場になじむのは早かったと思います。なので、現場でのエピソードを語り出すと、深夜になっちゃいますよ(笑)。
神木隆之介(かみき・りゅうのすけ)
1993年5月19日生まれ。埼玉県出身。B型。2歳から芸能界入りし、1999年の『グッドニュース』(TBS系)でドラマにて初レギュラー出演。2004年の映画『お父さんのバックドロップ』などで注目を集め、12歳で主演した映画『妖怪大戦争』で第29回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以降、数々の映画やドラマで主演を務め、日本映画の歴代興行収入ランキングの上位を占めるアニメーション映画『千と千尋の神隠し』、『ハウルの動く城』、『君の名は。』では声の出演も。おもな映画の出演作は、『劇場版SPEC』シリーズ、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』、『バクマン。』、『3月のライオン』、『フォルトゥナの瞳』など。待機作には、映画『ラストレター』(2020年1月17日公開)、WOWOW『連続ドラマW 鉄の骨』(2020年4月スタート)がある。

映画情報

映画『屍人荘の殺人』
12月13日(金)ロードショー
https://shijinsou.jp/

©2019『屍人荘の殺人』製作委員会

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、神木隆之介さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2019年12月26日(木)12:00〜2020年1月1日(水・祝)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/1月6日(月)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから1月6日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき1月9日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
  • 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
  • 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
  • 個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
ライブドアニュースのインタビュー特集では、役者・アーティスト・声優・YouTuberなど、さまざまなジャンルで活躍されている方々を取り上げています。
記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。