
新幹線がある限り、『シンカリオン』は走り続ける。佐倉綾音がハヤトに注いできた情熱

2018年1月から放送が始まったTVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』。実在する新幹線がロボットに変形し、子どもたちが運転士となり巨大怪物体に立ち向かうアニメだ。
視聴者に惜しまれつつ放送を終えた6月から約半年、ファン待望の続編が劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』として公開される。
主人公・速杉ハヤト役の佐倉綾音は、ハヤトの前向きなエネルギーや家族に対する深い愛情に、自らも魅了され、救われてきた。TVアニメでハヤトを演じた期間を、「人生において大きな意味のある1年半だった」と振り返る。しかし最終回のアフレコは不思議と悲しくならなかったそう。
「作品から完全に離れる寂しさは、劇場版の公開後に味わうことになるんだと思います」
佐倉は、優しいまなざしで『シンカリオン』やハヤトへの思い入れを語ってくれた。

大声で主題歌を歌う子どもたちを見て、嬉し涙が出た
- TVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』のハヤトとして作品に向き合ってきたこの1年半は、佐倉さんにとってどんな期間でしたか?
- 1年半という時間を自分の中でしっかりと感じられていたわけではなくて、作品を観てくださっている方のことを考えていたら、あっという間という感覚でした。
それでもこの1年半がもたらしてくれたものは、私の人生の中ではとても大きな財産になりました。私はただがむしゃらにアフレコに臨んでいただけでしたけど、作品を作るにあたって、たくさんのスタッフさんが昼夜を問わず動いてくださっていて。
そういったこともふまえて、作品が視聴者のみなさんに届いてその反応が返ってきたとき、これまでかけてきた時間と労力は間違っていなかったんだな、本当に存在していたんだなと、やっと少し実感が湧きました。 - 最終回の収録はどのような気持ちで迎えられたのでしょうか?
- 収録の日は、最終回という実感がまったくなかったんです。物語は劇場版に続くことがわかっていたし、私は「新幹線という乗りものがある限り『シンカリオン』は続く」と思っていて。
実際に走っている新幹線を見ると『シンカリオン』のことを思い出しますし、TVアニメを観てくださった方たちの心の中にも残り続けるんじゃないかと思うと、不思議と悲しくならなかったんです。嬉し涙なら流しましたけど…。


- どんな嬉し涙でしょうか?
- プロデューサーさんが、打ち上げパーティーで『東京おもちゃショー2019』のイベントの模様を映像で流してくださったんですけど、会場に来ていた子どもたちが(TVアニメ主題歌の)『進化理論』を大声で歌っていて。その光景を見たら、自然と涙があふれてきたんです。
- 子どもたちが心から楽しんでいる姿に感銘を受けられたのですね。
- 子どもって本当に楽しくないと、楽しそうな表情を見せてくれないんですよね。それは『シンカリオン』に関わり始めてから実感していたことで。だからこそ、子どもたちが歌っている姿を見て、涙が込み上げてきました。
いろいろなしがらみとか建前が蔓延している世の中で、すごく綺麗なものを見たような気持ちになって。その瞬間、今まで以上に作品の手応えを感じたんです。 - それは、視聴者に届いたという実感?
- そうですね。それと、作品を子どもたちに届けるということは、その親御さんも観てくださる可能性もあるわけで、よりたくさんの視聴者に届けられるということなんですよね。
幅広い世代に『シンカリオン』を楽しんでもらうことは、作品が目指していたところでもあったので、その目的が達成できたんだと感じられたことも、とても嬉しかったです。


劇場公開が終わってから、寂しさを感じることになるのかも
- TVアニメの続編となる、劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』が12月27日に公開になります。改めて劇場版の制作が決まったときのお気持ちをお聞かせください。
- なんとなくですけど『シンカリオン』もきっと劇場版になるだろうなという予感はありました。『シンカリオン』のような子ども向けのTVアニメ作品の劇場版って、子どもたちにとっては特別な“お祭り感”がありますよね。
- たしかに、夏や冬のアニメ映画は、子どもにとって大きなイベントですよね。
- 私も夏休みや冬休みに、家族でアニメの劇場版作品を観に行っていたので、思い出深くて。劇場版『シンカリオン』も、ぜひご家族で劇場に足を運んでいただきたいですし、このアニメを応援してくださっている大人の方たちにも、大きなスクリーンで楽しんでいただきたいなと思っています。
- 劇場版のアフレコでは、これまでのキャストが再結集したとか。
- そうなんですよ。ただ、TVアニメの最終回のアフレコからそれほど時間も経っていなかったので、延長戦のような気分でした。
作品から完全に離れる寂しさは、劇場版の公開後に味わうことになるのだと思いますが…それでも毎週通っていたスタジオに通わなくなったのは、やっぱり少し寂しくて。もう一度キャストのみなさんと集まれたらいいなと思っていたので、ひさびさにお会いできて嬉しかったですね。

ハヤトの前向きさと、他人を否定しない優しさに救われた
- 劇場版では、JR東日本が実際に開発した新幹線試験車両「ALFA-X」をモチーフにした物語が描かれ、ハヤトの父・速杉ホクト(声/杉田智和)が行方不明になり、9歳の少年ホクト(声/釘宮理恵)が時空を超えて登場します。
- 本当によく考えられた物語だなと思いました。少年ホクトだけでなく、ほかにもたくさん新キャラクターが登場しますし、今考えられる最強のキャストで最強の内容になっています。

- 劇場版では、ハヤトの変化や成長も意識して演じられたのでしょうか?
- じつはハヤトのパーソナリティは、最初からほぼ完成されているんですよね。TVシリーズの第1話で、一緒に新幹線に乗る約束をしていたお父さんが仕事に戻らなければいけなくなったとき、ハヤトは自分の気持ちを飲み込んで「お仕事頑張ってね」と言って送り出すんです。そういうことが最初から“できる子”だったんですよね。
もちろんTVシリーズで回を重ねるごとに、戦闘スキルや仲間とのコミュニケーション能力はどんどん進化していったと思うし、新幹線やシンカリオンに対する知識や情熱も増して、シンカリオンの運転士としても進化してきたと思います。
でも、誰に対しても平等に接したり、他人のために動くことができたりする優しさは、最初から最後まで変わっていません。
子どもたちは頭より感覚で作品を理解してくれていると思うのですが、キャラクターの芯がブレると、きっと気づくんです。「何か違うな」って。だから、子どもたちが彼についていこうと思ってくれるのは、ハヤトがブレていない証なんですよね。 - 芯がブレないのは、劇場版でも変わらないですね。
- はい。ハヤトのポジティブなパワーと、他人を否定しないスタンスに、これまでいろいろなキャラクターたちが救われてきましたが、私自身も救われた中のひとり。ハヤトに再会するとすごく安心するんですよね。
本当に私にはもったいないくらい素敵な男の子で、出会えてよかったと感じていますし、私がハヤトの声を担当していることを、ハヤトも幸せに感じてくれていたらいいなと願わずにはいられません。


私の両親と、速杉夫婦の姿が重なるときがある
- 自分の子どもに、ハヤトみたいに育ってほしいと願う親世代の視聴者も多いと思います。
- 思いますよね! 私もハヤトみたいな息子が欲しいです!(笑)
どうしてこんなにいい子に育ったんだろうと考えると、彼の家庭環境が大きいんだろうなと。私はお母さんのサクラさん(声/清水理沙)が本当に好きで。今回の劇場版でも、サクラさんの強さが遺憾なく発揮されているんです。
ホクトが行方不明になってしまったときも、サクラさんはハヤトに「お父さんを信じなさい」と言うんですけど、私が彼女の立場だったらそんなに冷静ではいられないと思うんです。私にとってサクラさんは“人生の指標”です。 - 佐倉さんの周りにホクトやサクラのような方はいますか?
- じつは私の両親が速杉夫婦にちょっとだけ似ているんです。私の父は、私に対しての接し方がホクトさんにちょっと似ていて。「いいよ、いいよ」といつも私を肯定して褒めてくれるんですね。

- 一方で母は、しっかりといろいろなことを教えてくれて、ポジティブな言葉で私を送り出してくれるタイプ。何かに迷ったときは、いまだに母と話して背中を押してもらっていますし、そういう意味で母とサクラさんが重なることがあります。きっと母が育てたかったのはハヤトみたいな子だったんだろうなと、この作品を通じて気づきました(笑)。
- 佐倉さん自身とハヤトの共通点は?
- 残念ながら、私とハヤトの共通点はあまりなくて(笑)。ハヤトの成長に私自身がついていけないときがあるほど、私にとってはすごくまぶしい憧れの存在です。
だからこそ、ちょっとだけ大人びていてもいいと思って演じていたのですが、たまに音響監督の三間(雅文)さんに「25歳の佐倉さんが出ているので、それはしまってください」と注意されることもありました。そう思うと、三間さんもお父さんのような存在でしたね(笑)。

- 佐倉綾音(さくら・あやね)
- 1月29日生まれ。東京都出身。2011年の『夢喰いメリー』で初主演を務め、注目を集める。主な出演作に、『ご注文はうさぎですか?』(ココア役)、『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズ(霜月美佳役)、『Charlotte』(友利奈緒役)、『僕のヒーローアカデミア』(麗日お茶子役)、『東京喰種トーキョーグール:re』(米林才子役)、『五等分の花嫁』(中野四葉役)など。
映画情報
- 劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』
- 12月27日(金)ロードショー
- https://www.shinkalion.com/movie/
©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・The Movie 2019
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- 応募方法
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— ライブドアニュース (@livedoornews) December 23, 2019
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・応募〆切は12/29(日)18:00
インタビューはこちら▼https://t.co/jnBYNwGZkv pic.twitter.com/bHC4mb8pE5- 受付期間
- 2019年12月23日(月)18:00〜12月31日(火)18:00
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