平成から令和へ。高橋文哉×奥野 壮が語る、歴史とともに紡がれるライダー俳優の想い

『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』のインタビューから5ヶ月。目の前に座る奥野 壮(常磐ソウゴ/仮面ライダージオウ役)は、数段落ち着いた空気をまとっていた。隣に座る高橋文哉(飛電或人/仮面ライダーゼロワン役)は、奥野が語る言葉を真剣に聞いている。

『仮面ライダー』というひとつの作品を演じきった経験は、こうも人を成長させるのか──。『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』の現場で高橋が感じたジオウチームの貫録は、まさに1年前、奥野が『仮面ライダービルド』の犬飼貴丈や赤楚衛二から感じたものと同じなのだろう。こうしてヒーローたちの歴史は紡がれてきたのだ。

平成から令和へ、ヒーローとして時代をまたぐことになった10代のふたりの対談が実現。本作に込めた熱い気持ちを存分に語ってもらった。

撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/とみたまい 制作/iD inc.

キレイに揃う、ソウゴ&ゲイツ&ウォズの同時変身に感動

高橋さんは、奥野さん主演の『仮面ライダージオウ』を見ていましたか?
高橋 『仮面ライダーゼロワン』のオーディションを受けると決まってから、改めて1話から見直しました。

「オーディションに活かせるところはないかな?」っていう視点で見ていたので、「変身シーンはこんなふうに言ったらカッコいいんだ」と、学ぶことが多かったです。それに、小さい頃に見ていた『仮面ライダー』と比べて、内容やCGが進化していて、驚きもありました。

『ゼロワン』の出演が決まってからは、さらに視点が細かくなって。「アフレコはこんなふうに声を入れるのか」とか「こういう“変身!”の言い方もあるんだ」と、お芝居や声の入れ方、ヒーローとしての在り方など、たくさん学ばせていただきました。
奥野さんは現在放送中の『仮面ライダーゼロワン』を見ていますか?
奥野 1、2話は見ました。「面白いなあ」と思いましたね。『ジオウ』を撮っているときに、スタッフさんに「次のライダーはどんな話ですか? どんなスーツになるんですか?」って質問していましたが、「ん〜、AIみたいな感じかなあ〜?」ってふんわり返されていたので(笑)、視聴者の方たちと同じように、僕もテレビで見て初めてストーリーを知ったんです。
仮面ライダーを1年経験した奥野さんが、どんな思いで次のシリーズを見るんだろう?と興味深いのですが……。
高橋 僕も聞いてみたいです(笑)。
奥野 ふふふ。いやもう、僕らの1、2話とは比べものにならないくらい、みなさんお芝居が達者だなあと思いました。それに、(変身前の素面の状態で)銃を持って戦闘するシーンもあって。「うらやましい!」って思うこともたくさんありましたね。
▲高橋文哉
▲奥野 壮
今回、『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』で共演されたおふたりですが、奥野さんから見た高橋さんの印象は?
奥野 本当に真面目でまっすぐで、いい子だなあと思いました。
高橋 すごく褒めてくださる……(恐縮しながら)。
奥野 僕の1年前とは比べられないぐらい、本当にいい子です。
高橋 いやいやいや(笑)。
奥野 僕はたぶん、すごく生意気だったと思いますから……(笑)。
高橋さんは、『ジオウ』チームと撮影されていかがでしたか?
高橋 同じカメラの前に立って、一緒にお芝居をさせていただけることが嬉しかったです。やっぱりみなさんすごく貫禄があって。僕ら『ゼロワン』チームにはない現場の雰囲気というか……。「1年間やると、こうなるんだ」と感じました。
『ジオウ』チームの貫録を感じるような、印象的なシーンはありましたか?
高橋 ソウゴとゲイツ(演/押田 岳)とウォズ(演/渡邊圭祐)の3人同時変身が印象的でした。僕はそのシーンにいなかったんですが、「どうしても見たい」とカメラ脇で見させていただいて。(しみじみと)本当にカッコよかったです。
奥野 ふふふ(照れながら)。
高橋 最初のテイクから3人の変身がパーン!って、めっちゃキレイに揃っていて。「うわ、一発で決まった!」と思いました。

僕もA.I.M.S.(エイムズ)のふたり(不破 諫役の岡田龍太郎と、刃 唯阿役の井桁弘恵)と3人同時変身をすることがありますが、一発で揃えるのは難しくて(笑)。揃うまでに時間がかかるから練習も必要なんです。でも『ジオウ』チームのみなさんは、やっぱりガチっと決まるんだなって思いました。
奥野 そもそも3人同時変身ってあんまりやる機会がなかったので、新鮮でしたね。でもたぶん、僕らはいつでも合わせられると思います。合わせられるというか、僕にふたりが合わせてくれているので……。だから、いつやっても大丈夫です。

奥野 壮の芝居から感じた“ソウゴの成長”

『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』のストーリーについては、どのように感じましたか?
奥野 ジオウとゼロワンが、この物語を通じてうまく交じり合ったなっていう印象です。「面白い作品になりそうだな」と思いながら脚本を読みました。
高橋 テレビ本編とは違ったパラレルワールドのなかで、さらに時間軸も移動するので「あれ? これって12年前の“現在”だっけ?」って、確認しながら読み進める必要があって。すごく難しいなと思いました。或人と時代の関係性をしっかり表現しないといけないなと思いました。
しかも、高橋さんはテレビ本編と映画を同時に撮影されていたんですよね?
高橋 そうなんです。1日のなかで、テレビをやって映画をやって、またテレビをやって、みたいなこともあったので、そこの線引きは意識していました。お芝居のテンションも全然違いますから、自分のなかで「テレビはテレビ、映画は映画」とわりきってお芝居しようと思いました……ハードでしたね(笑)。
奥野さんは数ヶ月ぶりにソウゴを演じて、すんなりと役に入れましたか?
奥野 そうですね。いままでのソウゴと変わらない、そこから成長したソウゴが描かれていたので、違和感なく、すんなり演じることができたと思います。
“成長したソウゴ”をどのように想像して演じられたのでしょうか?
奥野 『ジオウ』最終話の延長線上にある物語ということで……いろんなできごとがあってのソウゴだから、ひと回りもふた回りも心が大きくなっていると思うんです。そういった“大きくなったソウゴ”を表現したかったので、テンションを高くせずに、ローにしています。

『ジオウ』のソウゴって、怒るときは感情を高ぶらせていたんです。でも今回のソウゴは、静かに怖いというか。圧倒的な強者感が出せるように意識しました。それはたぶん、画面からすごく伝わってくると思います。

ゼロワンの存在も大きかったですね。作品のなかで或人が心を動かしてくれるので……。ソウゴは或人を支えるように言葉を投げかける。そうやって先輩らしく、レジェンドらしくいられることができた感覚はありました。
いま奥野さんがおっしゃったような“レジェンドとしてのソウゴ”を高橋さんも感じましたか?
高橋 感じました。年齢で言ったら或人のほうが3歳上(或人は22歳、ソウゴは19歳)なのに、ソウゴは自信を持って生きている。自信があるからこそ、或人に「未来なら自分の力で変えられる」って言えるんだなって、「ソウゴ、スゲえ!」って思いました。

『仮面ライダージオウ』を見ていたから、なおさら「ソウゴってこんなに頼もしかったっけ?」って思うような、成長したソウゴを奥野さんが見せてくださったので……みなさんも、これまでとは全然違うソウゴが見られると思います。
奥野 予告でも伝わっていると思うんですよね。変身ポーズを出すときに、(『仮面ライダージオウ』でのできごとを踏まえたうえでの)悲しみがありつつも、儚さを含んだ表情ができたらってすごく意識したんです。

寂しさや怒りの感情をコントロールできているのを想像しながら演じたので、すごく落ち着いているソウゴになったと感じますし、すべてを見透かしているような感じを出せたんじゃないかと思います。
高橋さんは、いまのところ、或人をどんな人物だと考えてお芝居されていますか?
高橋 或人って本当に優しいし、心がものすごく広いと思うんです。でも、自分の守りたいものや誇りに思っているものを否定されたり、傷つけられたりすると、普段からは想像できないような怒りが出てくるんですよね。そういったまっすぐな面を最近とくに感じていて。

だからこそ、そのまっすぐさをきちんと表現したいと思っているんです。怒りのスイッチがパチッと入ってしまって、素で怒っちゃうような、そんな表現ができるように。

そのためにも、ヒューマギア(或人が社長を務める「飛電インテリジェンス」が開発した人工知能搭載人型ロボ)やイズ(演/鶴嶋乃愛)といった、守りたいものを大切に思うように意識しています。

難しいアフレコ。ヒントは『ドラゴンボール』にあった!?

『仮面ライダー』の先輩として、奥野さんから高橋さんに何かアドバイスをするなら?
奥野 お芝居に関して、僕から言えるようなことはないと思いますが、お芝居に対する熱意やモチベーションをずっと保ち続けることがとても大事なんじゃないかと思いますね。いまのモチベーションで最後まで一生懸命やっていれば、終わる頃に、ものすごく成長していることに気づくと思います。
高橋 ありがとうございます。モチベーションをさらに上げていって、頑張りたいと思います。
この機会に、高橋さんから奥野さんに聞いておきたいことはありますか?
高橋 え〜、何でしょう?
奥野 アフレコとか?
高橋 あ、そうですね! ついこのあいだ、今作のアフレコがあったんですが(※取材が行われたのは11月中旬)、奥野さんは先にアフレコされていて、声がもう入っていたんですね。それを聞いて「こういう声の入れ方もあるんだ!」って思って、すぐに次のシーンで真似しました(笑)。
奥野 ははははは!(手を叩いて笑う)
高橋 もちろん、シチュエーションもキャラクターも声も違うので、まるまる真似したっていうわけではありませんが、言い方はまるっきり真似させていただきました(笑)。あの、セリフをぐわ!って強く伸ばす感じ……。
奥野 あ〜(笑)。普通は「フン!」とか「ハッ!」って発するんですが、「ンーーーハッ!」ってためることで気合を表現して、「いまからお前のことをぶっ倒すぞ!」っていう気持ちを表す感じですかね。
高橋 僕だったら絶対「フンッ!」って言っちゃうようなところを、「こんなに強く伸ばすんだ」って。たしかに「何かスゴい勢いのものが来る!」って思います。なので、そのまま使わせてもらっちゃいました(笑)。
奥野 いろんなやり方があるからね。極端に言うと、気持ちさえ入っていれば、何を言っているのかわからなくてもいいというか……。
というと?
奥野 『ドラゴンボールZ』の戦闘シーンで、ピッコロ(声/古川登志夫)が「ピアノピアノピアノピアノ!」とか言いながら連打しているんです(笑)。かけ声のネタが底を尽きてしまったから、その場にあったものの名前を言ったんだとか。

そのことを知ってから「大切なのはセリフよりも、気持ちを込めることなんだ」って思いました。
高橋 なるほど〜!
奥野 だからもう、僕はいろんな声を出しますね。監督に「え? 何いまの? 何て言った?」って言われることもけっこうあります(笑)。でも、本当にアフレコは最初難しいよね?
高橋 いまでも難しいです……まだ全然つかめてないですから。自分が発したいと思って発した言葉が、全然違うように聞こえてきたりするので。そこが一致するまでには時間がかかるんだろうなと思っています。
『仮面ライダー』では先輩・後輩のおふたりですが、ともに10代ながら競争の激しい業界で頑張っていらっしゃいます。現時点での理想の役者像はありますか?
奥野 日々お芝居していくなかで、つねに謙虚でありながらも、自分のやっていることに誇りを持って、成長し続ける役者になりたいと思います。いただいた役の感情や表情、そのすべてをナチュラルに表現できる人でありたいですね。
高橋 僕はずっと、役者として憧れられる、目標とされる人になりたいと思っているんです。そのためには何が必要か、まだ全然わかっていないので……。

自分が憧れる人の背中を見ながら、少しでも近づけるように吸収し続けたいなと思います。今作を通して僕が奥野さんに憧れを抱いたように、僕も次の仮面ライダーの人に何か感じてもらえるように頑張りたいです!
高橋文哉(たかはし・ふみや)
2001年3月12日生まれ。埼玉県出身。B型。2019年9月1日より放送中の『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系 毎週日曜午前9時〜)にて、主演の飛電或人役を演じる。
奥野 壮(おくの・そう)
2000年8月21日生まれ。大阪府出身。A型。2017年、「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」にて、フォトジェニック賞&明色美顔ボーイ賞をダブル受賞。2018年に『仮面ライダージオウ』(テレビ朝日系)の常磐ソウゴ役で俳優デビュー。男劇団 青山表参道Xのメンバーとしても活躍中。

映画情報

映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』
12月21日(土)ロードショー
http://kamenrider-winter.com/

「ゼロワン/ジオウ」製作委員会
©石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映

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2019年12月19日(木)12:00〜12月25日(水)12:00
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  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから12月26日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき12月29日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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