なくしたかった自分の個性を、乃木坂46では強みにできる。賀喜遥香が選抜入りに託す夢

誰にも知られていなかった少女たちが、国民的アイドルグループへ登りつめる。その道のりを歩み続けてきた初期メンバーが卒業し始める一方で、新たなメンバーである4期生が加入するなど、次の歴史をつくり始めている乃木坂46。

その象徴ともいえる24thシングル『夜明けまで強がらなくていい』が9月4日にリリースされる。

このシングル最大の話題は、4期生3人が初の選抜入りを果たし、センターとその両サイドを固めるという、新時代の到来を予見させるフォーメーションだ。

今回話を聞いた賀喜遥香は、新センターの遠藤さくら、筒井あやめとともにフロントメンバーに抜擢された4期生3人のうちのひとり。

彼女はこの急激な環境の変化に戸惑いを見せながらも、憧れだった乃木坂46が自分の居場所となりつつあることと、それに伴う責任感、そして自身がアイドルになるまでの道のりやパーソナリティを話してくれた。

撮影/西村康 取材・文/照沼健太

「後ろから支えているから」先輩の言葉に救われた

初の選抜メンバー入り、おめでとうございます。
ありがとうございます!
選抜入りが決まったとき、どんな気持ちでしたか?
選抜発表で自分の名前が呼ばれたときは、いろんな感情が混ざって何も考えられなかったです。でも、少しずつ時間が経つにつれて「なんでなんだろう…」って気持ちになってきて。「自分で大丈夫なのかな?」とか。
今回、遠藤さくらさん、筒井あやめさんも4期生として初の選抜入りを果たしています。ふたりとはどんな話をしましたか?
選抜発表された直後は、みんな自分が呼ばれると思っていなかったので頭が働いていなかったですね。遠藤さくらちゃんは、話しかけても放心状態みたいな感じだったし。だから、その日はあまり言葉を交わさなかったんですけど、帰り道に3人で「支えあってがんばろうね」みたいな話はしました。
先輩たちはどんなふうに迎え入れてくれましたか?
いろんな先輩方が「支えるから、大丈夫だよ」って言ってくださいました。今回のフォーメーションで、私の斜め後ろの山下美月さんが「先輩の前列で踊るプレッシャーとか不安があると思うけど、私たちが後ろから支えているから、のびのびがんばってね」って言ってくださって…。その言葉で「がんばろう!」って気持ちになりました。
山下美月さん(3期生)は賀喜さんが憧れている先輩ですよね。
そうです。山下さんは私の推しメンなんです。でも、私は好きな人に近寄れないタイプなので、自分から好きですって言ったりしないんです。その山下さんが声をかけてくださって「生きててよかったな」と思いました(笑)。
選抜入りしたことで、賀喜さんを取り巻く環境もガラッと変わったのではないでしょうか?
これまで4期生だけで行動することが多かったので、先輩たちの中に混じってお仕事をさせていただくのも初めてだし、最初は緊張と戸惑いが大きかったですね。
とくに大きく変わったポイントは?
全部変わったんですけど、ラジオのお仕事をさせていただくことが増えたので、しゃべる機会が増えたというのが大きいかもしれないですね。
ひとりで全国のラジオ局を回っているんですよね。
はい。ひとりで全国キャンペーンに行っているんですけど、どこ行っても「普通は2〜3人で来るけど、ひとりで来たんだ!」って驚かれます(笑)。乃木坂46としても、これまでひとりでの全国キャンペーンはなかったことなので、ありがたい気持ちもありつつ、不安もあって。
(乃木坂46の)運営スタッフに「なんでひとりなんですか?」って聞かなかったんですか?(笑)
「なんでなんだろう?」とは思ったんですけど、何かしら考えがあるんだろうと(笑)。きっと、この経験をこれからに活かしてほしいという期待が込められているはずだと考えて、精いっぱいがんばろうと思っています。

素敵なMVの裏には、多くの気づかいがあることを知った

今回の新曲『夜明けまで強がらなくてもいい』ですが、率直にどんな楽曲だと感じましたか?
最初にメロディーを聴いたときに、いい意味で「今までの乃木坂っぽくない」と思いました。私の中では、乃木坂46には「ふわふわ」「優しさ」「美しさ」「儚さ」といったイメージがあったんです。この楽曲にもそういう部分はあるんですけど、それよりも「力強さ」を感じて「メッセージ性があっていい曲だな」と思いました。
MV撮影はいかがでしたか? 印象に残っていることは?
今回、個人のシーンがあって、私は強風が吹いている場面なんです。2パターン撮ったんですけど、どっちも強風に煽られるシーンでした。見たこともない巨大扇風機2台で風を当てられて、“扇風機担当”みたいになってました(笑)。
(笑)。
あんなに風に煽られるのも初めてで「すごく風に煽られてるね」ってみんなにも言われました。
4期生だけでのMV撮影とは、現場の雰囲気など違いはありましたか?
これまで4期生のMVはだいたい人のいない山の中で撮っていて、今回初めて東京の街中で撮ったんです。撮影現場にはカメラさんが乗る巨大なクレーンがあったり、スタッフさん、キャストさん含め大人数でのお仕事で「先輩たちはいつもこうしてMVを撮っていたんだ!」って新鮮でした。

そして、撮影してないときの先輩たちの過ごし方や立ち居振る舞いがすごく勉強になりました。私たち4期生は(ダンスの)振りを確認することくらいしかできなかったんですけど、先輩たちはダンスのときの顔の見せ方を作っていたり、場の雰囲気をほぐすためにいろんな人たちとおしゃべりしてる方もいたりと、たくさんやることがあるんだとわかりました。

4期生は、MV撮影の現場では緊張してガチガチになりがちなんですけど、こういういろんな気づかいや裏側があって、これまでの乃木坂46の素敵なMVができてきたんだなって改めて思いました。
MVと同様に、雨をモチーフにしたジャケット写真も印象的です。
エモーショナルですよね。私たち4期生はシリアスな思いつめた顔をしているんですけど、TYPE-C、TYPE-Dジャケットの先輩方は笑顔なんですよね。そこにも意味があるんだろうなと、できあがりを見たときはグッとくるものがありました。
MVも4期生の3人だけ衣装が制服ですしね。
そうなんですよね。どんなテーマがあるんだろうって私も考えています。私たち3人が制服で先輩方が大人っぽい服っていう構図には、支えられてる感というか見守られてる感がすごくありますし。

大黒柱のように、グループを支えられる存在になりたい

賀喜さんはそもそもアイドルが好きだったんですか?
友だちが坂道グループのことがすごく好きで、ずっと勧められてたんです。私はもともとアイドルに興味があるほうではなかったので、目の前で歌ったり踊ったりされて「うるさいなー」くらいに思ってたんですけど(笑)。
(笑)。
友だちはその頃、欅坂46さんにハマってて、ずっと私に向かって『サイレントマジョリティー』を踊ってくるんですよ。
スゴい構図ですね(笑)。
勝手に踊ってるんじゃなく、私に向かって踊ってくるんですよ(笑)。でも、結果的に私もそこから一緒にダンスを踊ったりするようになって、乃木坂46の『シンクロニシティ』も一緒に踊ってました。だから私にとっては『シンクロニシティ』が乃木坂46でいちばん好きな曲ですね。
そこからアイドルが憧れの存在になったんですね。
はい。そうしてアイドルのことを知っていくうちに「私もこうなりたいな」っていう気持ちになって、オーディションを受けました。
アイドルを好きになったポイントとしては、ダンスが大きかったのでしょうか?
ダンスというか…パフォーマンスですかね。テレビで見るとみなさん本当にキラキラしていて。とくに『シンクロニシティ』って白い衣装で“美しさの極み”みたいな感じなので、すごく憧れました。
実際にオーディションに臨んでみていかがでしたか?
周りがすごく可愛い子ばっかりだったので、「こんなにたくさんの可愛い子を見るのは初めてだな!」と驚いて「これは受かんないだろうな」と思ってました。だから受かったのはびっくりですし、今、乃木坂46に自分がいるのは不思議な感じですね。
そんな賀喜さんですが、アイドルとしての自分の「強み」はどんなところだと思いますか。
可愛い仕草ができるわけでもないし、ダンスがうまいわけでもないし、声が可愛いわけでもない。何が強みなんだろうと、受かったときから今まで思ってます。

でも、これまで私は自分の低い声がコンプレックスだったんですけど、乃木坂46に入ってからこの声について「好きだよ」とか「いい声だね」ってほめられることが多くて。なくしたかった自分の個性が、乃木坂46では強みとして活かせるんだとわかって、それがいちばんうれしかったですね。
今後、乃木坂46というグループの中で、どんな存在になりたいと考えていますか?
4期生の中でも「頼れる」とか「しっかりしてるよね」とか「お父さん」って言われたりするんです。「大黒柱感あるよね」って。だから、乃木坂46の中でもいつかは私がそういう存在になれたらいいなと思っています。今、私が先輩たちに「支えるから」と言ってもらえているように、私も支えてあげられる存在になりたいです。
初代キャプテンの桜井玲香さんも卒業を発表されましたしね。
桜井さん本当にスゴいなって思うんですよ。キャプテンとしてコメントを求められるときも、メンバーが思っていることを全部まとめてきちんと話してくれて、メンバーにも好かれているのがすごくわかるし、本当に理想的なキャプテンだなと思って、尊敬していました。

映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』で、桜井さんが「メンバーが卒業していくのが寂しい」って涙を流していましたが、そうして見送り続けてきた人も、卒業していってしまうんだなって…。でも、こうして卒業する先輩が増えるからこそ、私たち4期生が先輩方の乃木坂46をつないでいきたいと思うようになりました。
「乃木坂46というグループを継承していく」という意志が芽生えている、と。
はい。私はパフォーマンスを見て乃木坂46が好きになって、先輩と同じ場所でステージに立たせてもらうようになったので、そこでやっていくからには今度は私を見て乃木坂46に憧れてくれる子や、乃木坂46を好きになってくれる子が出てきてくれるようなパフォーマンスがしたいです。

賀喜遙香さんってどんな人?1問1答アンケート

最後に、賀喜さんのことをもっとお伺いしたいので、1問1答形式のアンケートコーナーをご用意しました。
今は「かっきー」です。自分から「かっきーって呼んでください」って言いました。
イラストを描くことです。絵は独学で、漫画雑誌を買って、その中の1話を全部丸写ししたりしていました。ただ好きなので、それをずっとやってきた感じです。
難しいなー。でも最近は『僕のヒーローアカデミア』が好きです。私はアニメが好きなんですけど、アニメの「絵」が好きなんですよね。作画とか、動かし方が気になるっていう…。乃木坂46に入る前、将来はアニメーターになりたいと思っていたので、そういうところばかり見ちゃいます。
漫画は少女漫画を読むことが多いですね。戦っている漫画はアニメで見たほうが面白いと思っていて、少女漫画も絵を見るのが好きですね。私自身が絵を描くのが好きなので。
リズムゲームが好きです。ゲーム実況を見るのも好きですね。自分でやるのが怖いゲームとか自分が下手なゲームは実況を見ます。
エビと、甘いもの全般です。エビは昔から好きで、中でもお寿司がいちばん好きです。海鮮類全般は好きですね。
とくにはないんですけど、お肉の脂身とかぶよぶよしているのが苦手ですね。ホルモンもちょっと苦手です。
休みの日はだいたい家にいるんですけど、上京してきてからはおいしいお店巡りをするようになりました。雑誌で見たお店に電車で行ったり。最近だとチーズハットグをひとりで食べに行きました! 栃木に住んでた頃は雑誌やテレビでおいしそうなお店を見ても行けなかったので、東京ではそういうお店に行けるのがうれしいです。
指ですかね。乃木坂46に入ってから「指が長くて綺麗だね」って言われるようになって。だから、指にしようと思います(笑)。
幼稚園の頃は、アイドルになりたかったんです。アニメの『きらりんレボリューション』に憧れていて、幼稚園のときの写真を見るとキラキラしたポーズばっかりで「あー、やってるな」って思いました(笑)。ずっと忘れていた夢なんですけど、心の底ではキラキラした人になりたかったんだろうなって、今になってそう思います。
賀喜遥香(かき・はるか)
2001年8月8日生まれ。栃木県出身。A型。乃木坂46 4期生。2019年7月、乃木坂46の24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』で、初の選抜メンバー入り。

CD情報

乃木坂46 24thシングル
『夜明けまで強がらなくてもいい』
9月4日発売

左から初回限定盤TYPE-A[CD +Blu-ray]、初回限定盤TYPE-B[CD +Blu-ray]、初回限定盤TYPE-C[CD +Blu-ray]、初回限定盤TYPE-D[CD +Blu-ray]、通常盤[CD]

初回限定盤TYPE-A[CD +Blu-ray]
¥1,713(税抜)

初回限定盤TYPE-B[CD +Blu-ray]
¥1,713(税抜)

初回限定盤TYPE-C[CD +Blu-ray]
¥1,713(税抜)

初回限定盤TYPE-D[CD +Blu-ray]
¥1,713(税抜)

通常盤[CD]
¥972(税抜)

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、賀喜遥香さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2019年9月3日(火)12:00〜9月9日(月)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/9月10日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月10日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき9月13日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
  • 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
  • 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
  • 個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
ライブドアニュースのインタビュー特集では、役者・アーティスト・声優・YouTuberなど、さまざまなジャンルで活躍されている方々を取り上げています。
記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。