努力する姿がカッコ悪いなんてことは、絶対にない。片寄涼太が誠意を忘れない理由

ダンス&ボーカルグループ・GENERATIONS from EXILE TRIBEのボーカルとして人気を博す一方、話題のドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』への出演など、俳優としても注目されている片寄涼太。

そんな彼が、映画『夜は短し歩けよ乙女』や『夜明け告げるルーのうた』などで世界から高い評価を得ているアニメーション監督・湯浅政明の最新作『きみと、波にのれたら』で声優に初挑戦した。

さらに、GENERATIONS from EXILE TRIBEとして本作の主題歌『Brand New Story』も担当。作中でも、片寄演じる“港”と恋に落ちるヒロイン“ひな子”を務めた川栄李奈と、デュエットを披露している。

普段、ボーカリストとして活動しているからこそ感じた声の芝居の難しさ、デュエットの収録エピソードからは、片寄のプロ意識とこだわり、そしてもっとも重んじる「努力することの大切さ」への思いが感じられた。

撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/馬場英美 制作/iD inc.

自分がセリフを言っている姿を動画に撮って、役作りをした

本作が初の声優のお仕事となりましたが、いかがでしたか?
声の出し方が、歌ともドラマでのお芝居とも違う感じがして難しかったです。ドラマでのお芝居だと体の動きや顔の表情を使って感情を表現できますが、声の現場ではそうはいかないですからね。

たとえばボソボソ言うようなセリフも、声をしっかり出してバシッと言わないと聞こえなくなってしまうので、声の“グラデーション”だけで感情を表現するのが難しかったです。
他に違いを感じたことはありましたか?
のどの疲れる部分が全然違いました。普段、歌をやっているので、のどのケアのために鍼灸院に行ったりするんですが、アフレコをやっているときはのどの深いところが疲れていると言われました。そういう違いはすごく面白かったです。
初めて声の芝居に挑戦するにあたり、事前に準備されたことはありましたか?
ドラマの撮影前にもやっていたことなんですけど、自分がセリフを言っている姿を動画に撮って見返していました。
どういったことが見えてくるのでしょうか?
自分がどんなふうに話しているのかがわかったり、自分のセリフがどう聞こえているのかを確認できるんです。
それは誰かにアドバイスされたから始めたわけじゃなく?
自主的に、ですね。歌の場合も自分の声を録音しながら練習するとうまくなると言われているので、そこからきているのかもしれません。

自分を素直にさらけ出すことができる女の子はステキ

片寄さんが演じられたのは、正義感が強く、仕事でも信頼されている消防士の雛罌粟 港(ひなげし・みなと)。イケメンなだけでなく、何でもそつなくこなしてしまう器用な男性ですね。
港は男の僕から見てもステキな男性だと思います。恋人の(向水)ひな子(声/川栄李奈)にオムライスを作ってあげたり、料理までできるのはズルいですよね(笑)。

僕はまったく料理ができないので、あんなふうに上手にオムライスを作ることができたら楽しいだろうなと思いました。
▲雛罌粟 港(声/片寄涼太)
▲向水ひな子(声/川栄李奈)
本当に理想的な彼氏ですよね。
そうですね。でも、港も最初からすべてがうまくできたわけじゃなく陰で相当な努力をしていて、それが彼をより魅力的に見せているし、人間味があってステキだなと思います。それこそ、この映画を見ていると、モテるのにも努力が必要なんだと実感しますね(笑)。
港はひな子のために尽くしたり、デートでもリードをしてくれます。片寄さんがデートをする場合は、自分でプランを考えますか?
どちらかといえば、自分でプランを立てたいほうかもしれません。でも完璧にしようと思っても無理なことも多いので、そこは臨機応変にという感じですかね(笑)。
では、ひな子のような女性をどう思いますか? 明るくあっけらかんとした性格で、とてもピュア。でも、自分の未来については自信を持てずにいるという設定ですが。
素朴なところがいいですよね。自分の未来に自信が持てずにいることも、ちゃんとさらけだして、努力をしようとしている姿勢がステキだと思います。僕もひな子のように、わかりやすい子が好きですね。
片寄さん自身は思っていることを素直にさらけ出せるタイプですか?
どうなんでしょう。わかり合うまでには少し時間がかかるかもしれないですが、一度わかってしまえば、かなりわかりやすいタイプかも(笑)。
港とひな子はお互いになくてはならない存在となっていきますが、残念ながら港は事故で命を落としてしまいます。その後、ふたりの思い出の歌『Brand New Story』をきっかけに再会を果たします。
港はひな子のことが心配でしょうがなかったんでしょうね。だから再びひな子の前に姿を現したんだと思いますし、もし僕が港と同じように大切な人を残してこの世を去らないといけなくなったら心配でしょうがないと思います。

歌は共鳴。だからこそ川栄李奈と一緒に録りたかった

ふたりがデートをしながら『Brand New Story』を歌うシーンは、川栄さんとおふたりで収録されたとのことです。一緒に収録するというのは片寄さんからの提案だったそうですね。
最初はひとりずつ収録する予定だったのですが、ふたりで一緒に歌ったほうが空気を感じ取ることができると思ったので、僕から提案させていただきました。
歌の途中でふたりがくすくす笑い合っている姿などが自然で、すごくステキでした。
同時に収録することで共鳴して、目に見えない歌の支え合いみたいなものが生まれてくると思っていたので、一緒にできてよかったと思います。実際、僕も川栄さんを笑わせようとしながらやっていたので、それが自然な感じにつながったのかなと思います。
エンドロールでは、GENERATIONSの片寄さんとしての歌声で『Brand New Story』が流れます。当然なのかもしれませんが、劇中の歌唱シーンとはまったく声が違いますよね。
劇中のシーンは港というキャラクターとして歌っているのもありますが、ワンテイクめを撮ったときに湯浅監督から「もっとヘタに歌ってください」と言われまして(笑)。
湯浅監督もプロの歌手にスゴいことをお願いされますね(笑)。
そのときも、僕的にはかなり崩して歌ったつもりだったんですけど、どうしてもきっちり歌うクセがついているんでしょうね。監督から「うますぎます」と言われて、褒められているのか何なのかわからないな、と思いながらやっていました(笑)。
本当の恋人同士のようなナチュラルな歌声も含め、港とひな子のあまりのラブラブぶりに見ているこちらが照れてしまいました(笑)。
照れますよね(笑)。でも、あの幸せなシーンが後々のストーリーにすごく効いてくるので、ひとつの見どころになっていると思うとうれしいです。
デートシーンでは女の子が憧れるようなシチュエーションがたくさん描かれていましたが、片寄さん自身がいいなと思ったものはありましたか?
僕はハンバーガーが好きなので、ふたりがでっかいハンバーガーをシェアして食べるシーンがステキだなと思いました。好きな人とおいしいものをシェアするのは、絶対に楽しいですよね。

あと、チョコレートケーキにエスプレッソをかけて食べるシーンも好きでした。港の妹でちょっと口の悪い洋子(声/松本穂香)から「あんたらが甘すぎるわ!」とツッコまれるのも面白くて、お気に入りのシーンのひとつです。

誠意を持って、全力で頑張る。それが一番大事なこと

前述のとおり、GENERATIONSとして主題歌も担当されていますが、メンバーのみなさんから片寄さんが声優を担当されることについてどんな反応がありましたか?
最初はあまり実感がなかったみたいですけど、湯浅監督の作品に参加できることの意味がメンバーにもじわじわと伝わったみたいで、みんな喜んでくれました。

とくに小森(隼)はもともと湯浅監督のファンだったみたいで、人一倍うれしそうでした(笑)。
湯浅監督ファンということなら、片寄さんが声優を務めることをうらやましがられたんじゃないでしょうか?
まさにその通りで、「何役でもいいから出してくれ」って言っていました(笑)。
小森さんをそこまで魅了する湯浅作品ですが、片寄さんが感じる湯浅作品の魅力を教えてください。
湯浅監督が「(この映画では)頑張ることを描きたかった。一生懸命なことが悪いわけがない」とおっしゃっていたんですね。“努力は正義”じゃないですけど、そういった頑張る人の姿がちゃんと描かれているのがステキなところだと思います。
“頑張ること、努力することはカッコ悪い”という風潮もありますよね。
僕自身は、努力する姿がカッコ悪いなんてことは絶対にないと思います。逆に“努力こそすべて”。何事にも誠意を持って接するのは、すごく大事なことだと思います。

僕がファンの方々に対して思っていることも同じで、僕にできるのは誠意を持って全力で頑張ることしかないと思っています。
きっと片寄さんのそういう一生懸命さが、ファンの方にも伝わっているんでしょうね。
それが信頼関係なのかもしれませんね。なので、そういう頑張る気持ちや一生懸命さは、一生大事にしていかないといけないなと心に決めています。
GENERATIONSとしての自分と俳優としての自分、向き合い方に違いはあるのでしょうか?
複雑に考えていた時期もありましたが、最近思うのは、結局はどちらも片寄涼太という人間を必要だと思っていただけたから、できる仕事なんだなということ。

だからこそ、「片寄とできてよかった」と思ってもらえる仕事をしないといけないし、そこには当然、責任も生じてきます。

今はアーティスト業も俳優業も関係なく、自分がその仕事をさせていただく意味を受け止めて、どの瞬間にも責任を持って挑んでいこうと思っています。
複雑に考えていたというのは?
GENERATIONSというグループに還元しないといけない、という気持ちが先走っていたところがあったというか。もちろん、その思いは変わりませんが、自分の仕事に責任を持つのが大前提で、それがすべてにつながっていくんだと今は思えています。
今年の1月期に放送されたドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』への出演も話題を集め、12月には橋本環奈さんとW主演の映画『午前0時、キスしに来てよ』が公開されます。俳優としての活躍の場も広がっていますね。
本当にありがたいことだと思います。でも、そればっかりは縁というか、タイミングもあるので。
グループ活動との兼ね合いもありますしね。
GENERATIONSの活動が自分の軸としてあるので、ライブや楽曲制作を土台にしながら俳優業にも挑戦していきたいです。そんな言い方をするとおこがましいと思われる方もいるかもしれませんが、俳優という仕事が自分の中でひとつの夢になってきているのはたしかなことです。
片寄涼太(かたよせ・りょうた)
1994年8月29日生まれ。大阪府出身。AB型。2012年にダンス&ボーカルグループGENERATIONS from EXILE TRIBEのボーカルとしてデビュー。俳優としては、2014年の『GTO』(関西テレビ・フジテレビ系)でドラマ初出演を果たした。ドラマや映画などジャンルを超えた展開をした『PRINCE OF LEGEND』や、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)に出演。配信中のネットドラマ『TOKYO COIN LAUNDRY』(GYAO!)では主演を務めるほか、橋本環奈とのW主演映画『午前0時、キスしに来てよ』が12月に公開予定。

出演作品

映画『きみと、波にのれたら』
6月21日(金)ロードショー
https://kimi-nami.com/
(c)2019「きみと、波にのれたら」製作委員会

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、片寄涼太さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2019年6月17日(月)18:00〜6月23日(日)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/6月24日(月)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから6月24日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき6月27日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
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