「イケメン」だけじゃない――“俳優・福士蒼汰”にしか表現できないものを探して
福士蒼汰を語るとき、必ずついて回るのは“イケメン俳優”という言葉。
本人は「個性のひとつだと思う」と語るが、それだけで大成できるほど、簡単な世界ではないこともわかっている。
では、“俳優・福士蒼汰”にしか表現できないものとは何なのか。そのひとつに、鍛え抜かれた身体能力を活かしてのアクションがある。殺陣はもちろん、素手のアクションもノースタントでこなす。
6月21日公開の映画『ザ・ファブル』では、ゲーム感覚で人を殺める若き殺し屋というさわやかなイメージを覆すような役を演じ、主演の岡田准一と迫力のあるガンアクションを繰り広げた。
これまでとは異なる動き方や見せ方を学び、「勉強になった」と真面目な表情で語る福士は、すでに“次”を見据えている。
ゲーム感覚で人を殺める役。意識したのは“大学生のノリ”
- 本作は、南 勝久さんによる同名コミックを映画化した作品ですが、原作は読まれましたか?
- 出演が決まってから読ませていただきました。プロの殺し屋がただカッコよく描かれるのではなく、彼の日常の世界はどうなっているのか。その視点自体がとても新しく、面白く感じました。
- 福士さんが演じられたのは、伝説の殺し屋・ファブル(岡田准一)を倒して名を上げようとする若き殺し屋のフード。彼を演じるにあたって意識されたところは?
- 原作では、フードは意外とあっけなく退場してしまうキャラクターなんです(苦笑)。
なので、原作から読み取れる部分が少なくて…キャラクターを自分で作り上げなければならなかったのは今回の課題でもありました。 - フードは人を殺すことを何とも思っておらず、楽しんでいるように見えます。
- たしかにそうかもしれません。フードは携帯を触るように銃を扱うということをひとつのテーマにしてみました。
目的のためなら手段を選ばない男ですが、江口カン監督からは「基本的に大学生のノリでいい」と。それこそ殺しもゲーム感覚で、俺たちは遊びで殺し屋をやっているんだという雰囲気を出してほしいと言われました。
フードとコンビを組んでいるコードを演じる木村 了くんは、ふたりのことを“渋谷系の殺し屋”と言っていました。その言葉通り、同じ殺し屋でも正真正銘のプロであるファブルとは対照的に、あまりプロっぽくならないように意識していました。
- これまでの福士さんのイメージを覆すような狂気的な役でもあったと思いますが…。
- それが、意外と大学生を演じているのと変わらない感覚でした。人を殺める仕事をしているんですが、基本的にフードたちは大学サークルのようなノリなんです。それが一番ヒドいのかもしれないんですが。
- そんなフードと福士さんの共通点はあるのでしょうか?
- どんなことでも意外と軽いノリでやってしまうのは同じかもしれません(笑)。自分はあまり物事を考えすぎて煮詰まることがないので。
考えすぎると煮詰まりすぎて焦げてしまう気がして、最初は弱火でやりつつ、タイミングを見て強火に変えるという調整をつねにやっています。
岡田准一とは敵対する役。「戦うのが夢でした」
- 主演の岡田さんとは映画『図書館戦争』(2013年)以来の共演になります。前回は仲間の設定でしたが、今回は直接対決するシーンもある敵役でした。再共演の感想は?
- うれしさと緊張のどちらもありました。『図書館戦争』1作目のとき、自分はまだ19歳だったので、岡田さんとお話させていただくには恐れ多い感じがしていたのを覚えています。
あれから6年が経ち、少しだけ自分からお話させていただく機会を作れた気がします。でも、相変わらず尊敬できる先輩で、今回の共演でその思いがさらに強まりました。 - 現場では、どのようなことをお話されていたのですか?
- 役者として、人間として、どう生きていくべきかという話が多かったと思います。
- 岡田さんは『図書館戦争』の舞台挨拶などでも「福士さん好き」を公言されていましたが、今回も“好き好き攻撃”はあったのでしょうか?
- 自分からは何とも言えないですが(笑)、今回は『図書館戦争』のときよりも一緒にいるシーンが少なかったんです。フードは岡田さん演じるファブルをずっと追いかけているので、一緒になるのは対決シーンぐらいで。
- 伝説の存在とされていたファブルと対面するときに、フードが「やっと会えた」と言うシーンがありますが、福士さん的にも同じ気持ちだった?
- そうです。岡田さんと戦うのがある種の夢でもあったので、今回それが実現して本当にうれしかったです。
- 岡田さんが演じるファブルはいかがでしたか?
- アクションもそうですが、ファブルは岡田さんにぴったりだなと思いました。ファブルはボスから、一般人として1年間暮らすように命じられるんですけど、その一般人となったアキラ(ファブルの偽名)の感じが、岡田さんにスライドさせてもまったく違和感がなくて。
- 殺し屋として裏社会で生きてきたファブルが、いきなり普通の社会に放り込まれたときのギャップが面白かったです。
- 本当は強いのに、ボスから殺し屋と悟られてはいけないと命じられているため、チンピラに絡まれたときにあえて“やられるふり”をするシーンがあって、自分も大好きでした(笑)。
- 岡田さんはそういうコミカルなシーンもお上手ですよね。
- 本当にそう思います。最近では「岡田さん=強くてカッコいい」というイメージが定着していると思いますが、ドラマ『木更津キャッツアイ』などでやんちゃなギャグ路線をやってこられた方なので、そういう要素も持っていらっしゃるんだと思います。
加えて、ファブルは大阪で一般人として生活を始めるんですが、岡田さんは大阪出身の方なので、関西弁もまったく違和感がなくて。なので、ファブル役は岡田さん以外に考えられないんじゃないかと思いました。
危険なシーンでもスタントを使わず、自分の身体で臨んだ
- 銃を使ったアクションシーンも印象的でした。福士さんは武術を習われているそうですが、それが役に立ったということは?
- ほとんどないです。今回はガンアクションが多く、武術では銃を使ったアクションをすることがあまりないですから。
- そのぶん難しかった?
- 難しかったです。刀だと振ってさえいればそれなりに見えることもありますが、銃は引き金を引くぐらいなので動きがシンプルで。それをいかに映画的に見せるかがポイントで、ムダに動いてました(笑)。
- ムダに動くとは?
- 相手をよけるときの動きひとつでも、別に回らなくてもできるだろ!と思うところで回ってみたりとか。アクションをよりカッコよく見せるためにいろんな動きを足していくんですが、そういう経験は初めてだったので、勉強になったのと同時にすごく気を遣いました。
でも銃が使えて、しかも殺し屋という役を演じられたのはとてもいい経験でした。 - 今回の映画では岡田さんが主体となってアクションシーンが作られていたとか。
- はい、岡田さんのアイデアをかなり取り入れながらやっていたと思います。
あと、映画『ボーン・アイデンティティー』などを手がけたフランス人のアラン・フィグラルズさんがファイトコレオグラファー(殺陣師)として参加してくださって、岡田さんとアランさんのやりとりを見るだけでも楽しかったです。 - かなり危険を伴うアクションもあったと思いますが、それらも自分でこなされたと聞きました。
- ワイヤーがあるシーンも、ないシーンも自分でやっていました。現場で「これできる?」と聞かれることも多く、かなり刺激的な現場でした。
- そんな直前に言われてできるものなんですね。
- 自分を信じてくださったのかなと。あと、アクション部のスタッフさんと一緒にアクション練習をしていたので、僕の身体能力をわかってくれているというのもあって。そのうえで「できるんじゃね?」となった感じなんだと思います(笑)。
大好きなアクションにはこれからも挑戦していきたい
- もしファブルのように1年間、休業しろと言われたらどうしますか?
- 自分のことを誰も知らないところに行ってのんびりしてみたいと思います。
- どこに行きますか?
- ある程度の便利さは欲しいので(笑)、比較的都会がいいです。このあいだ、フランスに行ってきて、改めてヨーロッパはいいなと思いました。なので、1年かけて、ヨーロッパのいろんなところを巡れたらいいかもしれないです。
- 昨年は『ラプラスの魔女』、『BLEACH』、『旅猫リポート』など、ドラマよりも映画への出演が多かったように思いますが、ご自身で意識されていたところはあるのでしょうか?
- とくに決めていたわけではないんですが、出演する作品の傾向も少しずつ変わってきているのかもしれません。とはいえ、あえて自分でそうしているのではなく、いただくお仕事の話が自然と変わってきているのかなと思います。
- 現在25歳。イケメン俳優のゴールドラッシュと言われるぐらい同世代で活躍されている方が多いですが、彼らを意識することは?
- イケメン俳優と言っていただけるのは、とてもうれしいことです。それも個性のひとつだと思うので。でも、欲張りかもしれませんが、ほかにも何かしらの要素が欲しいです。
- その要素をご自分で挙げるとすれば?
- 『ザ・ファブル』もそうですけど、自分はアクションが好きなんです。
もちろんいろんなジャンルの作品に出演したいと考えていますが、今回の映画でガンアクションについても学ばせていただいたので、今後もアクションには挑戦していけたらいいなと思っています。
- 福士蒼汰(ふくし・そうた)
- 1993年5月30日生まれ。東京都出身。O型。2011年に俳優デビューし、同年の『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)の主役に抜擢される。その後、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で注目を集め、ドラマ『スターマン・この星の恋』(関西テレビ)、『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)などで人気を博す。映画では『好きっていいなよ。』、『ストロボ・エッジ』、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、『ちょっと今から仕事やめてくる』、『曇天に笑う』、『BLEACH』、『旅猫リポート』などで主演を務めた。7月から放送のドラマ『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』(TBS系)に出演する。
映画情報
- 映画『ザ・ファブル』
- 6月21日(金)ロードショー
- http://the-fable-movie.jp/
- ©2019「ザ・ファブル」製作委員会
サイン入りポラプレゼント
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- 応募方法
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— ライブドアニュース (@livedoornews) June 3, 2019
・フォロー&RTで応募完了
・応募〆切は6/9(日)12:00
インタビューはこちら▼https://t.co/8uCwlryBf5 pic.twitter.com/tvgLI92Msp- 受付期間
- 2019年6月3日(月)12:00〜6月9日(日)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/6月10日(月)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから6月10日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき6月13日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
- キャンペーン規約
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