「みんなが見たい人であり続けたい」竹内涼真が貫く“国民的俳優”への思い

5月3日から公開中の映画『名探偵ピカチュウ』で初めての吹き替えに挑戦した竹内涼真。日本発、世界中で大人気の「ポケモン」をハリウッドが初めて実写映画化することもあり、主人公の声を担当する竹内にも大きなプレッシャーがかかっただろう。

しかし彼は、じつに楽しそうに、キラキラとした表情で今回の抜擢について語ってくれた。

その背景にはもちろん“ポケモン愛”もあるのだが、それ以上に「この仕事をずっと続けていきたい」と断言する彼の思いが込められている。

「みんなが見たい人」であり続けるために、新しいことへの挑戦を貪欲に求める。さわやかな笑顔の奥に宿る、アツい信念を見た。

撮影/祭貴義道 取材・文/とみたまい 制作/iD inc.
スタイリング/徳永貴士 ヘアメイク/佐藤友勝

初の吹き替え。役として日本語でセリフを言うことに苦戦

竹内さんが日本語吹き替え声優を担当した主人公・ティム(ジャスティス・スミス)が、自分にしか聞こえない人の言葉を話す名探偵ピカチュウ(声/ライアン・レイノルズ)と出会い、失踪した父を探すために冒険をする本作。初挑戦となった吹き替えのお芝居はいかがでしたか?
大変でしたね。難しかったですし……。極力ジャスティスが演じるティムに近づけて、本人がしゃべっているように見せられないか工夫して頑張りました。
どういった工夫をされたのでしょう?
英語のセリフを日本語にすると、キャラクターが変わってしまうところがあるんですよね。語尾ひとつ取ってみても、「〜してくれ」や「〜しろ」って、(気の)強い人が使う言葉になってしまう。

でもティムは、そういった強い男の子ではないので、語尾を少し変えてみたり、音響監督の三間(雅文)さんと「どうやったらティムにフィットするしゃべり方になるだろう?」と、何度も相談しながら録りました。
とくに難しかったと感じた部分はどこですか?
ジャスティスは、ティムとピカチュウの繊細なお芝居を本当に細かいところまで表現していて、そこにしっかりとついていくように、自分も“演じながら”アフレコするのがとくに難しかったですね。
アドリブを入れたり、表現に肉付けをしたりして、“ティムを演じる”というベースに立てたような気がしました。
三間さんからはどういったディレクションを受けましたか?
「いまのセリフは、実際だとこれぐらいの距離感だから、もうちょっと声を張ってみようか」といった、“ティムがいる空間”を作るためのアドバイスをいただくことが多かったです。映像を見ながら声をただあてるだけだと、ちゃんとした空間には見えないので。

そういったアドバイスをいただいて、どうやって修正したのかは……自分ではよくわからないのですが(笑)、ティムの気持ちに寄り添って、“ティムとして日本語を話す”ことに集中しました。

ポケモントレーナー役で出演も。小さい頃からの夢が実現

ティムはかつてポケモンが大好きだった青年ですが、竹内さんから見てどんな人物だと感じましたか?
わかりやすく言うと、「普通の男の子」ですよね。何か特技があるわけでもないし、身体が強いわけでも、足が速いわけでもない。だからこそ、見ている人がどんどん彼に感情移入できるんだと思います。

ピカチュウと会話ができることだけは特別ですが、お父さんとうまくいってなくて、それを心のどこかで引きずっていて、周りの人たちにもちょっと反発するような面がある。そういった部分は、みなさんにも共感してもらえると感じます。

だからこそ、ティムの“見ていて共感できるところ”をしっかりと表現したいなと思いました。ジャスティスも「そこは意識して演じた」と言っていました。
竹内さんご自身がポケモントレーナーとして本作に出演するシーンもありました。
はい、カメオ出演(※作品にゆかりのある人物が端役として出演すること)をさせていただきました。弾丸でロンドンまで行って、1日で撮ったんですが、モンスターボールを持つことができたのは、本当に嬉しかったですね。

やはりポケモントレーナーといえばサトシ(声/松本梨香、TVアニメシリーズの主人公)のイメージでしたから、自分がモンスターボールを投げるなんて現実にはないんだろうなあって思っていたし。「モンスターボールを投げたい」という小さい頃からの夢が、現実となって感動しました。
▲竹内涼真さんとロブ・レターマン監督
それに、「この大きなプロジェクトの一員として、自分も作品に参加できたんだ」という実感がより湧きました。吹き替えを担当したのとはまた違った気持ちでしたね。
どんな気持ちでしょう?
今回、吹き替えをして思ったことがあって。それは現場で実際に演じているジャスティスたちの空気感・現場の雰囲気を感じることは難しいということです。

吹き替え版も同じように楽しんでいただける作品にするために、自分にできることは何かを考えてお芝居をするのですが……。「ジャスティスはこのときどんなふうに気持ちを作ってお芝居をしたんだろう」っていうもどかしい気持ちになったこともあったんですよね。

でも、カメオ出演で現場の雰囲気を味わえたことは、こういった取材や宣伝をする際に活きてくるんです。映画を作ったスタッフさんたちと一緒にご飯に行って話もできたので、作品の魅力を自分の言葉でより正確に伝えられるし。そういう意味では、少しでも出演することができてよかったです。

西島秀俊さん演じるピカチュウは「とてもキュート」

完成した吹き替え版をご覧になって、どのように感じましたか?
純粋に面白くて、最後まで楽しんで見ることができました。ハリウッドで実写映画化されるのは、いち『ポケモン』ファンとしてすごく嬉しいですし、すごく感動する作品だったので、たくさんの方々に見ていただきたいなと思いますね。

それに、CGのクオリティが本当に高いので、ポケモンがより好きになりますし、より愛おしく感じてもらえると思います。
日本語吹き替え版でピカチュウの声を担当されたのは、西島秀俊さんですね。
収録は別で、僕がだいたい先に声を入れていたんです。なので僕が収録したときは西島さんの声が入っていなくて、ちゃんと会話に聞こえるかどうかもわからず手探り状態でした。

(完成した作品を見て)ストーリーが進んでいくにつれて、西島さんのピカチュウのお芝居と僕の芝居がどんどん変化しているように感じました。「あ、ちゃんと段々とパートナーになってるな」ってすごく感動して、嬉しかったですね。
とてもキュートなピカチュウでしたよね。
本当に。ライアン・レイノルズさんの演じるピカチュウもすごくインパクトがありますが、西島さんの演じるピカチュウもすごくキュートになっているので、どちらも楽しめると思います。もう僕のなかで、ピカチュウ(の声)は西島さんなんですよね(笑)。「西島さん以外に考えられないな」って。

今回の作品で“ピカチュウが言葉を話す”と聞いたときに、日本のファンのみなさんはビックリされたと思うんですが、ピカチュウが出てきて5分くらい経ったらそういったことすら忘れちゃいますよ(笑)。
「ポケモン好き」というお話が出てきましたが、『ポケモン』のどういったところに惹かれるのでしょうか?
これ、難しいんですよねえ(笑)。小さい頃からずっと好きだったので。何で好きになったかっていうのも覚えてないし。うーん、しいて言うなら……アニメの存在が大きいのかもしれないです。
ちょうど竹内さんが小さい頃にTVアニメシリーズ第1期が放送されていました。
サトシという魅力的な主人公がいて、その周りにいるポケモンがすごくいい子たちじゃないですか。彼らのいい関係性をアニメでずっと見てきたので、『ポケモン』って“いいもの”だって感じますよね。ポケモンたちがとにかく可愛いですし。
今作に登場したポケモンたちも、本当に可愛かったですね。
ですよね! それに、ビデオゲームやカードゲーム、劇場版もあって、触れようと思えばすぐにでも手が出せる。ビデオゲームでは自分の好きなポケモン6匹を選んで、戦えることに魅力を感じていました。強さを競って遊ぶのが僕は好きだったんでしょうね。

大人になって改めて考えると、そういう世界に自分もいるような気分になれるっていうのは、すごく魅力的なことですよね。
今作では、まさにその世界観が実写となって登場します。
そうなんです! ライムシティという“人間とポケモンが共存する街”が出てきますが、「本当にこういう世界があるんじゃないかな?」って思えてしまうほどリアルで。小さい頃から思い描いていたポケモンの世界観が、今作で実現されたなあって。

しかも今回はピカチュウとしゃべることができるので、ポケモンをより身近に感じることができるんじゃないかと思います。

もう本当に、最初にポケモンを考えた方ってスゴいですよね!

飽きられないように、常に新しいことに挑戦していきたい

竹内さんのお話もうかがいます。2014年、『仮面ライダードライブ』に主人公の泊 進ノ介役で出演されましたが、その際にスーツアクターとして共演された高岩成二さんがインタビューで、出演シーンがない現場にも竹内さんがいらっしゃって感心したとお話されていました。
僕らはスーツアクターが演じたアクションシーンにあとから声を入れるんですが、高岩さんはスーツのなかでちゃんとセリフを言っているんです。僕の芝居に寄せていたり、その場で思いついたアドリブを入れてくださったりもしていて。現場で見ておいたほうが、圧倒的にアフレコがしやすいなと感じていました。
そういう理由から、高岩さんの撮影シーンもご覧になっていたのですね。
それに、仮面ライダーの変身後を演じるのはスーツアクターですが、小さい子たちはそういったことを知らないので、僕が演じていると思うじゃないですか。

そういう意味でも、ライダーになったときはスーツアクターと一緒に役を作るものだと思っていたので、現場を見られる機会があるときは見ておきたかったんです。
貪欲にお芝居と向き合う印象のある竹内さんですが、以前「“国民的俳優”になりたい」とお話されていました。4月26日で26歳を迎えて、その目標に変化はありますか?
そこはずっと変わらないですね。撮影やアフレコをして、作品ができて、お客さんに見ていただいて初めて完成するものだと僕は思っているので、俳優は見ていただくまでが勝負なんです。

だからこそ、「竹内涼真が出ている作品を見たい」と思ってもらえるような役者であり続けるために頑張りたくて。この仕事をずっと続けていきたいので……そういったことをふまえて「みんなが見たい人=国民的」という言葉を使ったんです。
「みんなが見たい人」であり続けるためには、どういったことが必要だと思っていますか?
無理はしなくてもいいかもしれませんが、新しいことをしないといけないとは常に考えています。それと、自分がやったことに満足しないことですね。自分がいいと思っていても、見た人がいいと思うかどうかは別なので。

「よかった」と思ったことは、自分のなかだけにしまっておく。見ている人は自分よりももっといろんなことを考えているかもしれないので、そこで自分が満足してしまったら成長もできないですし。

僕はみなさんが「こういう竹内涼真を見たいな」って想像してくださる、その上をいけるように、頑張りたいです。
竹内涼真(たけうち・りょうま)
1993年4月26日生まれ。東京都出身。A型。2013年に女性誌『mina』(主婦の友社)初の男性専属モデルオーディションでグランプリを受賞し、芸能界入り。翌年にドラマ『仮面ライダードライブ』(テレビ朝日系)で初主演を果たす。映画『帝一の國』、『センセイ君主』、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』、ドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)、『陸王』(TBS系)など、多くの話題作に出演。9月には出演映画『初恋ロスタイム』が公開される。

映画情報

映画『名探偵ピカチュウ』
5月3日(金)より公開中
https://meitantei-pikachu.jp/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、竹内涼真さんのサイン入りポラを抽選で2名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2019年5月17日(金)18:00〜5月23日(木)18:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/5月24日(金)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから5月24日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき5月27日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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