「役者になると思っていた」中学生の自分へ。山本一慶が振り返る10年間の役者人生
「中学生の頃から、自分は役者になると思っていたんです。頭の中はそのことでいっぱいで、勉強に手がつかなかったくらい(笑)」
母親の影響もあり、数多くのドラマや映画作品に囲まれて育った山本少年にとって、役者になる将来は至極当然のことだった。根拠も自信もないけれど、「役者にならない」という選択肢はなかった。
そして有言実行――19歳で芸能界入りし、デビュー4年目でミュージカル『テニスの王子様』の7代目・大石秀一郎役に抜擢された。以降、2.5次元舞台を中心に活躍を続けている。
「デビューから今まで“一瞬”のことみたいで。俺、このあいだまで高校生だったよね!?って感じです(笑)」
山本一慶は、6月1日に30回目の誕生日を迎える。デビューから立ち止まらず、ここまでやってきたという山本に、10年間の役者人生を振り返ってもらった。
スタイリング/水島 潤 ヘアメイク/齊藤沙織
役ではなく“山本一慶”として撮影される嬉しさ
- 6月1日の30歳の誕生日に、『山本一慶ファースト写真集IKKEI』が発売。山本さんにとってもファンにとっても、最高の贈り物になることと思います。
- ありがとうございます。
- 最初に写真集を作ることになったと聞いたときはどう思いましたか?
- ずっと作りたいと思っていたんです。だから「とうとう来た、やっと出せるんだ」と嬉しかったです。
それも30歳の誕生日に1st写真集を出せることに、運命も感じていて。今まで出さなくてよかった、このタイミングでよかったなと思いますね。 - 写真集のコンセプトはどう決めたのでしょうか?
- 編集部の方といろんなお話をしていく中で、キーワードして挙げたのは「裏表」や「対比」です。僕はすごくいい人の役も、すごく悪い人の役も両方ともできるようになりたいし、両方ともしっくりくるねって言われたい。
写真集であればカッコいいものと可愛いものと、不思議なものとクールなものと、そしてエロスも……盛り込みたいなと。この写真集を手に取った人が、僕の芝居にも興味を持ってもらえたら嬉しいです。 - 打ち合わせから参加されていたそうですね。
- はい! 1ページ目から楽しんでもらうためにどうしたらいいか、スタッフの皆さんと一生懸命考えました。
- タイトルも山本さんが決めたのですか?
- タイトルは……すごく悩みました。オシャレなのも考えたんですよ。でもオシャレすぎて意味わかんねーってなってもイヤだし。
そのときに「ファースト写真集だからこそ、自分の名前を使えるんじゃない?」と言ってもらえて。ああ、たしかに!と。
僕、自分の名前がすごく好きなんです。だから一慶にします、むしろ一慶がいいです、と。実現できてすごく嬉しいですね。 - 2.5次元作品でキャラクターになりきった写真は拝見しますが、こうして“山本一慶”として映る写真は貴重ですよね。
- そうなんですよね。この仕事をしていると、自分を前面に出すことってなかなかなくて。何かの作品のキャラクターの姿だったり、何かの作品の取材中だったり。
だから“山本一慶”として写真を撮っていただくことは、自分としてもすごく嬉しいんです。 - 撮影されるのは好きですか?
- じつは苦手なんですよ。恥ずかしいから。iPhoneとか向けられるのイヤだもん。
- 自撮りもしないんですか?
- しないです。だって自撮りなんて、恥ずかしいじゃないですか。周りはみんな「いえーい」って自撮りしてるけど、俺はできない。
- でも、こうしてできあがったページを見ると素敵だなと思いますよね。
- 本当に思います!! ぶっちゃけ撮影中は、不安もあったんですよ。どんなふうになるんだろうって。だから今できあがったものを見て、ちゃんと売りものになっていることに安心しました。
- 売りものですよ(笑)。
- そうなんですけど(笑)。個人的なアルバムでありながら、ファンの方にも喜んでいただける内容になっていると思います。
衣装は生地から選ぶこだわり。世界に1着のオーダーメイド
- 2018年から2019年にかけて計4日間、国内で撮影したんですよね。
- はい。城ヶ島や砂丘、樹海にも行きました。自然に触れる機会が多かったです。
- シチュエーションについてはのちほど詳しくお伺いしますが、衣装も見どころですよね。スタイリストの方と一緒に生地から選んだと伺いました。
- はい。生地から選んでいただいた、世界にひとつだけの服なんです。
売っているものから僕のために選んでいただけるのも、もちろん「こんなに可愛い服を着ることができて嬉しい!」とテンションが上がるんですが、自分のためだけに作ってもらえると、愛着もわくんですよね。
僕のイメージを、僕の思いを汲み取って1着1着作っていただいたので、よーく見ていただきたいです。僕自身も見てもらいたいですけど、服もぜひ。 - 樹海での写真、全身白の衣装が素敵でした。
- 樹海のあの緑の中に真っ白の自分がいるというのは、なんだろう、妖精みたいな。自分で自分のことを妖精って言うのもおかしいですけど(笑)。
この日は天気が不安定で。雨男とは言わないでくださいね?(笑)だけどいざ撮影が始まるタイミングで、雲のあいだから光が差し込んできて、それが木漏れ日みたいですごく綺麗でした。 - 本当に! 映画のワンシーンみたいな美しさです。
- ありがとうございます。正直、森とか土とか苦手なんですよ。汚れるし、虫が出てきそうだし。つまり自然が苦手なんですけど(笑)、今回の撮影を経てすごくいいなと思いました。
- 軍服風の衣装もとても素敵でした。撮影はどこで行ったのでしょう?
- 東京国立博物館です。開場前の時間に撮影しないといけないから朝が早くて、古い建物だから暖房がついてなくてすごく寒かった思い出なんですが(笑)。
だけど古い建物なだけあって歴史を感じるというか、現場の放つオーラに圧倒されました。 - 衣装を着てみた感想はいかがですか?
- テンションが上がりました!! カッコいいですよね、この衣装。ベロアの生地もすごく素敵なんです。
1回着てみて、ウエストをもっと締めたほうがいいんじゃない?と細かく調整してもらって。サイズも僕にぴったりだから、いい感じに着こなせているんだと思います。剣を持たせてもらえたのも嬉しかったな。
30歳になるのでエロス(not色気)を撒き散らしたい
- 衣装ではないですが、どうしても触れたかったのが、シャワーシーンの写真です。いい背中ですよね……!
- あははは。
- 色気が溢れてます。
- 色気というか、エロスです。エロス。写真集にエロスを入れてほしい、というのは僕の要望なんです。30歳になるので、エロスを撒き散らしたいと思ってまして。
- エロスを撒き散らしたい……?
- ずっと言ってるんです、「エロス」を出したいと。本当に3年くらい前からずっと言ってるんですよ。
なんですかねぇ、顔が変わんないんですよね。だからどうしたら大人の色気って出るのかな?と試行錯誤していて。
そしたらイベントとかでファンの方から「色気は出ているんじゃないですか?」と言ってもらえて、「じゃあ俺が出したいのは何だ?」と。色気じゃないとしたらエロスか、と。なので、今はエロスを求めて旅をしているんです。 - (旅……?)シャワーシーンの撮影はいかがでしたか?
- 想像以上にビッショビショになりましたね。(写真を見ながら)きゃー(笑)。
- 撮影中はやはり恥ずかしかったですか?
- いえ、楽しかったです!!(笑)「もっと! もっと水かけて!」と女性スタッフの声がどんどん高くなっていくのも面白くて。なんか、ありがとうございますっていう(笑)。
ただ、エロスの基準って難しいですよね。出せば出すほどいいのかって言うとそうじゃなくて、「そこまでは見たくなかったな」と感じる人もいるだろうし、受け取り方は人によって違うから。今回はすごく程良いエロスになっているんじゃないでしょうか。 - 撮影4日間の中で、印象的な出来事はありましたか?
- 撮影で最初に行ったところが、城ヶ島の岩場なんですけど、夕日が沈む瞬間を狙って写真を撮影したんですね。そのときの夕日がものすごく綺麗で、印象に残っています。
普段、自然を見て感動することが少ないぶん、こうしたロケーションの中での撮影をさせてもらったことで、「俺もちゃんと自然を感じられる人間なんだな」とわかったというか、新しい自分の一面を知ることができたというか。すごくいい経験になりました。
中学生の頃から、自分は役者になると思っていた
- 今年でデビュー11年目になりますが、小さい頃から芸能界に憧れがあったのでしょうか?
- 憧れというか、自分は役者になるんだろうなって思ってたんですよね。中学生の頃から。
- そうなんですか!?
- 進学校に通っていたんですが、「卒業したら芸能界に入るしなぁ……」って勉強に手がつかなかったくらい(笑)。
小さい頃からお母さんと映画を観に行くことが多くて、芸能人とそうじゃない人の区別がついていなかったのかもしれないですね。そのあいだに壁はなくて、芸能人になることが難しいとか、なれないものという認識はなかった。 - 当時、クラスメイトたちに「俺は役者になるんだ」って言っていたんですか?
- 言ってないです。ただ「大学には行かない」とだけ。だって就きたい仕事が明確にあったんだもん。
今思うと、すごく危うい考えですよね。役者になれるなんて保証はないのに。うん、危ういですわ(笑)。 - でも自信はあったんですよね?
- 自信なのかはわからないですけど……。ドラマに出たいとか映画に出たいとか、具体的な想像もできていなかったので。ただ俺は役者になるんだ、という。
- 有言実行ですね。19歳のときに芸能界入りして11年目を迎えるまでに、「やっぱり一般人に戻りたい」と思ったことは?
- 思わないです!!(即答)
(この日の取材が4月初旬だったため)リクルートスーツ姿の方とたくさんすれ違うじゃないですか? そうすると、ああ自分はこっちの世界に入れてよかったなって思います。
- 後輩も増え、カンパニーでは上のほうになってきましたよね。山本さんはどんな先輩なんですか? 優しそうなイメージがありますが。
- 僕は全然優しくないです(笑)。気になったことや言いたいことはハッキリ伝えるほうですし。相手にどう思われようが、僕は言ったほうがいいと思っています。
僕が言ってあげることで変わるかもしれないし、何か気づかせてあげられるかもしれない。現状に満足しちゃったら…ねぇ。僕の一言で次のステップに進めるならいいことじゃないですか。
作品のためになることなら、僕は全力で協力したいと思います。 - 同世代の仲間からの刺激も大きいですか?
- そうですね。それこそ(黒羽)麻璃央がテレビに出ているのを見ると、ハッとするし、すごく嬉しくなります。また共演できたらいいなとも思う。
ただ周りがどうというより、自分は自分。今は僕にできることをやっていこうと思っています。
休みが欲しいとは思わない。2019年も働きます!!
- 6月1日で30歳になりますが、目標はありますか?
- いろんなことに怖がらずに挑戦していけたら、と。今回の写真集では自然と触れ合うことが、いい刺激になると知りましたし。今までは自分の近くで終わらせようとすることが多かったなと反省しているんです。
これからは自分の手に負えないところ、自分が理解しようとしていなかったところにも飛び出して、外の世界に触れたいと思います。それが経験値となり、芝居にも反映されるんじゃないかなと。 - 自分が30歳になる姿を想像していましたか?
- 想像してなかったです。というか、自分が30歳になると思わなかった。だってこのあいだまで高校生だったもん。実感ないんですよ、本当に。
俳優として道を歩み始めたときは、右も左もわからない状態で、そこから軌道に乗り始めて、あっという間に今なんです。自分の将来を想像する暇もなく、流れに身を任せていたらあっという間に今。怒涛の10年間でした。 - 毎日充実しているってことですよね。
- そうですね。年に何本も舞台に立たせてもらって、それが毎回楽しくて。本当に感謝しています。
- でもたまには、お休みが欲しいと思いませんか?
- 思いません!!(即答)休みがあっても何をしたらいいかわからないですもん。
家にいるのがイヤなんですよね。ゲームが好きだから、家にいるとずっとゲームしちゃうんですけど、ふと「俺は何をしているんだろう……?」と思うこともあって。もっとできることがあったんじゃないかと、後悔するというか。
だから急に休みができると……。 - どうするんですか?
- 「どうしよう!?」って頭がパンクしちゃって、結局、ゲームしちゃいます(笑)。
- (笑)。家にいるくらいなら仕事をしたい?
- はい。2019年も働きます!!
- 山本一慶(やまもと・いっけい)
- 1989年6月1日生まれ、東京都出身。O型。2008年、ドラマ『ここはグリーン・ウッド〜青春男子寮日誌〜』で俳優デビュー。2012年、 ミュージカル『テニスの王子様』 2ndシーズン (大石秀一郎役)で注目を集める。主な出演作に『メサイア』シリーズ(雛森千寿役)、舞台『ハムレット』(ハムレット役)、『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』(氷鷹北斗役)、 舞台『戦刻ナイトブラッド』(前田利家役)など。
写真集情報
- 『山本一慶ファースト写真集IKKEI』
- 撮影:アライテツヤ
- 【サイズ】A4判
- 【価格】本体価格 3000円+税
- 【ISBN】978-4-344-84385-1
- 【発売日】2019年6月1日
- ▼イベントや特典など、写真集の最新情報は特設サイトをご覧ください▼
- http://www.gentosha-comics.net/gcphotobook/yamamoto.html
イベント情報
- [東京]
- ■アニメイト 池袋本店 ミニトーク付き握手会
- 日程:6月1日(土)12:30開始/14:30開始
- ▼イベント詳細はこちら▼
- https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=101854
- ■福家書店 新宿サブナード店 握手会
- 日程:6月2日(日)11:00開始
- ▼イベント詳細はこちら▼
- http://www.fukuya-shoten.jp/event/19060212/
- [大阪]
- ■HMV&BOOKS SHINSAIBASHI 握手会
- 日程:6月9日(日) 1部 11:30〜/ 2部 12:30〜
- ▼イベント詳細はこちら▼
- https://www.hmv.co.jp/store/event/37060/
- [名古屋]
- ■星野書店 近鉄パッセ店 握手会
- 日程:6月9日(日) 17:30開始/18:40開始
- ▼イベント詳細はこちら▼
- http://bookshoshino.wp.xdomain.jp/event1/ikkei_y.html
- ■スマートボーイズPresents
『山本一慶 ファースト写真集 IKKEI』発売記念トークイベント - 会場:神楽坂 赤城神社 参集殿(ホール)
- 日程:2019年9月28日(土)
- 第1部 11:45開場/12:30開演
- 第2部 15:00開場/15:30開演
- チケット価格:4,320円(税込)
- ▼イベント詳細はこちら▼
- https://sumabo.jp/87318
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、山本一慶さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
- ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
\『ファースト写真集 #IKKEI』6/1発売/#山本一慶 サイン入りポラを3名様にプレゼント!
— ライブドアニュース (@livedoornews) May 8, 2019
・フォロー&RTで応募完了
・応募〆切は5/14(火)12:00
インタビューはこちら▼https://t.co/lxY7iIJa8z pic.twitter.com/YVcdHuI5ki- 受付期間
- 2019年5月8日(水)12:00〜5月14日(火)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/5月15日(水)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから5月15日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき5月18日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
- キャンペーン規約
- 複数回応募されても当選確率は上がりません。
- 賞品発送先は日本国内のみです。
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