他のアイドルグループを、早くライバルだと思いたい。秋元康プロデュース「ラストアイドル」の焦り

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アイドル戦国時代と呼ばれて久しいが、そのなかにあって近年最も「戦国時代」の様相を呈しているのが、「ラストアイドル」だろう。

ラストアイドルとは、AKB48や乃木坂46など、数々のアイドルグループをプロデュースする秋元康が2017年に立ち上げたプロジェクト。同名のオーディション番組『ラストアイドル』(テレビ朝日系)では、「究極のアイドルグループ」の座をめぐり、壮絶なバトルが繰り広げられている。メンバーの入れ替わりや、時に冷酷なオーディションのシステムは、SNS上でたびたび波紋を呼んできた。

現在は、そんなバトルを生き残ってきた1期生からなる5つのユニットと、2期生、2期生アンダーで構成。総勢52人の「ラストアイドルファミリー」に成長している。彼女らは、これまでシングルの表題曲を“バトル”で勝ち取ってきた。しかし、4月17日には、初めて52人全員で歌唱する楽曲『大人サバイバー』をリリースする。

一旦、内部で戦うことをやめた彼女たちの次なる目標は「他のアイドルグループと戦うこと」。その野望と焦りについて、1期生の阿部菜々実、間島和奏、長月翠と、2期生の篠田萌、畑美紗起に尋ねた。

撮影/岡本俊(まきうらオフィス) 取材・文/松本まゆげ
▲左から、篠田萌、長月翠、阿部菜々実、間島和奏、畑美紗起。

「52人はさすがに多いよ、MVで絶対映らないじゃん!」って(笑)

まずは、最新シングル『大人サバイバー』のお話から聞かせてください。ファミリー初の全員での歌唱となりましたが、どう思いましたか?
阿部 最初に新曲を出すって聞いたとき、今回も選ばれたメンバーで出すのかなって思っていたので、「52人で」って聞いたときは「おおっ?」ってなりました。さすがに多いよ、MVで絶対映らないじゃん! って(笑)。でも実際に52人でやってみると、大人数だからできるフォーメーションなどに挑戦ができました。人数は多いけれど、ひとりでも欠けちゃいけないという大切さがわかった気がします。それに、楽曲もカッコいいんですよ。ライブでやったら絶対盛り上がるなって思いましたね。
▲今回のシングルのセンターを務め、ユニット「LaLuce」のメンバーでもある阿部菜々実。
たしかに、コーラスも肝ですもんね。
間島 それに、ラストアイドルを体現してくれている楽曲だとも思いました。「サバイバー」って象徴的だなと。落ちサビ前の〈道なき道 歩いて そう誰も やっと夢を掴むものだ 生き残れ!〉という歌詞なんて、まさに今のラストアイドルに必要な言葉です。2017年の12月にCDデビューしてそろそろ1年半経ちますけど、アイドルとしてどういう道を進めばいいんだろうと考えていた時期だったので、そんなタイミングで全員参加の曲を出せるのも良かったです。
▲1期生であり、ユニット「Someday Somewhere」のメンバーでもある間島和奏。
篠田 強い意志を持った楽曲だなと思いました。『愛しか武器がない』(5thシングル表題曲。2期生が歌唱)に似ているところがありつつもまったく違う雰囲気を持っていて、新しい楽曲なんだなという実感がありますね。
▲2期生の篠田萌。
ダンスも印象的でした。みなさんが最近まで番組『ラストアイドル』の企画で挑戦していた「“歩く芸術”(全員の動きをシンクロさせる行進パフォーマンス)」の要素がありましたね。
長月 すごく寄せていただいていますね。今回の振付師の先生とは初めてご一緒したんですけど、ラストアイドルの歴史をすごく勉強してくださって、みんながどういう状況に置かれているかを考えて振りを付けてくださったんです。

たとえば、サビのところで行進しながらぶつからずにクロスする場面があるんですけど、それは実際に「歩く芸術」で私たちが苦戦していたところでした。MVの現場でもどうやったらキレイにできるか一緒に考えてくれて感動しましたね。「この先生のためなら何でもできる!」とがんばれました。
▲1期生であり、ユニット「LaLuce」「シュークリームロケッツ」のメンバーでもある長月翠。
 52人での初めてのMVだったので、どんな仕上がりになるのか気になっていたんですけど、すごくストーリー性のあるMVになりました。がんばって撮影したので、ぜひみなさんにも見ていただきたいなと思っています。
▲2期生の畑美紗起。
みなさんはひと足先に完成版を見ているかと思います。それぞれ、注目してほしいシーンはありますか?
阿部 私は落ちサビ(最後のサビの前の静かなサビ)のところですね。ひとりで踊っているんですけど、スローで素敵なんです。
間島・長月・畑 わかる!
篠田 (頭をブンブンたてに振る)
光の当たり方や顔にかかる影まで美しかったです。
阿部 ただこの日、花粉のせいで顔が腫れてスゴいことになっていたんですよ。髪の毛でうまく隠れていて良かったーって思いました(笑)。思い出深いし、見てもらいたいシーンです。
篠田さんが何度も頷くくらいですから、メンバー受けも良かったんでしょうね。
篠田 すごく好きです。そのシーン、めちゃくちゃスクショして今もフォルダに残っています(笑)。
では、そんな篠田さんの注目シーンは?
篠田 制服を着て別撮りしたシーンですね。「いつもみたいに会話して」って言われて撮ったんですけど、わりと自然にできた気がします。自分の笑顔が好きじゃない私でも「あ、私かわいいかも」って思えたくらい好きなシーンです。
 私も、制服を着て会話しているシーンに注目してほしいです。顔をアップで撮っていただいたんですけど、自分でも意味がわからないくらい大きく口を開けて笑っているんですよ。
2回目のサビの直後ですね。
 そう(笑)。そこがメンバーに好評です。たしか、みんなで昔の学校生活のことを話していたんですよ。笑った理由までは覚えていないんですけど、良い場面になったみたいで嬉しいです。
間島 私は、事前に「自分がカメラに映るときはこうしよう」と見せ場を計算するタイプなんですけど、2番の〈運なんかじゃない〉は、まさに計算していたところで、バシッと映っていて嬉しかったです! あとは、落ちサビの〈サバイバー〉のところも。そのあとも、計算していたところがあるんですけど、そこは見切れちゃっていました(笑)。
計算していたんだな、というところも含めて注目ですね。では最後に長月さん。
長月 私も(間島)和奏ちゃんと同じで本来は計算するタイプでバッチリ決めます。なのに、最後にみんなで4列に並ぶシーンはどうしても位置が覚えられなくて(苦笑)。「ほぼ私のせい」くらいのレベルで15回ほど撮り直しました。迷惑かけたんです、本当に…。結局最後は、和奏ちゃんに、私の立ち位置まで押してもらってなんとか乗り切りました。
間島 そう! 連行するくらいの勢いで、正しい立ち位置まで押していきました(笑)。
長月 なので、よく見ると和奏ちゃんに押してもらっているところが、MVにも映ってるんですよ!(笑) しかもその直後に映る私はめっちゃカッコつけているんです(笑)。そこは一緒に使わないでよーって思ったんですけど、監督さんが「間島に押されたあとで悲しい顔をしていたね」と言っていて。悲しい顔じゃないのに! 私的にはキメてたのに! …という背景があったんだと思いながら見てください。笑ってください(笑)。
間島 本当にごめん。私、すごい押してたよね?
長月 いやいや助かったよ! いつもは立ち位置だけは早く覚えられるんですけど、人数が多くて、スタッフさんとかも大勢見ていて、緊張してしまってどうしても…。自分に失望しました(笑)。だから先に自分から報告しておきます。みなさんに発見される前に!

信頼は築きたい。でも「友達」みたいになるのは、違うと思う

MV撮影を通して、メンバー間の仲は深まりましたか?
長月 深まりましたね! 52人全員で使った楽屋が、荷物を置く場所もないくらい狭い部屋で。最初は正直、気まずいなと思っていたんですけど、ヒマそうにしていたらみんなが話しかけてくれるんです。そこで一緒に写真を撮ったり、相談を聞いたりしました。初めて話した子もいたので、嬉しかったですね。
篠田 その前には「歩く芸術」の合宿があったので、そこでかなり深まりました。最初は声をかけるのも緊張するし勇気が要りますけど、回を重ねていくごとにお互いを知って話せる機会も増えていきました。
全員で活動したからできることですね。
 2期生は積極的に話しかける子が多い気がします。
長月 私たち(長月、阿部、間島)はなかなか自分からは話しかけられない3人だよね? なかでも間島と私は、黙っていると怖いイメージなんですよ。
間島 自分でも怖いなって思うもん。
長月 だから話しかけてもらえるのは嬉しいので、どんどん話しかけてもらいたいです。この記事を通して、メンバーのみんなに伝えたい(笑)。読んでくれるといいな。
とはいえ、ラストアイドルといえばメンバーやユニット同士のバトルがつきもの。仲良くなることに抵抗を感じませんか?
長月 うーん。私は気にならないかな。ちゃんと切り替えられるタイプなので。
篠田 仲間でもありライバルでもあるので、場面ごとに対応していけたらいいのかなと思います。
 私は…仲良くなるにしても、高め合う存在であることが前提かなとは思いますね。
距離感は個々に違うものなんですね。
阿部 メンバーとはずっと「メンバー」でいたいかな私は。仲良くなりすぎて友達みたいになるのはすごく嫌なタイプなので。一定の距離感は保つけど、信頼し合える仲間でありライバルであるといいのかなと思います。
間島 私は切り替えが苦手なタイプなので、バトルしていたときはどうしてもライバルという感覚が抜けなかったです。当時は楽屋の雰囲気がピリピリして苦手だったくらい、割り切れなかったです。だからずっと孤立しているなと感じていたんですけど、「歩く芸術」で全体を統率する指揮者を任されたとき、「指揮者、本当にスゴいです」って2期生が言ってくれてメンバーの捉え方が変わってきたように思います。全員の顔が見える指揮者になって、信頼関係が築けたのは大きかったです。

今、ラストアイドルに足りないのは“外と戦うための自覚”

他のアイドルグループをライバルと意識していますか?
篠田 ライバルだと思わなきゃいけないし、思いたいんですけど、まだまだ足元にも及びません。ラストアイドルのなかでの「合格」という表舞台を目指している時期があったので、“外”と戦っている自覚がなかったんです。だからこそ、『大人サバイバー』で外を向いて、ライバルとして認識したりされたりするようになりたいです。
阿部 たしかに、まずは他のアイドルグループをライバルと言えるようになりたいなと思います。今はテレビの向こう側のアイドルグループを「スゴいな」って見ることしかできないので。
そういうとき、「悔しい」と思うことは?
阿部 そうだなあ…同じ時期にできたグループだと、「悔しい」って思いますね。
長月 アイドル界のなかでラストアイドルって、1stシーズン(番組がスタートし、オーディションとバトルを経たメンバーが1stシングルをリリースするまで)はめちゃくちゃ話題になっていたんですよ。だけど今では、「ラストアイドル」という名前ばかりが先行していてしっかりしたパフォーマンスができなかったり、全体の雰囲気が良くなかったりすることもあるんです。名前が知られているぶん、しっかりしたものを見せなきゃいけないのに。
「ラストアイドル」という名前の知名度に追いつきたいということですね。
長月 そうですね。アイドルに対するやる気や情熱が欠けているメンバーがいるなと思うこともあるし、「なんでそこでふざけちゃうんだろう?」と思うこともあるので。そういうことがちょっとずつなくなっていって、「仕事は仕事」「ここはやらなきゃいけないんだ」と意識できるメンバーが増えていくといいなと思います。
そのためにはどうすべきか、考えていることはありますか?
長月 AKB48さんの「東京ドームに立つ」みたいに、目標を作りたいっていうのは、最初から言ってるのに! 言ってるのに〜(言い聞かせるように)! まだ決めることができていないんです。夢のまた夢でもいいんですけど、それに向けてみんなでがんばれるような目標が欲しい。私なら、横浜アリーナに立ちたい! ラストアイドルとして単独で立てるようになりたいです。
篠田 私は全員で日本武道館に立ちたいですね。
阿部 私も武道館。いろんなアーティストが目標にする聖地なので。歌番組にも出たいですね。
少し聞くだけでも、横浜アリーナ、武道館、歌番組と挙がりました。みなさんで話し合っていけば、きっと今目指すべきものが見つかるでしょうね。
間島 そうして目標を立てるのはもちろんなんですけど、グループが長続きしてほしいなとも思います。がんばって売れたとしても、長続きするアイドルって本当に数少ないなと感じているので。30歳くらいになったとき、「(自慢げに)私、ここにいたんだよ!」って言えるようになりたいです。
ラストアイドル
2017年8月にスタートしたオーディション番組『ラストアイドル』(テレビ朝日系)から誕生した同名のアイドルファミリー。番組の1stシーズンで、オーディションとバトルを経てデビュー曲『バンドワゴン』の歌唱メンバー7人を選出。その後、敗者含めてLaLuce、Good Tears、シュークリームロケッツ、Someday Somewhere、Love Cocchiの5つのユニットを結成した。3rdシーズンで2期生と2期生アンダーが決定。4thシーズンは『ラスアイ、よろしく!』というタイトルで毎週土曜日深夜0時10分から放送中。

CD情報

シングル『大人サバイバー』
4月17日リリース

【初回限定盤】(CD+DVD)TypeA,B,Cの3形態
1,800円(税込)
【ラスアイ盤】【WEB盤】(CD)
各1,000円(税込)

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、ラストアイドル のサイン入りポラロイドを1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2019年4月15日(月)16:00〜4月21日(日)16:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/4月23日(火)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから4月23日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2019年4月26日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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