金曜の夜、中目黒で待ち合わせ。木村達成と大人のほろ酔いデート
きょうはめずらしく、ふたりとも仕事が早く終わった。
ここのところ残業続きで疲れていた私を見かねてか、彼から「久しぶりに、ふたりで食事に行こうか。連れて行きたい店があるんだ」と誘ってくれた。
日比谷線に乗り換えて中目黒へ。指定されたお店の前に、スーツにメガネ姿の彼が立っていた。休日にデートするときには見られない、貴重な“仕事モード”の姿である。
ここは彼の行きつけらしい。「オススメは、これかな」とオーダーしてくれたのは、チーズとイチゴが載った、可愛らしいブルスケッタ。飲みやすい日本酒もチョイスしてくれた。お酒も入り、少し饒舌になった彼はメガネを外して徐々に“オフモード”になっていく。
お店の人に「彼女?」と聞かれ、ニコニコとうなずく彼。可愛い。「おなかすいてるよね、ここのオムライスおいしいよ」と、私が好きなものを頼んでくれる彼。優しい。隣にいられることに幸せを噛み締めながら、ほろ酔い気分で過ごしたふたりきりの時間。
…という胸キュン必至のシチュエーションを再現してくれたのは、俳優の木村達成。2012年、ミュージカル『テニスの王子様』でデビューし、演劇『ハイキュー!!』などの2.5次元作品に多く出演してきた。最近では、グランドミュージカルでの活躍も目覚ましい。
数々の現場で経験を積んだことで、自身の性格にも変化が訪れたという。インタビューでは、その内面の部分に迫った。
(文/livedoorニュース編集部)
スタイリング/吉本知嗣 ヘアメイク/馬場麻子
衣装協力/ジャケット¥110,000、パンツ¥40,000(ともに LANVIN COLLECTION/ジョイックスコーポレーション tel.03-5213-2510)、シャツ¥12,000(EDIFICE/EDIFICE 新宿店 tel.03-5366-5481)、チーフ¥12,000(Drake's/Drake's 銀座店 tel.03-6263-9955)、靴¥69,000(JOSEPH CHEANEY)、ブリーフケース¥81,000(GLENROYAL/ともに BRITISH MADE 銀座店 tel.03-6263-9955)、メガネ¥32,000(EnaLloid/blinc vase tel.03-3401-2835)、その他スタイリスト私物
撮影協力/TANASUKE(東京都目黒区上目黒2-43-2 Dear court中目黒 1F)
着こなせる人も限られるからこそ、ダブルのスーツは憧れ
- 今回は“スーツ男子”特集ということで、スーツ姿を披露していただきました。普段スーツを着ることは?
- なかなかないですね。こうした撮影のときに着ることがほとんど。自分でも2着しか持っていなくて、本当に冠婚葬祭のときしか着ないんです。
- 成人式はスーツで参加されましたか?
- 親父のダブルのスーツを着ました。スーツを着る機会もなかなかないですし、買っても仕方がないなって思ったんで、「だったら親父のを着よう」って。
ダブルのスーツはやっぱりカッコいいですよね。着こなせる人も限られてくると思うので、自分のなかでも憧れで。
- 「こういうスーツが好き」というのはありますか?
- やっぱりシンプルでベーシックなものが好きで、紺色のものがカッコいいなと思いますね。ワイシャツの色を変えて変化を出したりもしやすいですしね。もちろん、今回のスーツの色も素敵です!
なかなかこういう色を着る機会がないので、自分でもとても新鮮でした。 - とてもお似合いでした。
- ありがとうございます。そう言われると恥ずかしいです。……オムライス食べます(笑)。
- どうぞ召し上がってください(笑)。男性のスーツ姿は女性がキュンとするポイントでもあるのですが、その気持ちはわかりますか?
- よく言われるんですけど、まったくわからないんですよ! ネクタイを緩めるしぐさも撮影してもらいましたが、どう緩めたら女性のみなさんはキュンとなるんだろうって考えながらでした(笑)。
デートは、自分の“ホーム”だと安心
- 今回は、行きつけのお店に彼女を連れてくるというシチュエーションでしたが、たとえば、木村さんがスーツ姿でこういったオシャレなお店に女性を誘えますか?
- いや、絶対来れないです(苦笑)。普段食事に行くとしてもこういうお店はなかなか来ないので、自分の“ホーム”だと安心ですね。オシャレなところはどちらかというとアウェイなので…。
- 木村さんの“ホーム”とは?
- 大衆居酒屋! すごく好きなんです。僕は人見知りなんですけど、お酒を飲むと知らない人ともワイワイ盛り上がってしゃべれるようになるので(笑)。
あと、大衆居酒屋にいるおいちゃんたちがめちゃくちゃ優しいんです。僕からおいちゃんに話しかけることもあるし、おいちゃんから「お兄ちゃん、こんなところにひとりで来てどうしたんだよ?」って話しかけられることもありますし。一緒に話して盛り上がってますね。 - 普段はおひとりで行かれるんですか?
- 友人と行くときもありますが、だいたいひとりです。そもそも大衆居酒屋に団体で入ってこられたらイヤじゃないですか?(笑)
- 大衆居酒屋って団体で盛り上がっているイメージがありました。
- あれは、“シングルス”が団体戦になっているだけです(笑)。グループができあがっているように見えて、だいたいシングルスなんですよ。シングルスかダブルスで行って、それがみんなと仲良くなって団体戦になっているんです(笑)。
で、僕は大衆居酒屋で飲んだあと、スナックに行って飲むんですけど……。 - え、スナックですか!?
- 僕、お店はひとりでも行きますが、誰かとしゃべっていないと飲めないんですよ。だから家で飲むことはほとんどなくて。
それに昭和歌謡がすごく好きなんですけど、同い年くらいの友達とカラオケに行っても盛り上がらないんですよね。カラオケって、知っている曲だから盛り上がれるのもあると思いますし。
でもやっぱり誰かに聴いてもらいたいし、スナックは、ほかのお客さんたちが自分の好きな歌に対してレスポンスをしてくれるので、すごく素敵だなって。
- まさか、25歳の木村さんの口から「スナック」という言葉が出てくるとは思いませんでした。
- そうですか?(笑)カラオケでお酒を飲むとめちゃくちゃ高いじゃないですか。スナックって、3000円で飲み放題、カラオケし放題だったりしますよね。そのシステムがとてもお気に入りです(笑)。
これは偏見なのかもしれないですけど、スナックのママの声ってハスキーじゃないですか。酒やけなのかタバコのせいなのかわからないですけど、それがスナックの味でもあって。どこのスナックに行ってもそこは外れないですし、好きなんですよね(笑)。 - ちなみに何を歌われるんですか?
- 十八番は、ちあきなおみさんの『喝采』です。
- 渋いですね。
- あはは! 親も聞いてないですからね。カッコいいおいちゃんたち、お姉さま方が歌っているのを聞いて、「この曲素敵だな! 覚えよう!」って。
僕の歌のレパートリーは、スナックで構築されています(笑)。
グランドミュージカルの世界で、楽しみながらももがく日々
- ちょうど、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の公演中ですね。
- 本番があけて、僕が演じるキャラクター(ベンヴォーリオ)の味がどんどん強くなってきたと思っていて、やっぱり本番の力はスゴいなと感じています。
稽古場では、お客さんが見ていないからテンションも掴みにくいし、芝居や歌についてダメ出しをいただいて直していくことの繰り返しだから、「(言われたことを)きっちり守らなきゃ」っていう義務感にとらわれがちで…。
それがいざ本番に立って、お客さんの反応を受けると、稽古場でやってきたのとは全然違う。稽古場では謎の“間”だったところが、本番ではお客さんが笑ってくれて場面が完成したり。こっちのテンションも上がるし、どんどん役の感情がつながっていく。「本番って楽しい」って改めて感じた作品ですね。 - 制作発表では緊張を口にされていたようですが、公演を重ねて自信につながっていきましたか?
- そうですね。何だかんだゲネプロも初日もあまり緊張せずにできたと感じていて。「堂々とやろう」って思えたんです。
ミュージカルって、歌やダンスがあるから「音を取らないと」とか「踊らないと」とかストレートの芝居よりも、やることがいっぱいあって緊張すると思うんですよ。1年前、はじめてグランドミュージカルに出たとき(『ラ・カージュ・オ・フォール』)は、本当に口から心臓が出るくらい緊張しましたし。でも、今はなくなりましたね。
今回は稽古場ですごくもがいたから、それも自信につながったと思います。
- 改めて、グランドミュージカルの面白さや、やりがいをどんなところに感じていますか?
- 『ロミオ&ジュリエット』で言えば、誰もが聞いたことのあるタイトルだし、誰しもが知っているストーリーに自分がいられることに魅力を感じますし、本当にやりがいにつながっています。
舞台で歌うことも、もちろんテンションが上がる歌だったら楽しい。一方で、今回は最後まで生き残る役なので、いろんな人が死んでいく姿を見ないといけないのはツラいです。
僕は、お芝居自体がウソだと思っているので、そのウソを少しでも減らせたらいいなと思ってやっていますが、実際に大切な友人が死んだら、立っていられないと思うんです。 - 先ほど「平常心を保つ」というお話もありましたが。
- そう、だからどこかで平常心を保たなければいけないとは思うんですけど、持ちすぎるとウソになってしまう。でも毎公演、友人が死ぬのを見続けていると心がボロボロになっていくし…。そこは難しかったですね。
- 次の日に、また仲の良いところからはじめなければいけないですしね。
- そうなんですよ! まぁ、本番が楽しいと思えているから、楽しいとツラいがプラスマイナスゼロくらいな感じで、今は心の均衡が保たれています。
- 6月からはミュージカル『エリザベート』に出演されます。はじめて帝国劇場に立たれますね。
- 本当にスゴいことですよね。日比谷エリアでいえば、日生劇場からはじまって、東京国際フォーラム、そして帝国劇場って考えると恵まれているなって。
本当にありがたいと感じます。誰しも憧れる劇場だし、単純にすごくうれしいけれど、まだ立ってみたいとわからないなと感じる部分もあって。だから楽しみですね。本番はぶちかましたいです。 - 井上芳雄さんや山崎育三郎さんという、ミュージカル界のスターと呼ばれている方々とも一緒の舞台に立ちますね。
- そこは……優しくしてほしいです。
- 「ぶちかます」は…?(笑)
- いや、ぶちかますはウソです! 優しく指導してほしいです!(笑)
役者仲間に「お前、丸くなったな」って言われます(笑)
- 今年で26歳。20代も折り返しを過ぎましたが、ミュージカル『テニスの王子様』からはじまり、2.5次元舞台での経験を経て、最近はグランドミュージカルでの活躍も多くなりましたね。考え方も、20代前半と比べたら変わってきていますか?
- いろんな作品に携わるごとに変わっています。現場ごとに求められるものも違うので、柔軟な発想が必要だなと。そのなかで、自分的にもったいないことをしたなっていうことがあって。
- それは何でしょう?
- 僕、昔はわりとトゲがあったんです。今よりももっと鋭利なトゲだったんですが。
「注意されること=トゲ」っていう変な固定観念が生まれていき、そのトゲをどんどん削ぎ落としていったせいか、今はすごくナイーブになっちゃって。昔から仲が良かったヤツに「お前、めちゃくちゃ丸くなったな」って言われるんです(笑)。 - 役者仲間の方とかに?
- はい。デビュー当時から知っていて、それこそ今『ロミオ&ジュリエット』で共演している黒羽麻璃央にも言われました。
スタッフさんに何かを持ってきてもらったとき、「ありがとうございます!」って言ったら、(黒羽さんが)「お前、『ありがとうございます』とか言うんだ!?」って(笑)。
いやいや、じゃあ逆に「ありがとうございます」って言ってなかったら何て言ってたんだっていう話なんですけど、麻璃央いわく、「おいっす」とか「うぃ〜っす」みたいな感じだったようで。「さすがにそれは失礼すぎだろ!」って自分で自分に思いました(笑)。
- それは……丸くなりましたね(笑)。
- ただ、悪いトゲは落としても、いいトゲは残しておきたいと思っています。
あ、松田 凌くんと取材してもらったとき、僕、何かとんがった発言してませんでしたっけ?(笑) - 「ささくれは、ほっときゃ痛くないけど、むいたら痛い」ですかね?
- あははは! これはまだいいトゲですけど、頭悪い発言ですね(笑)。
僕、取材をしてもらうときは絶対にインタビュアーの方を笑わせたいと思っているんです。だから、前回も楽しんでもらいたくて言ったんだと思います。かしこまった当たり障りない話じゃなくて、インタビュアーの方と一緒に会話を楽しみたいので。 - 楽しませていただいてます(笑)。
- やっぱりそこは、根っからのエンターテイナーだなって思います(ドヤ顔)。
- (笑)。
- でも、ひとりだとまったくしゃべれないんですよ。カレンダーの発売トークイベントでひとりで話したんですが、途中から何を話せばいいか困ってお客さんに質問したりして助けてもらいました(笑)。
- インタビューもやはり対談のほうが、お話しやすいのでしょうか?
- いや、それは“シングルス戦”のほうが得意です。とくに、まだ交流を深められていない方だと、人見知りが発動して何もしゃべれなくなっちゃうので…。
僕、何度か「人見知り」って言っていると思うのですが、僕の人見知りにはかなりドラマティックなルーツがあってですね…。 - 何でしょうか?
- 小学生の頃は人見知りもなく誰とでも仲良くしている子だったのですが、中学で知り合いがほとんどいない学校に行ったんです。
周りに友達が誰もいない状況で、朝のホームルームにクラスのイケイケ女子が突然僕の坊主頭を触って、「え〜めっちゃ可愛いんだけど〜」って言ったんですよ。それにかなりの恐怖を感じたのがまずひとつ。
あと、テスト中に隣の席の子が「木村、定規持ってる?」って話しかけてきて。「今、使っているやつしか持っていないです」って言ったら、「チッ」って言われて。いやいや、テスト中だし! 普通、自分のしか持ってないし!(笑)
「女子って強い!」っていう経験をしてから僕は人見知りになってしまいました。 - まさか女性がきっかけだったとは。そうとは知らず、デートシチュエーションで撮影に臨んでいただいてありがとうございました。
- いえいえ、とても楽しかったです(笑)。
- 木村達成(きむら・たつなり)
- 1993年12月8日生まれ。東京都出身。A型。2012年に俳優デビュー。主な出演作にミュージカル『テニスの王子様 2ndシーズン』、ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』、ドラマ『弱虫ペダル』、ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール〜籠の中の道化たち〜』、舞台『魔界転生』など。現在、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』に出演中。6月からはミュージカル『エリザベート』、11月からはミュージカル『ファントム』への出演も控える。
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、木村達成さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
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— ライブドアニュース (@livedoornews) 2019年4月4日
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・応募〆切は4/10(水)18:00
インタビューはこちら▼https://t.co/6P9IViugr1 pic.twitter.com/MXLR3Bx04n- 受付期間
- 2019年4月4日(木)18:00〜4月10日(水)18:00
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