ちょっとしたことなら余裕で乗り越えられる。永野芽郁が“朝ドラ”で得た自信

凛とした視線、しなやかな物腰に加え、スパッとした物言いから感じる“強さ”。

永野芽郁は、ヒロインを務めたNHK連続テレビ小説『半分、青い。』放送前のインタビュー時とは、違った雰囲気をまとっていた。

約1年前の彼女との“違い”は何なのか。

1年間、ハードなスケジュールを乗り越え、ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』の撮影に勤しむ日々を送る（※取材が行われたのは2月下旬）。3月15日からは北村匠海とのW主演映画『君は月夜に光り輝く』が公開となる。

「朝ドラのヒロインをやらせていただいたことで、ちょっとしたことだったら余裕で乗り越えられる自信はついたかなと思います」。

いまの彼女を形作っているのは、大役を務め切ったことによる自信だろうか。

撮影／平岩 享　取材・文／馬場英美　制作／iD inc.

自分がやりたくてもできないことを、人に託すのは切ない

永野さんが演じられた渡良瀬まみずは、不治の病とされる“発光病”（細胞異常によって皮膚が発光し、死が近づくにつれて光が強くなる病）を患っている、高校1年生の女の子。宣告された余命を過ぎて“余命ゼロ”という設定です。
最初に脚本を読んだときは、つかみどころのない女の子だなと思いました。自分が思っていることを素直に口に出しているように見えつつも、じつは本心を隠しているような気がしていて…。
本心を隠している？
まみずは成人するまで生きられないどころか、“余命ゼロ”。それを受け入れるためにも自分と向き合う時間が必要だったと思うし、誰よりも自分のことをわかっているんじゃないかと。だからこそ、周りのことも考えられるし、あえて本心を隠している部分もあるんじゃないかと感じました。
この物語は、隔離された病棟で入院生活を送るまみずが、クラスメイトの寄せ書きを届けに来た岡田卓也（北村匠海）と出会うところから始まります。最初に顔を合わせたときこそそっけなかったものの、次のシーンで卓也に渡したメモにキュンときました。
「○○を食べたい」と書いてあったやつですよね（笑）。ただ食べたいだけなら母親に頼めばいいのに、卓也くんにそういうメモを渡すということは、もう一度卓也くんに会いたかったんでしょうね。

でも、まみずが卓也くんにメモを渡した気持ちはわかります。というのも、まみずは病気のせいで学校にも行けず、同世代と交流することがなかったから。そのときはまだ恋とかではなく、単純に卓也くんとのつながりを断ち切りたくなかったんじゃないかと。
まみずは卓也に“自分が叶えられない願い”を代行してもらい、その感想を語ってもらうようお願いしますが、それについてはどう思いますか？
最初は「どういうこと？」と思いました（笑）。自分がやりたいことなのに、人に代行してもらうなんて、どう考えても切ないですよね。
その“代行体験”も、ひとりの男子高校生に託すにはハードルの高い要求が多かったように感じましたが…。
無茶ぶりが多いですよね（笑）。でも、まみずからすれば、どれも自分ではどうしようもないことで。それをわかっていて誰かに頼めるのは強いなと思いました。たぶん私なら、そんなことはできないと思うので。
まみずが卓也に「何かロマンティックなことを言って」と言いますが、それも、卓也のような普通の男子高校生にとっては無茶ぶりなのかなと思いました（笑）。
たしかにそうかも。でも、隣に魅力的な異性がいれば、そう言いたくなる気持ちもわかります（笑）。

それに、まみずは長期入院していて、病室でやることがないから本をたくさん読んでいるんです。だから、本の世界に影響されている部分もあるのかなと。たぶん、キャピキャピした女子高生的な生活は送ってないだろうから、そういうロマンティックなものに対する憧れもあったんじゃないかと思います。

北村匠海の言葉が、不安なときに背中を押してくれた

“余命ゼロ”と言われながら、卓也にもそんな様子をみじんも見せず、積極的に生きようとしている姿が魅力的でした。まみずを演じるうえで意識されたことは？
「不治の病だから悲しい」とか、「余命ゼロだから、かわいそう」と見えてしまうのは違うのかなと。まみずの病状に関しては脚本にもすごくナチュラルに描かれていたので、変に役作りをするのではなく、自然に表現できればいいなと思っていました。
まみずのような人物を演じることで、永野さんの中で何か変化はありましたか？
時間が限られているものや、期間が決められているものって、その一瞬がすごく楽しかったり、そのときの記憶が色濃く残るものじゃないですか。

まみずの場合はそれが自分の命。だからこそ、「生きている」って本当にスゴいことなんだと改めて感じました。
そう感じることで日常にも変化が？
朝起きて、部屋に光が差し込んでいることに幸せを感じるようになりました。もちろん、憂鬱に感じる日もあれば、もっと寝ていたいと思う日もありますが、太陽の光を見ると、きょうも頑張ろうと思えるんですよね。そこは変わったところかもしれません。
卓也を演じられた北村匠海さんとは初共演ということですが、印象は？
以前から、声がステキだなと思っていて。だから、北村さんが言葉を発すると、ものすごく心に響くんですよね。今回も北村さんの声が聞こえるだけで、まみずとしては「卓也くんだ！」と思えて、すごくやりやすかったのと同時に、（声がステキで）ゾクっとする瞬間がありました。
ふたりの関係性について、北村さんと話し合うことは？
ほとんどなかったです。カメラの前に立って「やってみよう」という感じで。

でも、北村さんは、私が「大丈夫かな…」と不安になっているときも、毎日「本当にめちゃくちゃいいから大丈夫！」と言ってくださって、その言葉には本当に支えられました。
心強いですね。
本当に。いつも自信につながる言葉を言ってくださるんです。今はその言葉に救われてますね。
監督は『君の膵臓をたべたい』でも北村さんと組まれていた月川 翔さんですが、何か言われたことは？
それもほとんどなくて。監督はとにかく受け入れてくれる方で、私たちが投げかけたものをよりよくするにはどうするかを考えて、さらにそれを包み込んでくださいました。

その場で感じたことをナチュラルに出すという意味では、本当の意味でのお芝居ができたのかなと思います。
寄せ書きの裏にまみずが書いた、「私は私でよかった」という言葉。永野さんが「私は私でよかった」と思う瞬間は？
自分に自信がないときや、人と比べてしまうときなど、どうしても自分の劣っている部分ばかりを見てしまうときがあるんです。

でも、こんな自分でも好きになってくれる人や応援してくれる人、大事に思ってくれる人がいるのならば、「私は私でよかった」と思ってもいいのかなと。そのほうが生きるうえで楽だし、また前に向かって進んでいけるので、最近はそう思うようにしています。

佐藤 健や菅田将暉との共演は「刺激を受けまくりです！」

現在19歳。成人を迎える誕生日の9月24日まで、約半年ありますが、それまでにやっておきたいことはありますか？
仕事はこれまでどおり楽しんでやっていければいいなと思っていますが、私の中では18歳から19歳になるときのほうが大きくて。
当時撮影されていたNHK連続テレビ小説『半分、青い。』の影響もあるのでしょうか？
それだけではなく、単純に18歳だと就労制限があるので、時間的に限られる部分があるんですよね。
なるほど。朝ドラの撮影は長丁場なだけに、肉体的にも精神的にも大変だと聞きます。
月曜にリハーサルをし、そこから金曜まで撮影。そのうえで土日には違うお仕事のスケジュールが入っていたりするので、2018年はほとんど休みがない状態でした。

でも、朝ドラのヒロインをやらせていただいたことで、ちょっとしたことだったら余裕で乗り越えられる自信はついたかなと思います。

今もドラマ（『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』）の現場に入っていますが、あのときに比べれば全然平気というか、逆に時間を持て余してしまっている気がします（笑）。
『3年A組〜』では同世代の俳優さんたちと共演されていますが、いかがですか？
今までは共演する方のほとんどが大人の方だったので、同世代と出会うことが少なかったんですよね。だから、いざ同世代の方々と一緒になると、どういう会話をするんだろうと思って、自分のテンションをどこに持っていったらいいのかわからなくて。

学校のお友達と会話するのとはまた違うし、たたずまいも違いますからね。今でこそみんなと仲良くなれましたが、最初は慣れない環境に戸惑うこともありました。
先日、『半分、青い。』でエランドール賞新人賞を受賞されたときに、共演した佐藤 健さんも授賞式に駆けつけてくださいましたが、佐藤さんや『3年A組〜』で共演されている菅田将暉さんら先輩たちから刺激を受けることは？
受けまくりですね！ ずっと第一線でお仕事をされている方々ですし、とにかくお芝居の熱量がスゴい。

一緒のシーンを撮っているときは圧倒されっぱなしというか。でも、そういう先輩方と共演できるのはとても貴重なこと。楽しんでやっています。
では最後に20歳を迎えるにあたり、どういう女性になっていきたいか教えてください。
何事も周りに流されない人になりたい。それは人の意見を聞かないとかでなく、ちゃんと自分の意思を持って生きることができる人ということ。そのうえで流されない人でいたいなと思います。
永野芽郁（ながの・めい）
1999年9月24日生まれ。東京都出身。AB型。2015年に映画『俺物語!!』のヒロインに選ばれ、注目を集める。翌年の『こえ恋』（テレビ東京系）で連続ドラマ初主演を務め、映画『ひるなかの流星』で映画初主演を果たした。主な出演作品は、ドラマでは、NHK大河ドラマ『真田丸』、『僕たちがやりました』（関西テレビ）、映画では『帝一の國』、『ミックス。』など。2018年にはNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で朝ドラヒロインを務めた。ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』（日本テレビ系）でもヒロインを演じた。

出演作品

映画『君は月夜に光り輝く』
2019年3月15日（金）ロードショー
https://kimitsuki.jp/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、永野芽郁さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント（@livedoornews)をフォロー＆以下のツイートをRT
受付期間
2019年3月11日（月）22：30〜3月17日（日）22：30
当選者確定フロー
  • 当選者発表日／3月18日（月）
  • 当選者発表方法／応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ／当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから3月18日（月）中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき3月21日（木・祝）までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
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