北海道の人たちに「みっともない」と思われたくない。大泉 洋の揺るぎない郷土愛
北海道の大スターから全国区の大スターへと躍進した俳優・大泉 洋。数々の映画で主演を務めるようになった今でも北海道でレギュラー番組を持ち、地元のことを一番に考えている。
1月25日から公開中の映画『そらのレストラン』は、彼がこれまで主演を務めてきた北海道映画シリーズの最新作。今作では北海道・せたな町を舞台に描かれた。
北海道への愛情、自身が所属する演劇ユニット・TEAM NACSのメンバーとの絆について話してくれた彼の言葉から、大泉が多くの人々に愛される理由が見えてきた。
世の中に北海道の魅力を伝えるために作られた映画
- 北海道を舞台に“地域と人と食”を描く、北海道映画シリーズ。登場人物たちだけでなく、北海道の雄大な自然や、その地の食材の素晴らしさを感じる“ほっこり”さが魅力のひとつでもある。大泉は2012年の『しあわせのパン』、2014年の『ぶどうのなみだ』で主演を務め、今作では海の見える牧場でチーズを作る酪農家を演じている。
- 北海道は大泉さんの地元でもありますが、地元を舞台にした作品だと、思い入れが一段と強くなるものでしょうか?
- 1枚も2枚も気持ちを盛ってしまうところはありますね。郷土愛というか、誰でも自分の地元には特別な思いがありますからね。日本人が日本を応援するのと同じ感覚なのかもしれません。
- たしかに、地元が舞台というだけで愛着がわくことはありますね。
- とくに僕の場合は、北海道を宣伝することができる職業でもあるので。北海道が舞台の作品を作ったり、バラエティで紹介することで、少しでもいいところを知ってほしいし、行ってみたいと思ってほしいなと思います。
あとは、いろんなところで景気や経済がよくなっていますが、北海道はまだまだな部分が多くあるので、応援したい気持ちが強くなるんだと思います。 - 今回の映画の舞台になっているせたな町には、これまでにも行かれたことはあったのでしょうか?
- なかったです。“せたな漁火まつり”というお祭りのときは多く人が集まるみたいだけど、メジャーな観光地ではないし、北海道民でも行ったことのある人は少ないんじゃないかなぁ。
- 主人公の設楽亘理が営む海の見える牧場をはじめ、せたな町のロケーションが美しくて感動しました。
- 台本にも“海の見える牧場”と書いてあったのですが、正直、想像できませんでした。でも、実際に行ってみたら、台本に書いてあるとおりで、とにかく景色がいいんですよね。
亘理のモデルになった自然派農民ユニット“やまの会”のメンバーである村上健吾さんが営まれている村上牧場を使わせていただいたのですが、じつはせたなには、海の見える牧場はほかにもあるんですよ。
亘理たちが1日限りのレストランを開く草原など、せたなの町には美しい景色がたくさんあるので、車でドライブしながら自分だけのお気に入りの場所を探すのもいいかもしれませんね。
- 映画やドラマは物語が先にあって、そこに合ったロケ地を選んでいくものですが、このシリーズは先にロケ地が決まっていて、そこから物語を紡いでいくそうですね。
- そう、普通の映画とは逆の作り方なんです。今回で言えば、せたな町というすごく景色のいい場所があり、さらにそこに“山の会”という循環農業に取り組む生産者のユニットがあると聞いて、映画にしようという流れになった。
まずは北海道で素晴らしい題材を見つけて、それを伝えるために映画を作っている感じですね。 - まさに北海道愛がつまった映画ということですね。
- これは北海道映画シリーズのプロデューサーであり、(大泉さんが所属する事務所である)「CREATIVE OFFICE CUE」の社長・伊藤亜由美にしかできないことだと思います。もちろん、僕にもあふれんばかりの北海道愛があるけれど、社長にもそれが大きくあるんだと思いますね。
加えて、本人にちゃんと聞いたことはないけれど、社長の中に都会に対するコンプレックスがあるのではないかと。
というのも、僕が思うに日本の場合は何をするにも東京が中心で、地方はどこかで悔しい思いをすることがあるんですよね。だからこそ、北海道のいいところがたくさん詰まった良質な映画を北海道から発信したい、という思いがあるんじゃないかと感じています。
TEAM NACSメンバーに抱く“笑い”のリスペクト
- 本作のテーマは、仲間との絆。自然に寄り添った食を追求する5人の男たちがワイワイしている姿が微笑ましかったです。
- たしかに男同士で集まると、ワチャワチャしている感じがありますよね。「またその話か」っていうぐらい何度も話した昔のバカな話で、死ぬほど笑っていたりしますから(笑)。
- TEAM NACSのみなさんと重なって見えて、こんなふうにワイワイやりながら面白いものを作られているのかな、と勝手に思ってしまいました。
- たしかに昔はそういう感じでした。若い頃は5人で一台の車に乗って、旅に行ったりしてましたからね(笑)。でも、今は全員が40オーバーの集団だし、どこかで照れがあるから、5人でご飯に行くとかはなくなりましたけど(笑)。
ただ、今でも5人でやっている番組もあるし、『ハナタレナックス』の収録なんかではワチャワチャしているので、それは『そらのレストラン』の5人に近いところがあるかも。いや、それ以上にヒドいというか、より子どもっぽいときのほうが多いかな(笑)。 - やはり大泉さんにとってTEAM NACSの存在は大きいですか?
- もちろんそうです。大学時代から続いている関係だし、こと笑いに関しては絶対的な信頼を置いています。よく大学時代にこれだけ面白い人たちが集まったなと。私の目に狂いはなかったと感心してます(笑)。
- ほかのメンバーが出演されている作品をご覧になることはあるのでしょうか?
- 観ますね。とくに舞台はほとんど観てるんじゃないかなぁ。やっぱり生の彼らの舞台は観たいですよね。
僕らは3年に1回しか本公演をやらないのですが、事務所のファンミーティングや2年に1回の「CUE DREAM JAM-BOREE」というイベントがあったりして、そういう笑いの要素が強いイベントのときには、みんな本当に面白くて、そばで見ていてほれぼれすることがあります(笑)。彼らの笑いに対してのリスペクトはものすごくありますね。
- では、もし北海道映画シリーズの第4弾が製作されることになり、大泉さんではなくほかのメンバーが主演すると知ったら、どう思いますか?
- それはとくに何も思わないかな。これまでも3本も主演をやらせてもらったから。
- たとえば、ポスターを見て初めて、主演が安田 顕さんに変わったと知ったら…?
- 何も知らされずにいきなりポスターを見せられたら、それはちょっと寂しいかも(笑)。シゲ(戸次重幸さん)が冗談ぽく「何で俺らは出てないの?」と言っていたけれど、うちの事務所が作っている映画だし、みんなにやってほしいという思いがあるくらいなので、主演が変わるのは全然。
もし『探偵はBARにいる』の主演がほかのメンバーになると言われたら、さすがにそれは「ちょっと待って!」と言いますけどね(笑)。
自分で「このイジりはつらい」と思うことはやらない
- あるインタビューで、大泉さんは北海道の方々が自分のことをどう見ているのかをつねに意識していると話されていました。それは本当ですか?
- 本当です。これは勝手にだけど、北海道代表というか、僕のうしろには北海道の人たちの目線があると感じていて。なので、彼らが僕の出ている番組や作品を見たときに、みっともないと思われたくないという思いがあるんですよね。
- それは全国区で人気になった今も?
- 昔、『パパパパパフィー』という番組に出たとき、「北海道のテレビに出ているときと違う」「守りに入ってる」と思われたらイヤなので、PUFFYのふたりからどんなに「この人、何なの?」と言われても強気でいたし、全国の人にどう思われても北海道の人が面白いと思ってくれたらそれでいいと思っていました。
それは今も同じで、北海道の人たちが「大泉、攻めてるね!」と思ってくれたらうれしいし、「北海道の人たちがガッカリするから、それはできない」と言うこともよくあります。 - そういう真摯な姿勢が、大泉さんが愛されている理由だと思います。あと、人にツッコむときの言葉選びも独特で面白いです。誰も人を傷つけないというか。そういった表現に対するこだわりは?
- つねに上品でありたいなとは思っているかもですね。ただ、『水曜どうでしょう』とか、北海道の番組を見てくれている人は知っていると思いますが、「バカ」「アホ」ぐらいは全然言ってますね。
でも、それも愛があってこそ。笑いはチームプレイで生まれるものだと思うので、相手に愛情を持っていないと。それに「バカ」「アホ」ぐらいの武器は持っていないと戦えませんからね(笑)。 - そこも大泉さんが愛される理由なんでしょうね。
- そう言ってもらえるのはありがたいけど、自分が見ていてこのイジりはつらいなと思うことはやらない、と決めているだけなんですよね。
- 自分の嫌なことはやらない。ハッキリしていて素敵です。
- ただ、「あんなにぼやいて文句を言っても、嫌味がない」とよく言われるんです。それは違うんだと声を大にして言いたい。
あれは僕が先に周りからひどいことを言われて、侍にたとえるなら、僕は決して刀を抜きたくないのに、そこに斬りかかってくる人が多くて。だから、斬られて、斬られて、斬られて、最後に刀を抜くわけですよ(笑)。
そこで「何で抜いたんだ」と言われるほうが理不尽で(笑)、10言われて、最後に1返すんです! まぁ1というか、2、3返す(笑)。僕のぼやきは泣く泣くぼやいてるんだとみなさん、ご理解ください(笑)。
- 大泉 洋(おおいずみ・よう)
- 1973年4月3日生まれ。北海道出身。B型。演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーとして、『水曜どうでしょう』、『ハナタレナックス』、『おにぎりあたためますか』(すべてHTB)など地元のバラエティ番組に数多く出演。2005年にドラマ『救命病棟24時』(フジテレビ系)で全国ネットの連続ドラマに初出演して以降、『ハケンの品格』(日本テレビ系)などの数々のドラマ、『探偵はBARにいる』シリーズ、『青天の霹靂』、『アイアムアヒーロー』、『恋は雨上がりのように』、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』などの映画で主演を務めた。
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— ライブドアニュース (@livedoornews) 2019年2月1日
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- 2019年2月1日(金)12:00〜2月7日(木)12:00
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- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから2月8日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2月11日(月・祝)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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