青山テルマさん、教えてください。どうしたら“親友”と出会えますか?

2008年の『そばにいるね feat. SoulJa』が大ヒットし、新世代の歌姫として注目された青山テルマ。切ない楽曲そのままの印象だった彼女が、近年バラエティ番組で「ぶっちゃけキャラ」として大ブレイク。「今、生きてて超ラクです(笑)」という発言からも伝わる通り、取材中も“テルマ節”を炸裂させた。

そんな彼女が昨今、友人関係がうまく築けないという若者も多いなかで、彼女なりの友情の在り方、自分の生きる道を語ってくれた。

撮影/曽我美芽 取材・文/坂本ゆかり 制作/iD inc.

「毎日連絡を取ることが友情のすべてじゃない」と感じた

12月21日から公開中のディズニー・アニメーション映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』の日本版エンドソングを歌うというのは、歌手にとって名誉なことだと思うのですが、お話がきたときはどう思われましたか?
びっくりしましたね。最近はバラエティ番組でぶっちゃけ発言をしているので、「私で大丈夫なのかな?」って思って(笑)。そこからだんだん喜びに変わっていった感じです。
周りの反応はいかがでしたか?
ニュースが出てからは多くの方に「おめでとう」っていうメールや連絡をいただきました。普段、シングルやアルバムを出すときに「おめでとう」なんて言われないので、「やっぱりディズニーってスゴいな」って改めて思いました。
『In This Place〜2人のキズナ』は、日本語の歌詞もテルマさんが手がけていらっしゃいますが、どんなことを心がけたのでしょう?
子どもから大人まで、幅広い年齢層の方が見てくださる作品なので、「ストレートに言葉を届けよう」ってことですね。シンプルに、そしてストレートに、前向きな気持ちを書かせていただきました。
サブタイトルにも「2人のキズナ」と入っているように、本作はゲーム世界の住人、ヴァネロペとラルフが友情の在り方と自分の道を見つける物語です。作品を見てどのような点に共感されましたか?
私はインターナショナルスクールに通っていたのですが、高校を卒業すると、友達は世界中に旅立ってバラバラになっちゃうんです。私は日本に残って、大学と歌の道に進みましたが、仲良しの子は海外に行ってしまって、なかなか会えない環境になりました。

でも数ヶ月ぶり、数年ぶりに会っても、友達との関係性は全然変わらないんですよ。毎日会ったり、連絡を取ることが友情のすべてじゃないなって感じました。日々頑張ってる姿を見て勇気づけられたり、「応援しよう!」って思えたり、支え合えるのが友達なんですよね。本作でも同じようなことが描かれていたので、共感しました。

友達ができなかった頃…ケンカをして仲良くなった

高校時代の友人とステキな関係を築いたテルマさんですが、友達関係の悩みを抱える方も多いようです。テルマさんは、友達との関係で悩んだことはありますか?
今はSNS上でのいじめだったり、見たくないことも見えちゃう時代。私が高校生の頃はFacebookができたくらいだったから、まだそういう悩みはなかったんですけれど、時代と共に悩みは変わっていきますよね。
SNSといえば、テルマさんはInstagramでファンによくリプライを返されていますよね。
はい。でも、時間があるときだけ。すべてに返しているわけではありません。
芸能人の方がリプを返してくれるって、まれなことだと思うのですが。
私は街で声をかけられるのも全然OKなので、SNSでも同じ。だから気楽にリプするし、時間がなければまったく返さない。適当です、本当に(笑)。
親近感がわきますね。オープンな性格のテルマさんは、友達をうまく作れなかった時期はあるのでしょうか?
LA に住んでいた中学時代は友達ができなくて、やんちゃしてました(笑)。
やんちゃって?
ケンカしたり(笑)。おかげで強くなりました。
ケンカをして、その後に仲良くなるというパターンですか?
そうですね。体を張って仲良くなるというか(笑)。今はさすがにケンカはしませんけれど、「ゴメン」って言われたら絶対に許す、ダメなことは本人に直接言うという潔い性格は、昔から変わっていませんね。
テルマさんは木下優樹菜さんとずっと親友なんですよね。仲良くなるきっかけはどんなことだったのでしょう。
ふたりとも本質が似ているので、通じ合う部分がすごくあって(笑)。
まさか、ケンカしたりは……。
優樹菜とはしないけど、もしやったら絶対に負けないですよ(笑)。私たちはデビュー時期が近くて、音楽番組でよく一緒になっていたんです。優樹菜は当時、Paboというアイドルグループのメンバーで。そこで連絡先を交換して…知り合ってもう11年かぁ。長いですね。
どうお互いの距離を縮めていったんでしょう?
優樹菜がその頃失恋をして、「テルマちゃんの曲、着メロにしてるんだよね」って声をかけてくれたんです。そこからですね。
優樹菜さんのお家にも、よく泊まりに行っているとか。
行ってますね。もう家族みたいな感じなんです。家に行ってもとくに何かをするわけでもなくて、私は昼寝をして、優樹菜のご飯を待っているだけ。私の母と優樹菜のお母さんも仲良しだし、本当に家族みたい。
家族ぐるみのお付き合いなんですね。テルマさんから見た優樹菜さんって、どんな人ですか?
今は、「お母さん」ってイメージですね。優樹菜は22歳で結婚したけど、私はずっとしくじってるなぁ(笑)。結婚もしてないし、子どももいないし。そういう意味では、優樹菜のほうが大人というか、経験を積んでる感じがしますよね。
ステキな家庭を見てると、憧れちゃいますよね。
もちろん、もちろん! 「私の家族はいつできるんだろう」、「私にそういうときはくるのかな?」って思っちゃう。焦ったほうがいいのかな?
出会いはいっぱいありそうなのに!
私、出歩かないので、出会いがないんですよ。休みの日は家から一歩も出ないし、ご飯も出前にしちゃって(笑)。
アクティブなイメージだから意外ですね。家で何をやっているんですか?
お笑いや映画を見たり。とくに何もしてないんです。
じつはテルマさんに「親友と出会うにはどうしたらいいのか」を聞こうと思っていたんです(笑)。
それ、難しいですね〜。ベタですけれど、やっぱり思いやりを持つのが大事だと思います。仲良くなればなるほど気を使わなかったり、疎かになってしまうこともあるじゃないですか。でも、大事な人だからこそ気を使わなきゃいけないんじゃないかな? 好きだったら、相手が喜ぶことをしてあげたいって思うし、それが苦ではない。自然と思いやれるじゃないですか。

友情ってギブアンドテイクじゃないと思うんです。自分がギブしたいときにギブするというか、見返りを求めないというか…。きっと、そのラリーがうまくいく友情は、長続きするんじゃないかな。

コンプレックスだったことも、大人になれば武器になる

10代の子だと、ちょっとしたきっかけでハブられたりするじゃないですか。もしテルマさんが同じ状況になったらどうしますか?
私にも経験がありますよ。そんなときは直接相手に「私、ハブられーーー!」っておどけて言って、笑いにしちゃう。そのほうがラクじゃないですか。媚びる必要もないし。

学校だと毎日それに立ち向かわなければならないからシリアスだと思うけれど、学校って社会人になるための準備期間というだけで、一生そこにいるわけじゃない。だからその経験を活かして、人に優しくしたり、「私はそういうことはしない!」って思えたほうがいい。
その子と無理やり仲良くならなくても、きっとほかに仲良くなれる子がいると思います。「このグループじゃないとダメ」とか、「この人と一緒じゃないとダメ」とか、そういう考え方をするのではなく、もっと視野を広くしてみるといいんじゃないかな。
学校より、外の世界のほうが広いですものね。
そうですね。広いし、厳しい。そのときは深刻だけど、あとから考えると「あのとき、ハブられてよかった」って思うこともありますからね。うまくいかなかったのは、必然だったって。
そもそも、ハブられるよりハブるほうがダサくないですか? ハブる理由って、服をマネしたとか、好きな子としゃべってたとか、小さいことだったりするじゃないですか。でもグループで団結すると、強くなった気分になっちゃう。私だったらひとりひとり呼び出しますね(笑)。
で、ケンカして仲良くなる(笑)。
そう(笑)。嫌い合うふたりって、意外と似てるんですよ。きっと感覚が似てるから、ぶつかり合うんじゃないかな? 私はそういう子たちと仲良くなるんですよね。
実体験があるのでしょうか?
高校時代に仲が悪かった子がいたんだけど、ある日その子のネイルを「それ、かわいいね!」って褒めたらそこから仲良くなったり。嫌いだからって全部否定するんじゃなくて、いいところは褒める。その人のすべてがイヤってわけじゃないし、嫌いって感情は一瞬だけかもしれないし。

「ありがとう」とか、「ごめんね」とか、優しい言葉をかけるだけで「いい人かも」って思えちゃうものなんですよ。合わない人と無理やり合わせる必要はないと思うけど。
じつは、「うらやましい」から攻撃しちゃうってこともありますよね。
みんなと違う部分があるってこととか、ね。中高校生の頃は、みんなと違うとハブられるからそれがコンプレックスになるけど、大人になると、そのコンプレックスがいいことだって気付くことも多いんですよ。

私の場合、昔は髪の毛がクルクルなのがイヤだったけど、「パーマってめっちゃ高い。私って安上がりだわ」って思ったし、ハーフってことも肌が黒いのもイヤだったけど、大人になったらそれを「うらやましい」って言われることもある。
コンプレックスだと思っていても、のちのちそれが武器になることがすごく多いんです。みんなと違う部分をポジティブに捉える努力をすれば、コンプレックスもプラスになるんじゃないかな。

ネコをかぶっていた頃を“損”だとは思わない

シングルリリースは、じつに6年8ヶ月ぶりなのですが、この6年のあいだにずいぶんイメージが変わりましたよね(笑)。
ぶっちゃけるようになりました(笑)。昔は『そばにいるね』とかバラードとか、大人っぽい曲を歌うことが多かったので、曲のイメージを保つために本当の自分が出せなかったんです。だからバラエティ番組に出るようになっても最初は、「受け入れてもらえないかも」って思っていました。

「自分を出してもいいんだな」って思えるようになったのは、この2、3年で、そこから自由に発言するようになりました。「このキャラを受け入れてくれるんだ」ってわかったのは、自信になりましたね。
過去、違う自分を“演じて”いたことは…。
それはそれで勉強になったので、損ではないかな。自分なのに「青山テルマ」ってイメージに引っ張られていたんですよね…。きっと、今だから面白いんですよ。ずっとネコかぶってた人がこうなって。
でも、ラクになりましたよね、きっと。
はい、生きてて超ラクです(笑)。「こうじゃなきゃいけない」っていうのもないし、みんなも温かく見守ってくれているし。本当の私がこうだなんて、誰も想像してなかったですよね。自分らしさを押し殺しすぎて苦しくなるときもあったけれど、そういう我慢が必要なときもあるんです。人生って面白いですね。
自然体の今のほうがモテそうな感じがします。
あ、まったくモテないです(笑)。怖い女ってイメージがついちゃって、男子にはほんとモテない。でも、女の子にはモテるんですよ(笑)。

女性ファンも増えて、ライブ会場の9割は女性です。若いファンも増えましたね。私はダメ人間を前面に出してるので、「テルマができるんだったら私もできる」とか、「こうでもいいんだ」って思ってもらえてるんじゃないかな?
最後に、『In This Place〜2人のキズナ』の「夢に向かうの」という歌詞にかけてテルマさんの今の夢を教えてください。
仲間や周りの人たちと一緒に、一段上に上がれたらいいなと思っています。みんなが「成功した」って思える瞬間が増えればいいな、と。

自分に対してはあまり欲がないので、普通に楽しくできたらいいなという感じ。ラクに生きたいですね。あとは、玉の輿を狙いたいです。2019年はもうあきらめたので、2020年くらいに狙おうかと思っています(笑)。
青山テルマ(あおやま・てるま)
1987年10月27日生まれ。奈良県出身。B型。幼少期から、ゴスペルを習うなど音楽に触れ、2007年に『ONE WAY』でアーティストとしてメジャーデビュー。同年の『ここにいるよ feat.青山テルマ』がヒットし、一躍知名度を上げ、2008年の『そばにいるね』では、初のオリコン1位を獲得した。2016年以降、バラエティ番組での飾らない物言いなどで注目を集め、テレビ番組へも多く出演している。

映画情報

映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』
12月21日(金)よりロードショー中
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
https://www.disney.co.jp/movie/sugarrush-ol.html

©2018 Disney. All Rights Reserved.

サイン入りポスタープレゼント

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応募方法
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受付期間
2018年12月27日(木)12:00〜2019年1月2日(水)12:00
当選者確定フロー
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  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから1月3日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき1月6日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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