友達だから応援するし、ライバルだから嫉妬する。横田龍儀の役者人生を彩る“出会い”
550万ダウンロードを突破した大人気アプリゲームが原作の舞台「MANKAI STAGE『A3!』〜SPRING & SUMMER 2018〜」。座長をつとめるのは、2.5次元作品を中心に人気急上昇中の横田龍儀だ。ネガティブな自分を前向きな性格に変えてくれた、作品との出会い。切磋琢磨しながらお互いを高め合える、仲間との出会い。デビュー5年目、横田の役者人生は、数々の“出会い”に支えられてきたという。
撮影/すずき大すけ 取材・文/花村扶美ヘアメイク/目崎陽子
初めての座長。今までにない緊張で迎えた公演初日
- 物語の舞台は、借金まみれで潰れかけた劇団MANKAIカンパニー。借金元のヤクザから出された取り壊し回避の条件を達成するため、劇団員を集め、力を合わせて公演を成功させようと奮闘するというストーリーです。現在、公演の真っ最中ですが、ご取材を受けてくださり、ありがとうございます!(※取材をおこなったのは7月初旬)
- いえいえ、ありがとうございます!
- 横田さんは春組の佐久間咲也役で出演されていますが、これまでのステージを振り返ってみていかがですか?
- じつは初日、今までにないくらいに緊張したんです。咲也くんの気持ちが僕に乗り移っていたのか、初めての座長という大役からくるプレッシャーなのか、いろんな感情が渦巻いていたからだと思うんですけど。
- だけど少しずつ、緊張を楽しさに変えられるようになってきました。初日はお客さんの反応も見ることができず無我夢中だったけど、余裕が出てきたのかな? 公演回数を重ねれば重ねるほど、咲也くんの心情をより強く感じるようにもなってきたし、咲也くんのことがどんどん好きになっています。
- 客席の反応はいかがですか?
- 僕らが出た瞬間、お客さんが喜んでくださるのがはっきりわかるんですよね。そういう反応は、僕たちからしたらとてもうれしいこと。喜んでくださるお客さんの姿を見ると、さらに頑張ろう!って思います。
- 今回のステージは、歌もダンスもあって、劇中劇のなかで殺陣もあります。体力的な面でも大変そうだなと思うんですけど、モチベーションを絶やさないためにどのような気持ちで舞台に臨んでいますか?
- 自分の成長のためとお客さんのため。お客さんが喜んでいる姿を見るとうれしいですし、それがなかったらこの舞台は乗り越えられないだろうなと思います。たしかに体力的に大変なんですけど、舞台に上がっちゃうと毎回違う景色が見えるので楽しいんですよね。
- 昨日はここのシーンで笑っていたのが、今日のお客さんは違う反応だと、じゃあ、どのようにして盛り上げようかとかいろいろ考えるんです。舞台は生ものなので、いろいろな発見があって楽しいし、やりがいにつながります。
- おっしゃるとおり舞台は生ものですから、公演中にハプニングが起こることも……?
- 細かいことを挙げればいろいろあります(笑)。たとえば、誰かがセリフをちょっと間違えたことに対して、まわりがツッコミを入れるとか。
- 先日もあったんですけど、(古谷)大和さんが演じるシトロンがセリフを間違えちゃって(笑)。そこでみんな大爆笑してツッコミを入れたら、シトロンさんも「まちがえたよー!」って言って客席がさらに盛り上がりました(笑)。シトロンはお茶目なキャラクターなので、功を奏したというか。みんなが役として生きてるなと感じた瞬間でしたね。
ネガティブな僕がポジティブに。咲也との運命的な出会い
- 公演前からキャラクターの再現度の高さも話題になっていましたね。咲也くんも、ゲームからそのまま飛び出してきたかのようでした。
- そう言っていただけるのは、本当にありがたいです。今となっては誰にも譲りたくない役です。劇中で「ロミオは俺の役だ!」って咲也くんが言ったように、「佐久間咲也は俺の役だ!」っていう気持ちです。
- 「今までやってきたどの役よりもしっくりきている」とおっしゃっていましたね。
- 不思議なことに、本当にしっくりきたんですよ。(撮影時に)メイクをするまでは不安だったんですけど、できあがった自分を見て、「あれ、似てる?」と。性格も似ている部分が多かったので、勝手に運命を感じましたね。
- どんな部分が似ていると思いましたか?
- 何でも一生懸命、がむしゃらに取り組むところですかね。僕、一生懸命な人や全力でぶつかっていく人が好きなんです。僕自身も共演者に負けないよう一生懸命に頑張るところがあるので、咲也くんにはどうしても感情移入しちゃいますね。
- あと、まわりに言われるのが「天然なところが似てる」って(笑)。僕自身は自分のことを天然だなんて思わないんですけど……。
- 天然な人に限って、自分のことを「天然じゃない」って言います(笑)。
- あははは。でも本当に天然じゃないんです! キャストのみんなから「龍儀は本当に咲也だね」って言ってもらえるのはうれしいんですけどね。
- 咲也くんにさらに近づくために意識してやったことはありますか?
- 咲也くんは戯曲が読むことが大好きなので、同じように戯曲を読んだり。あと、ナポリタンが大好物なので、ナポリタンを食べたり。でも僕もナポリタン好きなんですよ。で、咲也くんの嫌いなものがセロリなんですけど、僕もセロリが嫌い。こんなふうに共通点が多いんです。
- 咲也くんは“まっすぐすぎるお日様系元気役者”。前向きにみんなをぐいぐい引っ張っていく男の子ですよね。その点、横田さんはよく自分のことをネガティブだとおっしゃってますが……。
- はい、そうなんです。僕は超ネガティブですから。今はありがたいことにお仕事をさせていただいてますが、このままの実力だとお仕事がなくなっちゃうんじゃないかって不安に思って未来が怖くなっちゃったり、ヤバいヤバい……ってどんどん落ち込んでいってしまうことがあって。
- でも、咲也くんに出会ったことで、「落ち込んでる場合じゃない! 未来なんてわからないんだから、今はとにかくやれることをやろう。ベストを尽くそう!」って思えるようになりました。
- 舞台を降りてからも役を引きずるほうですか?
- 基本的に、舞台から降りたら横田龍儀のつもりなんですけど、僕のTwitterの投稿を見た演出の(松崎)史也さんに「咲也くんがつぶやいてるみたい」って言われました。僕は自分の言葉で書いてるのに、ファンの方からも「咲也くんをイメージして書いてるの?」って。だから、けっこう抜けてないのかもしれないですね。
- ということは普段なら落ち込むようなことも、『A3!』の公演期間は咲也くんとしてポジティブに受け止められるかも?
- たしかに! いつもだったらネガティブになっちゃうことも、「まぁ明日頑張ればいいじゃないか」ってポジティブに考えられるようになってますね。『A3!』が終わっても、このスタンスでいけたらいいなあ(笑)。
“一生懸命さ”は絶対に負けない。最強の仲間との出会い
- 咲也くんは、劇団員のみんなの支えや影響を受けて、役者として成長していきますが、横田さんが『A3!』の共演者から刺激を受けたことはありますか?
- あります! たとえば前川(優希)くんはダンスが得意なんですけど、ダンスが苦手な僕に教えてくれて、歌は、俊くん(立石俊樹)が教えてくれました。芝居の面では(牧島)輝くんと大和さんがアドバイスをくれました。
- 僕は春組のリーダーという立ち位置ですけど、みんながいるからリーダーをやっていけてるって思います。いつも円陣を組むとき「みんな、俺を支えてくれ!」って言っていて、リーダーなのにリーダーらしくいられないんです(笑)。
- 横田さんがまわりから影響を受けているように、横田さんも共演者のみなさんに与えているものがあると思うんですが。
- 僕は……一生懸命さです。座長が一生懸命だとまわりも一生懸命になると思ってるので、それを意識しています。
- 実際にそう思う出来事があったんですか?
- 今年3月の舞台「『龍よ、狼と踊れ〜Dragon,Dance with Wolves〜』〜草莽の死士〜」で、座長の(赤澤)遼太郎くんは年下なんですけど、すごく一生懸命で。その姿を見て、まわりのキャストも刺激を受けて彼を支えていたんです。そのときに、一生懸命な人には自然と人がついていくものだと学びました。
- 本作でも、横田さんの一生懸命な姿勢が、まわりを引っ張っていっているんだと思います。キャストのみなさんの団結力を感じました。
- そうだといいなあ。でも稽古の段階から、団結力はありましたね。だって稽古休みなのにほとんどの人が自主練で来るんですよ? みんながこの舞台をよくしたいっていう思いがあるんだなって、素晴らしいキャストが揃ってるんだなって、そのときから感じていました。本当に胸を張って誇れるカンパニーです。
- そういえば、夏組の皇 天馬役の陳内(将)さんとリーダー会と称して、本番前からごはんを食べに行ったりしていたそうですね。
- はい。僕、今作が初めて中心に立つ人物なので、どうしたらいいのかわからなくて、陳内さんに相談させてもらってたんです。「龍儀が頑張れば、まわりも支えてくれるよ」と励ましてくれて、すごく助けてくれました。春組と夏組に分かれてるけど、ひとつの舞台を作りあげている仲間なんですよね。
- でも本番が始まってからは、冗談半分で「春組には負けねぇ!」「いや、僕も夏組には負けないっすよ!」とか言い合ってます(笑)。
- 春組が、夏組に負けないところは?
- 真面目なところ(笑)。そして若い俳優が多いので、フレッシュ感だったり一生懸命さだったり、そういった面は負けないと思います。
- あと、よく言われるのは「春組は変な人が多い」って。陳内さんに「春組は大和以外みんな変人」って言われました(笑)。
- どんな変人が集まっているんですか?(笑)
- 輝くんが演じる碓氷真澄は、クールでドライなカッコいい役なんですけど、普段の輝くんはめちゃくちゃおもしろい子なんですよ。本当に不思議なんですけど、つねに左胸に手を置いているんです(笑)。それから、お腹が減ると暴れ出す(笑)。
- たしかに変わってますね(笑)。
- あと、僕と一緒で俊くんも天然らしくて、「ふたりはすぐに変なことを言い出すよね」って言われます。僕たちの発言に大和さんがツッコミを入れてきたり。前川くんもツッコミを入れてくるんですけど、ちょっとズレてるっていう(笑)。笑いが絶えない面々が揃ってますね。
本音でぶつかり合える人。親友・大野瑞生との出会い
- 『A3!』は劇団員としての成長物語でもありながら、バラバラだった劇団員がひとつになっていく絆を描いた友情物語でもあると思います。横田さん自身、仕事を通して出会った人との絆を感じたことはありますか?
- あります。今、僕の親友でもある大野瑞生とはミュージカル『刀剣乱舞』で出会ったんですけど、瑞生は僕のこと、最初はあまりいい印象を持っていなかったらしいんですよ(笑)。
- えっ!?
- 仲良くなってからそう言われたんですけどね(笑)。
- 横田さんは、大野さんの第一印象って覚えていますか?
- 僕は僕で自分のことでいっぱいいっぱいだったので、存在すら意識していなかったです(笑)。
- ふたりの距離が縮まったきっかけは?
- 全然しゃべっていなかったのが、本番を迎えて全体でごはんを食べに行ったんですね。そのときに年齢を聞いたら、同い年だとわかって。それから次の日の公演前、瑞生がアップしていて、僕も隣でアップし始めたら、どちらからともなくふざけ出しちゃって(笑)。それがきっかけなのか、意気投合しました。
- そんなところから親友になるなんて、もとから引き合うものがあったんですね。
- 今では、お互いの芝居のいいところも、悪いところも言い合える仲になってます。『A3!』の舞台も観にきてくれて「よかったよ」って言ってくれたし、もっとこうしたほうがいいんじゃない?って意見もくれました。僕も瑞生の舞台を観て、自分なりの意見を伝えたりします。すごくいい関係が築けてるなって思います。
「MANKAI STAGE『A3!』」を観劇。
— 大野瑞生 (@mizuki_ohno94) 2018年7月9日
役者の自分が観て、あー似たような悩みあったなーと終始作品に釘付けでした。
観劇後のお客さんの興奮している姿を見て、こんなに喜んでくれる作品に出ることができて羨ましいなーと思いました。
りゅーぎがセンターでキラキラ輝いていて、本当に嬉しかったです。 pic.twitter.com/LpYGB7V0x0- 本音で話せるっていいですね。
- そうですね。僕、今までまわりに気を使ってばかりいて、本音で話せる相手がいなかったんですよね。瑞生に出会えてよかった。
- 仲良しだけど、ライバルという関係でもあるんですね。
- ただの友達という関係ではないので、めちゃくちゃ嫉妬もしますよ。ただ嫉妬もするけど、「俺も頑張ろう!」ってお互い高め合える存在でいることが貴重だなって思ってます。
舞台に立つのは怖い。だけど、それに勝る喜びが待っている
- 横田さんは舞台役者になりたくて、この世界に入ったんですか?
- もともとは、父親が仮面ライダーが好きで、親孝行のために仮面ライダーになりたいという気持ちで芸能界を目指しました。あとは目立ちたい!っていう気持ちもあって(笑)。それで今の事務所に入って芝居をやってみたら、その楽しさを知ってしまったという感じです。
- 映像の経験もありますが、舞台と映像の魅力って違いますか?
- 舞台は筋道ができたなかで演じていきますよね。同じことを何回もやるし、稽古が大変という人もいると思うんですけど、僕からしたら、その日の感情やお客さんの反応が毎回違って、二度と同じものができないところが舞台のおもしろさであって。
- 映像はカットごとに撮っていって、最後につながったものを見たときの感動は舞台にないものだと思うので、僕自身は舞台も映像もバランスよくやっていきたいです。
- 昔のインタビューで、はじめてお芝居の仕事が決まったときに、稽古場に靴を持って行くことすら知らなかったとお話していたのを覚えています(笑)。
- それくらい何もわからなかったんですよね(笑)。でも、そこで芝居が嫌いになったりすることもなく、わからないけど楽しい!って思ったんです。もちろん、僕で大丈夫かな?とか、みんなにバカにされないかな?という不安もあったけど、実際、舞台に上がってみたら、僕の芝居を見たお客さんが笑ってくれたり、悲しそうにしていたりするのを見て、人に影響を与えられる仕事なんだってうれしくなりました。
- 直に反応が返ってくるぶん、舞台に立つのって怖くないですか?
- 怖いです、今でも。何が起こるかわからないところに入っていく怖さ。セリフがパーンって飛んじゃった経験もありますし……。でもやってみると、怖さよりもお客さんの喜んだ顔が見られるっていう楽しさのほうが勝っちゃうんですよね。
- 横田龍儀(よこた・りゅうぎ)
- 1994年9月9日、福島県出身。O型。第25回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで審査員特別賞受賞をきっかけに芸能界入り。2015年、映画『宇田川町で待っててよ。』で女装男子を演じて話題に。2017年、ミュージカル『刀剣乱舞』〜三百年の子守唄〜(物吉貞宗役)で2.5次元舞台に出演し人気を博す。以降の出演作に、『舞台「青の祓魔師(エクソシスト)」島根イルミナティ篇』(ルシフェル役)、舞台『龍よ、狼と踊れ〜Dragon,Dance with Wolves〜』〜草莽の死士〜(吉田稔麿役)など。舞台『戦刻ナイトブラッド』(森 蘭丸役)が8月上演予定。
出演作品
- 舞台「MANKAI STAGE『A3!』〜SPRING & SUMMER 2018〜」
- 東京凱旋公演:2018年10月26日(金)〜11月4日(日)@天王洲 銀河劇場
- http://www.mankai-stage.jp/
- 東京凱旋公演大千秋楽ライブビューイング実施決定!
日程・会場:2018年11月4日(日)18:00〜 全国の映画館
チケット料金:3,600円(全席指定/税込)
※3歳以上有料。3歳未満の方で席が必要な場合は有料。 - 特設ページ:https://msa3-lv-theater.ponycanyon.co.jp/
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、横田龍儀さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
- ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
\#エーステ 次は東京凱旋公演!/#横田龍儀 サイン入りポラを3名様にプレゼント!
— ライブドアニュース (@livedoornews) August 10, 2018
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・応募〆切は8/16(木)12:00
インタビューはこちら▼https://t.co/o5jmR0bcVL pic.twitter.com/aljUQLWTzZ- 受付期間
- 2018年8月10日(金)12:00〜8月16日(木)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/8月17日(金)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月17日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月20日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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