恵まれすぎて不安。でも期待は裏切りたくない。高橋ひかる、ブレイクの予感漂う16歳。
「第14回全日本国民的美少女コンテスト」のグランプリを13歳で受賞した高橋ひかる。昨年末には、若手女優の登竜門と言われる全国高校サッカー選手権大会の応援マネージャーに就任。ドラマにラジオと、今年はさらに活躍の場を広げている。スラリとしたスタイルで大人びた雰囲気、質問に真摯に答える姿に、まだ16歳であることを忘れてしまうが、読者プレゼントのポラ撮影ではおどけて自撮りに挑戦するような、現役高校生の素顔も。ときには恵まれた環境に不安を感じながらも、貪欲に努力する彼女は、次代を担う女優としてブレイクの予感に満ちている。
撮影/アライテツヤ 取材・文/水溜兼一美少女コンテスト応募を決めたのは、締め切り日の朝だった
- 中学1年生のときに「第14回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞して芸能界入り。コンテストに応募したきっかけは?
- もともと芸能界に憧れていたんですけど、小学5年生ぐらいから習っていたダンススクールの先生に、こういうコンテストがあるよって、応募締め切りの日の朝に言われたのがきっかけで。
- えっ、応募締め切りの日に!?
- そうなんです(笑)。お昼で締め切りだったので「やばいやばい」って、母と焦りながら応募した記憶がありますね。
- 「絶対グランプリをとる!」という気持ちで応募したんですか?
- そんな気持ちはまったくなくて(笑)。前々から先生が「オーディションに応募してみたら」と言ってくださっていたので、とりあえずやってみようか、みたいな感じでした。
- それが、どんどん審査を通過して…。
- そうですね、どんどん進んでいっちゃって。最初は思い出作りぐらいの気持ちで挑んでいたのが、だんだん「ここまで来たら賞をとりたいな」と思うようになってきて。
- ファイナリストに残った子たちを見てどう思いましたか?
- コンテストの本選前に一週間ほど東京で合宿があって、みんなと密に過ごす機会があったんです。だから、もうみんな仲のいい友達みたいな感じで。一緒にご飯を食べたり、レッスンしたり励まし合ったり、すごい良きライバルになって、みんながどの賞をとっても本当に応援できる。もちろん賞はとりたいけど、みんなでこの本選を楽しもうっていう感じで挑んでましたね。
- コンテストの審査の中で印象に残っているのは?
- 水着審査がいちばん印象に残ってます。私、コンテストとかオーディションって初めてだったんです。
- みんなでバーッと一列に並んで、ひとりひとり特技とかを言って自己紹介をしていくんですけど、そのあと違う部屋にパッと戻って、1、2分足らずで着替えて水着審査をするんです。「オーディションはこんなにセカセカしているものなのか」って思いました(笑)。女性のスタッフさんが「みんな頑張って急いでねー」と声をかけてくれて、私たちも言われるがまま、パパパッと急いで着替えましたね。
- そんなにセカセカしていると緊張する暇もなさそうですね。
- そうですね。(水着に着替えたら)そのままみんなでバーッと入ってという感じなのが、逆に緊張せずよかったなって思いましたね。何も考えず普段のありのままの姿でできました。
- グランプリに輝いた瞬間の気持ちは?
- もう呼ばれないと思ってたので、何のこっちゃっていう感じでした(笑)。年齢的にも中1だったので、グランプリやモデル部門賞はないだろうし、歌も歌えないし、演技も得意じゃないし…。伸びしろがあるってことで審査員特別賞なら、もしかしたらもらえるかもと思ってましたが(笑)、そこでは呼ばれなくて。「あー、残念だったなぁ。グランプリはこの子かな」と考えていたので本当にびっくりして。うれしいよりも、「えっ、何?」と驚きのほうが強かったです(笑)。
この仕事を始めて、自分をさらけ出せるようになった
- 芸能界に入る前は、アイドルやモデル、それとも女優、どっちになりたかったですか?
- アイドルとかモデルになりたかったです。ずっと憧れだったので。とくにアイドルは、小さい頃はモーニング娘。さんから始まって、AKB48さん、乃木坂46さんやハロプロのみなさん…。BIGBANGさんや東方神起さんも流行っていて、韓国系のアイドルもすごい好きでした。
- 子どもの頃から、踊りや歌は好きだった?
- 好きだったんですけど、歌はカラオケに行っても歌いたくなかったくらい本当に下手で…(笑)。今はひとりでも行くんですけどね。コンテストの本選前の審査ではRihwaさんの『春風』を歌ったんですが、けっこう音域が高いんです。
- 私は声が低くてなかなか高音域が出ないのにもかかわらずそれを歌っていたので、後で「あの曲は自分で選んだものなのか」と言われて。そこまで言われるほど下手だったんだなあと思って、少し恥ずかしかったです(笑)。
- そんな時期もあったんですね。今はカラオケでどういう曲を歌うんですか?
- コッテコテのアニソンからアイドルの歌、J-POP、何でも歌いますね。アニソンはけっこう変わった曲もあって、 テンションが上がるのでいろいろ歌ってます。『ソードアート・オンライン』が好きで、その主題歌を歌っているLiSAさんも大好きなんです! やっぱり音域が高いんですけど、一生懸命歌ったりして。
- 芸能界に入ってしばらくは、実家のある滋賀と東京を往復。まだ中学生で、学業と仕事を両立させるため、週末にお仕事をされていたんですよね。
- そうですね、平日は基本的に学校に行けるような環境を作っていただいて。でも平日に入るお仕事もありました。
- ハードだったと思いますが、心の支えになったものは?
- やっぱり家族、とくに母が体調面を気遣ってくれてすごく助かっていました。あと、週末は毎週、美少女コンテストで賞をとった子たちが集まってレッスンをしていたんですけど、それが励みになっていました。お互いに刺激し合えて、ライバルではあるけども、お昼のあいだにしゃべったりするのもすごく楽しくて、その時間が癒やしでしたね。
- どんなレッスンをしたんですか?
- ダンスと歌とお芝居のレッスン、あとウォーキング、ポージングもあって。レッスンに行くと励まし合える人たちがいて、自分も負けてられないなって思える環境があったのがすごいうれしかったです。
- なるほど。いい刺激を受けたんですね。いまはこうして人前に出てお仕事をされていますが、小さい頃はどんな性格でしたか?
- 内気なほうでしたね。小学1、2年生の頃は明るくて、天真爛漫と成績表に書かれたりしてましたが、年を重ねていくにつれておとなしーくなっていって…(笑)。アニメや漫画がすごい好きで、絵を描いているのがいちばん楽しかったです。
- でも、表現をするお仕事をさせていただくことで、やっぱり自分をさらけ出せるようにならないとって思って。それからは「よく笑うようになったね」と言われるようになりました。
- じゃあ、コンテストでグランプリを受賞したときは、友達もびっくりしたんじゃないですか?
- そうですね。コンテストを受けたことはみんなに言ってたんですけど、先輩たちには、きっと落ちるだろうとか、賞をとれないでしょうって冷やかしの目で見られてたので。見返せてよかったです!(笑)
天然と言われるけど…学校では「生徒会長系」な一面も
- いまは高校2年生。学校ではどういう立ち位置ですか?
- 何だろう…、わりと生徒会長系?なんですかね(笑)。
- 中学までの高橋さんを思うと、それは意外ですね。
- やっぱり関西人で、はっきり言ってしまうので。先生がいないときにみんながワイワイしていると、「静かにして!」みたいなことを言っちゃったりしますね(笑)。
- みんなのまとめ役なんですね。
- どちらかというと、そういう感じかもしれないですね。天然…とは言われますが、自分の中ではしっかりしているほうだと…思いたい(笑)。
- 言うべきときは言う、みたいな?
- そうですね、メリハリはちゃんと持っていたいですね。
- 得意科目や苦手科目はありますか?
- 得意なのは社会とか。あ、美術も! やっぱり絵を描くのが昔から好きだったので。あとは体育も好きです。
- 国語と数学は苦手です(笑)。生物とか化学は暗記科目なので、どちらかというと得意なんですけど。国語は答えがひとつじゃなかったり、数学は公式とかいろいろあったりで、覚えるのが苦手でできない(笑)。
- 学校にお仕事に忙しいと思いますが、友達と遊びに行ったりすることは?
- 芸能活動をしてる子たちが集まるクラスにいるんですけど、みんなレッスンとかあってスケジュールが合わず、なかなか遊べてないんです。でもこのあいだ、コンテスト出身の子と一緒に、埼玉のほうに家族と一緒に遊びに行きました。
- 何をして遊んだんですか?
- お風呂カフェ? お風呂とカフェが一緒になった施設みたいなのがあって、そこに行きましたね。そこで(お互いの仕事について)情報交換したりしていました(笑)。
- いまは東京で生活されている高橋さんですが、おととしまでは滋賀県にいらっしゃったんですよね。最初に東京に来たときの印象はどうでした?
- まず電車の本数が多かったり、あと渋谷とかは本当に人がスゴくてびっくりしました。街にいつも人が溢れ返っていて、「何で平日なのに学生がいるんだろう? みんな仕事は何してるんだろう?」って思いましたね。滋賀県だと日中はほとんど人がいなくて、主婦の人ぐらいしか見かけなかったので不思議でした。
- お休みの日にひとりで出かけたりしますか?
- 近くのショッピングモールとかに行って買いものしたり、ちょこちょこ出かけたりします。最近はだいぶ慣れてきて、自分でいろいろなところに行けるようになりました。
- お気に入りのスポットは?
- 新宿は何でもそろってるので、けっこうお世話になっています(笑)。
- そんな中で街を歩いていると、ご自身のポスターなどを見かけることもあると思いますが、どんな気持ちですか?
- いやー、恥ずかしいですね、何か。最初の頃は本当に慣れなくて、駅にポスターが飾ってあったりするのを友達が写真に撮って送ってくれるのがすごいこっぱずかしくて、「いやー! やめてやめて!」という感じでしたね(笑)。
- でもいまではだいぶ慣れてきて、自分が出ているポスターを、これはこうしたほうがよかったかな、このときまぶしくて目があんまり開いてなかったなとか、しっかり分析しながら見れるようになってきました。
- メイクやオシャレにも普段から気を遣っていると思いますが、どんなことを心がけていますか?
- とにかく体も顔も保湿を大事にしてます。乾燥肌で、とくに季節の変わり目は気温差が激しくて乾燥してしまうので、髪の毛でも何でも。あと、休みの日は基本的にメイクをしないようになって、リップも保湿できて色がつかないタイプのもので済ませちゃったりとか。肌を休ませてあげるということを大切にしてますね。
- 自分の顔のパーツでいちばん好きなのは?
- どこだろう? いや難しいなあ…。眉毛はけっこうインパクトがあるって言われるんです(笑)。太くて下がり眉なので。コンプレックスで嫌だったけど、メイクさんに「変えないほうがいいよ」って言ってもらえたので、そのまま生かしていこうかなと思ってます!
念願のコスプレも。“変わった役”を演じられる喜び
- この夏はドラマ『高嶺の花』(日本テレビ系)に出演。華道の名門「月島流」本家に生まれた麗しき令嬢・月島もも(石原さとみ)と、下町商店街の平凡な自転車店主・風間直人(峯田和伸)が、まさかの超格差恋愛に落ちるストーリーで、高橋さんは、直人と同じ商店街の肉屋の娘・原田秋保役を演じます。おふたりとは、もう会いましたか?(※取材が行われたのは6月中旬)
- はい! 峯田さんは独特の雰囲気があって。でもとっても優しくて。偏見で大変申し訳ないのですが…変わっているのかなと思ってたんですけど(笑)。すごい素敵な方で、これからの撮影が楽しみになりました。お芝居もナチュラルだし、引っ張ってもらえますし。石原さとみさんは本当に気さくな方で優しくて美しくて、見ててうっとりしています(笑)。
- 何かアドバイスはもらいましたか?
- 峯田さんに「気にせず、思いっきりやっちゃってね」と言っていただきました。朝ドラでも見ていたので、共演できてすごく光栄です。峯田さんと関わるシーンが多いので、間近でしっかりお芝居を見れるのが嬉しいですね。わくわくしています。
- ドラマでは、恋愛経験が乏しい直人に、秋保がアドバイスをする場面もあるそうですが、高橋さんご自身は友達から恋愛相談を受けたりしますか?
- なぜか恋愛相談はわりとされるほうです。大人っぽく見られるからかなぁ?(笑)
- やっぱり生徒会長タイプだからですかね?
- ははは、お恥ずかしい…。
- 秋保は、コスプレ少女っていう役どころなんですよね。
- そうですね、「何なんだこの子は」っていう感じで、すごいたくさんのコスプレをします。カラコンもするので、初めてコンタクトを入れました。
- もともと漫画やゲームが好きだから、コスプレをしてみたいという気持ちはあったのでしょうか?
- ありましたね。こういうの着てみたいなとずっと憧れていたので、お芝居でコスプレできるなんて!(笑)私はわりと正統派な役というか、真面目だったり静かな役だったりが多いので、こうやってちょっと変わった役を演じさせてもらえるのがうれしくて。見た目からもう印象にも残るだろうし、しっかり務め上げようって思ってます。
- 秋保と自分が似てるなと思う部分はありますか?
- 何となく自分と似てるなっていうのは、台本を読んでいて感じましたね。表面ではすごい明るいけれど、つかみどころのない部分があるというか。私もまわりから、思ってた印象と違うねとか、第一印象と変わって見えるとか言われるんです。
- まわりの人から見た、高橋さんの第一印象ってどんな感じなんでしょう?
- 静かそうとか真面目そうとか。真面目なのは真面目なんですけど、(仲良くなると)けっこううるさいし、よくしゃべるし、何か印象と違うねってよく言われますね。
芸能界に入って、意外に欲張りな自分を発見
- 2018年3月からネット配信された『パフェちっく!』(FOD)では初主演を果たしました。ふたりの男子――新保大也(中尾暢樹)、新保 壱(林 裕一朗)――との三角関係に揺れる女子高生・亀山風呼(ふうこ)を演じましたが、そのときの撮影はどんな感じでしたか?
- ほぼ毎日撮影だったので、「今日できなかったことを明日はできるようにしよう」と臨んでました。続けて撮影ができてありがたかったです。私が演じた風呼は、泣いたり笑ったり怒ったり感情の起伏が激しい女の子で、ここで泣くのは何でなんだろうとか、やっぱり感情を理解していくのがいちばん難しかったですね。
- 楽しかったことは?
- 毎日同じメンバーで撮影して、年齢が近い方たちが多くて笑いが絶えない現場ですごく楽しかったです。主演という立場だったので、少しでもみんなと仲良くなりたいと思って積極的に話すようにしてたんですけど、お芝居をうまくできなかったときには、年上の中尾さんと林さんが、「落ち着いて」と言葉をかけてくれたり、本当にいいお兄さんという感じで引っ張ってくれました。
- 芸能界でお仕事をするようになって、自分の新たな一面に気付くことなどはありますか?
- 意外と欲張りだなと思いましたね(笑)。これまでは、これがしたいって欲があんまりなくて、とりあえず任されるままに全部していこうっていうタイプだったんです。でもいまは、このお仕事がしたいとか、もっとこうしておけばよかったとか、そういう「もっともっと」っていう精神が自分にあったのは、意外だなぁと思って。負けず嫌いに近いのかもしれないです。
- 欲が出てきた?
- 自分が置かれている環境がすごい恵まれていると感じていますが、それでももっともっとステップアップしたいとか、いろんなお仕事がしたいとか。休みの日もお仕事のことばかりずっと考えているし、雑誌を読んでいても、この子の表情すごくいいな、自分ももっと頑張らなきゃと思えるようになって。何かひとつのことに関して頑張れるようになりました。
- 「全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞し、全国高校サッカー選手権大会の応援マネージャーに選ばれて、人気ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』のレギュラーにもなって。若手女優の登竜門をひとつひとつ経験して、まわりからはすごく期待されていると思いますが、ご自身はどう感じていますか?
- すごくありがたいですね。いままで憧れていたお仕事ばかりできていて、今回のドラマも変わった役がしたいって思ってたらそういう役をいただいて。恵まれすぎた環境ですごい不安になりますし、そこからガラッと変わったら怖いなぁとも思いますけど、期待は裏切りたくないし、絶対に努力し続けなきゃって。大事なポジションをたくさん与えていただいたことで、もっともっと頑張ろうって改めて思いました。
- ※高橋の「高」は、はしご高が正式表記
- 高橋ひかる(たかはし・ひかる)
- 2001年9月22日生まれ。滋賀県出身。O型。2014年に「第14回全日本国民的美少女コンテスト」グランプリ受賞。2016年に映画『人生の約束』のヒロインでスクリーンデビュー。2017年に大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)に出演。同年、「第96回全国高校サッカー選手権大会」13代目応援マネージャーに就任。2018年にドラマ『パフェちっく!』(FOD)で初主演を果たし、4月からラジオ『SCHOOL OF LOCK!』のレギュラーを務めている。現在、ドラマ『高嶺の花』(日本テレビ系)に原田秋保役で出演中。
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- 2018年7月25日(水)12:00〜7月31日(火)12:00
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