セガらしい王道を貫く。ただの育成ゲームに留まらない『Readyyy!』プロジェクトのこだわり

擬人化モノ、アイドルモノ、歴史モノ…など、さまざまなテーマで作られる女性向けゲーム。たくさんの“イケメン”キャラクターが登場し、彼らと恋愛を楽しんだり、成長する様子を見守ったりとそのゲーム性は多岐に渡る。スマートフォンがあればいつでも会え、楽しいときも悲しいときも一緒の時間を過ごせる。

ライブドアニュースでは、この夏にオススメしたい、3つの女性向けアプリゲームに注目。そのコンテンツを手がける制作サイドへのインタビューを通して、タイトルの裏側に迫る。

第2回は、セガゲームスが送る女性向けプロジェクト『Readyyy!』プロジェクト。すでに多くの作品で取り上げられている“アイドル”、“高校生”、“育成モノ”をテーマに、どう差別化を図り、セガゲームスらしさを取り入れたのか。高田暁子ディレクターと高 聖美アシスタントプロデューサーに聞いた。

取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.

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“長く愛してもらうために”を追求したキャラクター作り

“セガの女性向け大型新プロジェクト”とうたわれ、2018年2月にその概要が明らかとなった『Readyyy!』プロジェクト。ゲームや、声優によるライブ活動など多方面で展開しているプロジェクトだ。プレイヤーは、アイドル事務所のプロデューサー兼、彼らが共同生活を送るシェアハウスの寮長となり、18人の男子高校生をトップアイドルへと導いていく。
本作の企画が立ち上がったのはいつ頃ですか?
高田 2016年の5月です。でもそのときは企画書を書きはじめる段階で、実際にチームが立ち上がったのは2017年の1月ですね。企画の構想を練っていた期間が半年くらいありました。
「長く愛されるタイトルを目指す」を目標に掲げていますね。
高田 長く愛されるコンテンツを作るためには、ユーザーに「ずっとこの世界にいたい」「そこにいる彼らのことを知り続けたい」という気持ちを持っていただくことがキーになると思っていました。なので、『Readyyy!』プロジェクトでは登場アイドル18人が、どういうふうに生まれ、どんな環境で育ち、どういう思いでアイドルを目指しているのか、という生い立ちから、性格を作り込んでいます。

アイドルたちのベースがしっかりしているので、ひとりひとりの人生を掘り下げていったり、コンテンツが続いていくなかで、お客様が一緒にアイドルの成長を感じられたりするだろうと考えていました。
“アイドル”というテーマは、構想段階から決まっていたのですか?
高田 「長く愛されるタイトルを作ろう」と考えているときに、すでに“高校生”、“アイドル”、“育成モノ”というのは決まっていました。やはり、アイドルは人々を元気づける存在だと思うんです。キラキラ感や必死にパフォーマンスをしている姿に励まされる。だからこそ、アイドルを第一に取り上げました。
▲イベントなどでは、先行してゲーム内のユニットである楽曲MVもお披露目され注目を集めている。
“高校生”、“育成モノ”というのは?
高田 彼らの成長がポイントなので、お客様には、思春期を超えた少年と大人のあいだで生まれる心の変化を感じて、見守ってもらいたい。18人には学校生活とアイドルの仕事があり、そこに自分がプレイヤーとして介入するためには…と考え、育成ゲームに決まりました。
女性向けゲームが多くリリースされているなかで、“アイドル”、“高校生”、“育成モノ”という題材の作品は多い印象があります。
 ここ数年で女性向けタイトルがかなり増えたと思います。そのなかでも、キャラクターとの恋愛を楽しむものより、育成を通して、キャラクターたちの関係性を楽しむ作品が多くなりましたよね。
高田 だからこそ、差別化としてアイドルたちの掘り下げに注力しているんです。あと、彼らの日常生活もより描こうと考えています。高校生の頃は、学生生活や家での姿などにひとりひとりの個性が出てくると思いますので。
▲プロデューサーとしてだけではなく、寮長としてもアイドルたちと接することになるため、彼らの何気ない日常会話を見ることができる。
“アイドル”だからこそキラキラした姿に目が行きがちですが、“高校生”としての日常の姿も、かなり深いところまで掘り下げて描いていくと?
 “アイドル”という題材だからこそ、生半可なクオリティでは他社さんの作品に勝てないと思っていました。
プレイヤーがアイドルのプロデューサーであり、彼らが住む寮の寮長であるというのも最初から決まっていたのでしょうか?
高田 “アイドル”というテーマと同時に決まりました。プレイヤーはプロデューサーであり、寮長であり、彼らの保護者であるという三位一体にしようと。

見せたいのが、アイドルとしてキラキラと輝く姿と、家や学校での普通の男子高校生の姿、寮生といるときの何気ない姿の3点だったので、そこへ主体的に関われる立場でないとお客様に楽しんでもらえないと考えています。

アイドルの見た目から、生い立ちが垣間見えるようにした

登場するアイドルたちについても教えてください。どういうふうに5つのユニット、18人が決まったのでしょうか?
高田 まず、ユニットは5つ作ろうと考えていました。ユニットは人数でも個性が出ると思ったので、5人、4人、4人、3人、2人の組み合わせで18人。18人なら、お客様に彼らの個性を深く伝えられるギリギリの人数だと判断しました。そこに確信をもてるデータがあった、というわけではないのですが。
そこは、長年ゲーム制作に携わってきた感覚に近いのかもしれませんね。
高田 そのときには、ユニットのコンセプトも決まっていました。たとえば、SP!CA(スピカ)は王子様や爽やかさという王道のコンセプトで作っています。
▲SP!CA/リーダーである久瀬光希(声/住谷哲栄)を筆頭に、正統派の王道アイドル路線を貫く5人組。
なるほど。摩天ロケットはいかがでしょうか?
高田 バラエティに強いアイドルユニットというコンセプトです。元気さやワチャワチャ感を出すために、全員1年生にしています。『Readyyy!』プロジェクトでは、ステージで歌って踊る活動だけではなく、たとえばテレビドラマに出たり、タレントとして活動したりと、多方面でのアイドル活動を描きたいと考えていました。そういう意味で、摩天ロケットはバラエティ映えを意識しています。
▲摩天ロケット/性格も通う高校もバラバラながら、結束力はピカイチ。メンバー同士の仲もよく、ポジティブな性格の4人が揃う。
Just 4U(ジャストフォーユー)、RayGlanZ(レイグランツ)についても教えてください。
高田 Just 4Uは4人ですが、そのなかで3年生の年上組と1年生の年下組の、“ユニット内ユニット”が作れるようなデコボコ感を意識しています。RayGlanZは、3人ともプロ意識がすごく高く、馴れ合ったり協力して何かをしようというよりは、目的が同じで「トップになるために必要だから一緒にやっている」というユニットです。
▲Just 4U/家族のような関係の4人組。素顔はほのぼのとしているが、パフォーマンスはセクシー&キュート路線。
▲RayGlanZ/事務所のなかでも抜きんでた実力を持つ3人組。ひとりひとりが歌、パフォーマンスと高い実力を誇る。
個々でも戦えるけれど、トップを目指すのであれば3人のほうがいいと。
高田 そのほうが「効率がいい」って(笑)。でも、3人だから手が抜けるとはまったく思っていなくて。圧倒的なパフォーマンスを見せつけるというユニットになっています。
最後にLa-Veritta(ラヴェリッタ)はいかがでしょう?
高田 2人組という軸があったので、“陰”と“陽”という部分を意識しています。一見、清水弦心(声/田中文哉)が“陰”、上條雅楽(声/榊󠄀原優希)が“陽”に見えるのですが、本当にその通りなのかは……ゲームをプレイして確かめていただければと思います。
▲La-Veritta/対照的なモチーフを持つデュオ。雅楽が持つ天使の歌声が存分に活かされたアコースティックさが特徴。
最初に制作に取りかかったのは、やはり王道ユニットのSP!CAになるのですか?
高田 いえ、最初はユニットをまたいで3人でしたね。『Readyyy!』の世界観で許される、アイドルのふり幅を定めないと、たとえば、極端な話ですが、魔法が使えてもいいのかとか予知能力があってもいいのか、などブレてしまうんです。なので、最初に「リアルにいてもおかしくない人間」と決めて、18人のなかでド真ん中にいるメンバー、個性が強いメンバー、それと逆側に個性が強いメンバーと3人定めて、ほかの15人の性格を考えていきました。
見た目についてはどう作られたのでしょう?
高田 彼らの生い立ちや抱えているものが外見に出るように、と意識して作っています。そこはけっこう苦労したところですね。たとえば、雅楽くんは、「天使の歌声を持つ」という個性を表すにあたり、髪はふわふわで、髪などの色素は薄くして透明感を出したほうがいいだろう、など。
▲上條雅楽(声/榊󠄀原優希)
Just 4Uの綾崎小麦(声/安田 駿)くんのパッツン前髪具合はかなり試行錯誤して、いろいろなパターンがあったのですが、最終的にあのかたちに落ち着きました。
▲綾崎小麦(声/安田 駿)
彼の前髪にも、生い立ちが関係しているのでしょうか?
高田 彼は田舎で育ってきて、都会に憧れを抱いている。その純真さをどう表現したらいいのかを考えて…。結果、彼は実家にいるときはお母さんに髪を切ってもらっていて、そんなに凝ったことはできず。お母さんなりの「小麦くんが一番可愛く見える、オシャレな髪型」がこれだったということでパッツン前髪になりました。
なるほど。たしかに、彼の純朴さが伝わってきます。最後までビジュアルに苦戦したのは小麦ですか?
高田 小麦と、弦心ですね。弦心も髪型や表情のニュアンスに苦戦していたのですが、彼の過去に立ち戻って考えて、今のビジュアルに決まりました。どのアイドルも、「その子の生い立ちなら、どういう見た目があり得るのか」というのを深く掘り下げて作っています。
▲清水弦心(声/田中文哉)

リリース前からの、ライブやグッズ展開に力を入れている

キャストはオーディションで決められたそうですね。新人声優を多く起用した意図を教えてください。
 お客様に、『Readyyy!』プロジェクトと一緒に、彼らの成長も感じて楽しんでもらえるようにと、新人の方を起用することが決まりました。
どういうところを基準に決めたのでしょうか?
 新人さんですので、テクニックだけではなく、そのアイドルのイメージに声が近いかを重視して選んでいきました。
高田 もちろん、三次元でのユニット活動もあるのでボーカルディレクションの知野(芳彦)さんや、音響監督の野崎(圭一)さんなどにも専門的な視点で見ていただいていますが、アイドルたちとの声の共通点を持つ方というのが大きかったです。

あとは彼らの性格からにじみ出るものですね。陰りのあるアイドルだったら、「この人は声のなかに美しい陰りがある」ということや、「声から高貴さが感じられる」という部分を重視しました。
▲7月16日に開催された、『Readyyy!』ゴー☆ルドステージ Vol.4 〜僕ら、夏の太陽より熱くおもてなしします!〜 より
毎月、キャストによるライブやイベントが開催されています。
 アプリがリリースされる前にたくさんの方に本作を知ってほしい思いがあり、ライブを開催したりグッズを作ったりと周辺事業には力を入れています。本作では、あえて新人声優を起用しており、彼らの成長もまた魅力のひとつです。彼らがステージを通して成長していく様子は、本作の世界観とも通じるものがあり、楽しんでいただけるのではないかと感じています。
そこは、他作品との差別化でもありますね。
 このジャンルで多くのタイトルが増えるなかで、事前の見せ方、ファン作りを一歩先に進めたいというのがありました。ある程度早い段階で、作品のことを知ってもらえるような取り組みを意識してやっています。
▲7月16日に開催された、『Readyyy!』ゴー☆ルドステージ Vol.4 〜僕ら、夏の太陽より熱くおもてなしします!〜 より

「なぜ育成するのか」がわかるようなシステムを作った

このゲームでの「セガらしさ」は、どんなところだと考えますか?
 奇をてらわず、ちゃんと王道のアイドルモノにチャレンジするということでしょうか。アイドルに正面から向き合って掘り下げる。マイナーなところを掘り下げるよりも、正面から勝負をするというのはセガらしさなのかなと思っています。
高田 ゲーム性でいえば、しっかり育成アドベンチャーを貫いています。プレイヤーはアイドルたちのプロデューサーですが、彼らを育てていくひとつのまとまった体験を感じられるように作っています。

「育成というと、ゲームはタップするだけなのかな」と思われるかもしれません。たしかにタップはするのですが、ライブをするためにボーカルレッスンやパフォーマンスレッスンをするという、育成する意図がしっかりわかるようなゲームシステムにしています。
シナリオと育成ゲームパートが切り離されているわけでなく、「アイドルを育成する」という大きな軸のなかで両方を体験できるということですか。
高田 はい。そういったところは、これまでコンシューマーやアーケードでたくさんゲームを作ってきたセガならではの発想なのかなと思います。それでも、「一回プレイしたら疲れてしまった」みたいなものでは、お客様のプレイスタイルに合わないので、深い体験をさせたいけれど、今のプレイスタイルに合わせたもの、という落とし込みは、試行錯誤しながら作っています。
難しい操作を必要とするものは今のユーザー層に合わないと考えられているのですね。ゲーム紹介PVでは、ちびメンになったアイドルたちのステージングをタップして助けてあげる、というプレイスタイルでした。
高田 育成した能力の結果を見守りながら、何かあればサポートをしてあげるというゲームになっています。今、PVでご覧いただいているもののほかに、あと2種類のアイドル活動のゲームを用意していて、歌って踊る以外の活動にフォーカスしたものも入れる予定です。
▲アイドル活動ゲームでは、ライブ中のアイドルたちにどんなパフォーマンスをさせるかを、画面タップでサポートする。
最後に、本作の今後の展開について教えてください。
 7月21日、22日に池袋GiGOで展示イベントを行います。入場無料なので、ぜひみなさまに足を運んでいただけたらと思います。また、同日20時からキャストが登場しての生放送を行いますので、番組もぜひチェックしてみてください。

8月26日には、毎月やっているイベント(『Readyyy!』ゴー☆ルドステージ)を、よみうりホールにて開催します。今回のイベントは、ゲーム情報も盛りだくさんの第一部と、ライブを中心とした第二部にわかれています。情報盛りだくさんでお届けするので、ぜひ遊びに来てください。
アプリリリースまで、本作を楽しめる機会はたくさんありそうです。
 はい。リリースに向けてお客様の気持ちが高まっていく企画を、今後もたくさん展開していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。
高田暁子(たかだ・あきこ)
株式会社セガゲームスで開発ディレクターを務める。代表作は、2015年にリリースされた『夢色キャスト』。
    高 聖美(こう・そんみ)
    株式会社セガゲームスで『Readyyy!』プロジェクトのIP事業展開などを務める。

      「この夏オススメの女性向けアプリ」特集一覧

      ゲーム情報

      スマホゲーム『Readyyy!』
      2018年リリース予定
      https://ready.sega.jp/

      ©SEGA

      イベント情報

      『Readyyy!』ゴー☆ルドステージ Vol.4.5 〜僕ら、池袋で2日間おもてなしします!〜
      2018年7月21日(土)・7月22日(日)@セガ池袋GiGO 7F
      ▼詳細はこちら
      https://ready.sega.jp/news/53406/
      『Readyyy!』ゴー☆ルドステージ Vol.5 〜僕ら、夜空の花火よりも盛大におもてなしします!〜
      2018年8月26日(日)@よみうりホール
      ▼お申し込みページはこちら
      http://emtg.jp/feature/readyyy_gold05_2/

      『Readyyy!』グッズ プレゼント

      『Readyyy!』CDを抽選で2名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。CDの収録楽曲は、こちらをご覧ください。

      応募方法
      ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
      受付期間
      2018年7月20日(金)18:30〜7月26日(木)18:30
      当選者確定フロー
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      • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
      • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから7月27日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき7月30日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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