声優の活動の幅が広がっても、根底には“役者魂”がある

声優というお仕事についてもうかがっていきたいと思います。近年、声優が注目を浴びるようになってきて、メディア露出も多くなりました。斉藤さんも雑誌をはじめ、あらゆるメディアに登場されていますが、そういった現在の状況をどのように感じていますか?
たしかに、声優の仕事の範囲って、すごく広がってきているなあとは思いますが、それって声優にかぎった話ではないような気がするんです。職業というものは、時代とともに変わっていくし、時代にアジャストできなければその仕事はなくなって、次の新しい仕事が生まれるだけなんですよね。だから、僕らがやることは常にシンプルなんだと思います。
それは、声優業界に入ったときから変わらない?
もちろん、僕が声優業界に入ったときは、まさかこんなふうにメイクをしていただいて、セットアップを着て(笑)、みなさまの前でお話させていただくなんて思ってもいませんでしたが……。
どんなイメージでしたか?
職人気質な仕事だと。でも、その部分は変わりません。“声に特化した芝居で、人の営みを表現していく”というのはずっと変わらないだろうし、先輩から受け継いだ“役者魂”みたいなものは、僕も下の世代に伝えていきたいなと思います。
そこを軸に、仕事の幅が広がっているイメージでしょうか?
そうですね。僕はいま20代で、声優業界を一歩ずつ歩んでいる身ではありますが、「声優だからこれはしない」とか「声優なのにこんなことを」みたいな概念って、非常に前時代的だと思うんです。たとえば歌って踊ったり、いろんなことをされている声優の方々がいらっしゃいますが、そうやって、やれること、できることを広げていってもいいんじゃないかと僕自身は感じています。
なるほど。
いろんなご意見があるとは思いますが、僕個人としては、日々を楽しみながら、謙虚に、人を傷つけずに、できればみんなも楽しいように……。「自分だけが楽しいからいい」って思ってしまうと、声優業界が先細りになってしまうので、もちろん自分が頑張るのは当然として、先輩たちからいただいたたくさんのものを、大きな流れのなかで後輩たちにパスしていけたらいいなと。
斉藤さんが声優というお仕事をしていくうえで、「これだけは大切にしている」というものはありますか?
いろんなお仕事をさせていただいて、新鮮な楽しみというのもありますが、やっぱり最終的には「声を発して伝えること」が一番の軸。それが僕のスタートであり、最終的に帰ってくるところなのかなっていうのは常に感じていますね。
そういったなかで、今回の『ピアノの森』のような作品と出会っていく……。
そうですね。役や作品に出会えたタイミングって、すごく大事だと思うんです。大きな流れのなかで、いま出会った縁というものの意味を考えながら、『ピアノの森』にも臨めたらいいなと。縁って切ろうと思えばすぐ切れてしまうものですが、僕はいつも、縁を大事にしたいと考えているんです。

ビザールプランツ、模様替え…いま、興味があること

普段はどんな音楽を聴いていらっしゃいますか?
何でも聴きますけど……ピアノだったら最近は、ニルス・フラームというドイツのピアニストが、アイスランドのオーラヴル・アルナルズとコラボした曲をよく聴いています。ピアノだけど、ドアの開け閉めとかの環境音も入っているような曲なんです。バンドとかも好きですね。今日は、Base Ball Bearとドミコを聴きながら来ました(笑)。
幅広いですね!
僕のなかで「これは聴かない」というのはないです。ヒップホップとかもよく聴きますし……たぶん僕がまだあんまり聴いたことがないのはクラシック、ジャズ、メタルの3つなので、勉強していきたいですね。まずは『ピアノの森』で、クラシックのいろんな曲を聴きたいです。
とはいえ、クラシックではサティとドビュッシーがお好きなのだとか。
すべての曲を聴いてきたわけではありませんが、もともとサティとドビュッシーは大好きです。なかでも、一番好きなクラシック曲はドビュッシーの『亜麻色の髪の乙女』ですね。
斉藤さんは文学について非常に詳しいことで有名ですが、何でも幅広く興味を持って突き詰めている印象です。そんななか、最近新たに興味がわいたものなどはありますか?
いろいろありますけど、最近はビザールプランツを育てたいなと思いつつ……僕、植物を育てるのがめっちゃ下手なんですよ。定期的に水やりをするのが苦手で、僕が育てられるものってルンバだけなんです。ルンバには定期的に餌をあげられるんですけど(笑)。
(笑)。ビザールプランツもそんなに手がかからないと思うので、育てられるといいですね。ほかに何かハマっていることはありますか?
自宅を博物館みたいにしたくて、いま模様替えをしているんですね。ひと部屋をまるまる書斎と仕事部屋にして、アンティークっぽいブリキの雑貨みたいなのを置きたいなと。だからそうですね、模様替えや雑貨集めにハマっている感じです。あとは、靴磨き。
靴磨きですか?
革靴を磨くのって、すごく奥深いんです。先日、友達が何人かで僕の家に遊びに来たんですが、そのなかに靴磨きにハマってる友達がいて。「いらないタオルを貸してくんない?」って靴磨きを始めて。
友達の家に来てまで靴磨きを(笑)。
「きみ、飲んでる最中に靴磨きすんの?」って(笑)。1時間ぐらいずっと靴を磨きながら飲んでるのを見て、僕も革靴がすごく好きなので、「あ、これは面白いな」と思ったんですよね。何かそういった……マテリアル系にいまハマってるかもしれないですね。靴とか服とか時計とか。
マテリアル系、ですか。
そうそう、マテリアル系(笑)。錬金術師みたいな言い方ですけどね。
そうやっていろんなことに興味を持って、自分を制限しない感じでしょうか?
そうですね。だからあの……『RPGツクール』(プログラミングの知識がなくても手軽にRPGゲームを作ることができるソフト)ってやったことあります? 『RPGツクール』で、ふたつ目の街まではすぐ作るけど、ラスボスの魔王との戦闘のところまでは絶対に作らない、みたいなタイプだと思います、たぶん(笑)。
入りは勢いがあるけれど、最後までは極めない…みたいな?
そうです(笑)。
なるほど(笑)。斉藤さんの魅力もたくさん教えていただいたところで、最後に読者の方にメッセージをお願いします!
はい! 普段、漫画やアニメに触れていなくても、この作品を知っている方はおそらくたくさんいらっしゃるんじゃないかと思います。そんな『ピアノの森』がアニメーションになって、より多くの方に届けられるかと思うと幸せでいっぱいです。みなさんに『ピアノの森』を盛り上げていただいて……ぜひ僕をポーランドに連れて行っていただけたらと思います(笑)。
斉藤壮馬(さいとう・そうま)
4月22日生まれ。山梨県出身。B型。2010年に声優デビュー。主な出演作は『アカメが斬る!』(タツミ)、『ハイキュー!!』シリーズ(山口 忠)、『Dance with Devils』(鉤貫レム)、『六花の勇者』(アドレット・マイア)、『TSUKIPRO THE ANIMATION』(奥井 翼)、『KING OF PRISM』シリーズ(太刀花ユキノジョウ)、『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』(エルメス)、『アイドリッシュセブン』(九条 天)、『サンリオ男子』(水野 祐)など。2015年、第9回声優アワードで新人男優賞を受賞。2017年よりソロアーティストとしても活動している。

    出演作品

    TVアニメ『ピアノの森』
    NHK総合テレビにて4月8日(日)24時10分から
    関西地方は24時50分から放送開始
    ※放送日時は変更になる場合がございます
    http://piano-anime.jp

    ©一色まこと・講談社/ピアノの森アニメパートナーズ

    サイン入りポラプレゼント

    今回インタビューをさせていただいた、斉藤壮馬さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

    応募方法
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    受付期間
    2018年4月6日(金)12:00〜4月12日(木)12:00
    当選者確定フロー
    • 当選者発表日/4月13日(金)
    • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
    • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから4月13日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき4月16日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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