ココア男。活動休止から6年越しの共演! 鈴木勝吾×米原幸佑「一緒に芝居がしたかった」

2010年から2012年まで、バラエティ番組から誕生した5人組のロックバンド・ココア男。で活動を共にした鈴木勝吾と米原幸佑。意外にも役者としての共演はこれまでなかったふたりが、4月20日から上演されるエン*ゲキ#03「ザ・池田屋!」で、はじめて舞台上で顔を合わせる。数々の映像作品や舞台に出演し、確実に実績を積み上げてきた鈴木と米原。今だからこそ互いに見せられる姿があると、ふたりは今回の共演を純粋に楽しみにしている。

撮影/川野結李歌 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.
ヘアメイク/古橋香奈子、工藤有莉【鈴木】 スタイリング/津野真吾(impiger)【鈴木】
衣装協力/原宿シカゴ

細部まで笑いが散りばめられたエンターテインメント

俳優の池田純矢さんが企画・構成・脚本・演出を務める、『エン*ゲキ』シリーズの3作目、『ザ・池田屋!』が4月20日から上演されます。今作はそのタイトル通り、幕末の池田屋を舞台にしたハイテンポハイテンションコメディが繰り広げられるんですよね。
鈴木 台本を読んだ印象は、とにかく面白い。史実の池田屋が舞台になっていますが、池田屋でじつはこんなことがあったら面白いよね、みたいなものを純矢なりの角度で切り取って描かれています。ただ、僕の役はセリフが多くて(笑)。
米原 (笑)。セリフ、めちゃめちゃ多いんですよね。
鈴木 テンポを崩さずに言わないと、って今から考えるとちょっとキツいな…と思うんですけど…(笑)。でも、本当に純矢が書く本(脚本)は面白くて、さまざまなギミックが組み込まれているので、エンターテインメントとしてお客様に必ず楽しんでもらえると思っています。
▲吉田稔麿役・鈴木勝吾
鈴木さんは1作目の朗読劇『君との距離は100億光年』にはゲストとして、2作目の『スター☆ピープルズ!!』には主演されています。2作品の近未来的な雰囲気から、今回は歴史がテーマとなり、ガラッと雰囲気が変わった気がします。
鈴木 そうですね。純矢が作る世界の本質は変わらないですけど。ただ、今回のほうがより演劇らしいとは思います。歴史モノなので、より紀伊國屋ホールとマッチして観られるなと感じますね。
本日(※取材日)は、朝からのビジュアル撮影の合間で取材のお時間をいただきました。実際に衣装を着てみていかがでしたか?
米原 僕が演じる藤堂平助は「お祭り男」と言われながら撮影しました。衣装は可愛いし、とても派手なんです。
▲藤堂平助役・米原幸佑
鈴木 すごく和洋折衷な感じなんですよね。
藤堂平助は新選組の一員ですが、よく見る浅葱色の羽織ではないんですね。
米原 本来なら“誠”の羽織を着ていますけど、純矢の書く池田屋の物語には、そこからもうひとつ強い個性を持ったキャラクターたちが多い。だからこそ衣装も個性的で、そこを見てもらっても楽しめると思います。
鈴木 演劇ってお客様に楽しんでもらってこそだと思うので、そういった衣装で魅せるのもエンターテインメントのひとつ。僕らの楽しさが伝わる素敵な衣装を用意していただいています。
米原 僕は役としても、盛り上げはっちゃけ要員。存分にみなさんに笑ってもらえるように、一生懸命スベります!(笑)
鈴木 うん(笑)。
スベっちゃっていいんですか!?(笑)
米原 いいです! 思いっきり、前のめりにコケますので!

池田純矢の演出は、脚本の段階からはじまっている

池田さんの演出はどのような感じで進められているのでしょうか?
米原 ね、僕もそこは気になります。勝吾は3回目だけど、僕ははじめてなので、どういうあんばいでやるのかなって。
鈴木 すごく細かいですね。彼の頭のなかにはもうできあがっている完成図があるので、そこにどれだけ信じて乗っかっていけるかが勝負です。
米原 そうなんだ。アイツはセンスがいいから、どこまでカチッと締めてどこまで笑いに持って行くのか、純矢の判断に任せてやっていけたらいいなと思っています。
鈴木 そもそも、今(※取材が行われたのは11月下旬)の、公演半年前の段階で脚本の決定稿をあげているところから、彼の演出はもうはじまっているんだなと僕は感じていて。
と言いますと?
鈴木 彼の脚本はすごく書き込まれていて、すでに演出もある程度考えたうえで、脚本を書いているんですよね。今の段階で、演出プランは彼の頭のなかにあるんだと思います。
そこは、池田さんらしさですね。
鈴木 普通は稽古中に演出家と作っていくことが多いですが、純矢の脚本は“余白”が少ないぶん、そこからはみ出したことをやって「面白い」となるのか、そうじゃないのか、そういう部分を探りながら稽古は進んでいきます。
米原 そうなんだ。
鈴木 うん。純矢は才能があるうえに、細かい計算を積み重ねた演出プランを稽古場に持ってきてくれるので、僕らの士気も上がるし、緊張感も高まるんですよね。僕は彼に「お前は演出家として優秀だよ」って言ったことがあるくらいです。
米原 純矢は、役者としても演出家とちゃんと“戦う”子なので、稽古場でもいいディスカッションができるんじゃないかなと思っています。
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