期待の歌姫、ASCAデビュー! ミステリアスなシンガーが過去、現在、未来を語る

Kalafina、ClariS、LiSA、EGOISTなどが所属するレーベル・SACRA MUSICから、新人女性アーティスト・ASCA(アスカ)がデビュー。あえて顔のハッキリわからない写真で露出する“ミステリアス”な彼女だが、じつは、第5回「全日本アニソングランプリ」のファイナリストである大倉明日香のソロプロジェクトだという。ASCAとしては初の撮り下ろしショットとともに、人気TVアニメ『Fate/Apocrypha』のエンディングテーマに大抜擢された『KOE』で、新たな道を歩み始めた彼女に迫った。

撮影/川野結李歌 取材・文/坂本ゆかり 制作/iD inc.
スタイリング/百瀬 豪 ヘアメイク/沓掛倫雄

ASCAのコンセプトは、クールでミステリアス

ASCAは、大倉明日香さんのソロプロジェクトということですが、なぜ、あえてソロプロジェクトという形態にしたのでしょう?
事務所もレーベルも変わっての再始動となります。前に活動をしていたときからだいぶ期間が空いてしまったし、自分としては、新人として再スタートするという気持ちが大きいので。
ASCAのコンセプトとは?
普段見せないミステリアスな部分って、誰にでもあると思うんです。私は自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手なタイプで、思っていることがなかなか言えなくて……。“言えないこと”というミステリアスな部分を歌で表現していければ、と思っています。
女の子は、ミステリアスじゃないとですね!
フフフ、そうですね。
音楽的なコンセプトは、弦楽器(ストリングス)と壮大な楽曲ということになるのでしょうか?
そうですね。今回のシングルは、全曲に弦楽器が入っています。先日、『KOE』のオケ録り(※バックトラックのレコーディング)に立ち会ったのですが、弦が入るだけでこんなに曲の幅が広がり、荘厳に仕上がるんだというのを改めて感じましたし、曲への愛着も一層深まりました。
ストリングスは何人だったのでしょう?
4人です。4本の弦楽器が重なったときの迫力がスゴくて、コントロールルームでずっと「スゴい!」って言いながら動画を撮ってました。いまだに見返してます(笑)。
良い経験になりましたね。
それがあったから、ボーカルを録るときも弦が入って来るタイミングでオケを聴いて“ゾクッ”って鳥肌が立っちゃって。弦のスゴさを感じました。
ASCAとしては、11月22日のデビューシングルに先駆けて、8月にアニメ音楽誌『リスアニ!』(エムオン・エンタテインメント)誌上で『RUST』を発表されていますが、初お披露目はどんな気持ちでしたか?
“今こそすべてを出しきるとき。一球入魂”の気持ちで臨みました。長いあいだ、作品を出す機会がなかったので、“やっとチャンスが来た!”という思いが強くて。お話が決まってから、MVの撮影まで1週間と早かったのですが、歌も撮影も、とにかく全力でした。

つらかったときを思い出して歌った『KOE』のフレーズ

『RUST』に続き、11月22日にはデビューシングル『KOE』がリリースされます。楽曲の印象を教えてください。
最初、一曲通して聴いたときに「素晴らしい曲が来た!」って思いました。事前にバラードって聞いていたのに、全然バラードじゃなくてビックリしました。昔聴いていた音楽を聴くと、その頃の記憶とか思い出がよみがえるじゃないですか。この曲では、そのきっかけが“声”で、声を聴くことでストーリーが動いていく。一番重要なワードが題名になっているなって思いました。
すごくドラマチックな曲ですよね。
展開が多かったので表現しきるのが難しいと感じたのですが、それよりも「この曲を歌いたい!」って気持ちが先にありました。
難しい曲だと思うんですけれど、ファンの方が歌う場合のアドバイスをいただけますか?
全部同じように歌うと、難しく感じてしまうんじゃないかな? 場面ごとに展開がある曲なので、“場面に合わせて変えていくぞ”って意識を持って歌うと表現しやすいと思います。
展開ごとに演じわけるという感じでしょうか?
歌詞もそうですけれどアレンジも何回も変わる曲なので、私自身は、どこをどういうふうに歌ったらどう伝わるのかということをすごく研究しました。自分の声の出し方もそうですけれど、歌詞を全部読んで、場面ごとのストーリーを考えながらレコーディングに臨みました。
具体的なイメージは?
弦の不穏なムードで始まって、記憶のよみがえりみたいな感じの歌詞とメロディになる。サビでは、光が広がっていくようなイメージ。その後でまた激しくなっていって、最後の大サビまで展開が続きます。全部の段落に変化を持たせることを意識して、最後に勢いをまとめるというイメージで歌いました。
TVアニメ『Fate/Apocrypha』2ndクールのエンディングテーマということですが、アニメを意識して歌っていますか?
曲中、アニメの世界観とシンクロしているところもあるのですが、アニメファン以外の方が聴いても共感できる部分も多いので、曲自体の世界観を大事にして歌いました。
共感できたところは?
Cメロの「いらないよ、いらないよ」って歌詞の部分は、自分が一番つらかったときを思い出して、気持ちが込めやすかったですね。
ここは歌い方もすごくメリハリがきいていますよね。
はい。すごく歌いわけたところではあります。
ASCAさんの声は、ハイトーンが魅力だと思いましたが、ご自身の声の魅力をどう思われていますか?
『KOE』は、ハイトーンの部分で強さを表現している曲だし、カップリングの曲もハイトーンが活かされた曲になっているので、私の良い部分を引き立てていただいたみたい(笑)。でも、普段しゃべっているときはすごく声が低いし、低音も磨いてきたので、低い声にも耳を傾けていただければうれしいです。
その美声の源は、何なのでしょう?
う〜ん……好きなアーティストさんの曲が、カッコよかったり、強い曲が多いので、刺激をもらってきたというのはあると思います。
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