歌手として5周年を迎えて――竹達彩奈を支え続ける“ホーム”の存在

水色のキュートな衣装がお似合いの竹達彩奈。カメラマンを恋人に見立て、待ち合わせのイメージをお願いすると、「お待たせ!」とノリノリ。アニメのヒロインのキメポーズや、お笑い芸人のマネまで、サービス精神満点だ。そんなおちゃめな一面を持つ彼女だが、アーティストとして「いいものを届けたい」という思いは人一倍。独自の世界観を打ち出すために、こだわりぬいて作り上げた『竹達彩奈LIVE2016-2017 Lyrical Concerto』のステージの裏側を聞いた。

撮影/川野結李歌 取材・文/福田恵子 制作/iD inc.
スタイリング/hana ヘアメイク/you
企画/ライブドアニュース編集部

『あやち・イン・ワンダーランド』の世界を作り上げた

3rdシーズンが詰まったライブBD&DVDが5月10日に発売となります。今回のライブは、まるで『不思議の国のアリス』の世界に迷い込んだようなファンタジックなステージですね。
コンセプトは『アリス・イン・ワンダーランド』ならぬ、『あやち・イン・ワンダーランド』です(笑)。3rdアルバムで“二次元”をテーマとした世界観を作り上げたんですが、それをライブでどのように表現しようかと考えたときに、『不思議の国のアリス』をイメージしたステージにしたら面白いだろうなと思いついたんです。
なるほど。
主人公のアリスが不思議な世界に巻き込まれていって、そこで戦ったり、頑張ったり。いろんな経験をして最後には幸せを掴むというストーリーを、あやちバージョンにして、ライブを作り上げました。
ライブのセットリストもストーリーを意識して、作り上げていったのでしょうか。
そうですね。セットリストは細かい部分までこだわりました。今回、基本的には『Lyrical Concerto』の曲を中心に構成しているんですが、どうしても入れたかったのが3曲目の『♪の国のアリス』なんです。1枚目のアルバム収録曲ですが、『不思議の国のアリス』の世界観がテーマということで、歌うことにしました。
何パターンもある衣装は、どれもアリスみたいで可愛らしかったです。
お姫様みたいな衣装ですよね。アリスの世界観を大切にした、いろんなバリエーションの衣装を着ました。今回は、夜から始まって、朝になって、昼になっていくっていうストーリー展開になっているんです。だから、夜のシーンでは、寒さを演出しようと紫のドレスアップしたコートをはおっていて。
朝、昼、夜で衣装も変えるよう意識したんですか?
はい、昼は真っ赤な太陽のような赤いワンピースを着て、暖かさを感じてもらえるようにと考えました。セットリストが進むごとに、紫から赤、赤からピンクにグラデーションしていくんですよ。途中、戦う雰囲気の曲ではシルバーにするなど、楽曲をイメージした衣装にしているのもポイントです。
温度が感じられたり、朝、昼、夜と1日の時間の流れがあったり、斬新な演出ですね。
『キミイロ モノローグ』は、好きな女の子のことを考えていたら、夜眠れない…という曲なので、夜のパートで歌っていて。『朝焼けと約束の歌』で朝が来て、そこからだんだんと日が昇っていくんです。『ユメイロソレイユ』は、お昼に好きな人とお散歩しているイメージの曲なので、お昼のパートで歌っています。お昼を最後にしたのは、ハッピーエンドに向けて、キラキラ感や温かさを感じられる曲をもっていきたかったからなんですよね。

MCはノープラン!? 「自由にしゃべってます(笑)」

細部にまでこだわりが感じられますが、演出もギリギリまで調整することもあったのでしょうか。
ライブの準備は、だいたい2ヶ月前から取りかかりましたけど、『ナナイロ⇔モノクロ』の演出はギリギリまで悩みました。あやちの分身・なないろちゃん役のダンサーさんと一緒に踊るっていう演出になったのですが、それで本番2週間前に振り付けができてから、ダンサーさんと振り合わせをしたんです。ひとつでも振り付けがズレてしまうと分身っぽくないので、完璧に合わせるのが大変でした。
今回のライブは、過去最多曲数のセットリストだそうですね。
正直に言うと、本当は増やしたくなかったんですよ(笑)。DVDに収録されるのは、アンコールも含めて19曲ですが、ライブでは21曲歌っているんです。曲を覚えるのが大変だったんですが、『不思議の国のアリス』の世界観を組み立てるのに、どの曲もどうしても外せなくて、増えてしまっただけなんですよね。
そうでしたか(笑)。MCも面白かったですが、トークは事前に決めておくのでしょうか。
完全にノープランです(笑)。今回は1月の公演だったことと、両親が観に来てくれた公演だったので、お正月にうちで食べたお雑煮の話をしたんですよ。ふわーってその場で思いついたものを自由にしゃべっている感じです(笑)。
思いつくままにお話されているなんて、ビックリです。
一番テンパっているのは1曲目なんですよ。お客さんがちゃんと来てくれているのかなあとか、いい笑顔でいなきゃとか、振り付けも大丈夫かなとか、焦る気持ちが強いので「あー、どうしよう!」ってなっちゃう(笑)。でも、3曲目くらいから、だんだん冷静さを取り戻せるので、MCはなんとか大丈夫です。ずっと一緒にライブを作り上げてくれているバンドさんの顔を見るだけで、ホッとしますし。

“チーム竹達”がいるから安心してステージに立てる

ライブメイキングでは、バンドメンバーとのやりとりも収録されていましたが、“チーム竹達”、チームワーク抜群ですね。
そうなんですよ。クリスマスにはプレゼント交換会をしたり、新年会をするくらい仲がよくて。バンドのメンバーがいるだけで、安心感があります。ライブ前は、緊張して固形物がいつも食べられなくて、ケータリングのスープとかを飲むくらいなんですけど…。
そうなんですね…。
今回のライブではバンドメンバーの(小林)俊太郎さんのおかげで、卵かけごはんを食べることができたんです。俊太郎さんが卵を落として割っちゃうハプニングがあって、笑わせてもらったので、肩の力が抜けて(笑)。おかけで、ちゃんとごはんを食べることができました。
ちなみに、ライブ前には絶対にこれをするとか、何かライブでの決まりごとはありますか?
ライブ中はあります。ステージで私がお水を飲むと、ファンの方が「お水おいしい?」って聞いてくれるので、「お水おいしい!」って言うのが、お約束なんです(笑)。ステージドリンクにしているのは、お水と“スロートコート”っていう喉にいいオーガニックティーです。
それだと、竹達さんが何を飲んでいるかわからなくなっちゃいますね。
客席から見ると、何やら茶色の液体を飲んでいるわけですよ。ステージ上で初めてスロートコートを飲んだとき、私が飲んでいるのがお水じゃないから、「お水おいしい?」って聞けないっていう空気を感じたんですね。それで、「これはスロートコートって言うお茶です」って説明したら、それを覚えてくれていて、次から「スロートコートおいしい?」って聞いてくれる方もいますね(笑)。
そんなファンの方とのやりとりも楽しいですね。今回のライブで得たものはありますか?
歌手としては今年で5周年を迎えますが、まだまだライブは苦手意識があって、慣れないです。曲ごとにスイッチが切り替わらないとしっかり歌えないので…。でも、ファンの方を前にすると、ここはホームだなって感じられるので、ありがたいです。
ファンの方の存在は大きいですね。
面白くないことを言っても、みんなニコニコ笑ってくれますし(笑)。全力であやちをフォローするぞっていう気迫を感じるし、全力で楽しむぞっていう空気を作ってくださるので、本当に温かい空間なんです。ファンのみなさんの表情を見ていると、どうしたらみんなが少しでも楽しんでくれるかを大切にして、いいステージを作り上げたいなって思います。
これからどんなライブに挑戦したいですか?
私のライブは、バンドさんと一緒に作り上げる世界観なので、いつかライブハウスでやってみたいです。バンドさんと『Lyrical Concerto』に来てくださったみなさんと、またライブが実現できたら幸せです!
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