
「運命を受け入れて楽観的に考えられるようになった」瀬戸康史、20代を駆け抜けて見えたもの
10月14日から放送中のドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)は、商社マンの鳴海涼介(櫻井 翔)が私立高校の校長に就任し、不採算部門である学校を立て直そうと奮闘する物語だ。生徒はもちろん、先生たちも成長していく社会派エンターテインメントドラマとして注目されている。その中で、英語教師の島津智一を演じているのが瀬戸康史。「高校の教師役は初めて」という瀬戸だが30歳目前。役者として大きく成長した20代を振り返るとともに、30代の目標や夢を語った。
撮影/浦田大作 取材・文/花村扶美スタイリング/田村和之 ヘアメイク/須賀元子

島津先生のモデルは、高校の古典の先生を参考にしました
- 放送中のドラマ『先に生まれただけの僕』では、英語教師の島津智一を演じていますね。普段は控えめだったのが、10月28日に放送された第3話では、アクティブラーニングのエキスパートとして覚醒しました。
- 最初に役柄の説明を受けたときに、アクティブラーニングで一段階進化するとか、島津先生のおかげで学校や先生たちが変わるきっかけになると聞いていたので、その変化がわかりやすいように1、2話では静かにしていました(笑)。
- そうだったんですね(笑)。
- リアリティももちろん大切ですけど、ドラマだからこそのわかりやすい表現は必要かなと思って演じました。最初は猫背でボソボソしゃべるキャラだったのが、一気に花開きましたよね。

- 島津先生を演じるにあたって、参考にした先生や人物はいるんですか?
- 何となくですけど、高校のときの古典の先生を意識しました。ボソボソしゃべるけど、志は高く熱いものを持っている先生だったので、そこが似ているのかもしれません。
- 英語を流暢に話すシーンも印象的でした。20代前半から、英会話の個人レッスンを受けていたとか?
- いまは受けていないんですけど、最近はバイリンガルの友達がいるので、時間があるときはカフェで会って英語を習ったりしています。
- 英語を学ぼうと思ったきっかけは?
- 英語を話す役が多かったというのもあるし、単純に話せたらカッコいいだろうなっていうのもありましたね(笑)。あと、海外へロケに行くこともあって、それこそ飛行機に乗ると「Beef or Chicken?」とか聞かれるし(笑)。だから、身につけて損はないなというのがきっかけでした。
- そのおかげで、島津先生のような役も演じられているわけですね。
- そうですね。英語を学んだことは、とても役に立っていると思います。

後輩といるより、先輩とつるんでるほうがラク(笑)
- 瀬戸さんには、思い出に残る先生はいますか?
- 僕、学生時代にサッカーをやっていたんですけど、中学のサッカー部の顧問かなあ。田代先生という方で、いまでも唯一連絡を取る先生です。連絡が取れる先生がいるっていうのは、ありがたいことですね。
- どんな方なんですか?
- 数学の先生で、怒るときはめっちゃ怒るんですけど、嘘がなくてちゃんと僕たちと向き合ってくれていたので、とても話しやすい先生でした。今回、先生役をやってみて、僕らの時代と違って、先生と生徒の距離、生徒とその親の距離、親と先生の距離がすごく複雑になっているなって感じましたね。
- いろいろと生きづらい世の中ですよね。
- そういった意味では、僕の学生の頃はすごく恵まれていたなと思います。

- 高校の教師を演じてみてどうですか?
- 高校教師役は初めてで、幼稚園や小学校の先生役はあったけど、物語の中でも教壇に立つとか教えるシーンはなかったんです。今回は職員室のシーンがあったり、授業のシーンがあったり、リアルな先生の姿を演じているので先生の大変さを知った気がします。
- 実際に演じて、教えることって得意だと思いましたか?
- いえ(笑)。不器用だし、年下に教えるとかは得意じゃないですね。
- でも、瀬戸さんが所属している俳優集団D-BOYSには、後輩がいっぱいいますよね。
- もちろんみんな可愛い後輩ですけど、直接可愛がっている後輩がいるかと言ったらそうでもなくて。えらそうに何か言える立場じゃないし、自分ごときがって思っちゃうんですよね。先輩とつるんでるほうが、ラクっちゃラクですし(笑)。

櫻井さんが眠そうにしていたら、人間なんだってホッとする
- 今回は、鳴海涼介役の櫻井 翔さんと真柴ちひろ役の蒼井 優さんとも共演されていますが、櫻井さんとは初共演ですね。印象を教えてください。
- 櫻井さんは本当にすごい方ですね。めちゃくちゃ忙しいじゃないですか? 櫻井 翔が何人もいるんじゃないかっていうくらい(笑)。いつ、セリフやダンスや歌詞を覚えたりしているんだろうって思いますもん。ニュースキャスターもやってらっしゃるから、ドラマの合間に新聞も読んでいたりするんです。本当にタフで、「すげぇ!」としか言えないですよ。
- 完璧な人?
- 完璧ではあるけれど、それを見せびらかすでもなく、とても気さくに接してくださるし、そこがまたいいんですよね。
- そんな中、「櫻井さんがセリフを噛んだらうれしい」って話しているインタビューを見ました(笑)。
- うれしいですね(笑)。「この人も完璧じゃないんだ」って思えるし、眠そうにしていたら、「あ、寝るんだ」と思ってホッとします(笑)。
- 蒼井さんはいかがですか?
- 優さんは『ミックス。』という映画で共演したんですけど、一瞬だったので今回がほぼ初共演と言ってもいいと思います。同じ福岡出身なので、空き時間に地元の話をしたり、頼もしい姉貴という感じです。ごはんにも連れて行っていただきました。


勇気を出して一歩を踏み出せば、世界は変わっていく
- ドラマの第2話では、スクールカーストについて描かれていました。現実でも、スクールカーストで悩んでいる高校生は多いと思います。
- まず自分が変わらないと、まわりも変わらないと思うんですけど、とても難しい問題ですよね。その勇気を持てるか、その一歩を踏み出せるかどうかだと思います。誰かに相談するのも一歩だと思うし、自分の中だけで解決しようとしないほうがいいですよね。自分も経験してみてわかりました。
- 経験?
- 僕も人とかかわるのがすごく苦手だったんですけど、勇気を出してかかわってみたら意外と楽しかったので、誰かに頼ることもひとつの方法だと思います。

- ドラマの中でも、一歩を踏み出す勇気がメッセージに込められていますね。
- いまの環境がダメだとか、うまくいかないことがあるとまわりのせいにしがちですけど、自分が変わらないといけないんです。勇気を出して一歩を踏み出せば、世界は変わっていくと思います。
- ドラマの展開も気になりますが、これから島津先生はどうなっていくんでしょうか?
- 島津先生が始めたアクティブラーニングが、学校改革のきっかけにはなるんですけど、島津先生的には自信を持ちすぎて「あれ? 大丈夫かな?」みたいになっていきます。それをみなさんは受け入れてくれますか? という展開です(笑)。ストーリーも含めて目が離せないので、今後もぜひご覧ください!