福士蒼汰が考える、前向きな日々の送り方。「大きな一歩を踏み出す勇気が人生を変える」

「笑顔の練習はしてないです(笑)」――多くの人たちを癒やす、さわやかスマイルの持ち主である福士蒼汰。映画『ちょっと今から仕事やめてくる』で、彼が演じた、多くのものを背負う謎の男・ヤマモトも、笑顔が印象的な役だ。「笑顔の裏にある感情が伝わるように笑ったり、相手の感情を引き出すために笑ったりしました」と語る福士。今作ではそんな彼の“笑顔のチカラ”がフル発揮。ちょっと仕事や人生に疲れたとき、その優しい表情に触れてほしい。

撮影/祭貴義道 取材・文/福田恵子 制作/iD inc.
企画/ライブドアニュース編集部

ヤマモトのトレードマークである“笑顔”の芝居の裏側

ブラック企業を題材に描かれる映画『ちょっと今から仕事やめてくる』は、企業で働く青山 隆(工藤阿須加)が、謎の男・ヤマモト(福士蒼汰)と出会ったことで成長を遂げる感動物語ですね。完成した作品を観たご感想は?
工藤さん演じる青山が、山上(守)部長(吉田鋼太郎)に過酷な営業ノルマを強いられたり、怒られたりするシーンが多いので、そういった場面のたびに辛い気持ちになりました。
ヤマモトのシーンはいかがでしたか?
自分のシーンは、どうしても自分のお芝居をチェックしてしまうので、客観的に観られなくて。ヤマモトは関西人なので、上手く関西弁を話せているかなとか、笑顔が印象的なキャラクターなので、ちゃんと笑えているかなという目線で観ていました。
ヤマモトのニカッとした笑顔は、明るい気持ちになるような、癒やし効果がある気がします。
オーバーアクションで笑えばいいのではなく、どんな笑顔をすれば、死にたいほど辛い青山の心にしっかり届くのかを考えました。優しい微笑みで安心感を与えるだけでなく、状況や感情に寄り添った笑いが求められていたんです。青山が落ちこんでいるときは、相手をあぜんとさせるほど、とびきりの笑顔でそのまま自分のペースに持っていくとか。
関西弁も新鮮でした。関西弁をマスターするため、成島 出監督から横山やすしさんと西川きよしさんのコンビ「やすしきよし」のDVDを観ることを勧められたそうですね。
関西の芸人さんのボケとツッコミのテンポや間を掴むためだけでなく、「横山やすしさんの根っこにあるものを感じてほしい」とオススメされて。明るく見えて、じつは悲哀や孤独を抱えているヤマモトと通じるものがあるからと。明るさの中にどこか切なさを持つ、ヤマモトを演じるヒントになりました。
関西弁のイントネーションで話すだけでなく、セリフに感情を乗せるのは難しそうです。
自分の言葉じゃないので、苦戦しました。でも、撮影の5カ月前からリハーサルをして、方言指導をしていただいた芸人さんから関西弁を学ぶことができたので、本番までには自然に出てくるようになれたかなと思います。
撮影から1年が経ちますが、いまだに関西弁がポロッと出るくらいまで?
関西出身の気の許せる人と話しているときは、つられて関西弁のイントネーションになってしまうことはあります(笑)。
関西弁の練習だけでなく、リハーサル日にはワークショップで、前の役の癖を抜く“泥抜き”のような作業もされたそうですね。
台本の読み方や発声の仕方など、基本的なことからひとつひとつのメソッド的なものまで教わりました。体の力を抜くワークショップなど、凝り固まった頭をほぐしていくことで、リラックスできましたし、より役に深く入っていくことができたのかなと思います。
撮影では、バヌアツ共和国にも行かれたんですよね?
はい。海も、空も、人の心もキレイで。とくに、子どもたちが純粋な笑顔で駆け寄ってきてくれたので、とても癒やされました。
バヌアツでの撮影で印象に残っていることは?
子どもたちに勉強を教えるシーンでは、バヌアツ共和国のビスラマ語のセリフを間違えないか不安だったんですが、僕が不安そうな顔をすると、子どもたちまで戸惑った表情をするんです。僕が明るくポンと発言をすると、ポンと返ってくる。僕の顔色で感情がわかるみたいで(笑)。
そうなんですね。
いろんな国に行って、言葉以上に気持ちは伝わるものだなと思いました。とくに純粋な子どもたちはそうなんだと思います。

工藤阿須加とたこ焼きパーティー!

オフィスでゴミ箱を蹴りつけながら怒鳴る吉田さんのパワハラ芝居には震え上がりましたが、もし自分がパワハラ上司に毎日怒られる青山だったらどうしますか?
青山は土下座をしますけど、僕はどうでしょう…。あんなに全力で土下座できる気合いを持っているのなら、違うところでその力を発揮できるんじゃないかなとも思います。もちろん同じ状況に陥ったら、謝っちゃうのかもしれないですけど(笑)。
実際に目の前であんなに怒鳴られたら萎縮しちゃいますよね…。
そう思います。あんなふうに精神的に追い詰められたときに、ヤマモトみたいに救いの手を差し伸べてくれる人がいたらいいなと思いました。
そう思うと、青山にとって、ヤマモトは本当に天使のような存在かもしれません。
ヤマモトも、あることがきっかけで心にぽっかり穴が空いてしまっていて。辛い状況の中で、青山と出会って、青山を救うことで、自分も救われていたんだと思います。
なるほど。
監督からは「ヤマモトと青山は、暗闇の中で光を求めながら、ふたりで手を取り合って歩いている状態。手探りでお互いを導き合っているような感覚」というアドバイスをもらって、ふたりの関係性を掴むことができました。
工藤さんとの共演はいかがでしたか?
初共演だったので、ふたりのシーンがどんなものになるのか最初はイメージできなかったんですが、稽古期間で互いを知ることができました。工藤さんとは、たこ焼きパーティーもしました。
ファンからしたら、うらやましすぎるたこ焼きパーティーですね…。
工藤さんが「うちにたこ焼き器がある」というので、方言指導の方も一緒に工藤さんの家でやりました(笑)。関西弁も話しながらのたこ焼きパーティーだったので、役の関係性に近づくことができたかなと思いました。

「自分の人生を見つめ直すきっかけになった」

劇中で「人生は誰のためにあるのか」という問いかけが出てきますが、福士さんはこのフレーズをどのように受けとめましたか?
自分の人生は、自分のためだけに生きているんじゃないですよね。産んでくれた母親がいて、育ててくれた両親がいて、一緒に育った兄弟もいる……。大切な友達もいるし、仕事のスタッフさんをはじめとした、大勢の支えてくれる人もいるわけです。たくさんの人と関わり合いながら、互いにどこか影響を与え合って生きているんだと強く感じました。自分にとって、大切な人たちや自分の人生を見つめ直すきっかけになる作品になりました。
ヤマモトや青山のように、辛くてしんどいとき、これまでどう乗り越えてきましたか?
まず、寝ます(笑)。寝たら、ちょっと気持ちが落ち着きますから。それから、なぜ失敗をしたのかを分析して、次に同じ状況が起きないためにはどうするか考えて、改善していきます。悩んでいても変わらないので、行動を起こして前へ進むしかない。
その心がけは昔からですか?
昔からです。悩んでいてもしょうがないと思っちゃうんです。辛いことがあっても、多角的に見たら、たいしたことじゃない場合も多いと思うんです。自分目線ではなく、客観的に捉えたらどうなのか。シンプルに考えて、引きずらないのが大事だと思います。
本当に辛いなら「辞める」という選択も大事ですが、「続けること」も、もちろん大事ですよね。
そうだと思います。でも、「続けること」は大変で。僕は格闘技を4年間くらいやっているんですが、格闘技をやるのって、楽しいけど、肉体的には辛いんです。でも、ちょっと頑張って身体的に辛いほうを選択したほうが、今後の人生で何か変わってくる気がするんです。
ストイックなんですね。
今は、時間があったら仕事のためになることしか考えられないです。アクションシーンの仕事をきっかけに格闘技をはじめたんですが、これも、今後アクションの仕事をするときのためです。

「ラベルが可愛くて…」各国のビール瓶集めに夢中!

「やりたいことが何もない」とか、「生きているのが辛い」と感じている方たちにアドバイスを送るなら?
今いる環境をガラッと大きく変えてみてもいいのかなと思います。実家暮らしならひとり暮らしをするとか。結婚を考える相手がいるのなら、思いきって結婚しちゃうとか。
かなり、思いきりますね。
それだけ大きく環境が変われば、次のやるべき目的が出てくると思うんです。大きな一歩を踏み出す勇気があれば、人生を変えることができるかもしれない。僕だったら、海外へ旅に出ます。
海外に! ちなみに半年前の取材では、ヨーロッパへ行きたいとお話されていましたが、行けましたか?
ヨーロッパは行けてないんですが、先日インドネシアのバリ島に行ってきました。この映画でバヌアツ共和国に行ってから、海が見えるリゾート地っていいなと思って。
行ってみていかがでしたか?
これまではアクティブに街をめぐるほうが好きだったんですが、海が見える場所で寝るのって最高にリラックスできるんです。雨の予報だったのに晴れたので、天気もいい中、ひたすら寝ていました(笑)。
リラックスされたんですね。最後に、今ハマっていることを教えてください。
ちょっとしたことでいいんですか? 最近はいろんな国の瓶ビールを集めています。ラベルがいろいろあるので可愛くて。今は15本くらい集まりました。それをズラッと並べて、眺めながらビールを飲んでいます(笑)。
福士蒼汰(ふくし・そうた)
1993年5月30日生まれ。東京都出身。O型。2011年の『美咲ナンバーワン!!』(日本テレビ系)で俳優デビュー。同年9月の『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)で、主演を務める。主な出演作は、ドラマ『きょうは会社休みます。』、『お迎えデス。』(ともに日本テレビ系)、映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、『無限の住人』など。7月からドラマ『愛してたって、秘密はある。』(日本テレビ系)に主演。2018年は映画『曇天に笑う』、『BLEACH』、『旅猫リポート』、『ラプラスの魔女』などが公開予定となる。

出演作品

映画『ちょっと今から仕事やめてくる』
5月27日(土)全国ロードショー!
http://www.choi-yame.jp/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、福士蒼汰さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2017年5月26日(金)12:00〜6月1日(木)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/6月2日(金)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから6月2日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき6月5日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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