note経営陣らが語る「ビジネスパーソンがボドゲで得られるメリット」とは


平成最後の10年間で、一気に盛り上がったジャンルのひとつがボードゲームだ。2012年ごろから一気にファン層が拡大し、ゲームを扱うホビーショップが増加。ボードゲームカフェも今や全国に300店舗以上となっている。

そんなボードゲームに早くから注目していたのが、感度の高いビジネスパーソンの面々だ。スタートアップ企業をはじめ、若手経営者にはボードゲーム好きが多く、会社の研修やワークショップの一環としてボードゲームが取り入れられるケースも増えた。

なぜ、デキるビジネスパーソンはボードゲームにハマるのか? また、ときどきSNSで見かける「ボードゲームをやると頭が良くなる」「ボドゲでコミュ障が改善された」などのコメントは本当なのか? ボドゲ好きで知られる社長3人に「実際、ボドゲがビジネスに役立つことはあるのか」を聞いてきました。

撮影/笹井タカマサ 取材・文/ミヤザキユウ(バンソウ) デザイン/桜庭侑紀


お話を聞いた3人
加藤貞顕(かとう・さだあき)さん
株式会社ピースオブケイク 代表取締役CEO。
デジタルコンテンツ配信プラットフォーム『cakes』と、クリエイターのためのコンテンツプラットフォーム『note』を運営。
深津貴之(ふかつ・たかゆき)さん
THE GUILD代表。株式会社ピースオブケイク CXO。
ユーザーの行動を設計するデザイナーとして数々のプロジェクトを手掛ける。
加藤將倫(かとう・まさのり)さん
株式会社Progate 代表取締役。
オンラインプログラミング学習サービス『Progate』を運営。

普通の会社員でも打席に立てる。ゲームで「負ける」経験を積むべし

ボードゲームをしていて、経営に活きた、ビジネス的にメリットがあったという経験はありますか。
深津

深津:
ひとつめは判断力が鍛えられることですね。とくに不透明な状況下での決定力が磨かれます。
ボードゲームでは盤面の情報が一部マスキングされていることが多いですよね。相手プレイヤーの手札だったり、次に何を引くかわからない山札だったり。

ビジネスにおいて「すべての情報を完全に収集してから判断する」なんてことは、ほとんどありませんから。ボードゲームでは、遊びの中で自然に決定を繰り返して、判断力をアップデートしていくことができます。
加藤(貞)

加藤(貞):
たしかに、経営もそういうシーンが多いですね。選択肢や打ち手に確信を持てない状態で決断を下さないといけないこともある。
深津

深津:
ふたつめはメリット・デメリットのリストアップが速くなることかな。

手札にあるカードの中から、どれを出せばいいかを決めるときは、その結果がもたらす良い面と悪い面を瞬間的に考慮しますよね。今このカードを出せばポイントが取れるけど、次のターンで動きにくくなるぞ…とか。

この考え方はサービスの改善時にも役立ちます。デザイン面も仕組みづくりも、何かを変えるからには必ずメリットとデメリットがあります。
ボードゲームに親しむと、メリデメを並べて検討するプロセスが脳内で習慣になるので、「こっちの手段を選ぶと、失敗しても他の部分で補完できるな」と考えつくまでが早くなるんです。


言われてみれば、深津さんが「note」の改善アイデアを発表するときには、必ずポジティヴな影響・ネガティヴな影響をセットにして書かれていますね。
深津さんのnoteより
加藤(貞)

加藤(貞):
たしかに(笑)。僕は、負けを経験できるのが良いところだと思いますね。

さっき深津さんも言っていたように、ゲームをプレイするプレイヤーは意思決定をします。そして、自分が下した意思決定の結果や責任を受け止めなきゃいけない。

キツいですけど、その行動と帰結をミニマムに凝縮した形で体験できるっていうのは素晴らしいことです。普通に組織の中で仕事をしていても、そこまでたくさんは“打席”に立てないでしょうから。


たしかに、普段の生活ではあまりないシチュエーションです。加藤(貞)さんがゲームでの敗北を通じて学んだことはありますか?
加藤(貞)

加藤(貞):
慢心したり、熱くなりすぎると勝てないってことですね。投げやりなプレイングをすると大抵負ける(笑)。ただ一方で、あまりに冷静になりすぎてもいけないというか…。

平常心で静かに闘志を燃やしている状態が一番いいよね。とくに将棋で負けるときは、人間力で破れることが多いように感じます。
思考のクセや弱さが浮き彫りになる。振り返ると「ここで深く考えずに指したから負けたのかな」なんて反省することも多くて、自分の弱点が見えるよね。
加藤(將)

加藤(將):
「くやしい!もう一度!」みたいな考え方でプレイするゲームは大抵負けますね。

僕は、誰とでもすぐに打ち解ける時間をつくれるのがボードゲームの良いところだと思います。ウチの会社はメンバーの年齢も国籍もバラバラなんですが、ボードゲームで遊ぶとみんなフラットになれるんです。

フットサルなどのスポーツも良いレクリエーションですが、体格や年齢・経験の差がどうしても出てしまいます。
ボードゲームは年齢も在籍年数も関係なく、全員が会話を楽しめるところが気に入ってます。

全員がフェアに取り組めるのは、ボードゲームの良いところですね。エンジニアでボードゲームが好きな人は多い印象です。
加藤(將)
加藤(將):そうですね。考えるのが好きな人が多いからでしょうね。
加藤(貞)

加藤(貞):
集中力と思考の体力がつきますからね。経営者も答えのない問題を考えるのが仕事なので、「考えること」のトレーニングが楽しみながらできるのは良い点だと思います。

ゲームに勝つためには、確率や期待値、場合分けなんかも絡んでくるので、数学が苦手な人でも「数学的思考」が身につくかも。

ぼっち会社員がボドゲを始めるには? 最初のハードル「プレイヤー集め」を越える3つの方法

これからボードゲームをやってみたいけど、興味がある人が周りにいなくて自分ひとりだとか、興味を持ってる友だちはいるけど最初にどうすればいいかわからない、という人にオススメの方法はありますか。
加藤(將)

加藤(將):
ボードゲームカフェに行くのがいいですよ! 僕はテレビでボードゲームカフェの特集を観て、「面白そうだなー」と思って友だちと一緒に行ったのが最初だったんです。有名なゲームの名前も知らず、何にもわからない状態だったのですが、すごく楽しくて。気になるけど最初はどうしようっていう人は、友だちを誘ってボードゲームカフェに行くのがいいですよ。
かなり推しですね(笑)。
加藤(將)

加藤(將):
はい(笑)。ボードゲームって、「ルールの把握」と「人数集め」がハードルになる遊びだと思うんです。その点ボードゲームカフェは、店員さんがルール説明もきっちりしてくれるし、人が足りなくてもその場にいる人と相席させてくれますから。
深津

深津:
サクッとできるボリュームのゲームなら、会社の昼休みに同僚を誘ってやってみるのもいいでしょうね。

会社の飲み会にカードゲームを持っていく人もいますし、毎日顔を合わせる同僚に声をかけるのは良い手かもしれないです。
加藤(貞)

加藤(貞):
昔の映画を観ていると、たまに会社の昼休みに将棋してる人が出てくるよね(笑)。ロッカーの上に将棋盤があったりして、休み時間に引っ張り出してくるようなシーンがあるの。

でも最近だとみんなスマホいじってるからなぁ。
深津

深津:
ゲームの種類は限られますが、スマホアプリを試してもいいんじゃないでしょうか。将棋・囲碁はもちろん、メジャーどころのボードゲームならアプリ化されてますよね。『カタン』とか『ブロックス』とか『チケット トゥ ライド』とか。
▲『カタン』のアプリ『Catan Universe』

『人狼』や『パッチワーク』もありますね。

意外にも人狼は苦手…。経営者はカタンがお好き

お好きなボードゲームを教えてください。
加藤(貞)

加藤(貞):
将棋と囲碁です。囲碁は『AlphaGo』が話題になったとき(コンピュータ囲碁プログラム『AlphaGo』は2015年に人間のプロ囲碁棋士を破り、世界的に有名になった)に興味を持って始めたんですが、一番やっているのは将棋です。会社の行き帰りの電車でもスマホで指していますね。

大学生のころにハマって、当時はプロの棋譜をひたすら並べるのに凝ってました。超一流の人たちの思考を目の前に再現できるのが面白いんですよ。
とくに羽生(善治)さんの、そのころまでの棋譜は全部自分で並べてました。本人にお会いしたとき「全部並べました」って伝える機会があったんですけど、すごい対局数なので信じてもらえなかったくらいです(笑)。あとは『カタン』や『モノポリー』ですね。自社にも『カタン』を置いてます。
深津

深津:
僕はもともと『MTG(マジック・ザ・ギャザリング)』をやっていて、その流れでボードゲームに行ったという感じですね。大学の同級生とやっていたんですが、今でも彼らと集まってプレイすることがありますよ。

『カタン』と『ニムト』をよくやりますね。『ニムト』は学生時代に一番ハマって、ひと晩中やっていたこともあります(笑)。

たまに『テキサス・ホールデム』のポーカーもします。でもポーカーを本気で突き詰めると、最終的に確率計算になると僕は思っていて。ひたすら期待値からズレない手を打ち続ける、みたいな…楽しいとかそういう世界じゃなくて、ポーカーはもはや“禅”ですね。
加藤(將)

加藤(將):
僕も『カタン』が好きですね。ボードゲームカフェで出合って、そこからボードゲームが好きになりました。以来、毎月末納会でボードゲームをやるのが恒例になっています。そこでも『カタン』はレギュラータイトルです。

みなさん『カタン』がお好きなんですね…! 逆に、苦手なゲームや、あまりやらないゲームはありますか?
深津
深津:麻雀が苦手です…。僕は麻雀って結局は「守りゲー」なんじゃないかと思っていて。ミスったら負け、みたいなところが、なかなか好きになれないですね。
加藤(將)

加藤(將):
僕は『人狼』などのブラフゲームです。駆け引きがあるタイプのゲームが苦手なんですよね。とく人狼役になったときに他のプレイヤーに質問されたりしたら、とっさにうまく嘘がつけない(笑)。自分の頭で、黙々と考えるようなゲームのほうが好きです。
加藤(貞)

加藤(貞):
僕も人狼ゲームがダメなんですよね…。前にスクウェア・エニックスの三宅陽一郎さん(『ファイナルファンタジー』シリーズや、ゲームAIの開発で知られる)に誘っていただいて、ゲーム業界の方や声優さんが集まる「人狼会」に呼んでいただいたことがあったんです。そしたら、僕と三宅さんだけがめちゃくちゃ弱かったんですよね、嘘がつけなくて(笑)。

さらに、疑うのも苦手なんです。『私、違います〜』なんて言われたらコロっと信じちゃう。声優さんみたいに演技のうまい方がメンバーにいるともう無理ですね。


人狼ゲームは嘘つきで疑い深くいないと、ツラいですね(笑)。

ベンチャー投資家の気分を味わえるゲーム!? 『スタータップス』をプレイ

それぞれのボードゲーム観を伺ったところで、実際にゲームをプレイしていただきます。はじめに遊んでいただくのは、スタートアップ企業への投資をテーマにした『スタータップス』。
©︎Oink Games
企業のカードを集めて各企業に投資し、最もお金を稼いだ人が勝つゲームです。
それぞれの企業にどこまで投資するか、それとも撤退するか。攻めと守りのバランスをうまく取る必要があります。
▲『スタータップス』のルール
結果は、2社の企業カードを多く押さえた深津さんの勝利!
プレイしてみて、お互いの印象は変わりましたか?
加藤(貞)

加藤(貞):
僕は確保しやすそうな、総カード枚数が少ない企業を押さえにいこうとしていました
(スタータップスでは各企業のカード枚数が異なるため、総カード枚数が少なければ他のプレイヤーを上回るカード数を確保するまでの枚数が少なくて済む)。

意外と、他のおふたりは大物狙いだったんですね。途中から総枚数が10の企業・EMTを狙いにいった、深津さんの攻守の見事な切り替えにやられました。
加藤(將)

加藤(將):
やられましたねー。僕は枚数が一番多くて、大きく勝てる企業カードの確保に走っていたんです。他の企業カードが全員にバラついて配分されているように見えたので、混戦になるんじゃないかと予想して。

中盤で深津さんが狙っているであろう企業を僕も集めて、勝負をかけにいったんです。まさか深津さんがその企業を捨てて、逆に僕の本命企業を集め始めていたとは…。

仕込みを見抜けずひっくり返されました。深津さんは思ったより「攻め」の人なんですね。


おふたりとも、相手が何を狙っているか、何を求めているかを読みにいったけれどミスリードされていたということですね。
深津

深津:
たまたまうまくいったんですよ(笑)。

ただ途中で独占状態(企業カードを一番多く確保しているプレイヤーは、その企業カードを取得しにくくなる)のときと2番手以下の枚数のときでは、動き方がまったく異なると気づきました。だから自分が独占状態にならないよう、こっそりと手札でカードを集めるようにしました。

最初は加藤貞顕さんと競っていたんですが、その企業カードの過半数を得て、勝てる見通しが立った時点で、加藤將倫さんが集めていた企業カード集めにシフトしていく戦略が見事にハマった思います。あとは、できるだけ場にお金を出さないで、おふたりを儲けさせないプレイを心掛けていました。


加藤(貞)

加藤(貞):
そんなことも考えてたの!? 怖い人だな〜(笑)。
▲作戦がハマって嬉しそうな深津さん。
横で見ていて、損切りと攻めに転じるタイミングが絶妙だなと思いました(笑)。
深津

深津:
ボードゲームの経験を積むと、損切りもうまくなりますよ。
たとえば『ニムト』はエンジニアにプレイしてもらいたいゲームですね(笑)。アクセスの上限が来たときに、どのサーバーをダウンさせれば一番ロスが少なく復旧まで持たせられるか、なんてシチュエーションを想定できる。
▲『ニムト』のルール

経営者たちが考える、面白いゲームとは?

先ほどは好きなゲームについて伺いましたが、それらも含めた「面白いゲーム」にはどんな特徴があると思いますか?
加藤(貞)

加藤(貞):
戦略的な視点と戦術的視点を同時に持っていないと、勝てないゲームが面白いと思います。

たとえば将棋は戦略的には「相手の王を詰める」ことを目指さないといけないんですが、戦術的には「駒得(相手よりも良い駒を持っていること、弱い駒で強い駒を取ること)などが目的になる。

序盤ではいかに駒得をしようか考えて指すけど、終盤では王を詰めるための動きにシフトしていくんです。これが面白い。『スタータップス』もそういうところがありましたね。
加藤(將)

加藤(將):
僕は戦略の幅が広いゲームが良いゲームだと思いますね。『カタン』はその代表だと思います。盤面も毎回変わるし、対戦相手も毎回変わるから。

多くのゲームは何回か遊べば勝ちパターンが見えてくるんですが、『カタン』はいつもわからなくなりますね。何回遊んでも面白いゲームは良いゲーム。

一方で、戦略がないと中盤くらいから差が開いてしまって、実質脱落する人が出てしまうのはシビアなところではありますが(笑)。
深津

深津:
同じく、勝ち方がワンパターンに収束しないゲームですね。何度も遊ぶうちにラクに勝てるようになるゲームより、簡単に思い通りにはいかないゲームが、遊んでいて楽しいです。


『スタータップス』をプレゼント

今回、出演者の方が遊んだゲームを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
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受付期間
2019年5月10日(金)20:00〜5月16日(木)22:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/5月17日(金)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから5月17日(金)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき5月20日(月)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
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