2018年、僕の心を奪った推しメン10人。歌広場 淳と考える「イケメン」の定義
2018年も残りわずか。今年もさまざまな「イケメン」が、私たちの「癒し」となり「肥し」になってくれた。
イケメンの魅力は十人十色。推しのイケメンがいるだけで、世界はまるで別の色に変わる。イケメンは、私たちの日常を鮮やかに塗り替えるポスターカラーなのだ。
そこで今回は、イケメンについて聞くならこの人、ゴールデンボンバーの歌広場 淳さんに、「今年、心を奪われた10人のイケメン」を聞いてみた。はたして歌広場さんの口から誰の名前が飛び出すのか……? そもそもなぜ歌広場さんはイケメンを推すのか……?
イケメンを愛するすべての人々に捧ぐ、金言連発の歌広場さん流イケメン論。
心のフォルダにたっぷりスクショしてほしい。
ヘアメイク/笹川知香(PELANGI-Kasih) デザイン/桜庭侑紀
- 本日の議事録
- 歌広場 淳が「イケメンを好きになった理由」
- 歌広場 淳が考える「イケメンの定義」
- 歌広場 淳が2018年に心を奪われた「イケメン10人」
- 松本 潤「僕を無敵にしてくれるスター!」 松本 潤を見ると/冷静でいられない/彼しか目に入らない/めっちゃムラムラする
- 佐藤流司「どこまでも満足しない。それが佐藤流司という男」 2.5次元で天下を獲っても/『NHK紅白歌合戦』に出ても/ハングリーさを失わない
- 高野 洸「常に全力を懸けている“努力”のイケメン」 歌が好き/ダンスが好き/Dream5時代よりも輝いて見える
- 紅 ゆずる「“紅 ゆずるという男”に、僕は男を教わったんです」 舞台に立っているだけで泣ける/そもそも名前が好き/推しの現場には行け
- 木村慧人「グループの“末っ子”を推すことは使命感」 偉大なお兄ちゃんがいると大変/自分と重なる/彼は未来の大黒柱
- 山本草太「彼の存在自体が勇気をくれる」 怪我に泣かされた苦労人/困難に負けない男/リンクに立つだけで泣ける
- 翔「顔がドストライク」 まずはインスタ見て/本当にカッコいいから/お母様は絶対イケメン好き
- 村雨辰剛「イケメンは手を加えないとイケメンになれない」 タレント性の塊/イケメン界の黒船/ハーフタレントは危機感を持つべき
- 古川雄大「作業着姿を見て心がざわついた」 ミュージカル界の貴公子/『下町ロケット』での作業着姿/オーラが消えてない
- シナモロール「イケメンはギャップだらけのほうがいい」 うさぎじゃなくて犬/女の子じゃなくて男の子/知ってた?
- 歌広場 淳が2019年の「イケメン」に期待すること
歌広場 淳が「イケメンを好きになった理由」
- きょうは歌広場さんにイケメンについてたっぷりと語っていただきたいと思います。歌広場さんは普段からSNSなどで推しメンの魅力を発信されていて、テレビでもイケメン好きを公言されていますが、そもそもどうしてイケメンが好きなのでしょう?
- 難しいですね……。気づいたときからずっとイケメンが好きなので。
強いて言うと、親が転勤族だったのもあって、僕の幼少時代は友達ができては別れての繰り返しだったんですよ。その結果、時間をかけて人と仲良くなることよりも、見ているだけで楽しい「憧れ」の方が心を満たしてくれた、というのはあるかもしれません。 - 歌広場さんのイケメンの原体験は?
- それはもう宝塚です。当時、兵庫の宝塚の近くに住んでいて、普通にタカラジェンヌさんがそのへんを歩いていたんですよ。街に出れば30人に1人は美形の方がいるという世界(笑)。そういうこともあって、自然と興味を持つようになりました。
- 初めて宝塚を観たのは?
- 1995年の雪組公演『JFK』です。もちろん宝塚が女性だけの劇団であることは知っていたんですけど、ひとりだけどうしても男性にしか見えない方がいて。それがキング牧師役の轟 悠さん。彫刻みたいなお顔立ちに低い声。「あの人めちゃくちゃカッコいい!」って興奮したのを覚えています。
- 基本的に耽美な世界がお好きなんですか?
- そうですね。例えば『幽☆遊☆白書』のキャラクターで言ったら蔵馬が好き、とかいうことなんですけど……。 あとはヴィジュアル系も大好きで。歌番組にMALICE MIZERさんが出たとき、周りはみんな「なんか浮いてるな〜」っていうリアクションだったんですけど、僕はひと目で心を奪われました。
- そういうふうに周りと好みが違うと、なかなか好きってオープンにできなかったりしませんか?
- いや、僕は普通に言ってましたね。「変に思われるかな?」って悩む過程をすっ飛ばして、ただただ夢中でした。その話で今ふっと思い出したんですけど、小学3年生ぐらいのときに親戚のおじさんからゲームをもらったんですよ。
- ゲーム?
- たしかアクションゲームとかRPGとか、いかにも男の子が好きそうなタイトルを3本ぐらい。もちろん嬉しいのは嬉しいのですが、満たされている訳では全然なくて。
なんで満たされてないのかと言うと、「自分が選んでいない」からなんです。僕にとって大切なのは、周りの声や世間の人気ではなく、自分の意志で選ぶこと。美しい男の人たちも自分の意志で選んで好きになっていった感覚はありますね。
歌広場 淳が考える「イケメン」の定義
- 歌広場さんにとってイケメンはどんな存在ですか?
- 昔のイケメンってスーパースターだと思うんですね。お顔ひとつとっても単純に美しくて、これだけカッコよければそりゃチヤホヤされるよなって、こっちも諦めがつくぐらい圧倒的だった。でも今は違う。今のイケメンは「概念」だと思うんです。
- 概念……。
- 概念になったんです。すごく乱暴に言うと「イケメン」とは「イケメンっぽい要素を持った人」ということなのですが……。
だからこそ、彼らを見ていると自分も頑張らなきゃって思える。この人たちは努力でここまで来たんだから、自分も何か頑張ってみようってエールをもらった気持ちになれるんです。
- 手が届かない存在ではなく、もっと身近な存在のような?
- だからか僕、イケメンを見ても、よくネットスラングである「尊い」とは思わないんですよ。
- えっ、それはちょっと意外でした。
- だって今のイケメンはすごく近い存在じゃないですか。たしかに子どもの頃は、美しい男の人たちを見て「尊い」という感情はありました。
でもそれは、イケメンたちにも眠れない夜があることを知らなかったから。今はそれを知る術がある。あの吉沢 亮くんですら「俺の取り柄は顔だけなんだよ」って本気で悩んでいるらしいと聞くと、どれだけ顔がカッコよくても、それだけで幸せになれるわけじゃないんだと希望をもらえますよね。
- そんな歌広場さんが考える「イケメン」の定義とは?
- たとえ話になっちゃって申し訳ないんですけど、僕、花が好きなんですよ。で、なぜこんなに花に心を惹かれるのか考えたら、蕾(つぼみ)の存在に行き着いたんです。
- どういうことですか?
- 蕾って固く閉じていますよね。おそらくあの状態を見て、「美しい」と言う人はあまりいません。あの固い蕾がやがて花を開き、もろく繊細で、それでいて大切な部分を世界に向けてあらわにする――。
その状態に、僕たちは感動すると思うんです。僕は、「花」と「イケメン」はまったく同じことが言えると考えています。 - 「花」と「イケメン」のどんな部分が重なるからでしょう?
- つまり、外見だけカッコいいイケメンは、僕にとっては蕾と同じなんです。固い花びらに覆われて、内側が何も見えない。そういう人にはあまり心が惹かれないんですね。
僕が心打ち震えるのは、花と同じように、イケメンが人には決して見せたくない弱いところをさらけ出したとき。自分の最も大切な核の部分を人に見せていく過程に、とても興味があるんです。 - たしかにいますよね。お顔は何も変わっていないはずなのに、突然以前よりグッとカッコよく見える人とか。
- きっとそういうのを含めて、「花が開いた」と言うんだろうなと思います。
- つまり、歌広場さんの考えるイケメンは必ずしも顔が重要ではない?
- そうです。桜を見ても、薔薇を見ても、向日葵を見ても、「綺麗だな」と思うのと同じ。イケメンという「概念」が好きなんです。
生まれ持った美しさだけを持つ人より、努力している人のほうが好きだし、勝ち続けている人より、一度地にまみれた人のほうが好き。そこに立っているだけで「ストーリー」が感じられるような人。それが、僕の定義するイケメンなんです。 - ファンがイケメンを推す理由って、おもに2種類あると思うんです。心が惹きつけられて推さざるを得ないというパターンと、ある種の使命感から自分が推すしかないと思い込むパターン。歌広場さんはどちらですか?
- どっちもありますし、あとは僕が推すことでいいことがあったらいいなという邪な気持ちもあります。
- と言うのは?
- こうやって名前を挙げることで誰かが興味を持ってくれて、そこから人気につながれば、グッズも増えるし露出も増える。結果的に僕を含めた「推す側」にもリターンがあるし、きっと本人のためにもなっているわけです。
つまりwin-win。損をしている人が誰もいない世界です。だから僕は「推すときは大声で推す」ことを大切にしています。
歌広場 淳の心を奪ったイケメン10人を発表!
歌広場さんのイケメンに対する深い考え方を知ったところで、次はいよいよ2018年に心を奪われたイケメン10人を発表! 歌広場さんが「この1年にグッと来た」イケメンを、ジャンルを問わずセレクト。テレビ、舞台、スポーツ、キャラクターなど、幅広いジャンルで活躍している10人をリストアップいただきました。
歌広場さんがなぜこのイケメンを選んだのか? その理由と一緒にお楽しみください。※10人の紹介は順不同になります。
歌広場さんがなぜこのイケメンを選んだのか? その理由と一緒にお楽しみください。※10人の紹介は順不同になります。
No.01 松本 潤
- 松本 潤(まつもと・じゅん)
- 1983年8月30日生まれ、東京都出身。A型。キリッと凛々しい太い眉に、彫の深い美しい顔立ち。アイドルグループ「嵐」のメンバーとして歌やダンスを華麗にこなす一方、俳優としてドラマおよび映画『花より男子』の道明寺 司といった多彩なキャラクターを演じ、俳優・アーティスト・バラエティなど多方面で活躍中。2018年はドラマ『99.9 -刑事専門弁護士-SEASON II』で主演を務めた。
- 1人目は松本 潤さんです。もはや歌広場さんの松本さん推しは説明不要の感もありますが、改めてどんなところに惹かれるのか、教えていただけますか?
- いきなり気持ち悪いことを言ってしまうのですが……松本さんは僕にとって最高のペアルック。誕生日が同じだし、僕も松本さんもグループの中で末っ子。担当カラーが紫なのも同じ。そんなの偶然だし、松本さんから見れば他人事でしかないでしょうけど、僕にとってはまったく他人事じゃない。ペアルック、つまり世界に松本さんと僕のふたりしかいない気持ちなんです。
……うっ! 違う! こういうことじゃないんだ! ダメです、松本さんのことになると僕は冷静に語れないんですよね。もう運命的に好きとしか言いようがない……(と、頭を抱える)。
Happy Birthday 松本さん&俺
— 歌広場 淳 (@junjunmjgirly)
8:02 - 2018年8月29日- ま、松本さんを好きになったきっかけは?
- 偉そうなことを言っておきながらベタで申し訳ないのですが、『花より男子』です。あの道明寺 司を見たときに、この人を好きになっちゃって。……ああ、ダメだ! もっとキャッチーな言葉で松本さんを語りたいのに言葉が追いつかない。ごめんなさい! 松本さんへの好きに理由はないんです!
- 松本さんを見ているとどんな気持ちになるんですか?
- めっちゃムラムラします(即答)。
- キャッチーすぎる。
- っていうのはまあ半分冗談なのですが、松本さんってサービス精神が豊かで、でも掴み切れなくて。僕は一応芸能人という立場ですが、ファンの方と同じように夢中になってしまうんです。世界の中心に松本さんがいて、周りがどうでも良くなる。
アレです、子どもの頃にテストで100点をとったときの、あの1日中ハッピーな気持ちと同じ。無敵時間になれるんです(興奮)。 - まさにスターじゃないですか。
- それです! スターの松本さんには、『スーパーマリオ』のスターのように摂取したら無敵になれる成分が多分に含まれているんです!!
だから松本さんと番組でご一緒させていただいたときは、周りにどんな大物芸能人の方がいても、まるで目に入らない。それじゃ良くないとわかっているのに、松本さんに一直線なんです。
なぜならそのときの僕はスーパーマリオと同じ、スターをとって無敵状態だから。以上です!!(ここまで、めちゃくちゃ早口)
No.02 佐藤流司
- 佐藤流司(さとう・りゅうじ)
- 1995年1月17日生まれ、宮城県出身。B型。力強い大きな目と中性的なビジュアル。身体能力が高く、『テニスの王子様』『NARUTO』などの2.5次元ミュージカルに多数出演し、頭角を現す。2015年からはミュージカル『刀剣乱舞』の加州清光を演じ、2018年末の『NHK紅白歌合戦』に出演。2019年春には『ミュージカル「刀剣乱舞」 加州清光 単騎出陣 アジアツアー』も決定している。
- では、次は佐藤流司さんについてお願いします。
- 今でこそ佐藤くんはミュージカル『刀剣乱舞』の加州清光役としてトップの座にいますが、僕が彼のことを知ったのはもっと昔。彼がそれほどまだ有名ではなかった頃です。
僕はそのときからいろいろな人に「絶対にこの子は天下を獲りますよ!」って言いまくってましたからね。 - それは佐藤さんの何を見てそう思ったんですか?
- 彼は顔に出ているんですよね、「まだ満足してませんよ」って。どんなに周りが自分のことをいいと言っても、全然満足していない。まだお若い頃からそんな顔をしていました。
- そもそも彼の主戦場である2.5次元舞台は若手俳優の登竜門。これまでたくさんの俳優がその登竜門をくぐってきましたが、中には消えていった方もたくさんいます。その中で、彼は常に技術を研鑽してきた。
「2.5次元ってキャラのコスプレでしょ?」――そんな偏見まじりの視線を跳ねのけ、佐藤さんは2.5次元を芸術の領域にまで高め、一般に広めた立役者。このあいだの『ミュージカル「刀剣乱舞」 加州清光 単騎出陣2018』も拝見しましたが、期待に応えつつ予想を裏切る見事なパフォーマンスでした。なのに、彼はやっぱりどこか満足していないように見える。
あのどこまでいっても決して満足しないハングリーさが、佐藤流司くんの魅力なんです。
No.03 高野 洸
- 高野 洸(たかの・あきら)
- 1997年7月22日生まれ、福岡県出身。B型。アニメ『妖怪ウォッチ』の主題歌『ようかい体操第一』でブレイクしたDream5でのかわいらしい姿から一転、2016年ごろからは舞台でも活躍し、カッコいい一面を開花。とくにアクションは抜群の切れ味で、ミュージカル『刀剣乱舞』では膝丸役を務め、2018年末の『NHK紅白歌合戦』に出演が決まった。2019年7月からは『ミュージカル「刀剣乱舞」 髭切膝丸 双騎出陣2019』に出演予定。
- 次は高野 洸さんです。
- 高野くんも、佐藤くんと同じくミュージカル『刀剣乱舞』で刀剣男士を演じていますが、僕が彼に最初に注目したのは、Dream5として活動していたときです。日本中を狂喜乱舞させた『ようかい体操』の頃からずっと彼が気になって仕方なかったんですよね。
- それは何が気になっていたんですか?
- まずこのDream5というのが、女性4名、男性1名のグループなんですけど、女性ばかりの中でひとりだけ男性という組み合わせって、僕はあまり見たことがなくて。
女の子たちに囲まれながら踊る高野くんを見て、「なぜ彼はDream5をやっているんだろう」という元も子もない疑問が心に引っ掛かったのがきっかけです。
そして、Dream5の活動が終了となり、これからどうするんだろうと思っていたら、彼はあのズバ抜けた歌と踊りで一気に駆け上がった。そのとき、わかったんです。ああ、この子は本当に歌と踊りが好きなんだなって。 - なるほど。
- イケメンって顔がいいんだから、それだけで人生楽勝だし、本来努力なんてする必要なんてないんですよ。なのに、「そこまでやらなくていいのに」と言うほど努力をする人がたまにいる。僕はそんなイケメンについ心惹かれてしまいます。
高野くんも、努力するイケメンのひとり。歌と踊りが好きで、常に全力を懸けている。そこが好きです。
No.04 紅 ゆずる
- 紅 ゆずる(くれない・ゆずる)
- 8月17日生まれ、大阪府出身。A型。2002年、宝塚歌劇団に88期生として入団。同年に『プラハの春』で初舞台に立つ。2016年に星組トップスターに就任。キラキラと美しいオーラを纏い、紳士のように凛としたたたずまい。それでいて類まれなアドリブ力で笑いも取れるコミカルな一面もあわせ持つ。2019年は『霧深きエルベのほとり/ESTRELLAS(エストレージャス)〜星たち〜』に出演予定。
- そして、次は宝塚星組トップスターの紅 ゆずるさん。こちらも日頃からありあまる愛を公言されていますね。
- 紅さんは現在こそ押しも押されもせぬトップスターですが、じつは紅さんのふたつ前のトップスターに、柚希礼音さんという絶大な人気とカリスマ性を誇る、宝塚史上でも伝説の男役がいらっしゃったんです。
この巨星が引退した後、星組は果たしてどうなるのか? そんな声がささやかれるほどでした。つまり紅さんは長らく柚希礼音さんという巨大な星の隣にいる小さな2番星だったんです。
そんな中で着実に技術を研鑽していたのが紅さんでした。僕はもう紅さんがステージに立っているのを見るだけで泣いちゃうんですよ!
- それはなぜですか?
- 理由なんてないです! 僕は“紅 ゆずるという男”に「男の生き方」を教えてもらったんです!! こう言うと、みんなは「いや、女でしょ」って笑うんですけど……。
- 男の生き方ですか。
- 貴族たちの考え方に「ノブレス・オブリージュ(※)」という言葉があるんですけど、紅さんが2017年にお披露目公演で『スカーレット・ピンパーネル』という舞台に出たとき、役としてこの信念を行動に移すシーンがあるんです。
その光景が、僕の目には「新しく組のスターとなった紅さん自身が、ほかの星組の付いてきてくれる子たちに説いているシーン」と重なって見えたんです!
※フランスを起源に伝わる、「貴族たちに伴う社会的責任と義務」のこと。 - 紅さんと出会って何か変わったことはありますか?
- これは紅さん、ひいては宝塚のトップスターを好きになった者の宿命なんですけど、愛してしまったがゆえに失う怖さが常につきまとっています。宝塚のトップスターは必ず辞めてしまうさだめなんです。
自分でもどうかしてるとは思うのですが、就任した瞬間からラストデーを思い浮かべて泣いています(泣)。 - Xデーなんですね。
- まさにXデーです。僕の脳内ではもはや紅さんがX JAPANさんの『紅』を歌うシーンまでが勝手に再生されております。
「紅に染まった この俺を 慰める奴はもういない」という……ああ……。
そもそも「紅 ゆずる」という名前が素晴らしくないですか?? 「くれない」のに「ゆずる」んですよ!? 超いい名前だと思います(再び興奮)。
- 歌広場さんって紅さんのお茶会(ファンの集いのこと)とかにも参加されているじゃないですか。接触を伴う推しの現場に行くのって気が引けたりしませんか?
- え、何を言っているんですか? トップの在任期間はどれだけ長くても6年程度。いずれ紅さんはいなくなってしまうんですよ? 100歩譲って「行けない」は理解できますが、どうして「行かない」って選択肢があるんですか?(真顔)
推しはある日突然いなくなってしまうことがあります。わかりやすいところでジャニーズJr.を例に挙げますが、彼らは退所を発表する義務がないんです。だから、辞めるときはひっそりとホームページから削除されるだけ。こんなショックなことってありますか? - な、ないです。
- そういうことを考えたら、「推しの現場に行くのが恥ずかしいなんてなぜ言えるの?」と言いたいです。自分の胸に聞いてみてください。今、会わなくて本当に後悔せずに暮らせるか、と。僕は絶対に後悔したくない。いや、何なら後悔したとしても会いたいです。
紅さんが宝塚にいる限り、推すことは僕の宿命です(断言)。
No.05 木村慧人
- 木村慧人(きむら・けいと)
- 1999年8月16日生まれ、東京都出身。A型。2016年に結成されたパフォーマー集団「FANTASTICS from EXILE TRIBE」の最年少メンバー。ライブを重ねることで実績を積み、2017年にはボーカルオーディションで2名が新たに加わってダンス&ボーカルグループに進化。2018年12月5日、シングル『OVER DRIVE』でメジャーデビュー。
- では、次は木村慧人さんについてお願いします。
- 慧人くんはLDHによる新グループ「FANTASTICS from EXILE TRIBE」の中で、同い年の中島颯太くんとともに最年少キャラ。僕は末っ子ポジションにものすごく弱くて、いろいろお兄ちゃんに気を遣う部分もあるんだろうなって勝手に胸中を想像して、つい推したくなるんです。
前に一度、インタビューさせていただいたことがあったんですけど、そのときも言葉少なで。きっとなかなか言いたいことが言えないんじゃないかなと心配になりつつ、その少ない言葉数からきちんと本当の想いを話していることが伝わってきて、「これは推さねば!」と僕の心に火がつきました。 - 末っ子好きなのはどうしてなんでしょう?
- 僕がゴールデンボンバーで末っ子だからというのはあるかもしれません。今でこそ、こうやって少しずつ自分の個性を出せていますが、常に目の前には偉大すぎるお兄ちゃんたちがいて、どうしていいかわからない時期があった。
だから、彼らがより良い末っ子ロードを歩めるために、できることをしてあげたいなと。それが推すことだと思っています。
あと、そのインタビューのときに「1対1でゴハンに行けるのは誰?」ってメンバーに聞いたら、全員が慧人くんの名前を挙げたんです。そのとき、末っ子ながら慧人くんがいずれグループの支柱になる未来が見えました。そういう将来性も推したいポイントのひとつですね。
No.06 山本草太
- (Photo by Koki Nagahama - ISU/ISU via Getty Images)
- 山本草太(やまもと・そうた)
- 2000年1月10日生まれ、大阪府出身。O型。フィギュアスケート選手。5歳のころからスケートをはじめ着々と実力をつけると、高校1年生の2016年にはユースオリンピックで優勝。しかし世界ジュニア選手権の直前に右足首を骨折してしまい、3度の手術を経験する。2017年に復帰後は徐々に調子を取り戻し、2018年にアジアフィギュア杯で優勝した。一重のシャープな目元が魅力的な塩顔男子。
- では、次は山本草太さんです。
- 今、フィギュアスケートと言えば、羽生結弦くんが世界を揺るがしているわけで。この羽生フィーバーの中でネクスト羽生を狙うのは山本草太くんしかいないと思っています。
- それは、どんなところを見込んでのことですか?
- 彼はこれまで五輪などの大きな大会を控えながら、たびたび怪我に苦しんできました。本人からしたら、こんなに辛いことはないと思います。
- ……が、推す側からすれば、そのドラマ性に心動かないはずがありません。
これだけ何度も怪我をしたら、心を閉ざしてしまっても無理のない話。けれど、彼はそんな困難に負けず心を開こうとしている。僕はもう彼がリンクに立っているだけで涙が出ます……! 紅 ゆずると同じ、何もせずともその姿から物語が漂っているんです。
怪我をして以降の彼は、「自分ひとりじゃ何もできなかった」と常に周囲への感謝の気持ちを忘れません。そんな当たり前のことを当たり前に思わない人柄にも惹かれましたね。
草太くんを見ていたら、「人は諦めない限り、自分のことを嫌いにならなくていいんだ」と思えるんです。彼が教えようとしているわけでもないのに、「何があっても諦めてはいけない」という大切なメッセージが自然と伝わってくる。
彼の存在に、自分も諦めなければできると勇気をもらっています。
No.07 翔
- 翔(しょう)
- 2006年5月9日生まれ、アメリカ・ロサンゼルス出身。O型。あどけなさと整った顔立ちで、2016年頃から母親がインスタグラムにアップした画像などがテレビやネットで話題となる。2018年に芸能事務所と契約。TGCのランウェイでモデルデビュー。ドラマ『花のち晴れ〜花男 Nest Season〜』では平野紫耀が演じる主人公の幼少期役でドラマ初出演。同年7月にはファースト写真集『HAPPY!!』を出版。2019年カレンダーもハゴロモより発売中。
- 次は翔さんです。
- 彼に関しては顔がドストライクです!
『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』で平野紫耀くんの少年時代を演じている翔くんを見て、あんな全方向誰が見てもイケメンな子役がいるんだと震えました……!
イケメンを語る上で欠かせないのがハーフの要素。彼はドイツ人と日本人のハーフであり、年齢的にも未完成。子ども時代は天使なのに大きくなると「どうしてこうなった?」みたいな方もいますが、彼はこのままいけば大丈夫。
なぜなら、翔くんのお母様はおそらく本当にイケメン好きだから! インスタを見てください! あれはもう完全にイケメンの英才教育を受けている撮られ方です! - あのインスタ、翔さんは自分の美しさに無自覚なのか気になります。
- 彼はまだ自覚していないと思います。それが「あれ? 俺ってイケメンじゃね?」と気づいたとき、どうなっていくか考えるとますます楽しみで……。でも、彼に関しては調子に乗ってもらっても構わない! なぜなら、「超イケメン」だ・か・ら!!
もちろん調子に乗らなくてもそれは素晴らしいことなので、どっちに転んでも俺得しかありません。
No.08 村雨辰剛
- 村雨辰剛(むらさめ・たつまさ)
- 1988年7月25日生まれ、スウェーデン出身。子供のころから日本に興味を持ち、高校を卒業した後に語学教師として来日。23歳のときに「日本古来の文化と関わって仕事がしたい」と造園業に飛び込み、庭師へと転身。26歳には日本に帰化し、村雨辰剛と名乗る。ハリウッド級の甘いマスクに均整の取れた肉体美。2018年8月に『みんなで筋肉体操』に出演、2019年1月から第2弾が放送予定。
- そして、続いても外国人枠の村雨辰剛さんです。
- 庭師というキャッチーな職業。趣味は盆栽と筋トレ。もうタレント性の塊すぎて、プロフィールを見た瞬間にこの人を推そうと心に決めました。
- それはいったいなぜ?
- 盆栽も筋トレも、カタチを整えるのが共通点。これはイケメンに欠かせない要素だと思います。なぜなら、「イケメンとはほっといてイケメンになれるものではない」から。
ミケランジェロのダビデ像のような最高の芸術作品だって、もとを正せばただの石。それに誰かがノミを入れ、ヤスリをかけ、カタチを整えることで、至高の芸術として愛されているのと同じです。そんなイケメンの崇高な美学を、僕は村雨さんのプロフィールから勝手に感じ取ってしまいました。
実際、彼の存在はいわゆるハーフや外国人タレントと呼ばれる方々をはじめ、すべてのタレントにとって脅威です! だってこれだけイケメンで、肉体も鍛錬していて、わびさびも知っている。もう黒船襲来ですよ?
でも、彼が上陸したことで、間違いなく日本の芸能界のイケメンレベルは上がります。イケメン界の向上のためにも彼を推さないわけにはいかないんです。
No.09 古川雄大
- 古川雄大(ふるかわ・ゆうた)
- 1987年7月9日生まれ、長野県出身。A型。“ミュージカル界の新プリンス”と形容されるにふさわしい高貴ないで立ちと風格。2007年にドラマ『風魔の小次郎』で俳優デビュー。同年にミュージカル『テニスの王子様』で4代目・不二周助を演じて以降、舞台でも存在感を示していく。2018年にはミュージカル『モーツァルト!』で主演を務めたほか、ドラマ『下町ロケット』にも出演。2019年2月からはミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で主演、6月からはミュージカル『エリザベート』でトートとして出演予定。
- いよいよ佳境に入ってきました。残りふたり、次は古川雄大さんです。
- 古川さんは近年、活躍が目覚ましいミュージカル界の注目株。ミュージカルを愛する者として、お名前を挙げるのは責務だと思っています。
ミュージカル俳優と言えば、最近は山崎育三郎さんを筆頭に舞台を飛び越えて全国的な人気を獲得するパターンが増えていますよね。古川さんもこのあいだ、山崎さんの出世作となった『下町ロケット』に出演し、大きな注目を集めました。
……が、僕はこのとき思ったのです、このキャスティングおかしい、と。 - それはまたどうして?
- 彼が演じたのは、農林業協同組合の職員といった役どころ。作業着姿で登場しましたが、お顔が綺麗すぎて、どう見ても浮きまくっていたんですよ! ミュージカル界のプリンスがそのまんま作業着を着て出ていた。「農林協に貴族は働いてねえから!」ってツッコミを入れそうになりました。でもそこに新しい風を感じたというか、違和感がスパイスとなって「別次元のイケメン」にグッと引きつけられたんですね。
舞台で演じているときから、古川さんにはただお顔がカッコいいとか歌が上手いだけじゃない香りがあるなと思っていて。それが、あの作業着姿を見て、確信に変わった。このキレ味の良い明るい違和感。古川さんは自分が思っている以上に異常なほど面白い人だ、と僕の胸がざわついたんです。
そういう取っかかりってイケメンにはすごく大事。きっとこれからもイケメンという言葉ではおさまりきらない人間的な魅力を見せてくれるんじゃないかと期待しています。
No.10 シナモロール
- シナモロール
- 3月6日生まれ、遠いお空の雲の上出身。ふわもこな白いこいぬの男の子で、シナモンロールのようなクルクルしっぽがチャームポイント。愛称はシナモン。特技は大きな耳でパタパタ空を飛ぶこと。カフェ・シナモンの看板犬で、お店のテラスでお昼寝するのが大好き。2002年にデビュー。15周年を迎えた2017年にはサンリオキャラクター大賞で初のグランプリを獲得、2018年には2連覇を果たした。デザイナーは奥村心雪。
- そして最後を飾るのは、まさかのシナモンです。なぜシナモンがイケメンだと?
- 人間って「やわらかくて丸いもの」が本能的に好きだと思うんですよ。で、シナモンのあの白くてふわふわした感じ、アルカイックスマイルのごとき柔和な笑顔、そして無垢性……。もうおわかりですね?
これってつまり、赤ちゃんじゃないですか! 人間が赤ちゃんを本能的に守らないといけないと思うように、僕はシナモンを本能的に守らなければならないと察知しました。
しかもシナモンはうさぎと思ったら犬で、女の子かと思ったら男の子と、まさにギャップの塊。ちょっとやそっとでは掴み切れない要素がたくさんあるんです。
- シナモンに初めて心を奪われたのはいつのことですか?
- もともとシナモンは「ベビーシナモン」という名前だったんですけど、その頃から好きです。ある日、CMを見たらシナモンがいて、テレビの向こうで首を振って暴れ回ってたんですね。
ヴィジュアル系バンドマンである僕が見ても、めちゃくちゃヘドバンが上手いやつがいるなと(笑)。そこで惹きつけられたのが、最初のきっかけ。やはりそこも見た目の可愛さとのギャップにやられました。 - やはりギャップは大事なんですね。
- あと、すごく細かいことなんですけど、シナモンは「シナモロールのシナモン」であって「シナモンロールのシナモン」ではないんです!
このいちいち説明しなきゃいけないところも、僕にとっては魅力的。なぜならツルッとした引っかかりのないものに僕は惹かれないから。
というか、イケメンは「ややこしい」ぐらいがちょうどいいんですよ! ややこしかったり何かしら苦労をしていたりというストーリー性を持ったイケメンこそ、つい推したくなるんです。
歌広場 淳が2019年の「イケメン」に期待すること
- 長時間たっぷりとイケメンについて語っていただきましたが、何か言い残したことはありますか?
- これまで僕はイケメンの良さをいたるところで散々語ってきましたが、2019年は「イケメンとイケメンの組み合わせ」の妙に注目してもらえればと思っています。
わかりやすいところでたとえるなら、先ほどのFANTASTICS from EXILE TRIBEです。ご説明した通り、最年少は慧人くんと中島颯太くんのふたり。そして最年長は世界さんです。これは完全に持論ですが、最年長と最年少が目立ったり仲の良いグループって人気が出るんですね。こうした組み合わせの面白さを味わえるのは、グループを推す楽しさのひとつ。
グループに限らず、もっといろんな組み合わせに注目してみると、イケメンを推す面白さは広がる気がします。自分の好きな組み合わせを見つけるだけで、心の中でひそかにテンションが上がるんですよ。
イケメン同士がペアになったとき、お互いの個性を潰し合うのか高め合えるかは相性次第です。グループの中での知らない顔が見られることもあれば、普段は別々に活動している人たちがペアを組むことで、ひとつになる瞬間もある。それは、単独で推していたら絶対に味わえない感動じゃないかと……!
ぜひこれを機会に、いつもと違った視点のイケメンの見方に注目してもらえたら、あなたの推し生活はますます楽しい方向に広がっていくはずです!
- 歌広場 淳(うたひろば・じゅん)
- 1985年8月30日生まれ。千葉県出身。O型。2007年、ゴールデンボンバーに加入。2009年、ゴールデンボンバーとしてリリースしたシングル『女々しくて』が大ヒット。2012年より4年連続で『NHK紅白歌合戦』に出場を果たす。2013年、第55回日本レコード大賞にて特別賞を受賞。ソロとしては『月刊TVnavi』にて「イケメンがなきゃ生きていけない!」を連載する他、初の冠番組『ゴールデンボンバー・歌広場淳のミュージカル広場』が12月15日に放送された。