「みんなのおかげで、今の僕がある」デビューから3年、佐野勇斗を磨く“謙虚と感謝”
『ちはやふる −結び−』、『羊と鋼の森』、『3D彼女 リアルガール』、『走れ!T校バスケット部』、『凜』……そして8月1日公開の映画『青夏 きみに恋した30日』と、映画だけでも今年度公開の作品が6本! 佐野勇斗、20歳。今もっとも勢いのある若手俳優のひとりだが、素顔はとっても謙虚。「家族、スタッフ、ファンのみなさんのおかげで、今の僕があると思ってます」と、爽やかな笑顔で取材に応じてくれた。
撮影/アライテツヤ 取材・文/花村扶美スタイリング/伊藤省吾 (シトル) ヘアメイク/中島愛貴(ラフテル)
うれしさよりも、不安とプレッシャーが10割!?(笑)
- 映画『青夏 きみに恋した30日』は、南波あつこさんの少女マンガが原作。運命の人が現れるのを夢見る都会育ちの女子高生・理緒(葵わかな)が、夏休みの1ヶ月だけ田舎の祖母の家で過ごすことになり、そこで出会った地元の高校生・吟蔵(佐野勇斗)と恋に落ちる……というストーリーです。
- 出演のお話をいただいて、台本より先に漫画を読ませてもらったんですけど、最後までぶっ通しで読み切っちゃいました。それくらいおもしろかったです。
- 佐野さんはマンガ好きだそうですが、少女マンガもよく読むんですか?
- いえ、『青夏 Ao-Natsu』は僕にとってほぼ初めての少女マンガでした。正直、読む前までは、「どうせこんなことあるわけないだろ」って冷めた目で見ちゃう自分がいるんだろうなと思っていたんですが、男の僕でさえ最後までキュンキュンしました(笑)。
- 吟蔵はシャイな性格で、自分の気持ちを素直に出せないけど、誰よりもまわりのことを考えている男の子ですね。
- 吟蔵、めちゃくちゃカッコいいなと思いながら読んでいたんですけど、読み終わった後に、「え、この役を俺が演じるの!? どうしよう!!」って青ざめちゃって。
恋愛ものに興味のない僕ですら、すごくカッコいいと思ったから、世の中の女性は吟蔵をめちゃくちゃカッコいいと思いますよね。だから、原作ファンをガッカリさせちゃいけないと、うれしさよりも不安とプレッシャーが10割でした。 - 10割って全部ですが……!?
- はい(笑)。うれしさももちろんあったんですけど、ぽーんってどこかへ飛んでいってしまうくらい不安でした。
役作りのため、大好きなジャンクフードを我慢!
- 吟蔵を演じるにあたって、どのように役作りを?
- まず、自分に自信をつけることが大事だと思って、体を絞りました。実写化にあたって見た目は大事だ、と。脱ぐシーンもあったし、そこでぽよ〜んとしたお腹を見せたら、映画を楽しみにしている方たちをガッカリさせてしまうじゃないですか。
- もともと、ぽよ〜んとしていないと思いますが(笑)。
- あはは。でも締まってるくらいじゃないと女性は幻滅しちゃうのかなって。
撮影は今年の4月からだったので、1月に入ってトレーナーさんについていただいて、朝昼晩の食事を全部メールで送って、食べていいものと悪いものを聞いて食事制限したり、あとはジムに通って筋トレをしました。 - 甘いものも我慢して。
- あれはキツかった! でも、トレーニング後は少しくらいなら、甘いものを食べてもよかったんですよ。ただ、ケーキとかクリーム系はダメで、和菓子ならいいということだったので、大福やどら焼きを。
- ほかにはどんな食べものを我慢していたんですか?
- 僕の好きな食べものは、体に悪いものが多いんです。いわゆるジャンクフードというやつで、ハンバーガーとかフライドポテトとか。
それがあんなに好きだったのに、減量が終わった今も、ハンバーガーを食べたいと思わなくなったんですよ。なんか味覚が変わっちゃって、今は納豆巻きが好きです。あとはサラダとかスープとか。 - ヘルシー志向に! じゃあ今も体型をキープできてる?
- けっこうキープできてると思います。体重的には2〜3キロ増えちゃったんですけどね、筋肉がついて。でも体脂肪率はかなり減ったし、体作りは、僕の今までの人生でいちばん頑張ったかもしれません(笑)。
吟蔵は、今まで演じたどんな役よりも難しかった
- 吟蔵を演じて共感できる部分はありましたか?
- 吟蔵は、自分と全然似てないんですよ。共感できない部分が多かった。だから今まで演じたどんな役よりも難しかったんです。
- そうなんですか?
- いちばん違うのは、カッコいいところ。カッコいい行動をさらっとできるのが吟蔵なんですけど、僕は普段からそういうことがまったくできない。たとえば、理緒に好きって言われて本当は両思いなのに、相手のことを考えて自分は身を引くとか。
- もし佐野さんが吟蔵と同じ立場で告白されたらどうしますか?
- 自分のすごく好きな子から「好き」って言われたら、きっと「えへへ、俺も好きー!」ってなっちゃうでしょうね(笑)。
- (笑)。期間限定の恋でも?
- 期間限定ならなおさら。だって、そこでつきあわなかったら、もうつきあえないじゃないですか。そんなのイヤだし。
- 理緒みたいに好きになったら一直線、自分の気持ちをストレートにぶつけてくる子はどうですか?
- 理緒の家族思いで、素直で、自分の気持ちに偽らないところは好きです。ただ、あそこまでぐいぐい来られるとちょっと……。じつは、ぐいぐい積極的に来る子は苦手なんです(笑)。
僕自身は、理緒に似てると思います。好きな人にぐいぐいは行かないですけど、後先考えずに思ったことを口にしちゃうところや、その後「うわー、言っちゃった」って後悔するところとかはすごく似てますね(笑)。で、わかなちゃんは吟蔵に似てると思います。慎重に考えて冷静に行動するところとか。僕とわかなちゃん、実際は逆なんですよね(笑)。
「もっと自信を持って」撮影中、監督に言われた言葉
- キュンキュンするシーンが散りばめられている本作ですが、佐野さん自身がキュンとしたシーンやセリフはありましたか?
- 正直、キュンとするなぁと思いながら演じたシーンはありません。本当に申し訳ないんですけど、『青夏』の撮影は必死すぎて、今はあまり覚えてないんです。
- えっ!?
- いっぱいいっぱいになっちゃって、キュンとするなぁとか思う余裕もなくて。……あ、でも! 吟蔵が理緒をおんぶして山を下りるシーンはよかったですね。
- 理緒がおばあちゃんの家を飛び出して迷子になって、足を怪我してしまい、そこに吟蔵が助けに来るシーンですね。
- このシーンは撮影初日だったので、僕の中でもまだ余裕があったから覚えているのかもしれない(笑)。わかなちゃんをおんぶして山道を歩くのは大変だったけど、楽しかったですね。
あー、あとは何をやってたっけなぁ。必死だったことって僕、忘れちゃうんですよね。すみません……。難しくてどうしようって焦ってたり、落ち込んだりしていたけど。 - どんなときに落ち込んでいたんですか?
- 「今日の撮影はダメだったな」って。セリフや立ち居振る舞いがどうというよりも、ひとつひとつの行動がわざとらしかったなとか。どの作品に対しても反省点はつねにあるんですけど、今回はとくにそれが大きかったかもしれません。できた!って思うことがほとんどなくて。
- 監督に相談しましたか?
- はい。監督からは「もっと自信をもっていいんだよ」って……。カットがかかると、「いい感じだったよ」って言ってくださるんですけど、自分の中で納得できなくて。
- きっと佐野さんは、自分に対して厳しいんですね。
- 厳しいっていうか、自分に自信がないんです。吟蔵と実際の僕とでは、タイプが違いすぎますよね(笑)。そういうところでも、演じていて本当に難しかったです。
僕が今、ここにいることも全部“運命”なんだと思う
- ヒロインの理緒は、運命の出会いを信じている女の子。佐野さんは運命を信じますか?
- はい、信じてます。僕が今ここにいること、『青夏』に出演できたこと、M!LKで活動できていることも全部、運命なのかなと思います。いい子ぶって言うわけじゃないけど、僕は家族、スタッフさん、ファンの方とか、本当にいい方たちに恵まれていて。そういう人たちのおかげで今の僕があると思っているので。
- お母さんがジュノン・スーパーボーイ・コンテストに応募し、最終審査まで進まなかったものの、今の事務所にスカウトされて芸能界に入ったんですよね。佐野さんがおっしゃる通り、たしかに何かの力に導かれていたのかも……?
- 今振り返ると、いつも受け身だったなって。もちろん、いただいたお仕事は全力で取り組んでるんですけど、自分からっていうのはあまりないんですよね。
- では、恋愛において「運命の相手」はいると思いますか?
- 夢がないかもしれないけど、全然ないです。ファンの人、これを読んだら幻滅しちゃうかなぁ……ごめんなさい(笑)。「あのとき出会ったのは運命なのかな」って思ったりする友だちはいるんですけど、恋愛に関しては……。
- 恋愛に関しては、スイッチが入ってないのでしょうか?
- たぶん、興味がないんだと思います。今は仕事を全力で頑張りたいという気持ちが強いですね。
仕事のモットーは「ひとつひとつの仕事を全力でやる!」
- 『青夏』含め、今年度公開の映画が6本! 出演作が目白押しという現在の活躍ぶりについて、ご自身ではどう受け止めていますか?
- 「映画にたくさん出ていてスゴいね」と言っていただくんですけど、自分としてはまだまだだと思ってます。謙遜じゃなくて、本当に。出演させていただけることは、とてもありがたいことですが、結果を残さなきゃという思いのほうが強いので。
- そういう謙虚な気持ちを持ち続けるってスゴいことだと思います。佐野さんが仕事をする上で大事にしていることは何ですか?
- ありきたりかもしれませんが、一個一個すべてを全力でやることです。やって後悔することも多いけど、やらずに後悔するほうがイヤで。とにかくやってみて、それで失敗してもいい経験になるけど、やらなかったら何も残らないじゃないですか。
- 佐野さんを取材していて思うのが、いつも心をオープンにして話してくれること。
- よくマネージャーさんに怒られます。何でも言いすぎだって(笑)。
- (笑)。でも現場を明るくしてくれるし、お話を聞いていて楽しいし、きっと撮影現場の方たちもそんな佐野くんの魅力に惹かれているのかなと思うんですが。
- いやいやいやー(笑)。
- スタッフだけじゃなく、共演者からも可愛がられていますよね。ドラマ『砂の塔〜知りすぎた隣人』(TBS系)では松嶋菜々子さんから直筆のお手紙を、映画『ミックス。』では広末涼子さんから手作りのお弁当をいただいたり、ドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)で共演した山崎賢人さんがごはんに連れて行ってくれたり。(※山崎賢人の「崎」は立つ崎が正式表記)
- 本当にありがたいです……!
- 先輩への接し方で意識していることはありますか?
- 年上の方には、自分からぐいぐい行くことはできません。一線を越えれないというか、気を遣いすぎちゃうところがあって。「気にしないでタメ語でいいよ」って言っていただいても、ダメなんです。もしかしたら、タメ語になったらもうちょっと距離が縮まるのかなって思ったりはするんですけど……。
- そういう真面目なところが、先輩たちからしたら放っておけないのかも?
- うーん。僕がどうというより、僕のまわりに、いい人が多いんだと思います。松嶋さんも広末さんも賢人くんも、こんなにいい人がほかにいるのか?っていうくらい、いい方たちばかりで。
まわりの人からも「共演者に恵まれてるね」ってよく言われるんです。さっきの運命の話に戻るけど、僕って、いい人と巡り合う運が強いのかもしれないですね。
M!LKのメンバーに『青夏』の感想を聞くのは恥ずかしい(笑)
- お仕事に全力で取り組む佐野さんの“原動力”って何ですか?
- 両親やおばあちゃんが「見たよ」って言ってくれたり、親戚で集まったときに「おもしろかった」って言ってもらえること。あとはやっぱり、ファンの方の声援です。M!LKの握手会で、映画やドラマの感想を言ってもらえると、大変だったことがすべて吹き飛んじゃうんですよね。
- 俳優としての活動もさることながら、佐野さんはボーカルダンスユニットM!LKのメンバーとしても活躍されていますね。俳優と音楽の両立は大変ですか?
- 大変だなと感じることもあります。ドラマや映画の撮影の合間に、新曲のレコーディングやダンスの振り付けを覚えたりとか……でもやっぱり、両方やっていてよかったと思うことのほうが何十倍もあります。
お芝居は難しいことが多いですけど楽しいですし、歌って踊ったりすることが僕は大好きで、お客さんの楽しんでいる顔を見られるのもうれしいです。 - 佐野さんにとってM!LKが自分のホームという感覚ですか?
- そうですね。お芝居は毎回、終わりを迎えるけど、M!LKのメンバーとは2014年に結成してからずっと一緒だから。
- メンバーは「役者・佐野勇斗」について何か言ってますか?
- 僕の出演作はけっこうチェックしてくれてるみたいです。「おもしろかったよ」とは言ってくれるんですけど、僕の役や演技については何も言ってこないですね……(笑)。
- 『青夏』はメンバーに観てほしい?
- 観てほしいけど、一緒には観たくないですね。感想を聞くのも恥ずかしいです(笑)。
- 佐野勇斗(さの・はやと)
- 1998年3月23日、愛知県出身。A型。2015年、映画『くちびるに歌を』で俳優デビュー。以後、舞台『ポセイドンの牙』、ドラマ『砂の塔〜知りすぎた隣人』(TBS系)、『トドメの接吻』(日本テレビ系)、映画『ちはやふる −結び−』などに出演し、注目を集める。待機作に『3D彼女 リアルガール』(9月14日公開)、『走れ! T校バスケット部』(11月3日公開)、『凜』など。また、ボーカルダンスユニットM!LKのメンバーとしても活動中。
出演作品
- 映画『青夏 きみに恋した30日』
- 2018年8月1日(水)全国ロードショー
©2018映画「青夏」製作委員会
サイン入りポラプレゼント
今回インタビューをさせていただいた、佐野勇斗さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。
- 応募方法
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— ライブドアニュース (@livedoornews) 2018年7月30日
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・応募〆切は8/5(日)12:00
インタビューはこちら▼https://t.co/xJ2P2lcvmw pic.twitter.com/4HGMTSyl3v- 受付期間
- 2018年7月30日(月)12:00〜8月5日(日)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/8月6日(月)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから8月6日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき8月9日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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