ゆうたろう「自分の変化を楽しみたい」芝居との出会いで感じる成長。

トレードマークだった眼鏡と帽子を脱ぎ去って、カメラの前に臨むゆうたろう。モデル・タレント・ショップ店員として活躍してきたこれまでのイメージからは、想像しづらい姿だろうか。前回のインタビューから1年が経ち、「この1年で、成長したって周りの方から言われるんです」と凛々しい表情で語る。今年3月のTEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」での役者デビュー後、芝居と向き合って過ごした濃密な1年。カメラに映る姿同様、19歳になったゆうたろうは、これまでとはひと味違う――!?

撮影/祭貴義道 取材・文/渡邉千智 制作/iD inc.

眼鏡と帽子を外して…「こういう自分も面白い」と思った

前回のインタビューから、お写真の雰囲気をガラリと変えた撮影となりました。
あのときは、みなさんが抱いている“ゆうたろう”のイメージ通りの姿だったと思います。可愛い服を着て、眼鏡も帽子もして…。でも去年インタビューしていただいてからの1年、いろいろなことがありました。1年のなかで生まれた変化を写真でも見せられたらいいなと思って、前回とはガラリと変えたシックな洋服にして、髪もセンター分けにしてみました。
とても素敵なお写真をたくさん撮らせていただきました。当時は、トレードマークである眼鏡と帽子はあまり外したくなかったのだとか。
(外すのは)あまり好きじゃなかったです。自分の顔周りに、ものがないと不安でした。
眼鏡と帽子を外せるようになったのは、ゆうたろうさんの言葉にあった「1年のなかで生まれた変化」があったからですか?
はい。この1年で舞台やドラマなどのお芝居の経験をさせてもらって、眼鏡をかけていない自分の顔も覚えてもらわないといけないなと思うようになったんです。実際、僕のイメージは「眼鏡」、「帽子」で、原宿を歩くにしても眼鏡をかけているほうが(ゆうたろうだと)気づかれることが多くて。でも、いろんなお仕事を経験させていただくうえで、自分のちゃんとした顔を覚えてもらいたいって考えるようになってきたんです。
とても勇気がいることだったのでは、と思います。
そうなんですけど、それこそ舞台の経験で眼鏡も帽子も外してみなさんの前に出る機会があったときに、「こういう自分も面白いな」と思えたんです。自分的にも、眼鏡を外すだけでもすごく印象が変わるなという発見があって。その変化を楽しみたいなと感じるようになりました。
ご自身でも、帽子と眼鏡を取った姿はしっくりきている?
最初は恥ずかしかったです。でも、自分自身でも慣れておかないと、と思って意識的に眼鏡を外して生活したり、自撮りのときも眼鏡なしで撮ったりしていました。最近はだんだん慣れてきたかなと思います(笑)。

はじめての現場が「初恋モンスター」で本当によかった

舞台の経験が、とのお話がありましたが、ゆうたろうさんの初舞台にして役者デビュー作は、2017年3月から上演されたTEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」ですね。主人公が恋をした長身のイケメン青年は、じつは小学5年生だった…というハイテンションラブコメディの舞台化作品でしたが、もともと、芝居への興味はあったのでしょうか?
いや、全然でした。ドラマや映画を見るのは好きでしたが、まさか自分が演じる側にいくなんて思ってもみなかったです。小学生の頃に見た、劇団四季の公演くらいで、本当に舞台を見たことがない状態でしたし…。
はじめての状態でお稽古に参加されて…いかがでした?
舞台は1カ月の稽古期間があるんですが、僕にとって共演者の方と1カ月以上同じ現場にいるというのはこれまで経験したことがなかったので、すごく新鮮でした。作品も面白くてみんなで盛り上がれる作風だったので、稽古をしているときからすごく楽しかった思い出があります。
難しさを感じることはありませんでしたか?
わからないことはたくさんあったのですが、とにかく共演者の方に聞いて解消していました。セリフに関して、「ここはどういう感情で言ったほうがいいですか?」とか「ここの会話はもっとテンポをよくしたほうがいいですよね?」とか。経験のない自分が考えても難しいことは、経験者の慣れている方に率先して聞きました。
セリフを覚える、という作業もはじめての経験でしたよね?
出番もセリフも多いわけではなかったので、そんなに…気になりませんでした。でも、とにかく読みまくって頭に叩き込みましたね。あとは稽古場に相手がいれば、練習に付き合ってもらって。「初恋モンスター」のカンパニーは年齢層もかなりバラバラだったので、全体が家族のようで、本当に温かい雰囲気でした。
現場はすごく居心地がよかったんですね。
初参加の僕を温かく迎え入れてくれて、みなさん仲がよく、アットホームな空気でした。お芝居だけでなく歌やダンス…あと女装シーンなどもあって、初舞台としてはなかなかハードルが高かったんじゃないかと思うんですけど(笑)、とても楽しく臨めました。はじめての現場が「初恋モンスター」で本当によかったと思っています。
いわゆる“2.5次元”と言われる舞台への出演についてはいかがでしたか?
原作は人気マンガなのと、僕が演じた(篠原)耕太くんが好きなファンの方もたくさんいらして…そこはすごく不安でした。でも、耕太くんのファンの方も温かく迎え入れてくれて、本当にうれしかったです。舞台ではじめて僕のことを知ってくださった方から「(舞台を)楽しみにしてます!」、「頑張ってください」ってコメントをいただいたのはとても励みになりました。
舞台出演を経験して、さまざまな舞台をご覧になるようになったのだとか。
はい。共演させていただいたことのある方が出演する舞台なども、見に行くようになりました。僕と共演したときはこういうキャラクターを演じていたけれど、こんなキャラクターも演じられるんだ! という新しい発見がたくさんあって、とても面白いし勉強になります。

LM「SB69!!」に向けて、ジムに通いはじめました!

5月からはLive Musical「SHOW BY ROCK!!」THE FES II-Thousand XVIIの出演がありました。TEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」が終わってからすぐの出演でしたね。
そうなんです。「初恋モンスター」が終わる前から「次もあるからね」と言われていて(笑)。初舞台も終わっていないのに!? と感じていましたし、そんなにコンスタントに作品の出演が続くとも思っていませんでした。
『SHOW BY ROCK!!』はサンリオ初のアプリゲームで、TVアニメ、舞台とさまざまな展開をしています。ゆうたろうさんが演じるのは、3人組のアイドルバンド・トライクロニカのリクです。
リクの演奏楽器はコントラバスですけど、そもそも楽器も触ったことがなかったのでこれも新たな挑戦でした。しかも、リクはキラキラなアイドル的存在で…。
そんなキラキラをふんだんに纏ったリクのビジュアルは、発表された際、「似合っている!」とSNSで話題になっていましたよ。
本当ですか?(笑) でも、トライクロニカ3人のビジュアルがうまくハマったようで舞台の制作サイドの方も安心していました。Live Musical「SHOW BY ROCK!!」はバンドという括りがあって、稽古もずっとトライクロニカのメンバー3人一緒で。3人の仲がかなり深まったと思います。
バンドのギター&ボーカルで、完全無欠のアイドルオーラを持つシュウ☆ゾー(鎌苅健太)と、リクの兄で活発な性格のドラム担当・カイ(木原瑠生)のおふたりと稽古を通して仲を深められた?
けんけんさん(鎌苅)がお兄さん的な存在で、気を遣ってたくさんおしゃべりしてくださいました。「ここのお芝居大丈夫?」など聞いてくださって。僕と瑠生くんは場を盛り上げられるタイプじゃないので、けんけんさんが率先してコミュニケーションをとってくださいましたね。
10月19日からはじまる、Live Musical「SHOW BY ROCK!!」-深淵のCrossAmbivalence-では、3人の仲が深まっている状態でのお稽古だったと思うので、とてもやりやすかったのではと思います。
前回の公演では稽古中に3人でご飯に行けなかったので、今回の稽古がはじまってすぐに、けんけんさんに「今日は3人でご飯に行きましょう!」って僕から誘いました。その日、瑠生くんの誕生日だったこともあって、「今日は連れて行ってください!」って。
ゆうたろうさん自ら誘ったんですね。
けんけんさんも、「距離が近いほうがうれしい」って言ってくださっていたので、僕も「じゃあ、おかまいなく」という感じで(笑)。最近は自分から率先して、声をかけに行っていますね。
3人でご飯に行って、どんなお話をされましたか?
前回の公演からの2カ月間、何をしていた? とか、この期間で見た舞台や映画の話とか、今回の舞台でのトライクロニカの話もしました!
前回の公演はライブがメインでしたが、今回の公演は芝居がメインになりますね。リクの見せ場としてはいかがですか?
前回はトライクロニカ3人で一緒にいることが多かったですが、今回はバンドの垣根を超えたメンバー同士の会話などもあるので、そこはしっかり見せないと、と思っています。リクがいろいろと頑張っている姿が見えると思うので、そこを楽しんでもらえたらうれしいです。あと、僕、公演のためにジムに通いはじめたんですよ。
ジムに!?
あはは。意外ですよね(笑)。前回公演のときもみんなで筋トレをしていて、僕も腹筋が割れかけた…くらいまできたんですけど、そこで満足して辞めてしまって。今回、腹筋を割るのと、体力も前回以上に必要になってきて、体力作りという意味でも、ジムに通っています。
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