間宮祥太朗が持ち前の“明るさ”で築いた、『トリガール!』キャストとの結びつき

体を反らせたり、片足を上げてアクロバティックなポーズをとったり…。間宮祥太朗は写真撮影で予想のできない動きを見せ、取材陣を楽しませてくれた。9月1日に公開となる出演映画『トリガール!』も、この撮影のようにパワフルなテンションで挑んだ作品だ。大学の人力飛行サークルに所属する仲間たちと、恋よりもときめく最高の夏を描く物語。絶大なパワーを持つエースパイロットを演じた間宮に、青春の思い出を聞いた。

撮影/平岩 享 取材・文/福田恵子 制作/iD inc.

立体感と勢いが、肌で感じられる作品になった

人力飛行サークルに所属する、鳥山ゆきな(土屋太鳳)、坂場大志(間宮祥太朗)、高橋 圭(高杉真宙)ら学生たちの青春を描く、映画『トリガール!』。すごく熱量の高い作品ですが、完成した作品を観た感想を聞かせてください。
画面から飛び出してくる3Dのような勢いがある作品だと思いました。脚本を読んだとき、風を切って走っているような疾走感が魅力の作品だなと感じたんですね。それを映画で体感できるものになったらいいなと思って撮影に挑んだので、疾走感が肌で直接感じられるような作品になってよかったです。
たしかに、爽快感と勢いがありました。「鳥人間コンテスト」での、たった1回のフライトのために1年間を費やす人力飛行サークルの情熱に心を動かされましたが、間宮さんは仲間との青春を描く物語に共感はされましたか?
僕自身もひとりで何かをするより、みんなでひとつになって何かに打ち込むことが好きなので、すごく共感できる話でした。
具体的に、どんな部分にアツくなりましたか?
人力飛行サークルのメンバーは、サークルの花形のパイロット班以外にも100名くらいの部員がいるんです。それこそ、3年の高橋や古沢(矢本悠馬)は3年間の思いがあるわけで。そんなみんなの思いを背負って、パイロットの坂場とゆきなは飛んでいるんだという意識を持って演じました。
坂場は犬猿の仲であるゆきなとコンビを組んでフライトを目指しますが、ふたりのかけあいは息ぴったりでしたね。
今回は坂場という役を作り込んでキャラクターをどう見せるかよりも、ゆきなと坂場がどんなやりとりを、どのようなテンポ感でやるのかということが何より大事でした。太鳳とのかけあいセリフの中で、自然と生まれてくるものがすべてなんですよね。事前にこうしようとプランを練ってやったものは、ほとんどないんですよ。
坂場とゆきなが初めて居酒屋で対面するシーンでは、ゆきなの毒舌が炸裂していましたが、あの場面もアドリブ連発だったそうですね。
その場で生まれたものを切り取って撮影してもらう感じでした。勢いでポロッと出たアドリブがそのまま採用されたんです。
凸凹コンビですけど、ゆきなに「もっと痩せろ!」と言うなど、お互いに言いたいことを言える関係性で、気持ちが良かったです。
そうそう、気持ちいいですよね。個人的な意見ですけど、片思いの圭を前にしているときのゆきなよりも、坂場に全力で毒を吐いているときのゆきなのほうが魅力的。坂場とゆきなは、お互いに全力でぶつかり合っていて、包み隠すものは何もない状態なんで。そういう関係性のほうが僕は好きです。
ご自身も好きな女性や彼女に対して、言いたいことを言うタイプなんでしょうか?
言うし、言われたい!(笑) 思ったことはちゃんと言うタイプです。坂場のことが好きな島村和美(池田エライザ)に女の子らしくアプローチされるのは気持ちいいかもしれないですけど、僕はそれよりも一緒にいて楽しい人が好きです。

土屋太鳳や高杉真宙ら、共演者との撮影エピソード

ゆきな役の土屋太鳳さんとは絶妙なコンビ感を打ち出していますが、会見では、お互いのことを「太鳳」「祥太朗」と下の名前で呼び合うほど仲良しで。
そんなにめずらしいことなんですかね(笑)。よっぽど苗字で呼ぶのが定着している人以外は、フレンドリーに下の名前で呼ぶことが多いです。苗字は家族全員が呼ばれているわけだし、下の名前で呼ぶほうがいいのかなって。僕は仕事やプライベート、どっちでも、下の名前で気さくに呼ばれたいです。
下の名前で呼ぶタイミングは決まっていますか?
いや。最初の頃、しゃべっていたときに太鳳に「間宮さんはどうですか?」って言われたので、「祥太朗でいいよ」って。僕は共演者に人見知りすることってまずないので、最初からそんな感じでした。
圭役の高杉さんとは、現場ではどんな感じでしたか。
僕は「真宙」って呼んでるけど、真宙は僕のことを「間宮さん」って呼んでいて、敬語で話してきます。真面目な真宙が「祥太朗」って呼ぶ姿は想像できないなぁ(笑)。
ちょっとキャラクターの関係性に近いですね。
ヤンキーかぶれの坂場と、思いきり理系男子の圭は男として真逆なタイプですもんね。僕は男友達とワイワイお酒を飲むのが好きなんですけど、真宙は家でアニメを観たり、自分の好きなものに没頭したりするのが好きなタイプ。そこが真宙の魅力ですけどね。自分とは真逆なタイプって言っていいのかもしれない(笑)。
たしかに、そうかもしれませんね。
真宙に「間宮さん、飲みに連れて行ってください」って言われても、僕は「やめな!」って言っちゃいますね。僕はいいですけど、真宙のようなけがれを知らない純粋な心を持った人が来る飲み会じゃない。
間宮さんが仲良しである矢本さんとのトークには、高杉さんはついていけない?
ついていけないですよ。悠馬とは汚い話しかしないんで(笑)。恋愛の話をすることもあるけど、可愛い話なんてしないですもん。でも、もうアイツと一緒にいすぎて話すことがないんですよねぇ。一時、連続で77日間会っていたことがあったんですよ。
熟年夫婦みたいですね(笑)。お話を聞いているとチームワーク抜群の現場だったことがうかがえますが、間宮さんがムードメーカー的な存在だったんですか?
いや、現場の雰囲気は英(勉)監督が作ってくれましたね。監督が誰よりも笑うし、毒を吐くし。そんな監督と一緒に騒いでいた悠馬がムードメーカーでした。
ということは、英監督と矢本さんがムードメーカーだったんですね。
和美役のエライザは現場でクールに本を読んでるんですけど、ときどき僕と悠馬の男同士の話にも入ってきてくれて。太鳳は僕らが話している内容がよく理解できないみたいで、キョトンとしているんですよ。で、エライザに「太鳳ちゃんがいる前でそんな話はやめなよ!」って言われて…。
(笑)。そこで高杉さんは?
その様子をニコニコ見ているっていう(笑)。
絵が浮かんできます(笑)。
基本、僕は太鳳をイジっていることが多かったですね。太鳳はご飯を食べるときが一番幸せみたいで、ご飯の話ばかりするんです。肉と魚、2種類用意されたロケ弁当の前で、どちらにしようかすっごく迷っていて。「昨日もお肉食べたんだよね。お魚のほうがいいかなあ。でも、お肉もおいしそうだし……」とかずっと言ってるんで、それはツッコまずにはいられないですよ(笑)。
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