今回も初陣での起用だった。前回は2014年9月5日、ハビエル・アギーレ監督の初戦、ウルグアイ戦。そのときも今回と同じように守備ラインを組み替え、連携の悪さから失点を許してしまった。そして、それ以来、酒井宏樹は招集されることもなかった。
酒井宏樹が招集されないときに、右SBとして評価を高めていたのは酒井高徳だった。内田篤人という強力なライバルに加え、さらに競争相手が増える――。酒井宏樹に焦りはなかったか。
「まずチームで結果出さないと代表チームには呼ばれないと思っていました。誰が出てもいい仕事をする、レベルが高い争いをしているポジションだと思いますし、オレには(内田)篤人君や(酒井)高徳君のようなプレーはできませんから」
それでも、監督が代わり久々の代表入りを果たす。新しくチームを率いることになったヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、大胆な選手起用をみせ、酒井宏にはまた右SBのポジションが与えられることになった。
チュニジア戦で酒井宏は守備に徹する。ヘルタ・ベルリンでプレーするベン・ハティラ・アニスと対峙し、突破を許さない。その一方で永井謙佑を生かすプレーを見せつつも、攻撃面の良さを出さなかった。そして、それは「チームのコンセプトどおりだった」と酒井宏は言う。
「前半は(永井)謙佑が前にいて、彼の速さを生かそうというのがチームコンセプトとしてありました。後半は(本田)圭佑君に変わって(香川)真司君も入ってきたので戦い方が変わって、そういうのにもしっかり対応できたのが今日の勝因だったと思います」
「もうオレは攻撃的な選手じゃないですから、しっかり守れてよかったです。自分の持ち味である、アグレッシブな守備はできました。球際の強さという部分も出せてよかったと思います。守備の一員として守れたし、柏の時のようにいつも攻撃というわけにはいかない。4人の守備の1人として役割を果たせればいいと思っています」
では酒井宏樹は今後代表でのポジションを奪うため、何を「自分だけの特長」としようとしているのか。
「今の自分の売りは身体能力です。一対一に負けないとか、基本的な守備のスタンスをしっかりとやろうと思っています。なおかつ攻撃に行ければ。攻撃も嫌いじゃないのでね。でも、とにかく守備ができないと海外ではプレーできないですから。しっかりそういう厳しさを出せたと思います」
しっかり守ってカウンターを決める。ハリルホジッチ監督がその戦術を推し進めるなら、酒井宏は有力な選択肢になっていく。
【日本蹴球合同会社/森雅史】
(撮影:PHOTO KISHIMOTO/PICSPORT)
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