[11.15 W杯最終予選 日本 4-0 インドネシア ジャカルタ]
エース不在のピッチでストライカーとしての仕事を見せた。北中米W杯アジア最終予選初先発の日本代表FW小川航基(NECナイメヘン)は前半35分、左サイドを抜け出したMF鎌田大地の折り返しのパスに合わせ、相手DFと競り合いながら優位な位置に入り込んだ。最後にインドネシアDFが触っていたため記録はオウンゴールとなったが、ほぼ小川の得点と言って良いシーンだった。
「相手の前に入っていくというところを意識していた。そういうところが自分の特長であると思っているし、たまたまのゴールではない。しっかりと相手の前に入っていたので、そこは良かった」。振り返る表情に笑みが浮かぶ。
熱狂的な応援で湧き上がるスタジアムでの一戦。日本は試合直前から大雨が降り出した影響もあって立ち上がりから守備陣が落ち着かず、ピンチを辛くもしのぐ時間帯が続いた。しかし、小川にとって敵地のスタジアムは“アウェー”ではなかった。
6月、ヤンゴンで行われたミャンマー戦で2ゴール。9月のリファで行われたバーレーン戦で1ゴール。10月、ジッダで行われたサウジアラビア戦で1ゴール。敵地で連続得点を重ねてジャカルタに乗り込んでいた。結果的に連続記録は途切れたが、「アウェーの連続ゴールは気にしていない。まずは勝つことが第一優先」とさわやかに言った。
自身の得点とならなかった悔しさをみじんも見せなかっただけではない。後半、久々の途中出場からゴールを決めた菅原由勢の得点について、このように言及した。
「ああいった彼のゴールがこのチームの強さの象徴だと思っている。(得点後に)みんながああいう歓び方をしているのがどういう意味なのか、皆さんがよく分かっていただけると思う。これがチームワークにつながっていく」
誰が出ても一定以上のパフォーマンスを発揮できるチームになってきた森保ジャパン。小川はそこに大きく寄与している。
(取材・文 矢内由美子)
PCMAX
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