バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく日本人からの質問に答えます。

読者からの相談:隣人が水を出しっぱなしで浸水

ブンさん、いつも楽しみにしております。

先週、腑に落ちない事がありました。ちょうど「DACO」を読んでいて、ブンさんの「消費者生活センターに相談できます」の文で、まずブンさんにお伺いしてみようと思いメールさせていただきます。

先日、家に帰ると部屋が浸水していました。アパートの人間に聞くと、自分と同じ階の日本人男性が水を出しっぱなしにして外出したために浸水したとのことです。 床に置いてあるもの、床に接していたカーテン、ベッドカバーなどすべてぐちゃぐちゃで、本や鞄の一部、靴などは使い物になりません(一応写真は撮りました)。

自分の部屋だけでなく、他の住人の部屋も浸水しています。被害届(損害賠償)を出したいと他の部屋のタイ人も言っていますが、原因をつくった肝心の本人が戻ってきていません。

連絡をくれるよう、ドアに張り紙をしましたが、なしのつぶて。アパート側にも勝手に引越しされる前に責任の有無の話し合いをしたいので、連絡先(携帯番号)を教えてくれ、と連絡しても何の返信もありません。

こういった場合、泣き寝入りになるのでしょうか? よろしくご回答いただけると幸いです。(在タイ者)


【ブンからの回答】

なぜ沈黙しているのか

 アパート側が相手の携帯電話番号を教えてくれないのは、個人情報に関わるので、本人の了解を得てからでないと教えられない。だけど、本人に繋がらない(から了解が得られない)ということなのでしょうか?

 今は水もれは止まっているようですから、アパート側はその日本人の部屋に入り、栓を閉めたということでしょう? いずれにせよ、アパート側は合鍵を持っていて、その部屋に入ったはずです。

 そしてもし、その部屋も水浸しになっていたなら、アパート側も本人と連絡を取りたがるはず。アパート側がなしのつぶてということは、水は外部に漏れただけで、その部屋自体には直接のダメージはなかった……のではないでしょうか?

デポジットを確保し部屋を出る

 さて、在タイ者さんの対処法ですが、アパートのスタッフだけでなく、管理者、またはオーナーまで連絡を取るべきです。

 その部屋にある金目のものを売って被害者に渡すとか、次善の策が提示されなければ、そのアパートは出ましょう。

 アパート側には契約時と同じ環境を賃貸者に提供する義務があります。途中解約してもデポジットはまるまる返ってくるはずです。

 この段階で揉めるのであれば「消費者生活センター」に訴えましょう。タイの消費者生活センターは、タイ語で「ソー・コー・ポー」と呼びます(コールセンター 1166)。消費者センターについては、こちらもどうぞ。

 水道料金は、30ユニット(1ユニットは1立方メートル)まではユニットあたり8.5バーツ(約28円)、40ユニットまではユニットあたり10.03バーツ(約33円)。アパート側はそこにサービス料や最低料金を乗せ、およそ月額100バーツ(約3300円)前後を請求します。

 資源を大切に。

(文・撮影/『DACO』編集部)