ストーリーマンガという日本のマンガの基礎を作った2名にスポットを当てた展覧会「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」が6月28日、開催に先駆けて初公開された。会場の東京都現代美術館 企画展示室では、「鉄腕アトム」や「ブラック・ジャック」、「仮面ライダー」など手塚治虫と石ノ森章太郎が手がけた作品の数々を直筆原稿や写真、映像で紹介。同日には両氏のプロダクションが参加する記者会見が行われ、関係者が開催に向けて意気込みを語った。会期は6月29日から9月8日まで。

手塚治虫と石ノ森章太郎のコラボ展の画像を拡大

 「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」展の内覧会では、初期作品を紹介するプロローグ「ここから はじまり」をはじめ、第1部「二人の出会い マンガ誕生」から第2部「爆発するマンガ 時代への挑戦」、第3部「"ちから"の本質対決」、第4部「未来へ生き続ける"ちから"」まで、2名の軌跡を辿る特別展の内部を公開。アニメーション界に大きな業績を残したマンガの神様と呼ばれる手塚治虫と、手塚治虫に影響を受けてマンガの道を志し、映像とマンガ連載を並行して行うメディアミックスの分野を開拓した石ノ森章太郎による「マンガのちから」の源流を探る。

 石ノ森章太郎と手塚治虫が発信した「マンガのちから」は読者の中に生き続け、2名の「ちから」を受け取った読者は各界で活躍している。現代作家によるオマージュを集めた第4部には、「アンパンマン」の作者やなせたかしや「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる、「宇宙戦艦ヤマト」の松本零士、「3月のライオン」の羽海野チカといったマンガ家をはじめ、佐野元春や山下達郎、ももいろクローバーZら音楽アーティスト、ファッションデザイナーのコシノジュンコなど、30名以上が両氏の発表作にインスピレーションを得たオリジナル作品を出展する。

 記者会見には、東京都現代美術館のチーフ・キュレーター長谷川裕子と手塚プロダクションの著作権事業局局長 清水義裕、石森プロの取締役 根林芳光、NHKプロモーションの展博事業部担当部長 田中良憲の4名が出席。根林は「マンガの力で世界は変えられると強く信じ活躍した2人の展覧会。マンガの持つ無限の可能性を感じてもらえれば」と話しており、同展は東京都現代美術館を皮切りに、広島県立歴史博物館や大阪歴史博物館など全国5カ所での開催が予定されている。

■手塚治虫と石ノ森章太郎のコラボ展 東京都現代美術館で6月開催
 http://www.fashionsnap.com/news/2013-05-20/teduka-ishinomori/

■特別展 「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」
 The Power of Manga: Osamu Tezuka and Shotaro Ishinomori
 会期:2013年6月29日(土)〜9月8日(日)62日間
    月曜日、7月16日は閉館(ただし7月15日は開館)
 時間:10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)
 会場:東京都現代美術館 企画展示室B2F
 観覧料:一般 1,200円(960円)/ 大学生・65歳以上900円(720円)
     中高生700円(560円)/ 小学生以下無料*保護者の同伴が必要
    ※( )内は20名以上の団体料金
    ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳の持参者と付き添い(2名まで)は無料。

■巡回館
 広島県立歴史博物館:2013年11月15日(金)〜2014年1月5日(日)
 大阪歴史博物館:2014年1月15日(水)〜3月10日(月)
 山梨県立博物館:2014年3月21日(金・祝)〜5月19日(月)
 宮城県美術館:2014年5月31日(土)〜7月27日(日)