香港株式市場は、2012年後半以降上昇基調となっています。

これは、他の株式市場の上昇と同様、主要先進国の追加金融緩和による流動性拡大や米国景気の回復期待などが背景になっています。

ただし、12月以降は、こうした外部要因に加え、景気底入れ期待や新政権による政策期待、さらには市場活性化策への期待感といった中国の国内要因が大きく影響していると考えられます。

中国の2012年10-12月期のGDP成長率は前年同期比+7.9%と、2年ぶりに加速しました。

また、12月の主要経済指標では、輸出入、鉱工業生産、小売売上高が市場予想を上回る伸びを示しました。

2012年12月の中央経済工作会議(翌年の経済運営方針を決める上で最も重要とされる会議)において「都市化の推進」が優先課題のひとつとして取り上げられ、内需拡大への期待が高まるなか、景気の持ち直し傾向が確認されたことは、投資家心理の改善に大きく寄与したと考えられます。

そして、1月中旬に当局がQDII2(適格国内個人投資家制度)の試験実施に向けた準備作業を進める方針を示し、中国本土の個人投資家からの資金流入期待が拡がったことも、相場の押し上げ要因となりました。

ここ数ヵ月の間での株価急上昇を受け、香港株式市場は、2月に入り、旧正月を前に利益確定売りが拡がる場面がみられました。

しかしながら、1月の主要経済指標において、輸出入がともに市場予想を大きく上回る伸びを示すなど、景気回復基調の継続が確認されているほか、今後は、3月5日から開催予定の全人代(全国人民代表大会、国会に相当)を経て、習近平新政権下での政策が具体化する可能性が考えられます。

こうしたことを背景に、この先、中国の経済成長に対する明るい見通しが拡がるようであれば、同国への投資魅力の高まりとともに、香港株式市場への資本流入が一段と拡大するものと期待されます。

(※データは過去のものであり、将来の運用成果などを約束するものではありません。

)(2013年2月14日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。

→「楽読」