◆第7試合ウェルター級/5分3R ディエゴ・サンチェス vs ジョン・フィッチ

飛び込んで、テイクダウンをしかけたサンチェス、ケージにフィッチを押し込んで片足タックルから、両足タックルに切り替えるが、倒すことが出来ない。サンチェスのタックルにパンチを合わせるフィッチ。それでもサンチェスはケージに押し込んで、ヒザ蹴りをボディにいれていく。差し合いの展開に場内からはブーイングが起こるが、サンチェスは打撃戦をしかけるつもりは毛頭ないようだ。一度はフィッチに距離を取られたサンチェスだったが。、パンチのフェイントから片足タックルでついにテイクダウンに成功。しかし、フィッチは体勢を返しトップを奪う。ハイガードを見せるサンチェスは、パウンドを放つフィッチの左腕を捉え腕十字へ。ここを凌いだフィッチは、コツコツとパウンドを落としながらパスを狙う。ケージを蹴って、十字を仕掛けたサンチェスの顔面に強烈なパウンドを落とすフィッチ。ウェルター級を超えたウェルター級戦士フィッチが、フィジカルの強さを見せつけるかのような1Rだった。

2R開始早々トップを奪取したフィッチだが、ハーフガード+もぐりを見せたサンチェスが立ち上がることに成功し、直後にテイクダウンを奪う。右へ右へとパスを狙うサンチェスに対し、フィッチは長いリーチを利した片足タックルで切り返す。そのまま両足を抱えて、サンチェスの体を持ち上げたフィッチが、再びテイクダウンに成功するとバックを奪取。必死に体をたたみ、両足のフックを許さないサンチェスは、体を入れ換えることに成功し、トップを奪い返す。フィッチの片足タックルに、横三角のような体勢で首を絞めにかかったサンチェスは、キャンバスに叩きつけられながら、必死でガードの体勢に戻る。三角、オモプラッタ、腕十字の連係を潰し、鉄槌を顔面に落とすフィッチ、減量苦からかいつものような切れは感じられないが、攻められながらも最後はポジションを優位にもっていき2Rを締めた。

距離をとって、ハイキックを見せたフィッチ、直後のタックルにサンチェスはギロチンを合わせる。時間をかけて、首をぬき、パウンドを落とそうとするが、サンチェスは脇を差し、有効打を受けない。フィッチの右腕を取りにいったサンチェス、腕は引きぬかれたが、絶妙のガードワークでパウンドを避け続ける。今度は左手を狙うが、これもパワーで潰したフィッチ、サンチェスは三角絞めへ。ここも逃れたフィッチがパウンドを落とす。と、ここで試合終了のホーンが館内に響く。パウンドを当てたのはフィッチ、しかし、それはサンチェスの攻めの間隙をぬってというものばかり。(たとえ打撃戦を避けるためとはいえ)スタンドでも、ガードワークでも常に積極的に見えたのは、サンチェスだったが、果たしてジャッジの判定は――。結果、29−28、28−29、30−27の2−1でフィッチ。フィジカル、戦術のUFC、果敢に攻めるガードワークは評価されないことが、再び明らかになった。サブミッション・ファイターは、極めるしかないのか。ノックアウトできなかったパウンドと、極めきることができなかったサブミッション。ガードからのトライと、インサイドガードからの仕掛け、その評価を分ける要素は、どこにあるのだろうか?

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