[ニューヨーク 4日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが下落。5日の米大統領選で共和党候補トランプ前大統領の返り咲きを見込んだ「トランプトレード」の巻き戻しが進んだ。
コーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「トランプトレードは解消されつつある」とし、「予測市場や世論調査で示唆されていた共和党の圧勝の可能性は大きく後退した」と述べた。
全般的には、トランプ氏と民主党候補ハリス副大統領の支持率は拮抗し、互角の接戦。一方、ブロックチェーンベースの予測市場「ポリマーケット」ではトランプ氏の勝率は約57%、民主党候補ハリス氏は43%となっている。
当選する大統領の政党が議会を支配することになれば、為替相場は選挙後に大きな動きを見せる可能性が高いとも予想されている。
TDセキュリティーズのアナリストはメモで、共和党が圧勝する「レッドウエーブ」なら、関税や減税、規制緩和、中国の見通しへのマイナスの影響に支えられた「米国例外主義」の記憶が再燃し、「ドル大幅上昇の引き金となるだろう」と指摘。一方、民主党勝利の「ブルーウエーブ」となれば、トランプトレードやヘッジ解消の動きが進むほか、増税や規制強化の可能性から米国株がアンダーパフォームし、「ドルの弱体化を招く恐れがある」という見方を示した。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.05%安の103.89。
ユーロ/ドルは0.41%高の1.0878ドル。
ドル/円は0.54%安の152.16円。
トランプ氏が勝利すれば、新たな関税によって打撃を受けるとの見方から売られていたオフショア人民元は対ドルで0.42%、メキシコペソも0.79%、それぞれ上昇した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.08%安の6万7758ドル。アナリストらは、トランプ氏がハリス氏よりも暗号資産に対して有利な政策を実施するとみている。
6─7日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%ポイント利下げが実施されるという見方が優勢。CMEのフェドウオッチによると、米連邦準備理事会(FRB)が12月会合で追加利下げを実施する確率は82%となっている。
ポンド/ドルは0.2%高の1.2952ドル。イングランド銀行(英中央銀行)は7日の会合で0.25%ポイント利下げを実施すると予想されている。
豪ドル/米ドルは0.43%高の0.6587米ドル。オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は4―5日に開く次回理事会で、主要政策金利のオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を4.35%に据え置く見通し。
ドル/円 NY終値 152.13/152.15
始値 151.55
高値 152.22
安値 151.55
ユーロ/ドル NY終値 1.0877/1.0878
始値 1.0913
高値 1.0914
安値 1.0875