(NY時間15:07)(日本時間04:07)
クアルコム<QCOM> 167.69(-3.23 -1.89%)

 クアルコム<QCOM>が先ほど、新製品のスマホにPC並みの性能をもたらすより強力なプロセッサを発表した。これによりデバイスは新しいAIツールを活用できるようになるという。同社のスナップドラゴンシリーズの最新バージョンには、同社が独自設計したOryonプロセッサが搭載される予定だという。本日ハワイで開催されたイベントで発表した。

 同社によると、このチップは前モデルよりも45%高速で消費電力も少ないという。同社の製品はアンドロイドOSを搭載したモバイル端末市場を独占している。そのため同社の技術更新は、世界中の多くのスマホメーカーがアップル<AAPL>のアイフォーンと競合する上で重要な要素となっている。

 同社が自社製プロセッサ設計への回帰を決めたのは、アモンCEOが自社技術への投資を強化する動きの一環。これまでスナップドラゴンのラインナップは前経営陣の下で英アーム<ARM>の設計に依存するようになっていた。

 アモンCEOが新興企業ヌビア社の買収で引き入れたエンジニアチームが開発したOryonはすでに、同社がノートパソコン向けに販売するチップの中心的な存在となっている。

 同社は「スーパードラゴンの新バージョンを搭載したスマホは、デバイス自体で生成AIベースのソフトウェアを実行する能力において飛躍的な進歩を遂げるだろう」と述べた。これにより、ユーザーはリモートサーバー経由でサービスにアクセスする必要がないことから、より迅速なレスポンスを期待できるという。

 ただ、株価の反応は限定的で軟調な推移となっている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美